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1954-10-19 第19回国会 参議院 法務委員会 閉会後第9号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十九年十月十九日(火曜日) 午前十一時十五分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
高橋進太郎
君 理事 小野 義夫君
宮城タマヨ
君
亀田
得治
君
委員
池田宇右衞門
君 剱木
亨弘
君 棚橋 小虎君 羽仁 五郎君
事務局側
常任委員会専門
員 西村 高兄君
常任委員会専門
員 堀 真道君
説明員
公安調査庁次長
高橋
一郎
君
—————————————
本日の
会議
に付した事件 ○
検察
及び
裁判
の
運営等
に関する
調査
の件 (
各種団体
の最近の
動向
に関する 件)
—————————————
高橋進太郎
1
○
委員長
(
高橋進太郎
君) これより
法務委員会場
を開会いたします。 本日は
検察
及び
裁判
の
運営等
に関する
調査
中
各種団体
の最近の
動向
に関する件を議題といたします。
高橋公安調査庁次長
より
状況
の御
説明
を願います。
高橋一郎
2
○
説明員
(
高橋一郎
君) まず最初に、
日本
の
国内
の
共産党
の
動向
というものに非常に重大な
影響
を持ちます
国際共産主義
の
勢力
の
動向
につきまして、ごく最近の事柄を申し上げたいと思います。 今月の十二日に御
承知
の中
ソ共同声明
が出まして、これに対する
政府
の考え方は、これは当時外務省から発表にな
つた通り
でありますが、これに対して
日本共産党
がどのような反応を示すかという問題について先ず申し上げたいと思います。
共産党
は翌日直ちに
新聞記者会見
をいたしまして、第一点は、
社会主義国家
の
外交
というものが
資本主義国家
の
外交
というものに比べて非常に違うということを申したほかに、今度の
提案
は
日本
にと
つて利益
であのるのみならず、実行可能なものであるということを申したと新聞は伝えておるのであります。続いて十月十六日の
アカハタ
の
主張
で、中
ソ両国
との正常な
国交回復
のために中
ソ両国
の
共同宣言
についてという
主張
を出しております。で、それを見ますというと、まずこの中
ソ共同宣言
に現われた対
日提案
というものを
実現
させることが、党にと
つて
当面の非常に重要な
課題
であるということをうた
つて
おるのであります。すなわち「いま中
ソ両国
の
共同宣言
に確認されている諸原則にもとづき、これらの具体的問題の解決のために、大
宣伝
、大
運動
をおこすことはとくに大切である。」とし、また「
共産党
と
労働者階級
は、すべての党派、すべての
組織
が中ソとの
国交調整
の道にたちあがるために先頭にた
つて
たたかわればならない。」というようなふうに説いて、その点を明らかにしておるのであります。これが第一の
特徴
でありまして、
共産党
は
ソ連擁護
という
立場
に立
つて
、ソ連ないし中共の利益に奉仕すると言
つて
差支えないと存ずるのでありますが、そういう
立場
に立
つて
次の
政策
を立てております。その
一つ
の現われがここにあると思うのであります。それからこの「
主張
」における第二の
特徴
は、この中で
平和的共存
の
政府
を作り上げなければならないということで、
政権
の問題を取り上げ始めたことであります。この「
主張
」の全体の論調は、必ずしもこの平和の
政府
ということを第一義的に取り上げた形ではないのでありまして、まだきわめて遠慮深く、いわば手探りのような印象をも受けるのであります。ただ
平和的共存
の
政府
といいますと、異なる
体制
間、すなわち
資本主義国家
と
社会主義国家
との間において
平和的共存
を認める
政府
という意味でありますから、すなわち
共産党
のいう
民族解放
、
民主革命
というものをなし遂げて、その上でできる
革命政府
というものとは違う、
革命
を起すまでもなく、現在の
体制
のままでできる
政府
ということを意味するわけであります。このような平和の
政府
というものが具体的に何であるかということは、この「
主張
」自体は明らかにしておりません。ただこの「
主張
」の中で、「
わが国
でも
左派社会党
は、公然と、この中
ソ両国共同宣言
を支持し、その
実現
に努力するむね声明している。」というようなことを申しておるのは、きわめて示唆的であると考えるのであります。で、結局この平和の
政府
というのは一昨年十月の
スターリン論文
にあります「平和の
政府
」と同じものを指しておるものと考えるのであります。それで今回の中
ソ共同声明
に対しまして、
日本共産党
のとる手段というものはいろいろに考えられるわけでありますが、これを一応三
通り
に分けてみまするというと、
一つ
は
提案
の
実現
がきわめて困難ないし当面不可能であるということで、結局
宣伝的効果
だけをねらうという場合、すなわち
日本
のいわゆる対
米依存関係
を清算しなければ話はできないというような
立場
で高度の
スローガン
を掲げて、もつ
ぱら革命的宣伝的効果
をねらうという場合、それからそれと
反対
に、
宣伝
はもちろんいたしますけれども、その
程度
を引き下げましてなし崩しに
実務関係
、すなわち貿易の促進であるとか、文化の交流であるとかという
実務関係
の
強化
という実際
的利益
を主とする場合、それからもう
一つ
は、第二の場合よりもやや
情勢
が有利であるとして、そのような
実務関係
を
強化
するのみならず、ここに
政権
の問題を提起して、現在の
政府
よりもより親ソ的な
政府
を
作つて
それによ
つて実務関係
を飛躍的に
強化
させようとする場合というようなふうに分けて考えることができると思うのであります。私どももその中でどのような
方向
に出るだろうかということで注意いたしてお
つたの
でありまするけれども、この「
主張
」によりまするというと、ただいま申し上げた中の第三の道を進もうとするかのごとく見えるのであります。
ただ先
にも申しました
通り
、まだきわめて自信のない書き方でありまして、これだけをも
つて
、はつきりとその点を、こういう道を進むであろうというふうに申し上げることは差控えるべきであろうというふうに考えておるのであります。 そこで次は、現在
日本共産党
のと
つて
おる
平和政策
というものがどのような
目的
のものであるかという点につきまして申し上げます。七月二十四日付の
中央ヒマラヤ
と申しまして、
党中央
に
労働運動
の
指導
の
機関
ができておりますが、その出しております
機関誌
の週報の第八号に「
平和擁護闘争
と
国際連帯闘争
について」という論文が掲載されております。これによりまするというと、「当面の
平和擁護闘争
の最高の
目標
は、当面の
戦争
を引延ばし、一時的に平和を維持することであり、その環は如何にして両
体制
の
共存
を闘い取るかということであり、これを客観的に見れば、アメリカを孤立させ、
社会主義人民民主主義国
の力を決定的に強めることであり、
