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小林武治君 今の
地方の問題につきましては、どうも
政府は
地方制度調査会というようなもので研究されているのでありますが、
中央財政の問題、或いは
地方財政の問題というものはこれは一体として
考えなければならん。
従つて私は国全体としてこれらの問題を
考えるような私は
機構が……、今のような
委員会等もこういうふうな
考え方で作らなければ、小さな枠の中で
制度をどうするこうする、或いは
地方財政をどうするこうするというようなことでは私はなるまいと思うのでありまして、よろしく私は国全体の
立場において
地方制度も十分
考えるべきであると思うのでありまして、これについて今後の
一つのお
考えを煩わしておきたいのであります。
なお私は続きまして、
只今自治庁長官は
府県の性格、こういうことについて
お話がありましたのでありまするが、
財政の膨張は特に私は
府県において激しいものがあると、こういうふうに思うのでありまして、現在九千六百億円
予算の中でも、
府県の
割合は五千億円を超えておるという
状態であるのでありまして、どうしても私は
府県の問題というものは更に私は根本的に
考え直す必要がある、こういうふうに
考えるのであります。それにつきましてこの一月、
総理大臣は静岡で
新聞記者に、
知事は
官選にしたらいいと思うというようなことを発言されたと聞いておるのでありますし、又
自治庁長官は過般の
知事会議においてさような私見を述べられておる、こういうことであるのでございます。全く私は
地方財政が
膨脹するこの一半の
理由は
知事選挙にある、こういうことを私も遺憾ながら言わざるを得ないのであります。即ち
知事の
公選ということは
終戦後極めて立派な
制度として来たのでありますが、その結果は必ずしもいい結果を収めておらん。即ちこの
知事が次の
選挙を常に念頭に置くということが極めて
行政の執行に
弊害を与えておるということは顕著なる事実であるのであります。私は徒らにこの反動逆コースの
言葉として
知事官選というような
言葉を葬むるべきでないと思うのであります。これらにつきましては
国会方面からは何らの発言がなされておらんのでありまするが、併し私は折角のこの
公選というものはやはりそれぞれの長所がありまして、これも捨てがたいものがあるのでございます、即ち従来の
官選時代におきましては
知事というものの
地位は極めて不安定である、一年二年お
つて而も常に
政府を目標として
仕事をするために、
県民の
利福を図らなか
つた、こういう嫌いがあ
つたのではないかと思うのでありますが、これに対しましては
公選そのものは
県民の
知事である、
従つてその
地位も安定し、
県民に両
つて常に
仕事をしておる、こういうような
利点は捨てがたいものがあるのでございます。かような
意味におきまして、
官選の弊はこれを避ける必要があるし、又
公選の長はこれを残す必要がある、こういうふうに私は思うのであります。なお
知事公選の
弊害といたしましては
選挙をすぐに気にする、又常に
県民のことばかりを
考えて
政府には尻を向けて
仕事をする、即ち場合によると
国家の
大局的仕事にもややもすれば協力において欠くることがある、こういうことも私は
公選の
弊害である。こういうふうに
考えておるのでありますが、これらを
一ついろいろ
考えますると、今の
知事の
公選につきましては、実はかようなことをしたらどうかというようなことを私は
考えておるのであります。即ちいろいろの議論はあろうと存ずるのでありまするが、現在の
知事は次の
選挙に
限つては立候補することはいけない、こういうふうな
制限をすることが暫しできまするならば、
知事というものは
十分公選の
利点も伸ばせる、而して
官選の弊も防げる、こういうふうに思うのでありまして、かようの
方法は如何かというふうに私は
考えるものであります。即ち、
知事は次の
選挙には出られないような
制限をすることが如何か、これについて私は
政府はどのようなお
考えを打
つておるかということを一
つておきたいのであります。