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1954-09-11 第19回国会 参議院 労働委員会 閉会後第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年九月十一日(土曜日)    午前十一時四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     栗山 良夫君    理事            井上 清一君            田村 文吉君            田畑 金光君    委員            早川 愼一君            阿具根 登君            吉田 法晴君            赤松 常子君            石川 清一君            大山 郁夫君            市川 房枝君   事務局側    常任委員会専門    員       磯部  巖君    常任委員会専門    員       高戸義太郎君   説明員    通商産業省石炭    局長      斎藤 正年君    労働省労政局労    働組合課長   山崎 五郎君   参考人    日本石炭鉱業連    合会常任理事  国崎 真推君    福岡採炭株式会    社大川鉱業所掘    進夫      古川 覚一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○労働情勢一般に関する調査の件  (駐留軍労務者の労働問題に関する  件)  (中小炭鉱の労働問題に関する件) ○派遣議員報告   —————————————
  2. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今から労働委員会を開会いたします。
  3. 吉田法晴

    吉田法晴君 駐留軍労務者退職手当等失業対策に関する決議を御提案申上げ御賛成を得たいと思います。理事会において御相談を申上げて参り、大体御了承を得て参つたのでありますが、案文につきまして会派の方々に御相談申上げておりまして、ここに印刷物を以て御相談申上げることができないのを大変残念に思いますけれども大かたの御了承を得ましたので以下読み上げます。案文従つて賛成を頂ければ大変結構だと思います。決議案文を読み上げます。   北海道に於ける駐留軍の撤退、自衛隊との交代実施に伴い、既に駐留軍労務者数千名に及ぶ離職が行われつつあるが、この傾向は全国に亘る。  米軍経費節減方針とも相俟つて、今後さらに引続き労務者大量解雇が行われる事が予想される。よつてこの際、政府駅留軍労務者に対する退職金の支給につき適切に措置すると共に、転職の斡旋、職業補導等失業対策に万全を期すべきである。   右決議する。  というのであります。
  4. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  5. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記を始めて。  只今吉田君から駐留軍関係の労働問題について決議案が提出せられております。この決議案について御意見をお述べ願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 御異議ないとの声が多数であります。これを決定いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) さよう決定をいたします。  ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  8. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記を始めて下さい。   —————————————
  9. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 続きまして、只今全国的に炭鉱関係不況状態にありますが、わけても中小炭鉱は特に極端な経営状態を示しております。従つて中小炭鉱に職を持たれる多くの労務者諸君生活につきましても、想像以上の状態が現われておるやに私どもは聞いておるのでありますが、本日たまたま中小炭鉱経営者代表の方並びに労働者代表の方を参考人としておいでを願いまして、その実情意見等を伺うことに昨日の委員会において御決定を願いました。委員長におきましてお任せを頂きましたところによつて人選をいたしました参考人は、日本石炭鉱業連合会常任理事国崎真推君福岡採炭株式会社大川鉱業所掘進夫古川覚一君の御両名でございます。  先ず国崎君のお話を承わりたいと存じます。
  10. 国崎真推