従つて
同時に
各国国内
の
階級闘争
を有利にし、各国の
民族独立闘争
に支持を与えることとなる」ということを申しております。この点は
共産党
と
社会民主主義政党
とのはつきり分れるところでありまして、国際的には
戦争
を何とかしてやめよう、
国内
的には
議会
で何とかして工夫して
社会
をよくしようというような
立場
とは違いまして、
共産党
は
戦争
を不可避とし、また
議会主義
を否定しておるのでありますが、そのために平和問題についても要するに当面やりたくない、
戦争
はこれを引き延ばしてその間に自分の陣営を固めて、また相手の矛盾を激化して相対的に
力関係
の優位を獲得するというところにねらいがあるわけであります。
共産党
が
国民大衆
に対して呼びかける場合には、今私が申し上げたような
真意
は努めてこれを明らかにしておりません。ただ、ただいま申し上げたような党内の非
公然誌
においてこのような
真意
がときに現われるのであります。 次は最近における
日共
の
動向
のうち、まず
基本戦術
について申し上げますが、御
承知
のように、
日共
は新
綱領
によ
つて民族解放民主革命
を
目標
に
活動
して来たのでありますが、これまで
戦術
上の
情勢判断
を保つたり、あるいは極左的ないし
右翼出偏向
を侵してその
運動
は必ずしも順調に発展して参つたとは言えません。すなわち党は昨年の秋、すなわち
朝鮮停戦
以来この問題について重要な
自己批判
をいたしましたが、それによりますると、「現在敵の力はなお強大であり、味方の力はなお劣勢である。
従つて
今日の
段階
では何よりも先ずこの
敵味方
の
力関係
を逆転させることに全力を注ぐべきである。」とし、大きく
戦術転換
を行な
つたの
であります。この
戦術
は前述した
国際共産勢力
の
方向
と結合したものであります。すなわち現在小さく固定化したかの感のある
革命戦線
を一段と大きく発展させるために、
スローガン
の
程度
を引き下げまして、
反米
、反吉田、反再
軍備
の
統一国民戦線
を結集し、いわゆる
米日反動勢力
を包囲し孤立化させようと企て、この
国民戦線
の
指導権
を党が握り、これに新
綱領
を注入して、
革命勢力
たる
民族解放
の
民主統一戦線
に育成しようとしておるのであります。このことは本年一月二日
付アカハタ
の
指導論文
、「平和と
民主主義
と
生活
を守る
国民
の大
統一行動
を目指して」において明確に示され、また昨年末から本年春にかけて、
党中央
は
全国組織部長会議
、
組織防衛会議
、
機関紙部長会議
、
労働関係会議
、
青年婦人対策会議
、
選挙対策会議
、
朝鮮人運動会議
などを開催して、
平和独立民主主義生活
を守る
統一行動
を各
戦線
においていかにし、いかに発展させ、その中で党の
独自活動
をいかに進めるかなどの
具体的戦術
を指示したのであります。以上の
統一戦線
による党の
独自的政治活動
につきましては、党は、この六月の第十九
国会
における汚職問題、乱闘問題などに対する世論の高まりをとらえ、
吉田内閣打倒
、
国会解散
、あるいは
臨時国会召集
の
統一行動
を
組織
するため、六月以降
中央指導部
及び
全国拡大機関
は
社会党
、
労農党
、
総評
その他
民主団体
に対し共闘を申し入れ、七月十五日の
党創立記念日
とあわせて
全国戦線
百数十ヵ所に
集会
を催し、総計五万数千人を動員し、
政治運動
を展開し、さらに
中央
、
地方
の
選挙対策会議
を開いて
農業委員選挙
、
各種地方選挙
に
統一選挙綱領
を掲げて臨んだこと、その他
首脳部会議
とか、
水爆反対
など、国際的
国内
的諸問題をとらえて独自の
活動
をして来たのであります。 次に、
平和闘争
でありますが、以上申し述べましたような
戦術
に基いて、党が現在最も力を注いでいる
闘争
が
平和擁護闘争
であります。党はかねてから、この
闘争
は今日全
世界
の
人民
の最も重要な第一義的の
任務
であり
従つて
また
共産主義者
の第一義的の
任務
であると強調して参
つたの
でありますが、最近いよいよ国際的な連携を緊密にし、
戦線
の
統一
と
拡大
に務めているのであります。そして党は平和民主的自由、
生活
を守るための反再
軍備闘争
は、今日の
段階
ではまだ
民族解放
、
民主革命
を
意識
していない
人々
も、また主観的にはこれを望んでいない
人々
も広く包含して闘うことができ、また包含して闘わねばならないとし、またこの
運動
を
日共
が
革命意識
で引き廻したりすることを避け、あらゆる階層の
国民
の自主的な
運動
として展開させようとしており、
平和運動
では国際的
国内
的に
世界平和評議会等
の諸
決議
を
基本方針
とし、党の
外郭団体
である
平和擁護日本委員会
とか、
アジア太平洋地域日本連絡会議
などを主体とし、
各種
の
行事
などでは
総評
その他
民主団体
を
中心
にその
実行委員会等
を
組織
し、
統一行動
をと
つて
いるのであります。最近の具体的な
平和運動
の
状況
としては、
世界平和集会日本準備会
の呼びかけに基づいて
原水爆禁止
、
アジア安全保障
、
軍事基地
、再
軍備反対
、
憲法擁護
、経済、文化交流問題など、
国際緊張緩和
のための当面の
運動
を展開することを主眼として、去る六月二十五日から八月十五日までの
間平和月間
が実施され、その
運動
は八月六日、八月九日の両
原爆記念日
乃至八月十五日の
終戦記念日
を頂点として
全国
的に盛り上り、八月二十九日の
東京関西
両
平和祭
など盛大に行われました。この
平和月間
の
行事
も、
表面
上は党ないし
平和擁護日本委員会主催
のものはきわめて少く、大部分は
各種
の
平和団体
、
民戦
、
総評
その他
一般市民団体
によ
つて
主催されており、八月十五日
記念日
前後の
集会数
は
全国
で三百以上を数え、その
動員数
も八万名をこえたといわれております。 このように
平和運動
は非常に大きな巾をも
つて
発展いたしましたが、しかしこれによ
つて党
が予期した
成果
が挙
つて
いるかどうかという点では、相当問題があると思われます。たとえば
労働組合
の
平和闘争
には、ストライキや賃金問題に限定するような
経済主義的セクト
があり、また
総評
は、
憲法擁護国民連合中立系
は
平和連絡会議
の
方針
といつたような
セクト
があり、超党派的な
平和委員会
でさえ
プチブル的セクト主義
があり、
平和擁護闘争運動集会
など、ともすれば上すべりな
形式主義
に流れて、いわゆる
平和一般
の
運動
に固定し、
平和運動
は一種の行詰り状態に陥つたという
自己批判
も現われているのであります。そこで党は
平和闘争
、
平和戦線
をより以上に
強化
発展させるため、前述の
世界平和集会日本委員会
の呼びかけの
運動
を進めるとともに、当面の
運動
の
中心的課題
として
民族独立
、
国民主義
の回復を
目標
にし、この
方向
へ
国民
の
意思
を
統一
して行かわばならないと
主張
しております。たとえば
水爆禁止
の
運動
としては、
わが国
の平和と
独立
の
外交
を樹立せよとか、
原水爆禁止協定
の
