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1954-03-31 第19回国会 参議院 本会議 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月三十一日(水曜日)    午後九時六分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十六号   昭和二十九年三月三十一日    午後十時開議  第一 岩手県田瀬ダム建設に伴う漁業権補償の請願(委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 河井彌八

    議長河井彌八君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 河井彌八

    議長河井彌八君) これより本日の会議を開きます。  参事報告させます、    〔参事朗読〕 本日衆議院から左の内閣提出案を受領した。よつて議長は即日これを大蔵委員会に付託した。  租税特別措置法の一部を改正する法律案 本日委員長から左の報告書提出した。  ガス事業法案可決報告書  航空法の一部を改正する法律案可決報告書  租税特別措置法の一部を改正する法律案可決報告書      ——————————
  4. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第一をあとに廻し、この際日程に追加して、ガス事業法案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
  5. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。通商産業委員長中川以良君。    〔中川以良君登壇拍手
  6. 中川以良

    中川以良君 只今議題となりましたガス事業法案通商産業委員会における審議経過並びに結果について御報告申上げます。  先ず、ガス事業法案の提案になりました経過につきまして、簡単に御報告いたします。従来、ガスにつきましては、その事業運営国民生活上特に都市を中心として重要な地位を占め、民生の安定に対する影響が大きく、且つガスの性質上、その製造及び供給取扱如何によつては相当の危険を伴います関係から、すでに大正十二年、瓦斯事業法が制定され、ガス事業運営についての規制ガス保安に関する監督等が行われて来ましたが、昭和二十五年、公共事業令の制定に伴い、ガス事業公益性に鑑み、電気事業と併せてその事業運営規制が行われて来ましたが、昭和二十七年十月、公共事業令が失効する事態を生じまして、政府は忌急電気及びガスに関する臨時措置に関する法律案国会提出をいたしまして可決を見、公共事業令内容をそのまま引継ぐと同時に、通商産業省に電気及びガス関係法令審議会を設置することといたしまして、爾来約一年間同審議会におきまして鋭意検討を進めた結果、審議会の答申を得ましたので、政府はその趣旨を尊重し、電気事業と切離しまして単独法案として本法案が提案されました次第であります。  次に、本法案内容につきまして簡単に御説明を申上げます。本法案は七章六十一条と附則から成り、第一章におきましては、この法律の目的とガス事業の定義を定め、ガス事業範囲一般供給事業者に限ることとし、卸供給事業者ガス事業者から除いてあります。即ち本法律案は、一般給供事業者ガス事業者として規制することにより、一般需用者利益を保護しようとするものであります。  第二章は、ガス事業の創設から廃止に至るまで種々規制を加えることになつております。公共事業令と大きく異なりまする点は、事業許可基準を詳細に規定をしてありますること、事業開始義務を定め、ガス事業開始確実性を期してありますること、又ガス供給施設設置義務を課したほか、ガス使用者利益を図りまするため、ガス事業者休眠区域について、これを放任することを防止をいたしまする措置規定したことであります。第三章は、ガス供給に関する規定でありまして、ガス供給義務者サービス向上に資するため、熱量及び圧力の測定義務ガス事業者に課すると共に、ガス事業者ガス供給する卸供給事業者に対してもガス料金適正化を図るため、その卸供給料金等につきまして認可制を設け、更に従来制度的に明確性を欠いておりましたガス事業者特定供給について、所定規制を加えておりますることであります。第四章の会計につきましては、ガス事業の経営の健全化企業自主性の尊重から、ガス事業会計処理の根幹たる会計整理基準及び減価償却命令のほかは、公共事業令規制している諸手続を廃止することといたしてあります。次に、第五章は保安規定でございまして、ガス事業者保安上必要なガス工作物維持責任を課しまして、又有害成分測定制度を設定をいたし、ガス主任技術者制度の確立を期し、保安監督の充実を図つておりまするのであります。第六章は、雑則、第七章は、罰則となつております。なお、この法律規定により、通商産業大臣権限に属する事項中、政令の定めるところにより、通商産業局長又は都道府県知事にその一部を委任することができることといたしまして、その間の調整を図る途が開かれております。  以上が、本法案の大要でございます。当委員会におきましては、審議に際しましては慎重を期し、特に本法による天然ガス取扱について種々問題点がありまするので、秋田、新潟地方に議員を派遣して現地調査をいたしますると共に、参考人といたし、中小ガス事業者及び地方公共団体代表者等から意見聴取をいたし、法案審議参考に資した次第でございます。  本法案審議質疑応答のすべては、この際、速記録に譲ることといたしまして、特に問題となりました点を申上げますると次のような次第でございます。一、都市ガス需給状況と将来における拡充計画実施に関しまする問題、二、ガス事業の実体はその規模の大小の差が大きく、本法による一律の規制を受けた場合、中小企業者負担加重の問題、三、ガス事業者以外の者のガス事業者供給区域内における特定供給の問題、四、ガス主任技術者制度保安確保の問題、五、通商産業大臣及び地方通産局長地方長官との権限委任の問題、六、本法運用上における天然ガス関係業者取扱の問題、等が問題とされましたが、本法案審議を通じまして、政府の方針、措置等が明らかにされました。又特に電気ガス税適用に公正を期するようにとの意見の開陳があり、なお、従来認められていたガス事業者地域独占規定が今回廃止をされた点については、内閣法制局から、その法律的根拠についての意見聴取を求めた次第であります。  本法衆議院においては、法第三十三条第四項第一号ガス主任技術者免許状交付資格失格条件として期限二年とありまするのを一年に修正されております。この点につきましては、衆議院修正動議提出者から、その趣旨説明を求め、質疑を行いました。  かく質疑を打切り、討論に入りましたところ、自由党石原委員より、「ガス事業拡充五カ年計画実施について万全を期すること、法十二条ガス事業兼業許可については、中小企業を圧迫しないようにすること、保安監督については、密接なる関係にある地方自治体との調整を十分にとり遺憾なきを期すること」の要望をされ、賛成意見が述べられました。次いで緑風会豊田委員より、「本法には、不満の点が多いが、特に地域独占規定が外ずされたことは、他の法律関係から見て、若干の疑義があり、将来の本法運用上支障が起ることも考えられるから、誤解を持たれないよう、その運用に慎重を期すること、法十二条の兼業許可は、最小限度にとどめること」の条件を付しまして、賛成する旨の発言がございました。次いで社会党第四控室海野委員より、「法二十八条第二項通産大臣保安設備改善命令については、地方長官と緊密な連絡をとること、法五十三条第二項、第三項の罰則適用は、正常な労働争議を妨害することのないよう措置すること、又主任技術者はその職責上尊重さるべき立場にあるが、必ずしもそうなつておるとは思われない。この点についても、その取扱については慎重な考慮をすること」の要望がなされ、賛成する旨の発言がございました。最後に、改進党武藤委員より、「ガス事業電気事業切離し単独立法としたことは妥当と認めるが、地域独占廃止したことは、本法運用に当り、地域的紛争を起す危惧もあるので、その取扱については慎重を期すること、又本法運用については地方公共団体と協力し遺憾なきようにすること」の要望をされまして、賛成する旨の発言がございました。  かく討論を終り、採決をいたしましたところ、全会一致を以て、衆議院送付案通り可決すべきものと決定をいたしました。  以上、御報告を申上げます。(拍手
  7. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成諸君の規律を求めます。    〔賛成者起立
  8. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以つて可決せられました。    〔「総員じやない」「多数だ」と呼ぶ者あり〕
  9. 河井彌八

