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国務大臣(
石井光次郎君)
只今、
松浦君の御
提案になりました第十次
造船促進の
決議案は、満場の御
賛成を得まして御
決定になりました。私、これに対しまして、
責任大臣といたしまして、一言申上げたいと思います。
海運界の
現状がどんなであるかということは、
只今お話がありましたから、が
決定が遅れておりまするので、この六月中には、全国の
船台が殆んど、外国の注文が多少残る以外は、
計画造船の九次に
発注いたしましたものが殆んど完成をいたしまして、
がら空状態になる。で、
各地の
造船所を持
つておりまする所が、あらゆる意味において困難な
経済上の問題にぶつか
つておるのでございます。私
どもは、一日も早く第十次
造船を
決定いたしたいと思うて、この頃毎日この問題と取つ組んでおりまして、極く最近に
発注をいたし得るような
手順になり得ると思うのでございます。第十次
造船に当りましては、
只今お話のありましたように、
造船汚職問題が先頃からいろいろ論議されまして、それにつきまして、どうしても第十次
造船は第九次以前の
造船の
あり方よりも更にしつかりした立場をと
つて、そうして
国民の納得の行くような
方法でこれにかかるべきだということは当然なことでございます。
それで私
どもは、先ず第一の
方法の
手順といたしましては、
造船合理化審議会の人を改めまして、任期中でありましたが、
全員辞表を出して頂きまして、先頃二十五名の
審議会委員を
任命いたしました。明後日、この
会合を第一回を開くのでございますが、続いてこの
会合を続けまして、
造船の根本、
日本の
海運施策の
あり方について論議してもら
つて、第十次
造船の
あり方に及んでもらうつもりでおります。
それから特に
監督の問題がありましたが、
政府の
監督も十分やらなければならないのでございます。
利子補給がきまりまして、実際に
監督し得るようにな
つたのは、本年の三月からでございます。その前に
書類の
提出を求めまして、現に実地に、
各地の
審査等を始めておりまして、
十分皆さんがたから非難の点、あ
つたものを改善するような努力をいたしたいと思うております。第十次
造船をやりますには、
只今お話のありましたように
協調融資の方式を私は
是非と
つて行きたいと思うております。新聞で御
承知だと思いまするが、
金融界は、これに対してなかなか難色があるのでございます。第一には金が、金融引締めのために
資金がないということ、又
海運会社が
担保力を持たない、
利子も十分払い得ないような所もあり得るというようなこと等のために、
金融界は、今度は
全額政府資金でや
つてくれんかというのが、この頃の
金融界のみんなの希望でございます。併し私
どもといたしましては、さつきも
お話のありましたように、
日本の
海運というものを、一日も早く
戦前の載る程度まで回復させたいということを考えますると、一ばいでも多く一トンでも多くの船を造りたいということを考えますと、
是非一般市中金融界の援助を得まして、製造のトン数を殖やしたいのでございます。これを今いろいろと相談をいたしておりまするが、
金融界といたしましては、先ず
造船、
海運界の
整理統合、
経営の
合理化、そうして
利子は勿論のこと、元本もだんだん払えるような行き方の方策が立たない限りにおいては、金を貸すことはできないと申しております。これは尤もだと思うのであります。で、私
どもは
造船界、
海運界に向いまして、どうしたら
整理統合、
経営の
合理化の線を打出すことができるか。
自分たちで先ずや
つて行くようにというので、これは昨年の第九次
造船の
終つた直後に私申出たのでありまして、本年の初め頃には答案を得るはずであ
つたのが、ごたごたいたしましたために延び延びにな
つておりますが、これをそのままにして第十次
造船、昨年のままの形で第十次
造船をやるということは、私は
国民が納得行かない問題だと思いますので、この
整理統合、
合理化の線を何とかして出さない限りにおいては、幾ら急いでお
つても、これは始めることはできないということでや
つております。明日あたりに
造船界、
海運界の両方から最後的なと申しまするか、最近の一番、まあその
業者の間で話合いのついた案を持
つて見えるということであります。これらを土台といたしまして、又
造船合理化審議会のいろいろな研究と併せ以ちましてどうしても第十次
造船を
はつきりした形の下においてや
つて行くということと同時に、一日も早く
造船にかからなければ、
只今松浦議員の
お話の
通りの情勢が、
各地に見られるのであります。私
どもは、今のところでは日は
はつきりとは申上げかねまするが、極く早い
機会、最近の
機会に
応募者を募ることができるように運んで行くということで進んでおるのでございます。(
拍手)
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