    参考人国崎真推君) 私は只今委員長から御紹介を頂きました石炭鉱業連合会常任理事国崎真推であります。  只今石炭産業が極めて深刻な不況に陥つておる、従つてこれが重大な社会問題になつておるということは、すでに皆さん御承知のことであると思います。この石炭産業不況大手中小を通じての事実でありまするが、これは決して今に始まつた問題ではありませんで、昭和二十七年の下期頃から、石炭界過剰貯炭が累増いたしまして、だんだん深刻になつて参りまして、他の産業に先んじて不況に喘いでおりましたところに、今回のデフレ強行に追討をかけられまして極度の金融難に陥つた。特に採炭条件も悪い、品位も落ちる、経営骨格も弱い、特に有力な金融機関の好悪を持たない中小炭鉱は最も深刻な惨状に追込まれたわけでありまして、端的に申しまするというと、只今中小炭鉱はその約半数が崩壊の寸前にあると、いうよりも崩壊の途上にあるというのがむしろ適当であります。そのために経営協力体である従業員各位に対して誠に言に絶するような悲惨な状況を見ておる所もあるようでありまして、この点は誠に遺憾に存じておるのでございます。  然らはこの石炭業がかような状態に追込まれた原因は一体どこにあるかということを、極めて簡単に申上げてみます。只今圏内炭生産能力といいますか、これはかねがね言われておりまするように、二十七年度は四千九百万トン、昨年の二十八年度は五万二百五十万トンと予想されまして、各年度当初におきましては、その月産の実績におきまして十分その実勢を示しておつたのでありまするが、二十七年の下期の例の大きな炭鉱ストが契機になつたとは申しながら、世界的運賃安と、実勢を離れました為替レートに便乗いたしまして、格安採算重油及び外国炭が急ピツチで増加いたしまして、国内炭需要がこれら外国商品に食われたために、石炭需給均衡が大幅に崩れたということが最も大きな原因であります。それを簡単に数字的に申してみまするというと、重油は二十六年の下期から鉱工業用として、その前一般用としては輸入がありましたが、鉱工業用として輸入始つたのは二十六年の下期であります。で、石炭需要重油に食われました数量は、二十六年度におきまして石炭換算百二十五万トン、二十七年度三百五十万トン、二十八年度は何と六百九十三万、約七百万トンになつております。合計いたしまするというと、この二年半で、二十六年は半年でありまするから、合計一千百六十八万トンというものが重油石炭消費が食われたということに相成つております。又外国炭もこれと同様に二十六年度は二百五十万トン輸入されておりまするのが、二十七年度は百万トン増加して三百五十万トン、二十八年度は更に四百五十万トンに増加いたしまして、その合計は一千五十万トンであります。この両者を合計いたしまするというと、二千二百十八万トンになるわけであります。最もこの外国炭の中には国産炭では賄えないいわゆる強粘結炭が約二百万トン入つておりまするから、これを除きましても、あと二百万トンはあり余つておる国産炭十分需給の目安はつくと、こういうことであります。一方然らば燃料消費はどうなつておるかといいますというと、これは年々伸びて来ております。つまり燃料消費といいまするのは石炭重油外国炭を入れた燃料消費でありまするが、二十六年度は四千八百万トン、二十七年度は四千八百九十万トン、二十八年度は五千四百三十万トンと逐年伸びて来ておりまするのにかかわりませず、国内炭は逆に二十六年度は四千六百五十万トン、二十七年度は四千三百七十万トン、二十八年度は四千三百五十万トンと逐年減少しております。かようなことで、この数字だけ御覧になりましても、国内燃料消費そのものは年々伸びて来ておるにかからず、重油及び外国炭といういわゆる外国商品の侵略によりまして、国内石炭産業が今日の状態に追い込まれておることは、極めて簡単に申しまするというと、それでおわかりのことと思います。  そこで只今のこの石炭廃業惨状大手中小を問いませんが特に中小炭鉱現状を申し上げてみまするというと、まず中小炭鉱がこの不況によりまして潰滅した、つまり潰れて消えてなくなつたという廃休山の数量を申し上げてみまするというと、全国で二十八年度の四月には八百四十八坑という炭鉱がありました。そのうちに二十八年度において潰れた炭鉱、これは中小のみを申し上げまするが、二十八年度において百八十七坑というものが潰れております。二十九年に入りまして四月に五十三坑、五月に三十五坑、六月には二十九坑、合計三百四坑というものが潰れて消えてなくなつた。そのうちに九州が百八十六坑を占めております。これによりまして生じた失業人員中小だけで約三万人。中小はもと約十三万人ほぼありましたのが、現在では九万七、八千人に減つております。従いまして家族を含めておそらく十数万人の人たち生活を失つておる。ところが残つた炭鉱といいましても、炭鉱自体只今のように行き語つておりまするために、賃金の遅払は、これは私どものはうでは正確にわかりませんが、一カ月ないし二カ月或いは三カ月にも及んでおるというふうに聞いております。そのために金券を発行したり或いは通張を出したりして一時糊塗しておりまするが、この金券や通帳は信用を失墜いたしまするから、一遍出したらもうあとは駄目なんです。只今委員長北海道の御視察の刷物を頂きましたが、北海道の或る一部では本年の二月から賃金という現金にはお目にかかつたことがないというような御報告があります。これはまあ労働組合の方がお見えになつておりまするから、その深刻の状況は詳しく御説明あらうと思いまするが、そのために我々の経営協力体である従業員各位に御迷惑をかけたのは勿論、その他電力料、税金、社会保険料及び附近住民に対する資材その他の支払、そういうもので四方八方に迷惑をかけまして、その金額は、これはなかなか掴みにくいのでありますが、この七月に前佐久石炭局長お話によりますというと、約八十億円に上るということを承つております。  かような次第でありまして、炭鉱の現在の惨状は、これはまあ私どもよりも労組の方から詳しく御報告があると思いますので、私はこれ以上は差控えまするが、然らばこれをどうしたらいいか、こういう問題であります。これにつきましては、事ここに至りましては、石炭産業そのものの立直り、再建という根本政策を離れましては、当面の緊急対策はなかなか考えにくいのでありますが、併しかような深刻な状態に追込まれました以上は、目先のこの危機、深刻なる苦境をどう切抜けるかという問題が浮び上ると思います。従いまして、本席の委員会のお尋ねは、長期対策という点よりも、むしろ目先緊急対策をどうするかという点に重点が置かれるやに拝察いたしますので、その点につきまして私の考えを二、三申上げてみたいと思います。  石炭産業が今日なつた原因につきましてはいろいろありますが、要するに掘つた石炭が売れない、売れないから従つて金がつまつて来る、金がつまるから炭鉱が潰れる、簡単に言いますと、そういう順序を辿つております。そこでこの緊急当面の問題を切抜けるには、売れない石炭を売れるようにどうしたらできるか、なおつまつている金をどうしたらこの危機が切抜けるか、それからまあ更にやむを得ず失業した人たちの処置をどうするかという問題があろうかと思いまするが、私は前の二点について申上げてみたいと思います。そこで今急に需要の喚起を明日から図れといつても、これは無理な話でありますが、只今貯炭は七月末に全国生産業者手持炭が四百三十万トン。これは去年の七月は四百二十七万トンでありますから、大体それを若干超過しておるという情勢であります。それで生産はどうかというと、去年の一—六月に比べまして今年は四百万トンの減産であります。四百万トン生産が減つておりながら、貯炭は前年と同様であるということは、簡単にいいまするというと、それだけ消費が減つておる、こういうことに相成るわけであります。その四百三十万トンの、これはまあ八月の十日では四百六万トンに減少しておるのでありますが、これは八月以降は季節的に若干減るというのが年々の通例でありますが、四百三十万トンのうちに、大手側いわゆる大手十九社の貯炭が三百十万トンです。で、中小は約六十万トン。その他のバランスは、いわゆる仲買業者、いわゆる商社の手持であります。現在の出炭はどうかといいますと、大子、中小を通じまして三百五十万トンの月産です。そのうちに大手が二百五十万トン、中小が百万トンです。従つて貯炭月産に比べてみまするというと、大手月産二百五十万トンに対して貯炭は三百十万トン持つておる。中小月産百万トンに対して約六十万トン貯炭を持つておる。如何にも中小貯炭の割合が少い。つまり滞貨が少いというふうに見えまするが、これはもう申すまでもなく、大手は有力なる金融機関の背景がありまするので、売れなくても掘る力があるわけです。中小は売れない滞貨を抱えては到底やつて行けないということで、貯炭が少いということは、これはやむなく炭鉱が潰れたり或は生産が縮減したりということのつまり一時的の切抜け、手を抜いたということに帰著するわけであります。そこでこの過剰貯炭を何とか需要を喚起するようにできんかという点で、現在の水主火従水従にするということを我々は申出ておるのであります。今日まで厖大に食われた重油外国炭、なかんずく重油をこの際一つ大幅に削減してもらいたい。重油の今年二十九年度の輸入計画は二十八年度と同様五百三十七万キロ・リツターになつております。このままでは七百万トンの重油に食われた石炭消費はそのままでありまするから、このうちから少くとも百万乃至百五十万キロ・リツター石炭に換算いたしまして二百万乃至三百万、これは倍になりまするから、これを削減してもらいたい。これは外貨の面からいつて石炭産業の立ち直りという点からいつても、当然必要じやないかということで政府にも迫つております。政府もそういう考えを持つておられるようでありまして、特に一例を申し上げまするというと、この十月一日からはいわゆる不急不用贅沢需要とみなされる暖厨房浴場重油は切ると、こういうことをすでに決定せられまして、法的規制をするということに相成つてつたわけでありまするが、これが諸般の政治的理由によるかと思いまするが、遂に流れてしまつたつまり暖厨房浴場あたりの油さえ切れないという始末では、到底その他の鉄鋼或いは電力、セメント、重要産業油規制はできんじやないかといういうことを私どもは今歎いておるところであります。その油の削減ということは是非貫徹したいと思つておりまするが、これは明日から間に合う問題ではない。そこで今貯炭になつておる四百数十万トンのうちの、せめて、まあ二百万トンということを言つておりまするが、これを一つ政府において買上げ準備貯炭として管理してもらいたいということを要望いたしまして、現在油業者が油でなくちやならんという主張の一つとして、石炭産業は年々大きなストをリピートしておるではないか、今石炭が余るといつてもいつ又二十七年の末のような危機に頻せんとも限らん、それで油をそうむやみに切つたのでは石炭のみでは供給の不安があるというのが一つ理由なんです。そこでそういうことであれば、今後はつまり産業を破壊するようなストは勿論ないと思いまするが、そういう場合に備えるためにも、政府において一つ準備貯炭を管理するということは、今の石炭危機を救う上からいつても、又石炭供給安定確保を図る上からいつても、適当ではなかろうか、こういうことを申し出ております。併しこの政府買上げによる管理貯炭ということは、現在の財政状態から見てなかなか困難であるとするなられば、公益事業を中心とした大口工場に一定の保有貯炭を持たしてもらいたい、それに要する資金は国の財政資金で融資をしてもらいたいという点を要求しております。今朝の新聞を拝見いたしまするというと、愛知通産大臣国鉄に対して約十億円、石炭換算にして二十数万トンの保有貯炭を持たせるというお話が出ておりましたが、かようなことは是非一つ御声明通り実行して頂きたい。これは極めて緊急即効の効果があろうかと思います。  次は、ちよと御参考のために申上げまするが、我々業界としては、国鉄及び電力に対してその要望をいたしました。国鉄といたしましては、予算の関係もあるからということで、その実現を見ませんでしたが、電力会社につきましては、九電力会社の各社長が極めて積極的に協力の心を示して頂きまして、大体電力会社で六十万トンほど一つ繰上げをとつてもらいたい。これはまあ中小込みであるということでお話いたしまして、その了解を得ておつた数量的には勿論別でありますが、石炭産業状況をよく御了解を願いまして、趣旨に御賛同を願つてつたのでありますが、御案内のような全く稀に見る大豊水のために石炭消費は減り、一方契約炭は、消費しないにかかわらず、次々ととつて頂きましたので、現在電力会社貯炭場はどこもここも充満いたしまして、物理的には収容する余裕がないというまでに相なつております。現在国鉄貯炭は約四十万トン、電力貯炭は百五十万トンになつております。国鉄は大体一三十四、五万トンくらいの毎月の消費でございます。そこで電力にも恐らく物理的に収容の余地があれば、おとり願えるかと考えております。  次は、金融問題でありますが、これは現在の金融は、政策金融は客観上許されませんので、どうしても個々の、つまりケースケースでやつて行くという、ことに相なるわけであります。そういたしまするというと、現在のように貯炭が過剰をいたしまして、その期間がいつになつて消化できるかということがわからん際には、なかなか金融機関は、つまり消化の見通しのない石炭に対して金融をしぼるわけであります。その結果、今日の中小炭鉱状態に追いこめておるわけでありまするが、これは勿論私どもといえども、八百四十八もある炭鉱が、その炭鉱が現在のまま皆切抜け得るということは勿論考えておりません。当然その中には止むを得ず遺憾ながら消えていかねばならない宿命の炭鉱もあると思いますが、現在の段階では国の経済から見ましても、生かしておかねばならんという炭鉱までが崩壊し或いは崩壊に瀕しておるわけであります。重ねて申上げまするが、二八年においては五千万トンの消費が予定されておりました。それが現在ではすでに四千八百万トンもあやしいということに相なつております。日本経済で四千万トンやそこらの石炭で立ち行くはずは決してありませんので、一旦炭鉱が潰れてしまうというと、一般工業と違いまして、これを更に復興するには少くとも中小炭鉱でも二年、或いは大手になりますと三年五年の年月を要するわけであります。従つて今のまま崩壊に任せておきますならば、やがて石炭の不足ということが必らず来ます。今日の石炭の暴落はやがて石炭の暴騰になるということに相なりまするので、生かしておかなければならん炭鉱、これは衆目の見るところ、政府でも企業診断をやつておられまするから、或る程度のラインは引き得るわけでありまするから、そういう方面に対しては、特別に何とか一つ金の行詰りで潰れてしまうということを防ぐために、特別金融方法をお考えになるのが適当じやないか。かように考えておりまして、そのことをまああちこちにお願いしておる次第であります。  私の話は一応簡単でございますが、なお、御質問があればお答えいたします。
  11. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 続きまして、中小炭鉱労務者代表古川覚一君のお話を伺います。
  12. 古川覚一

