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政府委員(
松井一郎君) いわゆる
非常勤の考えについて今三木先生から縷々
お話がございましたが、私
どもも、いわゆる本当に本来の
常勤職員として
定員化してや
つて行くべき
部面について、それをごまかし的にやろうというようなことは、これは極力やめるべきであろうと思
つております。ただ御了解願
つておかなければなりませんのは、私
たちのほうとしてはそれにもかかわらず、或る
程度の
非常勤というものを持
つて行かなきやならん。これは
事業の
一つの特性から出て来るわけでありますが、その
一つは、例えば季節的労役、これはもうその期間だけではつきりしておる、年末期であるとか、冬期における特別期間であるとか、それから或いはこれは日本というよりも、日本はむしろこの点は逆に劣
つておるような
部面もあるわけでありますが、
郵便の
事業というものは、御
承知のように朝から晩まで大きな局では同じような忙がしさを持
つておる。一日のうちにずつとピークが上ることがある。そういう場合に、一体そのピークの最大の人間を配置するということは、これは企業の経営のあり方としては最も不経済なわけです。その場合に或る
程度の
定員をと
つて、そのラインの余分は或いは若干従業員の超勤或いは
非常勤なりを雇
つてカバーして行くというふうな
やり方をせざるを得ない。ただそういうこともや
つて行くについては、むしろ日本の労働市場というものは非常に狭い。二時間か三時間の
非常勤を使うというほど労働市場が広くな
つておらん。その意味でむしろその
部面までも或る
程度日本は
定員化しておる
部面がありまして、よく私
ども終戦後アメリカの
人たちが日本に来られて、どうも日本の
郵便局にはぶらぶらした人が多過ぎるというような
指摘をたびたび受けたのであります。成るほどアメリカのほうへ行
つて参りますとそういう現象は余りない。その代りにピークについてはそれに相応する
非常勤の人間を使
つてや
つておる。又それだけする
人たちも或る場所で二時間か三時間働いて、これにそれだけでや
つて行けるだけの賃金その他があるわけです。そういうところを考えてみますると、恐らく今後どんどんそういう労働市場というものがうまく発達して参りますれば、そういう発達した都会においては、むしろ
非常勤というものは今より殖えていいのじやないか、それはちつとも私はおかしい問題じやないと思う。ただどうしても、本来
定員として使わなきやならん
部面までもぐ
つてやるというのは、これはもとより好ましいことじやない。ただいつこれを
定員化して行くかということについては、やはり
事業の進展というものが或る
程度安定化して行
つたとさにやれるわけで、その過渡期として若干或いは半年とか一年とかいうような間において
常勤的非常勤ということが現出して行くということはやむを得ない。併しそういうものをいつまでも放
つておくということは、もとよりこれは好ましいことではない、かように考えております。