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木村禧八郎君 今度二十九年度
予算を組まれている保安庁費は、二十八年度国庫債務負担行為を今度は支払行為として計上されているわけです。それが前提にな
つているわけです。而して国庫債務負担行為というものがこれで今繰越ができないことにな
つて二十八年度に発注しないとなれば、それを前提として
予算自体が実は問題になると思う。新規計上になると思う。全く新らしい計画になるのでございまして、それは二十八年度の国庫債務負担行為を前提とした
予算の組方でないわけです。新たなる事態の発生によ
つて即ち発注できなか
つたということにな
つて、これは非常に問題が起ると思う。
予算編成上それはいけないのです。今度の百二十四億は国庫債務負担行為として当然二十九年度に編成されるという前提にな
つているのです。この点問題なんです。
それからもう
一つ、保安長官に伺いたいのですが、この前
質問したのでありますが、保安長官お見えにならなか
つた。そのいわゆる設計とか契約が遅れている理由についていろいろ世上では取沙汰されているのです。非常に不明朗な問題が取沙汰されております。これは法務省でも取調べるということは犬養法務総裁も約束いたしましたが、それは受注についていわゆる競争があ
つてそうして或る一定の所になかなか発注できない。而もそれを政党
関係で押えているというようなことが世上伝わ
つておるのです。実は設計については昨年末長官と増原次長と相談されて大体きま
つたとか言われてお
つたのですが、依然として発註されないことについては単なる設計とかそういうものの遅延ではなくて、それも多少ありましようけれ
どもそれより競争会社があ
つてどちらに許していいだろうかわからない。而も献金があ
つた関係上他方に簡単に許せない。例えば二幕のほうは軍艦の経験のあるところに造らせたいが、他方においては経験のないものが政党に献金しまして自分のほうに註文を取ろうとしている。そこで例えば二幕のほうでは軍艦を造
つた経験のあるところに発註させようとしても片方献金があ
つたのでそちらに簡単に発註させられない。そこでこの頃二幕ではいろいろ問題にしていわゆる政党にそういう正備計画、防衛計画を任せてお
つたのではできない、どうしても我々がそういう整備計画に参加して行かなければならん。そういうのでやはり今度の保安庁法の改正で軍人の制限を撤廃するに至
つたその裏面にはそういうことも
影響している。昔の言葉で言えば軍人の政治関与がだんだんこういう汚職というか疑獄というのですかそういうものと関連して発生しているのではないか、そういうことが言われては私は重大な問題だと思う、
従つてこの点その経緯を木村保安庁長官から明らかにして頂きたい。
それから御
承知のように新聞にもこれと関連した記事が出ておるわけです。保安庁長官は御
承知と思う。我々同僚の中からその疑いを受けている。私は名前はここで申上げませんが、もう御
承知だと思う。それが事実かどうか、これは検察庁のほうで明らかにすると思うが、そういう疑惑が起
つておりますのでこの点明らかにされたいと思う。