    参考人古川覚一君) 私は只今紹介に与かりましたように、炭鉱の地底において鶴嘴を握つて直接働らいておる人間でございます。従いましてこういう座席におきまして発言するというようなことは経験がございませんので、申上げますことはあと先になるかと思いますが、そこはよろしく御推察下さいまして、暫くの間お聞き願いたいと思うのであります。  只今お話のありましたように、石炭界現状或いはそれに対する方策、方法というようなことが今ありましたので、それに対することは、私といたしましては又申上げる柄でもございませんし、省略いたしまして、現在のこの炭界不況の中に喘いでおるところの中小炭鉱、この中小炭鉱の我々の兄弟、我々の同志が如何にして生活をしておるかということをここに申上げたいのであります。現在只今お話のありましたように、一月二月の遅配、欠配は無論のことでありますが、甚だしいのになると、約一年近くも一銭の給料ももらつておらないというのがこの中小鉱現状であります。それにつきまして、家庭も持つておる以上は、或いは子供を持つております、或いは親もおります、兄弟もおります。私を例に引きますと、私は八人家族でございます。お袋と、お袋の兄が拠ろない理由で、私が伯母を引取つておりますし、それに子供四人と家内とで八人でありますが、その私たち家庭、私たち同志の頼つておりますところの生活というものは、お恥かしい話でありますが、現在では売るものもないのであります。食うものも着るものもないのであります。この苦しい状態を一日も早く皆さんがたのお耳に直接入れたいというのが、今回のあれでありまして、中小鉱を私たち代表いたしまして、中小鉱の中から僅かに三円の金ではありましたけれども、或いは大手から二円の金ではありましたけれども、その資金カンパによりましたところの金で、我々はこのたび上京したのでありますが、家庭において十円の、僅かに十円の金もないという状態であります。恐らくここにおられる方々に十円の金がない、そんな馬鹿なことがあるかというようなお考えのかたもあると思いますが、これは現状であります。子供が、お父さん十円、お母さん十円と言つたときに、その十円、五円の金がないというのが実情であります。これは只今申上げました中小企業つまり炭鉱が非常に苦しい。苦しいために我々勤労者にしわ寄せして来ておる結果と思いますが、甚だしい所になりますと、子供が非常に盗みをするのです。よそのものを盗んでみたり、或いは炭鉱の中に置いてあるものを持つて行つてよそに売つてみたり、こういうことが非常に現在殖えております。学校にやるにもやれないから休ませる、そうすると休ませると、金がないから悪いことを覚える、これは一つの大きな社会問題じやないか。又我々の同士といたしましては、お恥かしい話ですが、娘を売り、或いは家内を売つたという実情は決して少なくないのであります。こういうことをいつまでも続けておつたならば、しまいには食わんがためには、或いは人を殺すかもわからない、或いは人のものをとるかもわからない。これは大きな社会問題になつて来るのじやないかと私は考えます。只今も申上げましたように、僅か十円の金もなしに、その日その日の生活に困つて、そういう自分のものは売つてしまつた。もう甚だしいのは、子供学校に行くたつた一つの靴があつた。古い靴であつたけれども、それも売つてしまつてない。着るものもない。こういう実情であります、中小鉱の……。無論大手といいましても我々と同じような経過と思いますが、大手のほうは我々より幾分か会社のあれでいいのでありますが、中小鉱のほうは只今も申上げました状態で、こういうことを長らく続けておりますと、大きな社会問題にまで発展して行くのじやないかと思うのであります。私たちが真に苦しい。事実苦しいというこの実情を切実に皆様がたに聞いて頂きたいために、今日のわざわざ私たち九州或いは佐賀、長崎の中小鉱代表としまして上京いたしたような次第でございまして、私たちの真に苦しいということをよく御認識下さいまして、只今も専務さんも申されましたような方式、或いは又それ以上の方式をとつて頂かなければ、早晩我々は餓え死にしなければならないということをここに私はお訴え申上げる次第でございます。
  13. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今通産省石炭局長労働省山崎組合課長が見えております。中小炭鉱苦境について、それぞれ労使の代表から御意見が述べられたのでありますが、これについて、それぞれ通産省、労働省でも対策をお立てになつておると思います。時間が余りたくさんありませんが、若しこの機会に政府側として所信を述べられることがありまするならば述べて頂きたいと思います。
  14. 斎藤正年

