○高田なほ子君 人類の破滅を予告するビキニの死の灰の降る中で、明けても汚職、暮れても汚職、綱紀粛正一枚看板の吉田
政府の公約はどこへやら、自党の居坐り工作ともなれば全く手段を選ばぬ厚顔無恥振り、政治の道義も自主性も今や完全に喪失した吉田内閣がその身のほどもわきまえずして、
教育の民主化の未だ十分に行われていないこの段階に、新
教育の芽を摘む虞れのある悪法を提出いたしましたことは誠に遺憾極まりないことであり、日本の将来のための最大の不幸と思わざるを得ないのでございます。今日の吉田内閣には、もはや
教育を説く資格はないはずである。若し
政府に日本の将来を思う一片の愛情と青少年のために一かけらの正義感が残
つておりますならば、先ずみずからの汚れを
国民の前に謝し、その非を改め、出直して来べきであると思うのでございます。
政府は全国に偏向
教育の兆が甚だ起
つて来てこれは日本の将来に重大な問題であるから、この法案を出すのだ。成るほど我々も偏向
教育を是認する立場はと
つておらないのでございますが、全国
教育委員会の全国的な調査によれば、偏向
教育はただの一件もなか
つたということはすでに文部委員会において明確に知られている
通りであります。(
拍手)
京都の旭丘中学の問題について剱木委員は述べられたのでございますが、このことは日本の
教育行政の面における重大なる遺憾事と言わなければなりませんし、この遺憾事に対しまして、若し大逹文相が一片の愛情があるならば、この非を
国民の前に心から謝すべきであ
つて 一方的にこれを政争の具にするがごとき行動は断じて許されるべきではないのでございます。(
拍手)喧嘩両成敗は常識であります。喧嘩両成敗の原則も又政治の原則だと私は思うのでございます。この原因の究明に当り、この原因の解決に当ることこそ、大逹文相のとられる最大の途であろうと思うものでございます。
私はここに日本社会党第四控室を代表いたしまして、この際
教育公務員特例法の一部を改正する
法律案並びに義務
教育諸学校における
教育の政治的中立に関する
法律案に関しまして、平和と
民主主義を擁護する名において
国民と共にこの悪法の撤回を心の底から願
つてやまないものでございますが、(
拍手)本院におきましては緑風
会議員各位の前後十日間に亘る極めて御熱心なる御検討の結果、ここに加賀山委員ほか二名にかかる修正案が上程されましたが、その御労苦と御良識に対し深甚な敬意を表しまして修正案に賛成し、修正案を除く残余の部分に対して賛成の意思を表明するものでございます。(
拍手)本案が衆議院に上程せられまして以来、全国を挙げて悪法撤回の声が津々浦々に捲き起り、各新聞は筆を揃えてその非を説き、その撤回を迫りました矢内原総長、南原前総長、又日本の五十万の教職員を初め各大学の
教授、学会、文化人、全国中学校長会、全国小学校長会、全国
教育委員会協議会、信濃
教育会、PTA、各婦人団体、県議会、恐らく
教育に関心を持つ者が挙げてこの法案の行方を注目したのです。七百三十万の組織労働者総評は、国際自由労連の自由諸国家傘下五千四百万の労働者と共に、人種を越え、国境を越えて、この悪法が世界の人類に与える不幸を強く指摘して、去る二月九日オールデンブロツク書記長は、日本
政府の法案作成に関して厳重なる抗議を行いました。更に国際公務員書記長M・Cボーレ氏を日本に派遣して、平和と
民主主義擁護のために、各方面に理解を深め、この理解を深めるために最大の協力を惜しまず、この悪法の撤回を心から希
つたことは、我我の記憶に新らしいところでございます。(
拍手)即ちこのことは今日、日本に抬頭しているところのフアシズムに対する世界各国からの厳重なる抗議と
考えなければならないのでございます。(
拍手)心ここにあらざれば聞けども聞えず、自党の勢力温存に狂奔する吉田
政府は、かかる国を挙げての、世界を挙げての世論に耳をかさず、法案の審議は二の次とし、我々野党議員の総括質問も逐条審議も強引に打切り、委員会の最終段階に至るまでその運営に醜態をさらしたことは、広く
