○
政府委員(
中西實君) 仰せのごとく
争議は原則といたしまして当時者双方の自主的解決によることが最もまあ理想的なことだと思うのであります。併しながら時に第三者の斡旋、調停、或いは仲裁ということも必要になりますので、そのため特に労働
委員会制度を設けてあるわけでございます。そこで労働
委員会の行います業務は、
争議の調停と、それと
不当労働行為の判定的な機能が主ででありますが、これあたりはまあ時の政府とか、いろいろとこの政治的な勢力
関係に左右されるべきものではないのでありまして、
従つてこれらの
委員会の行います行き方は、やはり政府の一般の行政とは別に独立性を持たなければいけない。そこでその独立性を確保するために、それに付属する事務局というものが必要だといことで、
労政局と
中労委の事務局、それから府県の
労働部、
労政課と労働
委員会の事務局というものは、やはりそれぞれ別個の建前で行くべきでなかろうかというふうに
考えております。
従つて労働
委員会は日本の
現状におきましてやはり有用な制度である、これを存続するという限りにおきましては、その独立性が保持できるような機構にしておかなければならないというふうに
考えております。ただ労調法の三条にもございますように、「政府は、労働
関係に関する主張が一致しない場合に、労働
関係の当事者が、これを自主的に調整することに対し助力を与え、これによ
つて争議行為をできるだけ防止することに努めなければならない。」というふうな規定があるのでございます。なお又
争議が公共の利益に
関係して来る、公共の
福祉に
関係して来るということになりますれば、時の政権を担当します政府といたしましてはやはり無関心ではおれないということで、法規的にもいろいろと労働大臣なりが行い得る場合が規定してあります。そのほかにも特に連帯的な
争議について調整或いは必要な措置をするということは禁じていないところでございます。併しながら従来の例に徹しましても、徒らなる介入は却
つて争議を解決というよりは、こんがらかすことが多いのであります。
従つてやはり
争議の斡旋或いは仲裁は、できるだけ労働
委員会という独立性を持
つた機関において行わせしめるのがいいのじやなかろうかというふうに
考えております。