    説明員(斎藤正年君) 中小炭鉱経営面に対する対策につきましては、昨日も大臣から直接に衆議院の通産委員会で答弁して頂きました。その要旨は中小炭鉱に対する金融の問題と、それから貯炭の何と言いいますか、繰上納入の問題でございます。この点、現在拝聴しておりますと、国崎さんからのお話でも御存じのようでありますので省略いたします。労働対策といたしましては、我々の関係では鉱害の繰上施行が、一番と申しますか、殖んど通産省の関係としては唯一の問題でございますが、関係省の失業対策に関する協議会がございますが、ここで大体よろしかろうという結論になりまして、今正式に大蔵省と折衝の段階に入つております。御存じのように鉱害工事が、作業が一段落して直ぐにとりかかることになりました。それまでにははつきりきまるようにできるだけ早く一つ決定して動き出せるようにいたしたい。そういうふうに考えておる次第であります。なお、繰上と申しますか、貯炭の引取問題につきましては、今申しました国鉄関係のほかにも、そういう問題があり得るわけでございますが、これも国崎さんからお話がありましたように、電力関係につきましては、別途にこれは主として民間側の立場で話をしておいでになつて、現に或る程度行われております。従つてあとつております関係で問題になりますのは、鉄鉱の関係が問題になるわけですが、ただこれは炭の需要関係から比較的大手に集中しておるような関係がございますので、中小炭鉱関係としては、主として電力と鉄道の関係でございまするが、その他の問題については、先ほど国崎さんからお話の通りでございます。
  15. 山崎五郎

    説明員山崎五郎君) 只今石炭鉱業の経営者の国崎さん並びに福岡の古川さんから中小企業経営状況並びに中小企業鉱山に働く労働者生活の実態をお聞かせ頂きました。かねてから労働省ではデフレ政策の現れといたしまして石炭産業、なかんずく中小企業において特に不払い、遅払い、企業の整備、こういう点が行われ、労働者生活が非常に困窮しておるという状況をつぶさに府県当局並びに労働組合の組織並びに経営者等からよく聞いております。これに対する具体的政策につきましては労働大臣からその機会を得て当委員会或いは衆議院の委員会等において述べられておると存じております。が今お二人のお話を承わつて、私から特に申上げるほどのこともないのでありますが、労働者生活を憂慮し、又中小企業崩壊に対しては深く憂慮しております。これが具体的な施策といたしましては、何と申しても、金融政策の面について若干通産局長或いは先ほど国崎さんの要望もありましたが、私たちからは特に関係各省等に要望しておる点は産業政策と申しますか、石炭対策を早く樹立して頂いて、その樹立が具体的に実施されることを強く要望し、且つ考え方を述べておる次第であります。只今石炭局長からこれが具体化せんとしておるように承わりましたし、又かねて報告も聞いておりますので、これが一日も早く具体的に展開いたしまして、難局を突破することを希望しております。労働省個有の施策といたしましては、保険金の問題、或いは失業対策の面には、至らざるといえども取あえずの応急の措置はとつております。且つ労働金庫等の石炭及び造船産業に対する融資の点も数日前に決定したような次第であります。なお、出先機関の労働基準局或いは労働部が中心になりまして、通産局或いは日本銀行の支店長、こういうかたとの連絡会を持ちまして、局地的な局部的な解決の方針をもとつておりますが、必らずしも効果が十分に現われておるというふうに言えないことを遺憾に思つております。今後とも労働基準局に関する問題並びに職業出定、雇用関係に関する問題等も合せて、労働省ではこれが解決に今後一層努力したいというふうに考えております。
  16. 吉田法晴

    吉田法晴君 時間も余りございませんから簡単にお尋ねをいたしますけれども石炭鉱業或いは石炭労働者生活安定のために、いろいろ施策を要望して参りまして、或いは総合品対策を立てるという言明も政府からございました。これはそこばかりではなかつたと思いますが、他に関しては、私どもの要望から、委員会石炭を含めます総合対策について昨日のお話があつたと、こう理解しております。ところが重油の規制の問題につきましても五百三十七万キロ、それを減して三十万キロに努力すると、こういうお話がありましたが、なかなか実際にはその通りにならん。それから具体的な労金なら労金の融資の問題にいたしましても、これは阿具根君の質問に関連して労金の預託、こういうものを要望いたしましたが、最初の造船を主にしたときには炭鉱はのけられた。最近に至りまして或いは石炭鉱業対策、石炭鉱業の安定について対策が伝えられております。試案とか、いろいろなものが新聞に報ぜられております。それから前の石炭局長の時代には、そのために法律を作ることも用意しておる、こういう話でしたが、どうも新聞の模様を拝見していると、多少うやむやになりつつある。今伝えられておる対策を基準にして話をする以外にございませんけれども、鉱業協会とそれから労働者代表と二人お見えになつたことですが、差当りこの点について是非やつてもらいたい。融資或いは買上げ云々というお話もございましたが、具体的に一つこの程度のものを、こうこうこういう炭鉱危機に瀕しておる、或いは給付制限について、こういうことが、行われておるので、こういうことをしてもらいたい、こういう目の先に指をつつ込んでやつてもらわなければならん方策について、ここで重ねて両者から御要望を集約して伺いたいと思つております。
  17. 国崎真推

    参考人国崎真推君) 只今私は当面緊急対策といたしまして、一定の保有貯炭を大口重要工場に持たしてもらうということと、金融の点をお話申上げました。前段の話は只今斎藤石炭局長お話によりましても、今朝の新聞によりましても、すでに愛知通産大臣がその方面に動いて頂いておるというふうに承わつておりますので、何十万トン、何百万トンということは、こそは今申上げかねるのでありますが、その方面に是非進めて頂きたい。  次の金融の問題でありますが、これは先ほども申上げましたように、現在のこの金融状態、特に石炭産業現状から見まして、国家資金をすぐ出せといつても、出して頂ければ結構でありますけれども、それはなかなかむずかしいのではないかと私は思います。先ほども申上げましたように、将来とも国の経済から見て活かして行かなければならん炭鉱というものは、一つ一つに見れば御判断がつくと思います。そういう場合は、一律一帯には現在は許されぬ状態でありますので、この炭鉱は重要炭鉱でおつて、併してこういうことで金融面で倒れるというときには、政府なり或いは日銀方面でお世話頂きまして、一つ一つ手を打つて行くということを積極的にやつて行つて頂いたら相当の効果がありはしないかと、かように考えます。
  18. 古川覚一

    参考人古川覚一君) 只今経営者のほうからお話もありましたように、承わりたいことは燃料対策或いは失業対策資金対策こういう方面。現在先ほども申しましたように三月も四月も賃金の未払いがある。そのたに我々は食つて行けない。併し我々は、山を採掘するために腹を減らしながらも坑内に下つてつておる。然るに金ももらえない。こういうことに対して一日も早くこれの処置を講じて頂きたい。それに対しまするところの、今一番差迫つて、我々が、先ほども申しましたように、十円の金すらないという現状を打開するためには、どういう方法を講じたらいいか、どうお考えになつておるかということ、これだけを聞いて帰りたいのでありまして、どういう賃金対策、燃料対策或いは失業保険の延長、こういうことに関連いたしまして、どういうお考えを持つておられるかということを、私は切実にお聞きしたいと思います。
  19. 阿具根登

