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政府委員(三橋則雄君)
只今の御
質問の前段の点につきましてお
答えいたします。旧軍人及びその遺族のかたがたに給しまする恩給の請求手続の簡素化につきましては、今の
高橋委員の仰せられますように、できるだけ簡素化に努力いたしたいと
思つておりますし、今までもして来たつもりでありますが、今後も努力することにいたしたいと
思つておりまするところで援護法によ
つて紬されまするところの遺族年金の受給者の範囲等につきましては、必ずしも恩給法におきまして給せられる扶助料の受給者の範囲と同じでありませんので遺族年金を請求された人にそのまま扶助料を給するというようなことにもいかないと思われるのであります。その他恩給制度とそれから援護法の制度との違いから来まするやむを得ない関係からいたしまして、若干手続が煩瑣に
なつているようなきらいがないでもないと思いますが、できる限り事務の簡素化につとめて行きたいと
思つております。
それから事務の進捗
状況についてのお尋ねでありますが、御承知の
通り、旧軍人の中で傷病軍人の人々に対しましては、従来から増加恩給が給されてお
つたのでございます。この増加恩給につきましては、先般の改正によりまして増額改正されることになり、その増額改正の基本の額につきましては、恩給局におきましていわば職権を以て改定することにな
つております。この点につきましてはすでに昨年の十月前後に全部の手続を完了いたしまして、大体おおむね十月の支給期には全部支給するような運びにいたしたのであります。ただそういう方々に家族があり、その家族につきまして、家族加給が給せられる方々につきましては、本人からの請求によりまして給するような建前にな
つておりまするので、そういう方々につきましては御本人の請求によ
つて家族加給の適用をいたしまして、増加恩給の基本額を改定しているような次第でございます。この家族加給の改定の手続につきましては、今は殆んど全部終
つてしまつているところでございまして、若干残
つているのがありまするがそれは数百件にも足りません。従いまして四月の恩給支給期までにはこれも全部処理し得ると大体
思つております。これはこういうふうに遅れて参りましたのは、どういう理由で遅れて来たかと申しますと、昨年の十月前後に先ほど申しまするがごとくに、基本の金額につきましての改定をいたしまして、それぞれ本人のところに通知をいたしました。大体十月の支給期に恩給の支給ができるように取計ら
つたのであります。その後家族加給の改定請求書を受理しましたが、何分申しまして十一月、十二月の短期間に数万件の書類を恩給局に出されましたものの中には、不完全なものもございますし、又早急に処理も私
どものほうでできかねたものでございますから、一月の恩給の支給に間に合うように一応書類をお返ししまして、そうして恩給の支給を受けた後に改めて請求を出して頂くようなふうにした方も相当あるのであります。そういう関係からいたしまして今日まで若干遅れて来ているのが実情でございまするが、大体四月の支給期までには殆んど完了するように取運びたいと
思つてせつかく努力いたしております。
それからそのほかの家族や遺族のかたに給する扶助料であるとか、老令軍人その他のかたがたに給するいわゆる普通恩給問題でありますが、これらの人々に給しまする恩給につきましては、大体昨年の十一月の末から十二月の初めにかけまして、各府県から厚生省のほうに書類を出され、恩給局のほうに書類が出されるようになりまして、昨年の十二月の半ば頃から本格的に大体書類が出て来るようにな
つたような状態でございます。勿論昨年の八月に恩給一部改正法律が
国会を通過いたしましてからでき得る限り早く恩給の支給ができまするように取運んで来たのでございまするが、何と申しましても、恩給局の機構の整備とか、その他からいたしまして、いろいろと手間どるような事情でございまして、心なくも若干凝れたような次第でございます。その後今年になりましてからかなり書類が託て参るようになりまして、
只今のところでは恩給局に参
つておりまする書類は大体今のところでは日に六十件前後の書類が参
つております。今日の
状況におきましては六十件内外の書類が到達しておるような
状況であります。恩給局におきまして今書熱処理の件数は大体どれくらいかということになりますと、五千件を翻す処理をいたしたことも勿論最近においてはございまするが、確実に、と申しますれば、大体四千件から五十件くらいの処理をいたしております。恩給局におきまして今までに処理した件数は、今日の件数は実は私まだ承知いたしておりませんが、二、三日前に私
どもが調べましたところでは、二十七万件を処理いたしておりまして、十三万件ばかり恩給局に溜
つておるというような状態であります。
審議中の書類が十三万件ばかりでございます。恩給局の職員はどれくらいかと申しますと、本職員と言いますか、雇員は二百一人でございます。それからアルバイトと言いますか、臨時職員で雇
つておりますのが、九百人余りでございまして、総計いたしまして千百人余りの職員でございます。御承知の
通り恩給の中にはいろいろな種類がございまするし、又その裁定の事務は各種恩給によ
つていろいろ通
つておりまするので、本職員の
諸君は一方におきましては恩給の裁定の事務に従事いたしますと同時に、今申上げたようなアルバイトの
諸君を片方におきましては教育しつつ恩給の裁定の事務を進めておるような実情でございますが、さようなことからいたしましてアルバイトの
諸君を恩給の裁定事務に十分馴れさせるまでには若干の日時がかかるわけでありまして、それまでは少しはかぞれしく行かない点もないではありません。それからアルバイトの
諸君は主に学生の
諸君でございます。学生の
諸君ばかりではありませんが、学生の人を多数使
つております。その学生の
諸君はこの三月、二月の学校の試験或いは卒業後における就職その他からの関係からいたしまして、かなりアルバイト職員の間に異動があ
つたのであります。そういうようなことからいたしまして現在におきましては先ほど申上げたような書類の件数でありますが、恩給局におきましては職員の研修とかいろいろな方を講じまして、目下のところの人員におきましては七千件くらいを目標といたしまして一応処理するような
考えで計画を進めておるような次第でございます。従いまして今恩給局において審査中の件数はかなりあるのでありますが、職員を事務に習熟させますると共に、これは逐次審査を終了して、今
高橋委員の仰せになりましたように一般の受給者の心に副うて裁定して行くようにできる限りそういうように努力いたしたいと
考えております。