    議長河井彌八君) それでは、全会一致を以つて可決せられましたというのは、誤りでありました。  過半数でありました。よつて本案は、可決せられました。      ——————————
  10. 河井彌八

    議長河井彌八君) この際、日程に追加して、航空法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。運輸委員長前田穰君。    〔前田穰登壇拍手
  12. 前田穰

    前田穰君 只今議題となりました航空法の一部を改正する法律案につきまして、運輸委員会における審議経過並びに結果を御報告申上げます。  この法案は、航空法施行後の経験に鑑みまして、航空機の耐空証明航空従事者並びに飛行場等に関する規定を整備いたしまして、滑空機検査簡易化航空安全性確保を図りますと共に、外国人国際航空運送事業に対しまして、その運賃、料金並びに事業計画変更認可制とし、又所定の場合におけるそれらの変更命令事業の停止、許可取消等運輸大臣権限といたしたことであります。  運輸委員会におきましては、著しく立遅れている我が国国際航空事業育成強化、今後の計画、運輸省と通産省に分割所管されている航空行政実施状況、羽田空港のターミナル施設建設計画等の諸問題につきまして、熱心なる質疑が行われたのでありまするが、詳細は、委員会会議録により御承知を願いたいと存じます。  討論を省略いたしまして、採決に入りましたところ、本法案は、原案通り可決すべきものと全会一致を以て決定いたしました次第でございます。  以上、御報告を申上げます。(拍手
  13. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  14. 河井彌八

    議長河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は、可決せられました。      ——————————
  15. 河井彌八