    ○阿具根登君 時間がありませんので簡単に御質問申上げます。川崎さんの御説明で早急実現を望む二点の問題は全く同感であります。併し一言お伺いいたしますのは、政府考えておるのは非常な高炭価を第一の原因に挙げられております。としますと、今のようなあり方で、或いは外国との比較をしました場合に、今中小企業炭鉱の現実を見ましても、恐らく赤字で出炭されておるとかように思います。とするならば、それが政府考えておるように諸外国と太刀打ちができる炭価になし得るかどうか、この問題であります。例えば昔のように、十五年も二十年も前のように、或いは十年も前のように、奴隷的な労働をやらせるということになれば、それは可能かも知れません。併し組合があつて、そういうこともできないでしようし、或いは諸外国が今日本がそういうことをしたならば、日本に対してどういう考えを持つかということを真剣に考えなければできないことであつて、これ以上労働者賃金を下げるとか、時間を延長するとか、そういうことは私は不可能だと思う。そういう中にあつて諸外国と太刀打ちすることのできる炭価は維持し得るか。この点について簡単に御質問いたします。  それから古川さんに御質問いたしますが、賃金が遅欠配になつて、三カ月、四カ月、長い人は半年も遅欠配になつておる。十円の金もない。こういうことを聞いて誠に私はそうだと思うのです。私も最近視察に参りましたが、非常に時間が少くてそういう点まで余り見ませんでしたが、そういう家族のかたは何をしておられるであろうか。まあ一、二お聞きいたしますと、学校にも行けない子供は川にざりがにをとりに行つて、そのざりがにを食つておる。こういうことも聞いておりますが、その生活の実態を、もう恐らく極端なところまで来ておるのは、只今の説明でわかりますけれども、主婦なんかどういうことをしておられるか、簡単に一つお知らせ願いたいと思います。
  20. 国崎真推

    参考人国崎真推君) 只今の先生の御質問にぴつたりお答えができるかどうかわかりませんが、今いわゆる輸入燃料というものに対して、日本石炭の炭価が高いということは、まさにその通りであります。従つて採算面から言つたらば、輸入炭に比較して日本炭が押される、これは当然そうなるわけであります。従つて日本経済の将来を考えます場合には、当然現在の高い炭価を合理的に下げなければならないということは、私ども業界としても当然の使命である、かように考えているのであります。然らば下げ得るかどうかということを申上げますると、現在のままでは到底下げ得ませんよ。然らばどうして下げるか。下げることが当然の至上命令であるならば下げなくちやならん。それはなぜそうなつて来るかと申しますと、これは古いことを申上げまするが、曾つて昭和三年から昭和七年に日本産業は非常な不況に襲われまして、石炭産業も同様廃休炭鉱が続出いたしました。大手といえども職員を半分にするとか、人員を三分の一にするというような非常な不況にございました。現在もそれと同様若しくはそれ以上であります。ところが当時の不況昭和三年から昭和七年に及びまして、国際的な事態の急変によつて救われたという——満州事変以来でありますが、そのときはこれは大手中小も、大手といいますと、現在のように例えば大手筋の資本構成が外国債が八五%もあつて、自己資本が一割か一割五分しかないというような経営内容ではないのです。それは大手は外国債は相当あつたにしましても、二割か三割か、そこらじやなかつたかと思います。ところが一方中小は、当時は中小石炭鉱業に対して金融機関は全然振り向いても見ません。石炭産業金融の対象になつておらなかつた。然らば資金はどうしておつたかというと、設備資金その他はこれは自力で積上げてやつて来ている。盆暮の節季の必要資金は商社、当時は仲買と言つておりますが、これが相当経済力を持つておりまして、中小炭鉱金融を賄つている。更に又顧客先が可なり、いわゆるコネクシヨンによりまして盆暮の、つまり現在でいえば突破資金といいますか、そういうものを融資しておつた従つて経営の骨格が現在と違うのみならず、採炭条件、坑内の切羽その他を見ましても、当時は大手炭鉱のごときは坑外貯炭を二年間も持つておる。坑外貯炭は堀つて積んでおくだけではない。切羽の用意をしているというくらいの余裕があつた。ところが現在の中小炭鉱は、お話がありましたが、終戦による炭鉱の荒廃によりまして、坑道は数倍に延びている。いろいろな条件が悪くなつているというような状態で、今の探炭方式或いは探鉱方式をとりましても、なかなか原価は下りませんね。そこで然らばどうしたらいいかという問題が起る。例の合理化です。大手で言いますと、竪坑、中小で言いますと、新らしい採鉱方式とか、或いは炭鉱の若返りをするということで、合理化を促進いたしまして、採算面から合理的に単価を下げるという以外には、それは労働者を鞭撻するとかいうことは今日の情勢では考えてもおりませんし、できもしない。労働君諸君も、これはもう大手中小とは違いますが、中小におきましては自分の炭鉱がつぶれるということは職場を失うということであります。貸金や能率の点におきましても相当にお互いに労資協調して生きて行こうという精神から、相当幅のある協力体制を考えて頂いております。中小ではそういうことをやつておりますにかかわらず、今のような状態でありまするから、これはどうしても何か合理化を進めて、合理的に進めて行くという以外に方法はないと思うのであります。それにつきましては今申上げましたように、現在の石炭産業の資本構成の内容からいいまして、中小といえども相当借金をしておりますけれども、その上増資にしましても、社債にしましても、借金にしましても、すでに限界に来ていると私は思つております。そこで日本石炭産業の再建のためには、これこそ国家資金を長期低利に御心配願いまして、そうして採炭方式を変えて行くということにすれば、相当年次をふめば、日本石炭の原価は下るのではないか、私はかように考えております。なお、特に今日までの融資の重点は、いわゆる戦争中に私ども言いましたように重点的に偏しまして、国家資金にしましても、そういう資金大手にややもすれば重点が置かれがちになる。中小炭鉱といえども、私が先ほど申上げましたように八百五十の炭坑全部国家政策の対象になるとは申しません、そのうちには若干の、つまり或る少額の国家資金を出して頂けば苦返りは当然できる炭鉱がありまするから、そういう点に特に重点を置いて頂きまして、必らずしもこれは私はそういうことはないと思いまするけれども大手一辺倒にならないようにお願いしたい。  なお、もう一つ申上げますれば不思議にも大手中小の割合は現在七—三です。これは昭和六、七年頃において七—三なんです。その後合理化いたしまして中小大手に食われるのではないかという懸念がありましたけれども、割合に中小中小らしい弾力性がありまして、現在におきましても七—三の割合は守つておる。そういう点から見ましても、なお原料炭を除きますると、大手中小の出炭は大体半々です。そういうふうなつまり石炭産業中小といえども重点性を持つておるということをお考え願つて、合理化資金その他についてはお考え願えれば、今直ちにというわけには行きませんけれども、相当計画性を持つて行けば、再建し得るのではないか、かように考えます。
  21. 田村文吉

