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天田勝正君 今
菊川委員の
質問に答えられた中で、それぞれの
方たちが
皆さんの
見識によ
つて御
承認頂いたのだから云々と、立派な業績をや
つているという話があ
つたけれども、これは私は
承認案の性質上、そういうお前らが選んだんだから、それは立派な人なんだという言い
かたは、それは甚だおかしいのであ
つて、
承認案というものは、先ず第一次の
選考権が
内閣側にある。それから
国会の
承認を得たら
任命権がある。こういう
趣旨のものである。
国会に出されたものに対して私どものほうでは、これではどうだと言うことはできないので、出たものに対して
承認するかしないかの権限があるだけだ。だから、何だお前らが認めたんだからと、そう簡単に片ずけられ
ちやたまらんからして、こちらとしては出たものは、今日まで不満足のものがあ
つても
承認してきたが、それにはそれで
註文がついており、その
註文を
つたのを一向顧みられないというのが、昨日から問題にな
つてきたのですから、そういう前提を
ちやんとはつきり腹に入れて
お答えになられないと、
ちよつと困る。
それをお断わりしておいて申上げますが、ここへ出された人、これだけをみれば、この人は誰がみた
つて立派な人であり、前歴も悪くはない。それは
承認せざるを得ないのですけれども、ここに出ない
人たちと比べた場合に、
如何かと、こういうことになると思うのです。だから昨日以来、
一つの例をあげて、例えば
公安審査員会の
委員にここへ三人の人が上
つているが、そのうちの例えば
阿部さんという人がいる。その人は
民間にずつとおられたのだけれども、一体他の
公安審査委員会の
委員の
諸君と比べてみて、どこに
見劣りがあるか。
見劣りがあるどころか、私も
委員会の
委員の一名をごく懇意で知
つておりますけれども、その人の話を聞いても、この
委員の
諸君の中で、最も参考になるところの
意見を吐くのは常に
阿部さんだと、こういうことを激賞しているくらいだ。あの人の
論文随筆等をみてさもありなんと私も思う。そういう人が野にあるという。だからここへ出された
かただけを比較すれば、あなたの言う
通り立派な人であるけれども、ほかにもそれに比肩して決して劣るどころか、優れているという人があるという、そういう人の
選考をなぜなさらんか、こういうことである。そこでこれは改めてお聞きしますが、これ以外の人で、対等若くはそれ以上の識見ありと認める人は
政府側からみたら全くゼロだ
つたと、こうおつしやるのでありますか、承わ
つておきたいと思う。