国民世論の前にさらさるべきであ
つて、断じて日本の民主政治の許し得ないところでございます。(
拍手)
私はこの法案の持つ性格の二、三について、ここに指摘しなければならないのでございます。即ち本法案の性格は、昨年来池田・ロバートソン会談の日本側の
議定書によ
つても明らかである
通り、アメリカの急速なる再軍備の要請に応えるためには、日本側は
憲法上、経済上、社会上、
教育上の四つの制約があるが、この制約を急速に克復しなければならないとして、
教育上の制約としては、占領後八カ年間の
教育の結果、直接
防衛の任に就かなければならない青少年が、日本は如何なることがあ
つても武器はと
つてはならないという
教育を受けたことを指摘し、これを是正するために、日本は
教育と広報を通じて再軍備の空気を助長することを定め、日本
政府は愛国心の振興に責任を持つことを明らかにいたしました。かかる
秘密と独善の向米一辺倒の外交の中で、日本人の愛国心が取引されたということは、独立国家として誠に悲しむべき状態であると言わなければなりません。(
拍手)而もこの約束を果すために、この役割を演じたのが、
戦争裁判は人食人種の首祭りだと豪語する大逹文相であり、(
拍手)それに続くは元特高
警察の、ブレーンとして腕を鳴らした田中文部次官、同じく元特高の緒方初等中等局長、およそ
教育とは縁の遠い面々が、特に愛国心の強化を掲げたこの
教育内容の改善が、如何なるものを意味しているかということについては、すでに我々良識の判断に容易なところでございましよう。(
拍手)即ちMSA協定の第八条に明示されてある
通り、国際緊張の原因を除去するために、安保条約に基いて負
つている軍事的義務を履行することの決意を再確認し、日本の人力、資源、
施設を、自国の
防衛及び自由世界の
防衛力の発展維持に寄与し、自国の
防衛力の増強に必要なるあらゆる合理的な措置をとること等、軍事的義務が明らかにされたのであります。即ちこの義務の一環として、物心両面の自衛力漸増を公約した
政府は、本国会において
防衛二法案を提出いたしました。自衛隊法第八十八条によれば、
防衛出動時の武力行使を明文化し、領空侵犯に対する実質的な交戦権を認め、国防
会議や統合幕僚
会議等、明らかに国防の基本並びにその具体的作戦計画までもが法文の上に示されて、名こそ変れ、大本営の
復活を見る国内態勢に変貌したことは、すでに各位の御
承知の
通りであります。(
拍手)この態勢順応のために必要なことは、平和よりも再軍備であり、その精神的な支柱を
教育に求め、ここに
教育方針の改革をしようという狙いを持
つているのがこの法案の性格でございます。
今日の
教育方針は、
憲法を確認し、平和な国家社会の形成者として、あらゆる場所で、あらゆる機会に、心身共に健やかな、真の平和と正義を愛する
国民の育成を期することにな
つておりますことは御
承知の
通りでございます。その目的完成のために、教師は敗戦ののち、平和
教育担当者としての資格があるかないかということを検査され、旧教科書に残る軍国調教材を抹殺せよという文部省の方針に従
つて、いたいけな子供の手から愛する教科書を取
つて、この教科書を破り、墨を塗らせ、心の片隅に残る奉安殿の幻影を拭き消し拭き消し、新日本誕生のために悩み続けながら、教師としての人間像改革に
努力し、骨の髄まで
戦争反対の改革が行われたのは、ほかならぬ五十万の教職員でございます。君が代を歌
つた教師が睨まれ、日の丸を立てようとした教師が睨まれ、
教育制度の改革と共に、児童に対する徹底的な平和
教育を、教師みずからのものとするために、
戦争に対して最も深く、最も厳粛な反省を強いられた今日の
教育者、かくて平和を求める
教育の実践として出発されたのでございます。私はこの道は、人類の最高の道であり、この道こそは、政争の具には絶対供してならない道であるということを心から叫ばざるを得ないし、(
拍手)この日本の将来を託す幼なき者のために、全
国民はこの道をこそ、今こそ子供達の前に確信を持
つて示さなければならないのではございませんか。(