    ○田村文吉君 ちよつと国崎さんに今の問題についてお伺いしたいんですが、金利の負担は今一トン当りどのくらいですか。もう一つ償却をやつておいでになるか、いないか。やつていない炭鉱が多いと思いますが、大炭鉱では償却をやつておられると思いますが、それは一トン当り幾らぐらいにつきますか。
  22. 国崎真推

    参考人国崎真推君) 大体金利は平均いたしまして二百円です、二百円前後だと思います。これは斎藤局長のほうが詳しいかも知れません。
  23. 田村文吉

    ○田村文吉君 償却はどうですか。
  24. 国崎真推

    参考人国崎真推君) 償却は私ども中小炭鉱では償却といえる償却は果してやつておるかどうか……。
  25. 田村文吉

    ○田村文吉君 いや、大炭坑はどのくらい見ておりますか。
  26. 国崎真推

    参考人国崎真推君) 正確にはわかりませんから、何でしたら、あとで……。
  27. 田村文吉

    ○田村文吉君 通産省でおわかりになつておりますか。
  28. 斎藤正年

    説明員(斎藤正年君) 今手許に資料を持つて来ておりませんが、記憶でございますが、少し数字は違つておるかも知れません。償却は大体大手炭鉱で二百円から三百円の間ぐらいです。それから中小炭鉱で百円から百五十円、それから金利は大体コストの三%乃至四%でございましたが、百五十円見当と相成つております。
  29. 田村文吉

    ○田村文吉君 この間、岩屋炭鉱のかたに証言頂いたんですが、そのときには金利は三百円から四百円までやつているというような話を伺つたので、今御説明のありました中にも、金利の負担というものがやはり大きなあれになつておる。これは私は終戦後の日本政府のやり方が税金で取つてしまつたのだから、自己資金というものを少しも残さないまでに取上げてしまつたのだから、従つて借金をして合理化をやるよりほかはない。合理化、合理化といつて名前をいわれますけれども、そういうことのために皆借金をして合理化をして来た。今その借金の金利に追われておる。それがあらゆる産業みんなそうです。石炭も恐らくそういうことになつておるのではないかと思つてつたのです。つまり償却と金利、あれは今百五十円とおつしやつたが、もう少し実際問題からいうと多いのではないですか。正確におわかりでなれけば、又後日の機会に伺いますけれども、そういう五、六百円の費用は、仮に若し引下げるとしても、併し外国の燃料に対してはまだ非常に高い、こういうことになるんですね。仮に五百円ぐらいのものは、切下げて見てもまだ外国のものに比べると非常に高い……。
  30. 斎藤正年

    説明員(斎藤正年君) 外国のものに比べるというその比べ方でございますが、現在日本に入着する値段で比べてみますと、これは産炭地九州なり北海道ではメリツトを考慮いたしましても殆どとんとん、九州あたりでは、むしろ国内炭のほうがカロリー当りで考えますれば若干安い。ただ京浜、阪神の消費市場でございますと、産炭地に比べまして千円くらい運賃がかかりますので、そうなりますと一割前後くらい高い。従つて全体平均でトン当り原料炭に比べ、現在の価格に比べまして五百円くらい高いということになります。併し実際に競争いたします場合には、特に国内の原料として考える場合には、競争国の国内価格と比べなければいけないということになるわけであります。例えば日本の競争国の一番今後の中心になります西ドイツの価格に比べましてメリツトも考慮に入れませんで五、六%高いメリツトを考慮に入れますと二〇%程度なお現在の価格は高いということになつております。
  31. 田村文吉

    ○田村文吉君 つまり外国の競争国のその国における値段と日本石炭原価というものを比べることも、それは将来必要だと思うのです。それから今差当つて向うから持つて来た場合に、京阪神における競争炭価が引合わないという厳粛な悩みがあるのだから、その点を一つ解決する方法がないかどうか。それで今申上げたのは金利の問題と償却の問題というものが、大体そんな金額にぶつかるのじやないか、こういうような気がするのでお伺いしたのでありますが、一面これは今のように非常に炭鉱労働組合の諸君が苦労していられることを考えるときは、或る程度までに生産制限しても、価格を或る程度維持して、そして引合うような方法というものを考えて行かなければならんのですが、それに対しては、これは仮りに四千五百万トン出るものなら四千万トンにして、輸入重油というものは、もうたびたびお話したのですが、或る程度限度をきめて、どうしても、緊要欠くべからざるもの以外には入れんというような工合に、今日はなさるべきもう差迫つた問題になつているのじやないか、こういうふうに私は考えます。実は炭価自体が原価が高いということは非常に残念だ、残念だけれども、事実は事実だ。今それを切りつめるといつたところで、大体或る程度以上にはできない、そうすると、やはり需給の関係輸入のものを減らして、国内のもので間に合わしてやるということが、将来の出炭量を守り、又将来の日本産業全体にやはり好影響を及ぼすことになるのじやないか、こういう点から、需要家の一部の人は或いは重油等の輸入を充実してくれたほうがいいという議論もあるでありしましようが、そういう手をお打ちになるべきもう時期になつているのじやないか、こう思うのですが、まだそうしなくても合理化やなんかでできるということで、安易に問題を解決なさろうという点に、私は無理がある、そう思うのです。これは一つどうお考えになりますか。
  32. 斎藤正年

    説明員(斎藤正年君) 重油輸入炭が現在石炭の競争原料とし、直接問題になる。輸入炭につきましては実はもう本年度の当初から、昨年は輸入炭五十、鉄鋼につきまして輸入炭五十に国内炭五十の割合でありましたのを、上期は国内炭五十五、輸入炭四十五に切下げました。下期は更にそれを国内炭を六十にし、輸入炭を四十にしよう、これは非常にまあ技術的にむずかしい問題がございますので、逐次技術的に慣れて行くに従つて切りつめて行くという方針で、今のところこれは鉄鋼部門も協力して最大限度にやつておると思つております。技術的に無理を来たさない限度において逐次国内炭に切換えたい。それによつて若干コストは上りますけれども、それはまあ忍んでもらうということでやつて来ておるわけでございます。重油につきましても、現在重油の使われております用途が国家的に最も緊急な用途だけだということではございませんので、為替の制限の関係からいたしましても、当然或る程度には制限すべきである。ところがそういうことで、五百三十七万キロを、野放図に野放しに使いますれば、六百八十万キロくらいになるであろうというところを、五百三十七万キロで抑えるということで通産省の方針がきまりまして、その線は現在でも固く守つておるわけであります。なお、今後今までの実施状況から見まして、下期につきましては更に特に我々石炭側としてはもう少し削つてもらいたいという考え方を持つておりますが、又通産省全体といたしましても、非常に無理を来さない限度においては削りたいという考えを持つておるのでありますが、同時に油の場合におきましては、中小企業に非常に影響するところが多いというふうな面から、やはり急激に圧縮するということが非常に困難な事情にあるわけでございますが、建前といたしましては、日本産業全体の合理化を妨げない限度において、今仰せられましたような趣旨でやるべきであると、我々は思つておるわけであります。
  33. 古川覚一