国際的話合い
を進めよという
政治的要求
に
国内
の
組織
を
統一
して行く
方向
にリードして行こうとしております。それゆえこの
平和運動
はより広範な
国民政治運動
として展開され、しかもその中で党の
独自活動
はますます活溌化することが予想されるのであります。 次に、最近の
軍事方針
については、先に申し述べましたように、本年一月党が平和と
民主主義
と
生活
を守れという
政策
を、発表して以来、
軍事面
においては一貫して隊の
基本的任務
は
大衆闘争
の
組織
的な
防衛
であるとして、その
活動形態
は
フアツシヨ闘争
の
行動中核
とな
つて
これを
内部
から
強化
することであり、その
目標
は三反
統一戦線
を
強化
し、
長期
かつ困難な道途を克服して
民族解放
、
民主統一戦線
より
革命
を達成することにあるとして、現在においてはその重点を最も基礎的な
組織的活動
においているのであります。また従来その
組織工作
が
農村工作
に主として指向されていたように見られ、その
成果
は必ずしも党の
宣伝
ほどではなかつたと思われますが、最近の党の
中央
の
軍事機関紙
、「同民の星」は
労働組合
の
青年行動隊
に対する
工作
を大きく取り上げ、これに対する
実情
の把握とその
実情
に即した
工作
の進め方を指示しているのであります。 次に
労働運動
については、先に述べました九月十日付の
中央ヒマラヤ
のメモの第十五号において
労働運動
の
指導方針
を要約してありますが、それによりますと、この指令の
根幹
をなしておりますものは、最近党が繰返し強調しております
労働者階級
間の両
体制
の
平和的共存
を闘い取る以外に、生きる途がないということの
説得活動
を徹底的に
強化
し、これによ
つてMSA体制
からの離脱と再
軍備政策
に対する
反対
の闘いを全
国民
的な
闘争
に盛り上げなければならないとしていることであります。さらに具体的問題として、第一に、
産業別統一闘争
の
根幹
とな
つて
おります金属、運輸、鉱山などの
労働者
の
統一行動
を
意識
的に
強化
すること、第二に、
平和擁護闘争
を徹底的に重視すること、第三に、党が徹底的に
大衆
の中で
活動
して、
労働者
の多数を獲得し、
産業拠点
の工場を握ること、このための障害にな
つて
いる左右の
セクト主義
との
闘争
を苛責なく闘うこと、第四に、
社会民主主義思想
の誤謬の克服を
意識
的に行うこと、その
方向
は具体的な
行動
で徹底的に
統一行動
を呼びかけ、この中で
社会民主主義
の仮面を被
つた売国奴
を
統一行動
の
破壊者
として
大衆的批判
で放逐して行くことという四点を挙げておるのであります。それからさらに
総評
の
秋季闘争方針
に対しまして徒らに、ゼネストを形の上だけで引き回そうとする
総評幹部
のあせりを説得し、ねばり強く
長期
の
統一
を強める
闘争
、
組合
の
民主化
を団結の
方向
に
指導
する必要があると力説しているのであります。 また、
フランス
、
イタリー
の総
同盟
の
招待
の問題については、これは今月初めに、御
承知
のように
仏伊両国
のそれぞれ
共産系労働
総
同盟
から、
総評
に対して
労働運動
の経験を交流するという名目の下に、合計三十五名に上る
組合幹部招待
の申出がありまして、これらの代表は去る十九、二十日の
両日
それぞれ出発したのでありますが、このことに関しましてこのメモほ、この
招待
は実際には
中国
総
工会
の
招待
であ
つて
、それは
中国
と
日本
との国交がいまだ回復されていないために生ずる諸種の事情を考慮して、
中国
総
工会
が
イタリー
、
フランス
総
同盟
の協力を得て
日本労働者階級
と
アジア労組会議
の
実質的会議
の
懇談会
を
目的
として
招待
したのであるということを述べているのであります。このような
指導方針
に基きまして、実際の
党活動
において最近の
特徴
的な点を申し上げますと、第一に本春の
労働関係全国会議
以来、
労働者階級
間に平和と
国際連帯運動
を強力に盛り上げようとして特に活溌な動きを示しておるのであります。党はこの
運動
を推進することによ
つて
、
労働者階級
の
大衆的規模
における
平和勢力化
をねらい、全
グループ
を挙げて強力にこの
工作
と取り組むよう最近しばしば指令しているのでありますが、去る
総評大会
直後の七月十六、七日の
両日
に、第三回
世界労組大会普及実行委員会
を
表面
上の
提唱者
として
主要労組幹部有志
を集めて、平和と
国際連帯運動強化
のための
全国懇談会
を開催し、ついで二十六日にはこの
運動
を推進するためのサービス・
センター設立
第一回
準備会
を開催し、十月にはその
創立総会
が持たれることにな
つて
おるのでありまして、党の
工作
はこのように進捗しておる
状況
であります。 第二に、
統一委員会
の問題でありますが、党はこれまで絶えず
統一委員会活動
の赤色
労組
主義
的な
偏向
を戒めてお
つたの
でありますが、去る二月の
労働関係全国会議
におきましては、最近
労働者階級
の
統一行動
が急速に進展しておるにもかかわらず、
統一委員会
が依然としてこれまでの
偏向
を克服し切れず、これらの有利な
条件
をとらえて
統一行動
を
拡大
し、党の
強化
を図るための十分なる機能を果し得ないことを
自己批判
いたしまして、むしろこのような
セクト
的な
統一委員会
はこの際これを解消し、あらゆる分野にわたる
統一運動
の
内部
の
党組織
の建設ということを前提といたしまして、これを
中核
として
統一
の一点で一致するすべての
意思
の
結合体
を、
条件
に応じて新しく再
組織
するという
方向
を決定しておるのでありますが、最近ようやくこの線に
沿つた活動
が
組合内党組織
によ
つて
活溌に行われつつあるようであります。また、これらの
工作
を
指導
する
機関
として
労働運動指導
、先ほど申しました「
ヒマラヤ
」の機構も、新しい
情勢
に対応して最近相当整備された模様であります。 次に、党の
組織
の現状でありますが、党は昨年来
全国
的に総点検の
拡充運動
を実施して
党風
の刷新、
理論的武装
を図り、あらゆる風雪に耐え、勝ち抜く堅固な
前衛党
に鍛え上げようと努めております。
合法戦線
の
拡大
を図る一方、依然として
非合法態勢
を
強化
し、最近特に活溌に
なつ
た
大衆団体
内の
グループ活動
のほか、将来の
暴力革命
に備えて
軍事活動
の
合理的運営
など、
党活動
は日夜間断なく展開されておるのであります。また最近の
地方選挙
の結果を見ますと、若干比較に不適当なのでありますが、昨年四月の総
選挙
に比べまして、党の得票はおおむね二倍くらいに増加し、また先の
農業委員選挙
においても
全国
で約七百名の
党員
が当選しております。また
中央
、
地方議会
も、これは必ずしも党の
影響
ということに限定はできないのでありますが、
原水爆禁正
の
決議
を行うなど、
軍国主義復活
、再
軍備反対
を
中心
とする平和、
独立
の
運動
はますます
国際的連繋
を密にし、
大衆
化し、
拡大
して来たことはいなめない事実であります。このような