拍手)然るに自由党議員各位には、平和
教育なるものの真意を極めて曲解せられ、深い御理解を持たずして、これは共産党の方針であるというようなことを
言つておられますが、誠にこれは悲しむべきことであります。
私は極めて少い時間でございますが、日本の教師たちが、平和
教育の実践を如何にしておるかということについて、若干ここにこの記録を読み上げたいと思う。
即ち、平和
教育は、口の先で平和平和。ソ連と仲良くするんだ。中共と仲良くするんだ。こんなことを言うのが平和
教育ではない。即ち平和
教育とは、真の平和な精神を子供の魂に植付け、やがて世界が
戦争を防止する、その大きな精神的支柱を作る、その基礎が平和
教育、即ち児童の精神生活を安定せしめ、児童の精神生活を動揺し、邪悪に導くところのあらゆる環境を整備することが、教師の平和
教育の実践の第一なんであります。(
拍手)
この記録は、
静岡県の女教師の記録でありますが、この中に目を通してみますと、先ず第一に、私たちの
静岡はどういうところであるか。私たちの目に映る近頃の子供たちはどうな
つているのか。不遇児の
施設はどうな
つているのか。寮の子供はどうな
つているのか。特飲街の子供はどうな
つているのか。天神森の子供はどうか。
家内工業地帯の子供はどうな
つているのか。沼の子供はどう扱われているか。
農山漁村の子供はどうな
つているかという事態、この実態の上に立
つて、原因を追求してお
つて、この
施設の不足不備、経済生活の貧困、道義の頽廃、封建性、
教育への無関心、この原因を如何にして除去することが最も妥当であるかということについて極めて適切なる指導がなされております。
私はここにその実例を読み上げます。「Nは四年の時母親を結核で亡くし、父親は他の婦人と結婚して行方をくらました。Nは或収容所に入
つたが度々の脱出を見かね、叔父が引とる事とな
つたが虐待されその愛情に飢えた浮浪癖が、よその子供にまでいろいろの批判を受けながら、学校に来ること対しても、決して喜びを持
つては来なか
つた。五月の中旬より、この子供は日記をつけ始めた。五月二十二日、Nは班の人達と一しよには日記を出さず、そつと職員室の私の机の引出しへ入れて帰
つた。開いて見ると、五月二十二日、僕がいつも
考えている事は先生のことです。何だかおかあさんのような気がしてなりません。時々『おかあさん』と呼びたくなります時には『おかあさん』と抱きつきたくなることがあります。とあり、私も
考えさせられたが、『先生は六年生のおかあさんなのだからNさんにもお母さんです』という意味の批評を書いて返した、すると、五月二十四日、先生ありがとう。僕はこれで毎日楽しく勉強することができます。お母さんと一しよに勉強出来るなんてこんな幸福な者はありません。おかあさんさえあれば悲しいことはありません。おかあさんありがとう。五月二十五日、おかあさん僕はこんな夢をみました。朝起きると『登よもう起きなさい』とい
つたので、サッと目ざめ、夢だ
つたのでがつかりしました。又寝ると今度はおかあさんが『今日は日曜だから映画に行きましよう』とい
つて手をつないでくれたと思
つたら、僕と寝ている子の手でがつかりしました。おかあさんは先生でした。五月二十六日、今日一番びつくりしたのは、先生の顔に傷がついていて、ちよつとむくんでいることでした。僕はしんぱいでした。先生は、教室では先生、そのほかはお母さんです。川原へ行
つて『おかあさん』とい
つてみました。こんな日記が一学期の終り頃まで続いたが、その頃には、友達との折合いもよく、明るくなり、学習にも熱心になり、成績も級の上位になり、心に安定感ができ、寮でも責任者の方に非常に可愛がられてきた。」というのが、一女教師の平和
教育の実践である。然るに、驚くなかれ、この女教師は何らの思想的なものも持たず、極めて熱心な教師であるにかかわらず、今般平和
教育の名を以て遂に当局から不当転任を強要され、一里半の僻地に追いやられたということは誠に悲しみ余りあるものがあります。愛する母親を失