    参考人古川覚一君) 只今の阿具根先生からの御質問の家族のものはどうしておるかということでございましたが、再三申上げますように、極端に申しまして一円の金もないという状態でありますので、家内は内職を専らやつておるようでありまして、結局道路の修理に県庁あたりから行くとか、或いは百姓の家に稼ぎに行くとかいうような方法をやつておりますが、これすらも雨が降つたとか何とかしますと、一月が一月あるわけではないのでありまして、女子がやることでありますから、一月に十日の仕事ができれば大できじやないか、こういう状態ですから、子供はそのために、親が働くから学校に行かれない、弁当もないから学校に行かれない、小さい子の守りをしなければならん、或いは世話をしなければならん、そういうふうな関係で、先ほども申しましたように、おのずから子供は自然とよそのものを盗んで食べてみたり、或いは畑の芋を掘つてみたり、こういうことが徐々に起りつつあるというのが現実であります。
  34. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 実は今田村委員からも重ねて御質問がありましたし、従来しばしば言われておる、要するに、石炭の、消極的な今のように現在の貯炭をどうするとか、或いは出て来る失業者をどうするか、こういう消極的な対策は、これはやらなければなりませんが、積極的な石炭対策をどうするかということは、しばしばこの委員会の問題になつておる。特に外国炭の圧力がこうさせておるわけですから、外国炭に対抗し得るような工合に日本石炭はならないものかということについての御議論が今までありました。或いは価格の面、或いは質の面においてありましたが、これについて通産省のほうからはまだどうもはつきりした資料というものが提出になつていないわけです。これは約束願つておるけれども、割り切つた最後の案というものは私はまだ提出になつていないと思います。従つてこういう状態で、何回委員会を開いても、我々も安心できないし、石炭業界、石炭労働者、諸君も安心できないと思います。従つて政府も新経済政策を発表せられるという段階まで来ておるわけですから、当然それまでに石炭対策というものも具体的にはつきりしたものが出ると思うのですが、そういうものを一つ至急委員会に提出をせられて、特に説明をせられたいと思います。この前のときに田村委員から石炭というのは戦前の千倍になつておる。これじやとても重油を抑えようと思つても抑えられない。こういうお話がありました。重油と同じ燃料価値があれば、使用上の不便は国産愛用の点で我慢しても使うけれども、その点はどうだと言われたときに、政府のほうでは千倍になつておりません。四百倍くらいですというので、言葉が分れて、それならば実際に一つそういう千倍か四百倍か、がつちりした資料を出してもらいたいと、こういうことになつておるわけですが、出しましようということでそのままになつておる。これではいつまでたつても問題は解決しないので、政府で早く一つ結論を出してもらいたい。  それからもう一つ私伺つておきますが、この頃私は個人的に国産愛用運動を起そうと思つていろいろ調査しております。そうしますと、誠に不思議なことには、要するに輸入業者といいますか、外国品のデイーラーになつて、或いは完成品或いは組立品、自動車などいろいろなものがあります。別に重油石炭だけではなく、そういうものをずつと当つて見ますと、今外貨節約のために輸入をどうしても抑えなければならん。国産資源或いは国内品を使つてやりくりして行かなきやならんという重要な時期にあるにかかわらず、外国の製品を入れるために、或いは政界の人が、或いは曾つて官界にあつた古いおえらがたが裏に暗躍をして、輸入抑制のために逆の動きをしている。輸入増進の動きをしておるというような実態を、僕は若干掴んでおるのですが、そういうことを通産省でお気付になつておりませんか。私は具体的に二、三の例を持つております。いつか発表しようと思つておりますが、国会、或いは国のことを憂いておる人が一生懸命やつてつても、他のほうで河原の石積をどんどん崩しておるような動きをする人がおるので、これはできないと思う。そういう点をどういう工合にお考えですか。その点を一つ伺いたい。
  35. 斎藤正年

    説明員(斎藤正年君) 石炭の総合対策につきましては、これは折角我々のほうも勉強いたしております。昨日も通産委員会で大臣からも申上げましたが、近いうちにはつきりした形で、一つ申上げるような機会を得たいと思つておる次第でございます。考え方の根本といたしましては、さつき国崎さんからもお話がありましたように、日本の坑内構造というものが、根本的に、殆んど機械で言えば使用に堪えない程度に老朽化したと言つていいような状態にある。それが根本的な石炭状況でありますから、それを直すということが石炭の根本的な対策、一時的な対策を強くやりまして、それで石炭が一時的に安定するというようなことでは、いつまでたつても、絶えずこういう問題が続発する。そういうことのないように根本的に石炭の対策を考えなきやならんというつもりでおります。  それから重油なり輸入炭なりと国内炭とのメリットの比較について資料を出せということでございますが、私要求のあつたことをちよつと失念しておりましたわけでございますが、すぐお出しいたします。
  36. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) その点もう一遍私申上げておきますが、要するに戦前の基準年度、戦後の石炭分布、今日の石炭のこういう事情に追込まれた、少くとも三段ぐらいに分けて石炭の各品種、山の種類ごとくらいの原価計算を出してもらいたい。こういうことだつたんです。率直に申しますと、そういうことですね。償却とか利子とか全部含めて、総括原価の計算書を一つ出してもらいたい。
  37. 田村文吉

    ○田村文吉君 それはこの間岩屋炭鉱のかたが来て、一体原価が一トン三千五百円かかる、それを三千五百円で山元で売つておる、こういう話があつた。三千五百円かかるというと、昔の昭和十年の基準年度の時分においては、山元原価は三円五十銭ぐらいでなかつたか。そうすると約千倍になるじやないか。余りにその石炭というものは、私も知つておりますが、上り方が実にひど過ぎた。併しそういうことにしてしまつたこと自体は非常に責むべき点があるけれども、現在ではそうなつておるものを急に下げるというようなことはできないのだ。だからどうしてこれを救済する方法考えるかという問題から、輸入重油に対して、それが圧迫しておるならば、それを或る程度、抑えつけて、そうして国内中小企業が先ず一生懸命で勉強して掘つてくれればどうにかなるのだというところまでぐらいは一つはできないか、こういうことを我々は念願したわけです。そういうことをしないでおくということで、日本炭鉱を全部潰滅さしてしまつたならば、今後の日本産業というものは非常に困る。困るからやはり或る程度これは推持して行かないと困る。その意味で今日は若干の値が高くても国内のものを使つて行くという習慣をつけて行く。こういう意味でこの間実は申上げたのです。今の炭価千倍という問題と四百倍という問題の事の起りは、岩屋炭鉱のかたからそういう御説明があつたについて、私が御質問したのです。そういう意味です。
  38. 吉田法晴

    吉田法晴君 これは長い話はできませんが、重油を五百三十七万キロ。
  39. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと待つて下さい。その前に輸入抑制に対して国内の有力な人々が逆な動きをしておる現象があるが、そういうことはあなたは御存じかどうか、それをどういうふうにせられるかということを。
  40. 斎藤正年

