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政府委員(
佐藤達夫君) 責任という問題になりますとこの間からずつとお答えしておる
通りであ
つて、責任がずつとあるということになりますると、たまたま同じ内閣、仮に
吉田さんの第一次内閣のや
つたことでその間違いが今発見されたという場合には、第一次
吉田内閣の不信任決議が今の衆議院でできるということで、そうして和田博雄さんだのここにおられる
一松さん、当時の閣僚がみんな責任を負わなければならんということにな
つてしま
つて、これは理論上から言うと、そういうことはあり得ないので、そういう
意味の責任
関係というものは、これはみんな責任というものが
一つの内閣ごとに区切りがついて
基礎が変
つて来ておりますから、そういうことの
意味の責任というものは、これは論理上成立たないことだと思います。ただ併し今のお言葉の中で傾聴に値することは、とにかく
政府として説明したことじやないか、それを知らぬ存ぜぬとして
政府として言い張ることができるかどうかということは、これは責任の問題とは別としてとにかくそういう
趣旨で仰せられたというなら、それは責任の問題としてそれを一応尊重してこれは見て行かなければならん。併し今度、は
法律屋としての
立場から御説明いたしますと、とにかくこの
法律の解釈というものは飽くまでも
法律の成文に現われたところ、その文理解釈、条理解釈等によ
つて普通の解釈によ
つてこれを解釈して行かなければならないのであ
つて、そのときの
理由というものはこれは翌々の第三次、第四次の場合の参考になりますけれども、
理由を以て直ちにこれを正面の解釈を振りかざして行くということは、これは全然できないと思います。例えば裁判官のような全然手続の過程を御
承知ない方が、冷やかな第三者の客観的な
立場において判断してれそうして正しい判断が下されるということであります。その制定のときの
理由とかいうものは、
法律解釈の筋から言うと、末のほうのものであるということを先ず申上げなければならんと思います。併しながら今
速記録をお取寄せにな
つておると思いますけれども、私のほうでは恐らく工合が悪いということで御指摘なさろうと思
つておるようなことがあるかも知れません。併しそれは新
憲法で
戦争放棄という
条文が入
つたから、新
憲法の精神から八十五条乃至八十八条は要らなくな
つたのだということが或いはあるかも知れない。それがきつと私たちをいじめようとしてお
考えにな
つているところじやないかと思いますが、それはやはりこの軍事上の問題を取上げて、もとの
刑法はあるわけですから、いわゆる正確な
意味での軍事上云々という問題になりますと、これは私は新
憲法の下では厳密な
意味の軍事ということはあり得ないと思いますから、その
意味ではちつとも
矛盾していないのだということの
意味で
考えております。