一般的情勢
から見まして、
党勢力
は一応最近
上昇傾向
にあると見得ると考えるのであります。ただ一面では、先ほど来申し述べましたように、国際的、
国内
的に党に有利な
条件
があり、また
国民
の
統一活動
も相当広範に
組織
されているにもかかわらず、その
中核
となるべき党の
組織
が、
労組
内はもとより、その他の
大衆団体
、
文化団体
の中でまだまだ
かなり力
が弱い点があるというふうに見得るのであります。……
朝鮮人
や
右翼
のほうはどうしますか。
高橋進太郎
3
○
委員長
(
高橋進太郎
君)
亀田委員
にお聞きしますが、
右翼
の
関係
も一括してお聞きしますか。
亀田得治
4
○
亀田得治
君 一括して報告してい
ただ
きましよう。
高橋一郎
5
○
説明員
(
高橋一郎
君)
在日朝鮮人
の
動向
は、いろいろな
関係
で
わが国
の治安上ゆるがせにできない、特にその大多数を占める
北鮮系
の中には、
共産主義勢力
が根強く滲透しており、
反米
、反
日本政府
の
意識
がきわめて強いのであります。これら
北鮮系朝鮮人
は、
在日朝鮮統一民主戦線
、
民戦
と略称される
団体
に結集しておるのであります。
民戦
は十数個の
単一団体
の
結合体
でありまして、いわゆる
戦線体
でありますが、その
構成員
は十六万余とな
つて
おります。また
民戦
の
活動
の
中核
となり、
民戦
を
革命
的に推進する
組織
として、
在日朝鮮祖国防衛委員会
、これは
祖防委
と略称しておりますが、それとその
指導下
にあります
祖国防衛隊
という非
公然団体
が
組織
されており、
北鮮系
の最も尖鋭な
分子
がその
構成員
とな
つて
おるのであります。彼らは
祖国
の
統一独立
、すなわち
北鮮人民共和国
による全
朝鮮
の完全なる
統一独立
を第一の
スローガン
とし、
北鮮政府
のもとに固く団結し、
金目成
に忠誠を誓うことを明らかにしておりますが、
日本
に在住するという
具体的条件
の下において、
日本共産党
とともに
日本
の
民族解放
、
民主革命
を達成することが、ひいて
祖国統一
、
独立
を闘い取る近道であるとして
各種
の
闘争
を展開しておるのであります。一方
日本共産党
は彼等の強い
独立意欲
と粗暴な
行動力
を
日本革命
に利用しようとし、
在日朝鮮人
を
日本革命
の有力な
同盟軍
であると期待して、
民戦
、
祖防
に対する
指導
を
強化
し、これを
革命
的に育成することに努力を傾けております。党は昨年来特に
氏戦
、
祖防
の中の多数の
朝鮮人党員グループ
を通じてその
統制
を強め、今日ではほぼ完全に
指導権
を掌握しているという
状況
であります。
従つて民戦
、
祖防
の
闘争
は全く党の戦略、
戦術
に
従つて
行われており、当面、党の三反
統一戦線
の
強化
の
政治方針
にのつと
つた活動
が推進されております。すなわち
平和擁護運動
を最も重要な
課題
として強く前面に押し出すとともに、政治的、
経済
的の
各種
の
民族権利擁護
の旗印のもとに、
朝鮮人大衆
を
民戦
に結年し、広範な反
フアツシヨ抵抗闘争
を展開して、これを漸次
革命
化し、党のいわゆる
民族解放戦線
の有力な一翼たらしめようとしているのであります。ところで
一般朝鮮人大衆
は
意識水準
が低いため、党の
指導
について行けないこと、
活動家
を含めて
朝鮮人
の大多数が
経済
的に窮迫し、
生活
に追われているということ、党の
統制強化
に伴い
民族的感情
からこれを快しとしない
分子
の反撥があることなどの理由によりまして、党や
民戦中央
の
方針
が下部に徹底せず、
朝鮮人運動
が全般に多少
低調化
の
傾向
があり、特に
民族的感情
に基く党の
指導方針
を納得しない一部の
分子
が、
民戦
の
組織
から脱退する
現象
がようやく目立
つて
参
つて
おります。たとえば
山梨県民戦
の分裂、札幌における
民主愛国青年同盟
からの
集団脱退
などがその例でありますが、なお各地で
民戦
の
内部抗争
があるように見受けられるのであります。
ただ
、これは
部分的現象
にとどま
つて
おり、
民戦下級機関
の
幹部
の大多数を
朝鮮人党員
が占め、忠実に党の
方針
を実践しているので、
民戦
を
中心
とする
北鮮系朝鮮人運動
の
革命的色彩
が弱化するとは思われないのであります。 最後に、
右翼運動
に関しては、本年に入りましてから、
右翼団体
の
戦線統一
を
目的
として、
連絡協議機関
であつた
救国運動全国協議会
が、
政党結成
を
目的
とする
単一組織
である
救国国民
総
連合
に切りかえられ、その
組織運動
が行われている。一方
大東塾
、大
日本生産党
など
有力単一団体
、その
団体
が再建せられたほか、
護国団
のごとき新
団体
も結成せられ、それぞれ活溌な
運動
を展開していることが注意を引く点であります。
右翼団体
の
動向
を概観しますというと、旧
右翼
、新
右翼
を通じて、それぞれ
主義
、
政策
を掲げ、広く
大衆
の中に基盤を置く
合法的運動
を展開しようとし、講演、
機関誌紙
、
ビラ活動
などによ
つて
、
主義主張
の
宣伝
と、その
組織
の
拡大
に努力をしておる。主要
団体
の
組織
は漸次発展しつつあるものと認められます。
右翼団体
の主流は前に述べたように、おおむね健全な
方向
に進みつつあるものと見られるのでありますが、本年初頭から続発した政界、官界、財界を通ずる汚職容疑事件、
国内
政局の不安定及びデフレ
政策
による中小商工業者の困窮などの諸
情勢
は、強く
右翼
関係
者を刺戟しているようにも見受けられ、革新のためには暴力の行使もまたやむを得ずとする不穩言辞及び首相の暗殺を企図するなどの不穩
行動
が漸増の
傾向
にあります。 〔
委員長
退席、理事
亀田得治
君
委員長
府に着く〕 そうして現在のところ、この種の不穩言動は、おおむね個人的なものにとどま
つて
いるのでありますが、
右翼運動
の中に往年頻発し宜した政治的テロの再現を是認する思想の底流があることは、再建大
日本生産党
及び救国総連会等の旧右莫
団体
が下部
組織
を少数尖鋭
分子
で固めようとして、治安
機関
の接近を排除しようとする
傾向
を示しているとともに、軽々に看過できないところであります。 なお、最近
右翼団体
の反共
活動
が次第に尖鋭化し、直接
行動
に出る事例が少くないのでありまして今後
共産党
及び
労働組合
の
活動
の発展に伴い、この
傾向
が著しくなることも予想されるので、注意を要すると考えるのであります。 以上申し述べましたように、
右翼
関係
につきましては、現在のところとして、具体的に破壊
活動
を行う危険性のあるものは認められないが、
右翼運動
が元来個人的色彩が強いこと、
右翼
の政治的テロが偶発的、個人的であることの多い特性にかんがみまして、その
動向
には終始注意を払
つて
いる次第であります。以上をも
つて
治安
状況
についての概略の御
説明
を終ります。
亀田得治
6
○理事(
亀田得治
君) 御質疑のおありの方は御質疑をお願いします。……私からちよつと一、二点お尋ねしますが、まず第一の点ですが、
ただ