つたこの不良児のその心底を思いまするとき、我も又子供を持つ親の身として
教育行政の民主化が如何に大事なものであるかということを痛感せざるを得ない。(
拍手)
余聞に亘りましたが、次の私どもの主張といたしまして
教育の中立は絶対に確保しなければならないということであります。然るに、本法案において果して
教育の中立が守り得るかどうか。即ち、特例法の一部改正においては、地方公務員たる身分の教職員に対して政治
活動制限の面だけは国家公務員並みに取扱う結果、人事院規則が地方公務員たる教職員に全面的に適用されることになります。このことは、法の体系を崩すことは勿論、
法律専門家以外には
法律を見ただけではわからないような単なる規則を以て、勤務時間外の、市民としての行動まで束縛し、而も規則違反に対して重い体刑が科されているので、いつでも検察権が発動できる仕組にな
つているが、これは明らかに
基本的人権の侵害であり、
憲法違反の疑いが極めて濃厚でございます。即ち
政府は、この規則によ
つて、あらかじめマークした者を本規則違反を名にして容易に狙いうちすることができるのでありますが、ほかの人が同類の行為をして無罪だからとい
つて、
憲法違反が正式機関によ
つて立証されない限り、
自分の行為の無罪を主張することはできないのでございます。こうした危険性に対して、修正案は刑事罰を削除し悪法の緩和を図られたことは、これは最上の良識であ
つたかと思うものでございます。
更に、中立確保の法案においては、教員に限らず誰でもが偏向
教育をさせるように教唆扇動する行為を処罰しようというのであ
つて、教唆扇動の結果、偏向
教育をするようにならなくとも、体刑を以て罰せられるという独立罪でありますから、破防法以上の悪法たるゆえんも又ここにあるのでございます。而も、特定政党又は政治団体を支持或いは反対させる「ための」ということになれば、我々が生きて動いてしやべ
つている限り、一切合財が何かしら、政党の政策、政治団体の主張に繋がらないものはないのであ
つて、解釈如何によ
つては、全部「ための」云々に包含せられ、体刑が科されるという、誠に恐るべき
法律でございます。このことによ
つて、教職員を含む何人もが、口を塞がれ、耳を塞がれ、社会生活から隔離され、教職員組合は、このために運動さえも抑圧される結果を生むのであります。このことは、
教育乃至学問研究一般にまで制約が加わる虞れ十分であ
つて、一切の言論が一党一派の主張と一致することを恐れて、重要な
教育活動、取りわけ政治
教育を遂に逼塞させるに至るということは、火を見るよりも明らかであります。この危険を含む「ための」を、修正によ
つて削除せられましたことは、拡大解釈を阻止するものであ
つて、輿論に応えられた修正と見るべきでございます。
我々は、
教育によ
つて、政治を理解の、現実生活に即して正しい判断の能力を持つ青少年を作り上げて行かなければならない。
教育活動において政治
教育は現下欠くべからざる必要なものであ
つて、教師個人の政治
活動とはおのずからその限界を異にしておることは、言うまでもないのであります。然るに
政府は、中立維持の名において、
教育活動と教員個人の政治
活動をまるでごつちやにして、教員個人の
基本的人権をも禁止してしまうということは、故意に基本法の第八条の精神を歪曲した、実に陰険極まりない方法と言わなければならないのであります。(
拍手)我々がここで言う自由は、決して野方図の自由を指しておるのではないのであります。政治
教育の面においても、その運営の適正を図るために法の拘束を受けることはありましても、その
法律を作る政治そのものを批判する自由を拘束するものではないのであ
つて最近のような汚職続出の原因は、
国民の政治的良識の欠如から来る悲劇であり、こうした悲しむべき現実から、一人々々の
国民が、幼きより次第に高められて日本の政治が向上されて行くということは、すべての者の望むところでございましよう。吉田
政府の大臣が料亭に飲みに行
つて、饅頭食いに行くと