    議長河井彌八君) この際、日程に追加して租税特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。大蔵委員長大矢半次郎君。    〔大矢半次郎登壇拍手
  17. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 只今議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案について、大蔵委員会における審議経過並びに結果を御報告申上げます。  本案は、資本蓄積の促進、資本構成の是正、輸出振興等の見地より、今次税制改正の一環として所得税法人税について所要軽減措置を講じようとするものであります。  以下、本案の主な改正点を申上げますと、第一点は、個人が昭和三十一年三月末日までになした預入期間一年以上の長期の定期性預金等について支払を受ける利子所得については、他の所得と分離して五彩の税率で課税することとし、又配当所得についても、その源泉徴収税率を、今後一年間は一五%に引下げることとするほか、証券投資信託の期中分配金についても、向う一年間は分配金額の三分の一相当領譲渡所得からなるものとして所得税を課さないこととすると共に、分配金額に対する源泉徴収税率を一〇%とすることにいたしております。第二点は、価格変動準備金について、原則として時価又は帳簿価額のいずれか低い金額の九〇%相当額帳簿価額との差額に相当する金額を積立てることができることとし、価格上昇期においてもこの制度を利用できるようにいたしております。第三点は、製造業、鉱業、建設業運輸業及び通信業等一定の種類の事業を営む法人が、本年二月一日から三年間のうちに増資を行なつた場合には、資産再評価及び減価償却一定程度以上行なつており、且つ配当率が年二割以下であることを条件として、増資後二年間においてなされた配当金額については、有償増資の場合は、年一割相当額無償増資の場合は、同族会社以外の法人に限り、年五%相当額限度として法人税を免除することといたしております。第四点は、資本金五百万円以上の法人が、今後三年内の各事業年度において支出した公際費等の額が、基準年度交際費等の額の七割相当額又は当該事業年度取引金額一定割合を乗じて計算した金額のいずれか多い金額を超えるときは、その超える金額の二分の一を損金に算入しないこととし、法人交際費等の濫費を抑制しようといたしております。第五点は、輸出所得特別控除制度について、プラント輸出の場合の控除率現行の三%から五%に引上げると共に、輸出商社輸出所得に対する控除限度額引上げ措置を講じております。第六点は、新鉱床探鉱及び取得を容易ならしめるため、新鉱床探鉱用機械設備取得価額及び探鉱費並びに新鉱床買収費については、これらの費用を支出した年度において当該金額の二分の一相当額を必要な経費又は損金に算入することを認めております。第七点は、農地等農地法規定により買収された場合に、土地収用法による収用の場合と同様な所得税軽減措置を講ずることとし、又農林漁業協同組合等に対する現行特別免税措置についても、その趣旨を明らかにするため改正を加える等、所要改正をいたしております。  本案は、衆議院において修正議決されたものでありまして、修正点の要旨を簡単に申上げますと、第一点は、第五条の十一に規定する増資額にかかる配当金額についての免税規定中、増資時期を昭和二十八年十二月一日まで遡つて適用し得ることとすると共に、配当率が年二割以下でなければならない規定廃止し、条件の緩和を図ろうとするものであります。第二点は、輸出所得特別控除適用範囲を拡大し、新たに陶磁器の下請の場合にも、本制度適用を図り得る措置を講じようとするものであり、第三点は、農林漁業協同組合等に対する特別免税規定のほか、新たに消費生活協同組合及び同連合会所得留保分に対しても、一定限度の積立が行われるまで法人税を免除し得る規定を設けようとするものであります。本案審議の詳細は、速記録によつて御承知願います。  質疑を終り、討論に入りましたところ、木内委員より、「本案賛成するが、中小企業等協同組合事業協同組合)の実情に鑑み、右に対しても消費生活協同組合等に対すると同様な減税措置をなし得るよう速かに検討の上成案を得て国会に提案することを強く要望する。」との附帯決議案提出され、小林委員より、附帯決議案及び原案賛成する意見が述べられ、菊川委員東委員より、それぞれ原案に反対する意見が述べられました。  討論を終り、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定し、次いで木内委員附帯決議案については、全会一致を以て本委員会決議とすることに決定いたした次第であります。  右、御報告申上げます。(拍手
  18. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  19. 河井彌八

    議長河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は、可決せられました。  議事の都合により、本日は、これにて延会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。次会は、明日午前十時より開会いたします。議事日程は、決定次第公報を以て御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後九時三十四分散会      —————————— ○本日の会議に付した事件  一、ガス事業法案  一、航空法の一部を改正する法律案  一、租税特別措置法の一部を改正する法律案