いま各
団体
の
動向
等について御
説明
がありましたが、
調査
庁自身としては、そういう
動向
に対してどういう対策をと
つて
おられますか、この点をまずお聴きしたいと思います。
高橋一郎
7
○
説明員
(
高橋一郎
君) 公安
調査
庁としましては、破壊的
団体
の
調査
をし、要すれば
団体
規制の処分を請求するということでありまして、現在はもつぱら
調査
をいたしております。
亀田得治
8
○理事(
亀田得治
君)
ただ
いまのこの
調査
と言われたのですがね、その
調査
というのは、これは法的にはどういう条文でおやりになるのですか、破防法の二十何条にある
調査
ですか。
高橋一郎
9
○
説明員
(
高橋一郎
君) 破防法の二十七条に基づいて
調査
いたします。
亀田得治
10
○理事(
亀田得治
君) この破防法二十七条の
調査
は、破防法「第三条に規定する基準の範囲内において、必要な
調査
をすることができる」この法律による規制に関し、その規制上必要だから、こういう
調査
になるわけですね。
高橋一郎
11
○
説明員
(
高橋一郎
君) 破防法三条の規定する基準の範囲内においてやるということであります。
亀田得治
12
○理事(
亀田得治
君) 第二十七条のこの規制に関して必要な
調査
というのは、これは私ちよつと今疑問を持
つたの
ですが、ある
団体
に破壊
活動
があつたと、そうしてなおかつ続いて破壊
活動
をやるかもしれない。そういうことが予見される場合に、たとえばその
団体
に対して解散命令を下すとか、あるいは
集会
の制限をするとか、そういう規制の仕方だつたと思うのですが、全然破壊
活動
がないのに、一回もないのにこの規制はできなかつたはずですが、この点どうでしようか。
高橋一郎
13
○
説明員
(
高橋一郎
君) 私もお話のように了解しています。
亀田得治
14
○理事(
亀田得治
君) そういたしますと、特定の
団体
について、破壊
活動
という
現象
が一度もないのに、その
団体
の
動向
について規制上必要だからということで、いろいろお調べになると、これはまあ右といわず左といわずお調べになる、これは破防法からは出て来ない行為じやないかと思うのですが、どういうふうにお考えでしよう。
高橋一郎
15
○
説明員
(
高橋一郎
君) 破防法による直接
調査
として、そういうことは問題外であると考えます。
ただ
、対象
団体
の
組織
の解明、或いは
動向
の
調査
というようなことに関連しまして、それの客観
情勢
ということで、当然関連して来る限りにおいては、通常の方法、たとえば
新聞
とか、一般の刊行物とかいうようなものとか、通常認識し得る方法においてこれを注意しておるということは、私はできると思
つて
おります。
亀田得治
16
○理事(
亀田得治
君) そうすると重ねでまあ念を押しておきますが、一般的なこの資料として
調査
をしておる、特に破防法の条文に基くものではないと、そういうふうに理解していいでしようか。
高橋一郎
17
○
説明員
(
高橋一郎
君) 破防法二十七条の範囲に入らないで、
ただ
いまおつしやつたように一般の資料としてこれを整理しておくというようなものはございます。
亀田得治
18
○理事(
亀田得治
君) そういたしますと、そういう資料的な
立場
で各
団体
の
動向
を調べておるという場合に、これは特定な法規の根拠に基くわけじやありませんから、例の憲法の二十一条の結社の自由ですね、こういうものとの関連性が出て来るおそれがあると思うのですが、もし行過ぎた、
団体
内部
の
調査
にまで入
つて
行きますと、そういつたような点どういうふうにお考えにな
つて
や
つて
おられるでしようか。
高橋一郎
19
○
説明員
(
高橋一郎
君) お話のように当然憲法の枠内において
調査
を行うべきであ
つて
、そのやり方を誤れば、お話のような弊害を生ずると思います。
亀田得治
20
○理事(
亀田得治
君) その憲法の枠内でおやりにな
つて
おるということの標準ですね、もう少し具体的にこれはどういうふうな標準でやられているのでしよう。法律が全然ないわけですから……。そういう
関係
になると、破防法の条文ではないわけですから、その点まあいろいろ
内部
の取扱い方があるだろうと思うのですが……。
高橋一郎
21
○
説明員
(
高橋一郎
君)
ただ
いまのような点は、結局は具体的に定めらるべき問題だと思います。しかし一応の考え方としまして、私どもが考えておりますことは、たとえば公共の安全の確保に必要な最小限度にとどめるということ、あるいは憲法の保障する
国民
の自由と権利を不当に制限しないこと、あるいは
労働組合
、その他の
団体
の正当な
活動
を制限し、またはこれに介入するようなことをしないことということ、以上はいずれも法律の規定にございます。もう
一つ
、いやしくも
団体
内の一部の者の行為を、その理由のみによ
つて
当該
団体
の
活動
と即断して、その
団体
の
活動
を阻害するようなことのないこと、これは破防法自体にはございません。私どものほうで自発的に規則を設けましてこのような制限を設けております。最初に申し上げましたように、結局具体的に、良識をも
つて
定められるべき問題だと思うのでありますけれども、一応の考え方としてはさように考えております。
亀田得治
22
○理事(
亀田得治
君) じや、その点はその
程度
にいたしまして、一、二点実質的な問題についてお尋ねしておきたいのですが、いわゆるこの
平和運動
の問題ですね、
共産党
が先ほど御
説明
に
なつ
たような戦略的な
立場
で
平和闘争
を展開しておる、これはまあ一応了解できるのですが、
ただ
たとえ戦略的な
立場
に立
つて
のそういう
平和運動
であ
つて
も、それを長く続けておれば、やはりその間は少くとも平和が続くわけですね。しかし最後には
共産党
のほうではこの
運動
はこういうふうに持
つて
行くのだという考えはあるかもしれない。しかしそういう考えはあ
つて
も、必ずしも
共産党
の考えるように結論が進むかどうかはわからないわけです。むしろその結論がどういうふうに向いて行くかということは、
共産党
以外の諸君のいろいろな動きなり、考え方によ
つて
これはやはりきま
つて
来ることなんですね。
従つて
こういう
共産党
の
平和運動
について、それらの点をどのように評価されておるのか。一応主観的に
共産党
が戦略的な
立場
でや
つて
おるのだから、あれはたとえ
平和運動
であ
つて
もいけないと考えておるのか、どういうお考えでしようか。
高橋一郎
23
○
説明員
(
高橋一郎
君) 私どもは
平和擁護運動
がいけないというふうに評価しておるのではありません。一応
共産党
を対象
団体
として
調査
いたしております。従いましてわれわれの義務といたしまして、その
団体
の
組織
を解明するというようなことを
任務
としております。その過程において、このような
動向
が当然わか
つて
参るわけであります。それはそれだけの事実でありまして、そのや
つて
おることが破壊
活動
というものに該当しますれば、それはそれで
一つ
の
調査
対象であると考えるのでありますが、現状自体がそうでない場合には、それに対して何ら評価はいたしておりません。
