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亀田得治君
岡崎外務大臣の問題は午前中申上げたように、これはもう少し事態が明確にな
つた上で更にお尋ねをしたいと、こう思
つております。そこでこの
検察審査会といいますか、この
告訴事件に対する
一般的な扱い方ですね、これがたびたびここの
委員会でも、もつと熱心にや
つてもらいたいという
検察庁側に対する要望がいろいろな形で出るわけなんですが、まあ御
趣旨は御了解願えるんですが、実際の問題になるとなかなかそういうわけに行
つておらない。そこで私
どもこれはひどいと思うような具体的な
事情が起きますと、このこともまあその都度申上げるんですが、申上げますと、それは
一つよくお
調べして、その上で
答弁なり、善処しますと、そういう
程度にな
つてしまうので、実は非常に困るのです。それでいま
一つ、これは具体的に問題を提起したいのが
一つあるのですが、それはどういう問題かと言いますと、いわゆる街の暴力団ですね、これが良民を非常に苦しめている、こういう
事件なんです。これを警察、
検察庁あたりに持ち出しておるのですが、いわゆる
告訴事件ということで、非常に扱いが軽視されておる。そういう抽象的な言い方じやわからんでしようから、具体的に申上げておきますが、
告訴人は東京相互タクシー株式会社、それから
告訴の日に
昭和二十八年八月八日です。それを
告訴した官庁は麹町警察署です。
事案の内容は、この会社が或る事業のために土地を購入したわけです。その購入したのは
昭和二十八年の六月二日とな
つておる。これは代金を支払
つて完全に六月二日に所有権の移転登記を終了したわけです。それでこの会社がこれは何か官庁の許可が要るような仕事らしいのですが、それを受けて、そこの
場所へ建設工事を始めようとして取かか
つたとたんに、これはずつと以前に本当の所有者があ
つたのだが、それが間違
つてほかの人の土地にな
つたんだ、その間違
つた人からその後順々に譲り受けられた土地なんだ、
従つて君のほうは正式にそういう金を払
つて買
つたかも知れないが、実は所有権について疑義があるんだ、こういう申出によ
つて暴力的に妨害行為に入
つて来た。で私はよく
関係者から話を聞いてみますと、こういう問題を専門にや
つているんですわ、どうもやり口が……。つまり人の土地なんですから、いきなりそこへ入
つて行
つたんじや、直ちに業務妨害とかいろいろなことでくくられますから、そういう形を避けるために、
事前に内容証明によ
つてそういうふうな、あたかも何か民事
関係の権利
関係について争いがあるかのごとく装
つて、それからこの暴力を行使して来ているわけですね。で普通の人がやるならば別に問題ないでしよう。そういうことをや
つておる
人たちのずつと
事情を
調べますと専門にやる人です。而も麹警察署がどういうことなのか、とにかく初め現場にその
関係者が警察の人を連れて行
つたというんですね。連れて行
つても結局うやむやにな
つている、その後、
検察庁にこの
関係の問題が廻
つておる、民事
関係の訴訟にもな
つておる。民事
関係の
起訴になりさえすればこれは民事だから、刑事
関係には触らないんだというふうな
一つのしきたりがあるととか或いは莫大な金を暴力団に出して手を打つんですが、余りにやり方がひどいので強硬に突つ張
つておるのですね。それでそんなに強硬に突つ張るならば、普通のやつでは駄目だというので、途中で更に殉国青年隊、これははつきりしておりますが、そういう諸君が又これに参加して来て、その土地の所に小さな小屋を建てたりそうして座り込む一方で警察や
検察の問題にな
つておるのに、少しも問題が進展しておらん。で
関係者はたまりかねて、
昭和二十九年の二月に更にその後に上申書を東京
地検に出しておるというのです。それから更に引続いて今年の三月にも更に追加の
告訴状を
検察庁に出しておる。それから先だ
つて四月にな
つてからも督促のための上申書を出しておるというのです。私たまたま或る会合でこういう話を聞いたものですから、それは余りひどいじやないか、これは
検察庁、警察というものは何か民間から
言つて来ることは非常に軽く扱う、これはもうその標本だと思うのです。こういう
事件がうやむやにされれば、これは当然
関係者として納得できませんから。必ず
検察審査会に又持出すと思うのです。私もそういう場合にはこういう
制度があるからと話はしておきました。併し問題は
検察審査会で適当な
結論を出してもら
つても、これは本当の仲裁にならないわけなんです。そういうものが出るまでの良民の迷惑というものは大変なんです。これほ幸い
相当心臓の強いがんばりのきく諸君ですからがんば
つているだけの話です。私はこういうようなことを見ますると、
告訴事件一般に対する扱い方というものが非常にこの筋が通
つておらない。こういうふうなことを言うて、いろんか文句を言
つたり、もつと強硬にや
つてもらいたいというようなことをどの
事件でも言えるわけじやない。やはり泣寝入りにな
つておるものがたくさんあると思う。私はこういうことをいろいろ
法務当局もお聞きにな
つていると思いますので、先ほど
検察審査会の問題についてはああいう
通牒が出されたようでありますが、こういう
告訴事件についてどういう態度を最近と
つておられるのか、こういう点
一つ一般的な問題として先ずお伺いし、それからこれはもう非常に悪辣なこういう問題が現実に
法務当局の
地元である
場所で起きて折るのだが、こういう点についての
一つ考え方をお伺いしたい。二つに分けて
一般的な問題として。