○羽仁五郎君
公安委員長の御説明で私も了承したのでありますが、昨日いろいろ伺いますと、どうも按摩さんの奥さんの方もここで落涙して現在の苦しい状態を訪えておられたりいたしました。それから他の方々もマイクをそこで使うんだということを、さつきもこれは他の
委員からもお述べになりましたが、そういうことを
承知しないで貸した。その
意味でこれはそのマイクを使うということを言うことができないという
理由もおありにな
つたのでしようが、しかしお貸しになるほうではそういうことを
承知しないで貸したということで、自由な意思に基いてお貸しにな
つたのではなか
つたというような事実も述べられておるのであります。それらの事実がどの
程度のことであるかというようなことはまだ確定いたしませんにしましても、今御説明がありましたように、端的に申せば、その家にマイクがくつつけられておるような所に人が寄りつかないということは、これはわれわれの常識から言
つても当然のことでありますし、よほどの必要があれば、そういうこともお認めになるかもしれませんが、しかしそのために人が寄りつかない、また暗い感じもする、またいろいろ生活面でも困難な
状況に陥いられるというようなことがあることはお認めになり、
従つて今回の場合についても十分の同情をお感じになり、また今後についてもそういうようなことが繰り返されないことを御希望にな
つている点を了承したのであります。私はなお、実は
犯罪捜査ということに名をかりて、それでこの基本的人権が侵されるということは実におそろしいことで、そういう御意思は
本部長としての
神田さんなり、あるいは当時の警備課長としての
岸本さんなりが全然お持ちにならないということは十分了解するのですが、その限界が
はつきりしていませんと、善意にもかかわらずそういうおそるべき事態が発生し、そうして秘密
警察というようなそしりを受けることにもなるのです。その点について、この事実に限
つて何
つて行きたいのですが、
共産党であれ何であれ、相手が非合法あるいは秘密の活動をして行くということにつれられて、
警察がやはり非合法なり秘密なりの活動をなさるということになると、どうしても
警察が秘密
警察になるおそれがあると思う。で、今回の場合にも幾分そういうふうな事実があ
つたようですし、なかなかわかりにくいから、それで万やむを得ずマイクを使
つたというようにな
つて来るわけです。そうするとマイクの使用についていろいろな人が不安を感ずる。いわゆる秘密
警察的なおそれを抱くということなんですが、その事実は今のような事実ですけれ
ども、これはよほどデリケートな
関係ですが、先ほどの
お答えでは、今回のように使
つたことは決して違法だとは
考えておらないということだ
つたのですが、
本部長のお
考えでは今後もやつぱり今回のような使用があなたの責任において行われるようなおつもりなんですか。