言つたり、指揮権を発動して汚職の摘発を抑えたり、これを院議で追及されても、しやあしやあとして一顧の反省もなし得ないような政治家は、幼にして正しい政治
教育を受けて来なか
つた結果によるのであ
つて、(
拍手)この汚れた政治の中に生き、子供を善導する教師は、今日、襟を正して、正しい政治
教育に邁進しなければならないと思うのでございます。
元来、文部省は、
教育行政に対するサービスの省であ
つて決して取締や弾圧の府ではないのである。そのサービスの省が使命を忘れたところに、今日、日本の二千万の学童が喘ぐところの
教育面のあらゆる面の破壊を招来しておるということを、深く大臣は肝に銘ずべきであります。(
拍手)今日あなたが真に
教育の中立性を主張なさるのであるならば、なぜにこの
教育行政の偏向性に目を向けられないのでありましようか。地方
教育委員会制度は、日本の
教育の民主化のために設けられた制度であるにかかわりませず、自由党
政府、それに繋がるところの大逹文相の、その陰に、この地教委が一手に握られて、文部省のあるがままの命令に直ちに服従し得るような体制を作
つておる。誠にこのことは恐るべきことである。而も日教組
防衛対策なるものを編み出し、暗号電報一本で全国の地教委が日教組に刃向うという、こういうことを指導して、何であなたは
教育の中立性を主張することができますか。日本の国の
教育の中立維持は、全
国民の名において守らなければなりません。地方におけるこの誤まれる文部省の指導こそ排撃されなければならない。あなたこそ偏向の元兇であるということを言わなければならないのであります。最近の風潮は、この地方
教育委員会の偏向性によ
つて、鉄砲をかついで、やれ戦力だ、やれ再軍備だなどという
教育を、而も八紘一宇の精神が、今許されておる。文部大臣が認めておる。こうい偏向
教育を、なぜあなたは改めることをしないか。(
拍手)私どもは、
教育の中立を守るが故に、両面における厳正なる批判と愛情のある正し方というものを根本として
考えて行かなければならないと思うものでございます。
最後に申上げなければならないのは、本法案によ
つて思想
警察が
復活し、日本が
警察国家という形相を呈するということであります。正しい
教育、子供のための
教育が、
警察国家の中おいて果してでき得るかという問題であります。
教育の中立は、
警察の不当干渉を排除し、政党の不当な干渉を排除するところから始まらなければならない。最近全国各地に起
つた教員の思想調査は、遂に子供の鞄の中にまで及んでいるということは、大臣もすでに御
承知の
通りであります。こんなことが一体許されていいのでございましようか。而も言論或いは思想、これらのものは自由であり、政治への批判も善行として、これは大いに奨励されければならないものを、まるで巡査部長に毛の生えたような、学力の低い巡査のそういう者に、
教育基本法の精神をも弁えずして、これが弾圧されるに至
つては、我々子供を守る者の立場としては、どうしてもこの
警察の干渉を排除して行かなければならない。併しながら今日のこの刑罰法規は、
警察権発動の法的根拠を与え、常時警官の監視の中に
教育が進められなければならないということは、誠に悲しまなければならないところであります。私どもは
民主主義を守るが故に、言論と思想、結社の自由を飽くまで確保すると共に、この正しい道を子供のために伝えなければならないのでございます。我々は太平洋
戦争によ
つて、無謀な指導者によ
つて、あらゆる幸福を失いました。併しながら戦後八カ年間の平和
教育は、幼い者の魂にふつふつと滲透し、やがて我々大人が誤
つた道、世界が誤
つた戦争への道を行こうとするときに、この小さき者が成長し、これを打開する日本の楔とな
つて、平和な世界建設のために大いなる力を注ぐであろうということを期待して、どうぞ、この緑風会各位の良識が、全参議院の権威を守るために支持せられますよう心から期待いたしまして、討論を終ります。(
拍手)
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