○
説明員(百田正弘君) 只今二つの問題についてお尋ねにな
つておる
ようでありますが第一に国連協定の問題でございます。協定自体がいつ頃調印されるのか、どういうふうに進んでおるかということにつきましては、これは外務省で折衝しておることでございますので、私から申上げることはできませんが、その中にございまする間接雇用の問題につきましては、すでに当
委員会におきましても、その点につきましての強い御要望もございまして、我々といたしましても、そういう方向で、
関係のある向うとの折衝には出席いたしたのでございますが、現在までのところは、一応こちらにおりまするところの英濠軍
関係におきましては、間接雇用に異存がないということで、本国に請訓中であるということを聞いております。見通しといたしましては、これは国連協定自体の問題になり
ましようが、これが成立した暁には間接雇用になる見通しが強いのではないか。こういうふうに
考えております。これに対する受入
態勢の問題でございますが、これにつきましては、我々のほうといたしまして、当然、間接雇用となりますれば調達庁が法律上の雇用主になる、こういうことになろうかと思いますので、現在、呉に大部分、
あとは山口県の岩国、東京の恵比寿にあるわけでありますが、切替が円滑に参ります
ように、これも現地に、ほかの双務契借と同様に現地に委託する
ようになろうかと、こういうふうに存じますが、
関係府県におきまして切替のスムースに参ります
ように、まだ公式にやるわけには参りませんが内々準備を進めておる
ような状況であります。全員が間接雇用になるかどうかという
ような点につきましては、原則としてさ
ようになるものと
考えます。ただ
アメリカの場合におきましても、いわゆるドメスティックサービスとい
つたようなものにつきましては、多少直傭の形として残るものがあるのじやなかろうかという
ように
考えられますが多少
アメリカとイギリスの違うところもあろうかと思いますので、できるだけ全員が雇用になる
ようなふうに努力して参りたいと、か
ように
考えております。
第二に、日米労務基本契約につきましてのお尋ねでございますが昨年の十月一日に基本協定に調印いたしましてから四カ月ばかりた
つております。その間におきまして、実はこの日米労務基本契約というものは、先般調印いたしました基本協定のほかに四つの附属書と五つの
労働政策指令というものがございまして、全部で十から成
つているものでございます。この附属書の並びに二というものは給与
関係の問題でございまして、これが現在出ている原案といたしましては、職階職務級制を準用するという
ようなことで出ております。附属書三というのは管理の手続、四が船員とい
つたようなことにな
つております。それらの点につきましては、
日本政府といたしましての対案をそれぞれ提出いたしたのでございますが、これに対しまして更に米側から
日本の対案に対する又対案が来る、それに対して又対案が来るという
ようなことで折衝が続けられているわけでございますが、一番そのうちで遅れておりますのが給与
関係に関する附属書一、二でございまして、これは先方でも特に
委員会を設けまして研究いたしておりまして、昨日から再び交渉が再開せられたという
ような状況にな
つているわけでございます。
で、なぜか
ように早く進まないかという
ような点につきましては、いろいろな
関係もあろうかと存じますが、第一に、交渉の相手が例えば市ケ谷の極東軍司令部だけであるという
ようなことであれば簡単でございますが、それぞれ陸海空の三軍がございますし、これらの三軍が
予算に
関係のある事項につきましては直接ワシントンに結び付いているという
ような
関係で、この三軍の
意見の調整ということに非常に時間がかか
つている。
従つて我々が折衝いたします場合におきましても、こちらの提案を受入れられないということならば、向うは簡単に返事できますけれ
ども、こちらが突張
つて参りますと、一応その場では返事ができない。又三軍の
意見を調査せねばいかんという
ようなことで、今日までや
つているのでございますが、だんだん問題が狭められて参
つております。併しながら、まあこれは早くできたほうがいいか、多少まずいところが、不満足なところがあ
つても早くできたほうがいいか。或いはとにかく最後まで通すという
ようなことで行くかという
ような点につきましては、いろいろ
考え方もあろうかと存じますが、我々といたしましては、今のところ、とにかく主張すべきはするとい
つたようなことで進んで参
つているのでございまして、これが併しながら現行契約よりはかなり進んでいるという
ようなことにもな
つておりますので、まあでき得べくんば一日も早くこれを完成いたしたい、か
ように
考えまして努力中でございます。更に本契約自体がさ
ように遅れておりますために、この十の部分が全部両者で合意を見た暁に発効する、こういうことにな
つているわけでございますが、併しながら先般の基本協定調印の際の
アメリカ側との了解事項といたしましては、両者の明確な合意によ
つて、できるだけこの基本協定に盛られた事項の合意いたした分については部分的に事前に発効して行こうという了解もありますので、我々といたしましてはこの方面にも努力をいたしまして、先般二月の二日に、このうちの保安に関する条項、これのみは、現行契約の附属協定という形ではございますが、これを部分的に発効せしめた
ような次第でございます。
なお、先ほど
お話にごさいました地労委の決定等について、契約が発効しないからこうした事態が起るという
ような
お話もございましたけれ
ども、この点につきましては、
アメリカ側といたしましは、地労委の決定なり或いは裁判所の判決にいたしましても、
自分のほうが不利であるというものについては飽くまでも最後まで争うべきだという
ような
考え方を持
つておる。又これが
アメリカにおきまする習慣でございますかどうか、とにかく損失をかけることを……勝手に訴訟の手段をいい加減に放棄しちやいかんという
ようなこともある
ように聞いておりますので、そういうことで、向うが地労委の決定があ
つて不利であれば中労委に持
つて来る、こういう
ような
考え方をいたしておる
ようでございますが、我々といたしましては地労委の決定があればできるだけ
一つそこで呑んだらどうかということで折衝を続けておりますが、
アメリカ側の
方針といたしましては、そういうふうなことで中労委に持
つて来る、こういう
ような形にな
つておる。これが現状でございます。