羽仁五郎
24
○羽仁五郎君 ちよつと今のお答えに対して……。公安
調査
庁に伺いたいのですが、今のお答えの中にあつた
共産党
その他に対して
調査
をしているというのはいかなる法的基礎に基いて
調査
をしておられるのですか。
高橋一郎
25
○
説明員
(
高橋一郎
君) 先ほども申し上げたように、破壊
活動
防止法の二十九条によりまして破壊的
団体
の疑いある
団体
として
調査
しております。
羽仁五郎
26
○羽仁五郎君 その疑いとはどういう……。
高橋一郎
27
○
説明員
(
高橋一郎
君) 破壊
活動
防止法を制定いたしますときに、羽仁
委員
も非常に研究されておりまして、その際にいろいろな参考資料として秘密の文書が
国会
にも提出されたと
承知
しております。そのような文書と
団体
との結びつきにつきまして、われわれのほうでいろいろ
調査
をしたのであります。それで単に文書に限らず、実際のいろいろな暴動事件というような問題はさておきまして、今申し上げましたような文書におきましてすでに破壊
活動
が行われておる。そして、またその
組織
の規約にあります原則から申しまして、また再び
状況
によりましてはそういう破壊
活動
を起すことがあり得るというふうに考えて、破壊的
団体
の疑いある
団体
として
調査
しておるのであります。
羽仁五郎
28
○羽仁五郎君 破壊
活動
防止法というのは、御
承知
のようにいろいろな問題を持
つて
いますね。そのうちの最も御注意を願いたいと思うのは、憲法に保障する基本的人権というものに対する不当な圧迫というものがこの法律によ
つて
起
つて
は相成らん。これは
国会
の御
決議
なり、あるいは要望なりも当時
国会
においてこの立法がなされたときに、特段の注意を
政府
に向
つて
したことは御
承知
の
通り
ですね。これは公宏
調査
庁においても、立法当時
国会
において本法が
国民
の基本的人権を侵害してはならんということについて重大な関心を持
つて
いたということは、常に第一に念頭においておられますかどうですか、その辺をお伺いしたい。
高橋一郎
29
○
説明員
(
高橋一郎
君) お話の
通り
と考えております。
羽仁五郎
30
○羽仁五郎君 そうしますと、
従つて
この公安
調査
庁が
活動
せられたその
活動
ですね、もちろん破壊
活動
防止法に基いて、その法に基いて
活動
せられます
活動
というものは、常に必要にして最小限にとどめられなければならないということも、当時
国会
の
意思
であつたことは常に念頭にあられると思いますが、いかがですか。
高橋一郎
31
○
説明員
(
高橋一郎
君) その
通り
と考えます。
羽仁五郎
32
○羽仁五郎君 そうしますと、この疑いということですね。この疑いについて、これは公安
調査
庁において十分御了承のことと思いますが、この刑罰、あるいは基本的人権の制限を伴うようなそういう法の適用に
関係
するところの疑いというものは、事実に基く疑いでなければならぬ、また実害に基く、実害に
関係
するところの疑いでなければならない。決していやしくもその法を適用することの権限を
国会
から認められた
政府
またはその当局の主観的判断に基いて、疑いをそこに設定して
活動
を開始するというふうなことは許されないことだということも、常に念頭にあられることと思いますが、どうですか。
高橋一郎
33
○
説明員
(
高橋一郎
君) お話の
通り
と考えます。
羽仁五郎
34
○羽仁五郎君 そうして来ると、
ただ
いまの御
説明
のようなことは、果してその公安
調査
庁において必要にして最小限度の厳格にしぼ
つて
、いやしくも敗戦前の思想弾圧、あるいは基本的人権の弾圧というふうな疑いを招いてはならぬ。これは本法が
国会
で討議せられたときに、繰返し繰返し討議せられたことであり、また
政府
もそうした思想弾圧、基本的人権の蹂躪、なかんずく問題になるのは思想の自由、それから団結の自由、
集会
、結社の自由、これらをおびやかすような法の復活に
なつ
ちやならんというような点ですが、その疑いを解釈する場合に、厳格にしぼられていないと、過去の思想弾圧の復活のおそれが生じて来ますし、それから基本的人権の侵害という悲しむべきことが起
つて
参りますから、この点については常に厳格にしぼらなければならない。で、厳格にしぼる基準が明らかに法において示されておりますように、
一つ
は破壊
活動
とは何であるかということに関する規定と、それからいま
一つ
はいわゆる
政府
当局が直ちにその行政上の権力というものを発動するということでなく、そこに
委員
会の制度が設けられておるということもその点だろうと思うのです。で、先日来公安
調査
庁が
政府
あるいは
国会
において発表せられておりますものについて、
共産党
あるいはそのほかの
団体
が破壊
活動
をしておる疑いがあるというその疑いは、これはどうもその立法当時の
政府
の
説明
、すなわち必要にして最小限度ということに十分にしぼりをかけて、それでこの破壊
活動
というその事実に基いてこの疑いというものを考える、決して思想あるいはそういう考え方というようなものでいかないという言明と、どうも少しだんだんに拡張解釈せられておるのじやないかと心配せられる点がございます。これが第一、それから第二は、どうも行
政権
が直接に発動すると、そのために法の拡張解釈あるいは乱用というものが起るのを防ぐという意味において、折角
委員
会の制度を設けておるのに、その
委員
会というもので、これはどうも困つた問題だということにな
つて
、それからこの
調査
が行われるというようなふうに、きわめてこれは最大限に慎重な態度をと
つて
おられるかどうかというこの二つの点について非常に心配をするのです。これはわれわれがその立法に
関係
した議員として、単に私は
反対
した議員としてだけでなく、
反対
いたしましても
国会
の多数において法律を制定した以上は、その法律が乱用あるいは拡張解釈その他によ
つて
国民
の憲法に保障せられた権利を侵害するということがあつちやならない。これはお互いに、あなたのほうでもその点については重大な関心をお持ちにな
つて
おることだし、われわれもそうでなければならない。これはわれわれの責任おいてもそれが乱用せられたり拡張解釈せられたりすることの責任を回避することはできませんし、公安
調査
庁御自身においてもその責任は将来回避せられることはできない。いやしくも基本的人権を侵害したようなことがあれば、その責任は将来必ず果されなければならん。そういう不幸な事態を招かないために、今の二つの点についていま少し慎重にお考えになるというような必要をお感じになりませんか。
高橋一郎
35
○
説明員
(
高橋一郎
君) 羽仁
委員
が現在破壊
活動
防止法で
調査
すべき対象があるはずがないし、
調査
しないのがよろしい、こういうふうにおつしやるのでございましたらば、これは私どもと非常に見解が異なるのであります。しかし
調査
すべきものはあるかもしれないが、その場合によくよく考えてやれよというお話でありますならば、それに対して私どもも相当の考えを持
つて
おりますから、それを今申し上げたいと思うのであります。
一つ