    説明員(斎藤正年君) これは私実は石炭関係だけしか担当しておりませんので、ほかの部門については実は何とも申上げようがないわけでございますが、石炭関係は御存じのように、需要家は鉄鋼とガスだけであります。これは一つのきまつた数式と申しますか、計算方法によりましてごく簡単に出ます。契約先もごく長期のものばかりでございまして、今お話のような点は私はないものと思つております。ただ他の部門につきましては、これは相当現在の日本の物価の状況から申しますれば、かなり輸入利益のあるものでございますので、そういう点が全然ないというような点について私が申上げるような何はございません。
  41. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) その点は今日大臣がお見えになつておりませんから、いずれ明らかにしたいと思いますが、どうか一つ通産省のほうにお帰りになつたら、我々がそういうことを非常に関心を持つて、いずれ明らかにせられたいということを、一つ伝えておいて頂きたい。私は或る程度具体的なことを調べておりますから、幾ら我々が輸入品を抑制して国産愛用運動をやろうと思つておりましても、これだけ政界の有力者や曾つて官界におつた有力者などが暗躍して輸入促進運動を一生懸命やつてつたのでは、到底できないと私は思う。自分が生きるためには結構ですけれども、国全体としては大変なことですよ。私は今の疑獄、汚職事件の追及が一番大事だと思いますが、その次に摘発してやらなければならんことは、そのことだと思つております。それをやらなければ、とても日本はうまく行かない、こう考えております。この点を一つ所管省としてはつきりせられたい。
  42. 吉田法晴

    吉田法晴君 今までの答弁で抽象的には話がありましたけれども、はつきりいたしませんから、念を押しておきたいのですが、これはまあ石炭局長と組合課長ですか、労働省代表にお尋ねしておきますが、五百三十七万キロを輸入するということになると、石炭換算にすると千七十四万トン出るということになる。それに石炭が入る、外国炭が入る。そうすると、重油石炭換算して、石炭を四千三百万トンに削つた計算をしても、五千三百万トン、四百万トン近い数字になる。それに外国炭を昨年と同様に四百万トンにしたつて五千七百万トン、そうすると、これはまあ五千万トン、消費の現在の経済規模を拡大するという点もありますけれども、今年或いは今のような状態で、石炭なり或いは重油が殖える、いわばオーバー・プロダクトということは事実です。そうすると、中小炭鉱だけでなしに、或いは九州で言いますと、大正鉱業だとか或いは麻生、貝島、こういうところまでこれは来ることは当然であります。そこでその問題もございますので、それらを含んで、石炭鉱業についての施策を立てる、今のお話では近いうちに申上げるようになりたい、こういうふうなお話でありますが、事態はそういう悠長なことではないのです。それから委員会としても、これは十九国会の終りまでに総合対策を立ててもらいたいということを申上げた。ところが今日に至つてもはつきりしない。自由党も新経済政策を立てておられるようですが、経済審議庁が経済新政策大綱案を立てておられるようですが、それを見たつて石炭重油電力、薪炭等エネルギー資源の経済的利用に関する総合対策を確立する、これから確立するというようなことなんです。誠にどうも百年河清を待つじやありませんが、悠長な話であります。その間にはどんどん山が潰れて行き、或いは失業者が出て行く、こういうことになる。それでは私たち許しておけんと思う。今出されております試案、それから近いうちに申上げるようになりたいと言うのですが、案について、今考えられておりますような案、或いは根本的な需給関係を含みます石炭鉱業対策案をいつ立てられるか、或いはいつ御発表になるか、その点を一つお話願いたい。  それからもう一つ、例えば国鉄の買取り、或いは鉱害復旧、これは唯一の失業対策炭鉱関係のお仕事でありますが、これは見通しがついた。ところが労働省のほうは、労金融資云々ということを言われましたが、先ほどきまりました労金融資は、これは造船だけだと承知をしている。そうすると、給付制限その他についても多少触れられましたけれども、実はこれはまだはつきりしておらない。労働省のほうは何にも炭鉱関係の労働対策については立つておらん、こう申上げても過言でないと思います。労金融資の問題についても、石炭関係から始まつて、この委員会で要請をして、それから着手された。これはもう間違いない事実であります。これではならんと思います。先ほど労働者代表から具体案を開いておきたい、こういうお話がございましたが、委員会としても、今まで要望をして来、そうして具体的な方法を指示して要請をして参つて来た経過からするならば、甚だ遺憾千万である。もう少し具体的に、若しここで言明ができなければ、いつ頃までにどういう対策を示し得るかということを御明答を頂きたいと思います。
  43. 斎藤正年

    説明員(斎藤正年君) 我々の考えておりますのは、石炭問題を根本的に解決する方策をこの際確立したいという考え方でございます。そうなりますと、相当従来の基本的な対策に比べて、かなり思い切つた措置をとつて頂かなければなりませんので、関係省の間に一通り大体の趣旨について了解がついてからでなければ、ちよつとむずかしいという感じがございまして、今その関係をやつておる段階でございますので、もう暫くお待ち願うと言う以外に、ちよつと私としてはいつという具体的に申上げるような段階には至つておらないように思われます。  それからちよつと今お話がありました油と輸入炭の問題でございますが、五百三十七万キロと申しますのは、内燃機関用のものを全部含んだ数字でございます。それから石炭でなしに重油でなければならない、従来から重油を使つてつたものも含んでおりますので、石炭に転換されたものにはそのような数字になつておりません。それから輸入炭も昨年四百五十万トンでございますが、今年は三百万トン近いところまで圧縮をしたいという考え方でやつておりますので、この点は私らといたしましては、技術的に最大限度に近いところまで持つて行きたい。そのつもりで、これは我々の所管でございますから、努力いたしたいと思つておるわけであります。
  44. 山崎五郎

    説明員山崎五郎君) 具体的な施策をどのように行なつておるかのお尋ねでございますが、この詳細な資料等も持合わせておりませんが、失業対策の面については、北海道初め九州石炭鉱業所に対する失業対策費の増額或いは失業君の公共事業への吸収、こういうようなことをやつております。  なお、労使関係の問題につきましては、実は労使関係の問題を通り越したような事態になつておるというような現状で、労使間に紛争がないほどの状態になつて来ておる、或いは石炭鉱業所の状態が悪いということが言えるような状態にあるとも思われますが、その点につきましては、労使関係の話合い、労使協調というような点には我々から指導するようなことでなく、むしろ積極的に労働組合経営者と話合いを進めて、我々としても考え得られるよい結果を生んでおると思います。併し何と申しましても、現在の石炭鉱業の労働問題の根本は、産業政策、石炭の事業計画が速かに樹立せられねば、労働関係の問題もこれぞと直ちにとり上げる問題もない。どういたしましても労働関係に関する限りは消極的な政策になりつつあるということは否定できないと思います。賃金の遅払等の問題にいたしましても、経営者を幾ら責めても、現実の問題としては出て来ないというような現状は、労使双方とも或いは第三者とも目のあたりに見ておるというような状況でありますので、この点につきましては、今まで如何なることをとつて来たかというような点につきましては、関係局と打合せの上で、適当な機会にその資料を出したい、こういうふうに考えております。
  45. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  46. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記を始めて下さい。   —————————————
  47. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 次に派遣議員報告を議題にいたします。ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止
  48. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記を始めて下さい。  各般の報告書につきましては、すでに各派遣議員の間におきまして協議されまして、でき上つておりまするが、時間の都合もありますので、この際、朗読を省略して、会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 御異議ないものと認めまして、さように取扱いをいたします。  では、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十三分散会