は人権を侵害しないで、しかも
調査
の
目的
を達するという場合の担保といたしましては、先ほど
委員長
からもお尋ねに
なつ
たような手続と申しますか、方法上の担保であろうと思います。その上にわれわれとしましては、もう
一つ
の考え方の上での
一つ
の担保を持
つて
おるというふうに考えておるのであります。それはつまり私どもは
共産主義者
と
社会民主主義
者というものは、破壊
活動
防止法の建前からして厳格に区別して考える考え方をと
つて
おります。もちろん一般の平和
主義
者というものをこれと同一視するなどということは絶対にございません。このような考え方に基いていろいろ手続上でも慎重な考え方でや
つて
おりますので、それでそのような考え方から先ほども申し上げたように、法律にはありませんけれども、具体的に申せば、ある
組合
内の
グループ活動
でも
つて
その
組合
全体を性格づけてしまうようなことをするなということを、わざわざ私どものほうの規則の六条で規定してあるぐらいであります。それから今の考え方は羽仁
委員
はまだおいでにならなかつたかと思います。けれども、今日の私の御
説明
の中にもそのことはうかがわれるであろうと考えているのであります。そのように私どもは私どもとして十分
国会
の御審議の経過も
承知
いたしまして、決してあやまるまいというつもりで運用いたしておるのであります。その点
一つ
御理解願いたいというふうに考えます。 それからこれはまあ大したことではありませんけれども、この破防法運用の慎重を期するために、まず公安審査
委員
会が取り上げて、これはどうも問題としなければならないということで、それを公安
調査
庁が
調査
する、こういうふうな運用をや
つて
おるかというお尋ねでありますけれども、この点はどうも私の研究が不十分でありますかしりませんけれども、公安
調査
委員
会と公安
調査
庁との
関係
はそういう
関係
にはな
つて
おらない。またそのような運用をしますというと、むしろ公安審査
委員
会の中立性と申しますか、そういう点がかえ
つて
そこなわれて、また思わざる弊害を生ずるというふうな感じもいたしております。
羽仁五郎
36
○羽仁五郎君 十分に御研究にな
つて
いることを固く信ずるので、そしてまた今申し上げたようなこの基本的人権に
関係
する重大な問題のある法の適用ですから、必要にして最小限度、そしてきわめて厳格、きわめて慎重ということは常に念頭に置かれるということを、この際特にまあ要望するのでございます。また公安
調査
庁としても、その公安
調査
庁はまあ法の本質的な意味から言いますと、
調査
官というものは公安
調査
庁長官以外にはないのですね。公安
調査
庁長官のみが
調査
官としての……。
高橋一郎
37
○
説明員
(
高橋一郎
君) ちよつとそれは……。
羽仁五郎
38
○羽仁五郎君 いや、それはその法の字句の末節にとらわれて私は言うのじやないのでして、
国会
における私の質問に対して、公安
調査
庁の
調査
官がそれを拡張解釈、濫用することによ
つて
、基本的人権を侵害したおそれがあるときに、誰が責任をとるか。
政府
の当時の御答弁では、公安
調査
庁長官が責任をとる、そういう意味において私が申し上げているので、いわゆる職名とか官名とかそういう意味ではない。と言いますのは、こういう基本的人権の侵害という重大な問題においては、責任が最高のレベルにおいてとられなければならない。アメリカのFBIにおいて、FBIの長官がザ・インベスデイゲーターとしての権限と責任を持
つて
おられるので、そういう意味において基本的人権に
関係
するような法の適用の問題に当
つて
は、常に最高の責任者が全責任を負うということを忘れられてはならない。まあ、ほかの場合でもそうですけれども、しかし特にそうしなければならないということを討議の過程において
政府
はわれわれの質問に対してお認めに
なつ
たところです。それから今の点ですね。今申し上げた必要最小限度、厳格、そうして慎重ということを公安
調査
庁長官の責任において、どうか公安
調査
庁の皆様があらためて十分にその点の認識を深められるように要望をする点、これが第一点、いかがですか。
高橋一郎
39
○
説明員
(
高橋一郎
君)
承知
しました。
羽仁五郎
40
○羽仁五郎君 第二は、その直接の法の手続の上で、最後には、その公安
調査
庁に並んで、その
委員
会というものの
活動
が法の上で期待されているのですが、何ゆえにそういうものが設けられているかということについて、先ほど私はお尋ねを申し上げたのです。そういうものが設けられているということは、主観的な判断によ
つて
疑いをそこに設定して、そうしてそこに取締を行うというようなことが生じてはならない。その主観的な判断というものをできるだけ避けるために、その
委員
会というものが慎重を期するために設けられている。これは単に個々の事件についての最後の、そうして法の規定する手続のみならず、この法の全般の適用の上に、かつ常にそういつた責任がとられることが望ましいのではないか。一言で申せば、公安
調査
庁の主観によ
つて
疑いをそこに設定して、そうして
調査
をせられるというような疑いをまぬがれなくならないように御努力を願
つて
いることと思いますけれども、しかしこの際また今後一層そういう点についての御注意を願えないであろうかということですが、それはどうですか。
高橋一郎
41
○
説明員
(
高橋一郎
君) よろしゆうございます。
羽仁五郎
42
○羽仁五郎君 先ほどの御答弁の中にも、これは決してあげ足を取つたりなんかする意味じやなくて心からお願いするのですが、共産
主義
と
社会民主主義
と平和
主義
というものについて、それぞれ厳格な一線を引いているというふうなことを、私どもは公安
調査
庁にあの法律によ
つて
期待してはいないと思うのです。法が明らかに規定していますように、政治上の
主義主張
というものと
関係
して、そうして
団体
の結成というものと
関係
して、そうしてそこに
政府
を暴力によ
つて
顛覆するとか、あるいは汽車をひつくり返すとか、あるいは公務員の職務の執行を妨げるとかいう、そこに三つのものが要件として出ているわけですね。いわゆる破壊
活動
というものの、その破壊
活動
というもののそういう定義の仕方にいろいろな問題があるであろうということは、当時討議の過程で申し上げましたから、その速記録もあることですから、今さらここで繰り返しません。政治上の
主義主張
というものを争うには政治上の
主義主張
で争うのが一番いい方法であり、
団体
の
活動
に対しては
団体
の
活動
、
新聞
の
活動
に対しては
新聞
の
活動
でやるのが一番いい。正常の
主義主張
、
団体
の
活動
、あるいは言論の
活動
というものを、汽車の顛覆とか、あるいは人を殺すとか何とかいう犯罪と結びつけてこれを取締るということは非常な卑劣なことで、そういうことは
政府
としても本法によ
つて
、やろうという
意思
はないということは、しばしば言明せられたことなんです。そういうふうないろいろの問題がありますけれども、しかし現在の法律で破壊
活動
というものについては要件が列挙せられておりますから、そういう列挙せられたる要件がことごとく相並んで存在して、そうしてそこに破壊
活動
というものの疑いが発生して来るという場合は、きわめて厳格な場合なんです。それについての
調査
、あるいはそれについてのいろいろの措置がなされることは、この法が許しているのですから、そのこと自体について私の意見は差し控えますが、最近の御発表などの場合ですと、どうもその点において拡張解釈、あるいは現在が拡張解釈しておられるというふうに批判をいたすのは、仮に遠慮いたすにいたしましても、拡張解釈の
方向
に向
つて
動かれるのじやないかという心配なきにしもあらずだと思う。私はそういうふうなものは、いわゆる法でいうところの
調査
というものとお考えになるか、それともふだんまあそういう研究をなさ
つて
いるということであるのか、私はどうも研究するということであるならば、拡張解釈あるいは拡張解釈に向
つて
動いているのじやないかという疑いを受けられるおそれも少いかと思うのですが、そういう点についてはどうですか。それを
調査
をなさるということと、研究なさるということについては、どんなふうにお考えですか。
高橋一郎
43
○
説明員
(
高橋一郎
君) その点は先ほど
委員長
のお尋ねに対してもお答えしました
通り
、関連するいろいろな問題あるいは
現象
といつたようなものを資料として、
調査
ではなくて資料として整理しておることはこれはございます。
羽仁五郎
44
○羽仁五郎君 その点が
国民
に与えるやはり
一つ
の不安になると思うのです。公安
調査
庁という役所が、そこにある限られている
調査
ということについて、やはりもう少し
国民
の感情ということに対しても慎重な考慮を払われて、そうして研究の
段階
というものと、それから
調査
の
段階
というものについて十分厳格に御自分自身を保たれることを要望したいと思うのですが、どうですか。
高橋一郎
45
○
説明員
(
高橋一郎
君) 私どもの考え方は、先ほど申し上げた
通り
で、十分御趣旨を了解しまして、いやしくもしないというふうに考えておるのです。
羽仁五郎
46
○羽仁五郎君 最後に一点伺
つて
おきたいのですが、
日本
では共産
主義
というものが、どうも
政府
のほうからは、絶えず非合法的なふうな目で見ようというふうにする
傾向
がありますね。これは過去においてあつたことですから、そうしてまた現在においてもそういうふうな
傾向
があるんじやないか、これは率直に伺うのですが、どうも共産
主義
というものを危険視する。これは今日の国際
情勢
その他の点からも、そうしてまた歴史の動きというような点からも、十分そういうふうなおそれがないようにお願いしたいというのが第一と、最後ですから続けて申し上げますが、第二には、共産
主義
というような思想ではなくて、
共産党
という政治上の
活動
ですが、これについてもそちらの側から考えましても、それが平和的に、合法的に
活動
して行かれるという
方向
と、それからそういう平和的に合法的に
活動
して行かれるという
方向
が非常に困難にな
つて
しまいますれば、堂々たる政党が、合法的な
活動
の方法が尽きたからとい
つて
、沈黙せられる、あるいはみずから解散するということは、これはあり得ないことですから、さまざまな手段をお考えになる。いわゆる言葉尽き、情尽き、理尽きて沈黙ということもできないと思う。そこで
共産党
の
活動
が合法的に行われるということは、われわれとしては、
民主主義
というものが円満に行われるように期待することですし、非合法な方法をとられないということは期待される点ですが、それについてはやはり合法的な
活動
というものは尊重せられませんと、やはりそこらの面からも非合法の問題が起
つて
来やしないか。この点について公安
調査
庁では現在
ただ
いまの二つの問題、
政府
の側から
共産党
というものを危険視している。そういう先入主を持
つて
おられるということは、そういう片鱗だにないということを期待するのですが、いかがですか。
高橋一郎
47
○
説明員
(
高橋一郎
君) 折角のお言葉でありますけれども、その点は少し私考えが違うのであります。危険視するなということでありますけれども、
共産党
の実態は、やはり危険な点があるのではないか。危険でないものを危険なように考えることは、これはよくないと思います。しかし実態のあるがままにこれを見るということは、これは許されてよろしいのではないかというふうに考えるのであります。それから
共産党
でも、合法
活動
は、これは尊重すべきではないかという点につきましては、もちろんその
通り
でありまして、合法
活動
そのものについて何らわれわれが云々すべき問題ではございません。その点は先ほど
委員長
のお尋ねにもお答えしたところであります。
ただ
、
共産党
がこちらが合法的であれば、相手もまたそうであるというふうな行き方をするかどうかということにつきましては、少くとも
日本共産党
の
国内
的に見ました場合には、
日本共産党
の戦略
戦術
を決定する要因は、むしろ国外からというふうに私どもは見ております。
羽仁五郎
48
○羽仁五郎君 時間の
関係
もありますから、要約して申し上げますが、破壊
活動
助止法というものは、決して
共産党
の非合法化を
目的
としたものではないということは、立法当時において
政府
もしばしば言明せられた
通り
であります。これは今日も変
つて
おられないと思いますが、どうですか。
高橋一郎
49
○
説明員
(
高橋一郎
君) 当時の
政府
の見解が、今日変
つて
おるとは私考えておりません。
ただ
し当時果して
日本共産党
が出した文書であるかどうかということについて、
政府
が明確に言うだけのデータを持
つて
いなかつた。そのような秘密文書につきましても、私どもの
調査
の結果、それがそうであるというふうに言えるものができて来たということは、これは
状況
の変化でございます。
羽仁五郎
50
○羽仁五郎君 そういうことを伺
つて
いるのではないのですが、これはどうかあなたが今日は長官の代理で御出席にな
つて
いるのですから、長官の御意見として、公安
調査
庁あるいは
政府
の御意見として伺
つて
いるのですから、第一に法律が特定の、正常の
目的
をも
つて
制定せられる、具体的に言えば、ある政党を非合法化するという
目的
をも
つて
立法せられるということはあり得ない。またその法の運用においても、そういうふうな
目的
をも
つて
運用せられるということがあ
つて
は相成らん。これは制定当時の速記録をよく御研究下さればおのずから明らかなことであろうと思うので御答弁はい
ただ
きませんが、第二に思想の弾圧にな
つて
はいけない。それから共産
主義
というものが問題に
なつ
たことはない。あくまで破壊
活動
の事実というものがあれば、それは何の政党であろうと、何の
団体
であろうと、それは破壊
活動
のほうが主にな
つて
来る。どうもお話を伺
つて
いると、それがだんだんと、破壊
活動
の事実ということよりも、
共産党
、もう少し伺
つて
誤解すると、共産
主義
というものになる。どうかすると破壊
活動
防止法というものが何か
共産党
を非合法化するとか、あるいはそれを取締るとかいうことにな
つて
は大へんだという点なんです。この点は時間もありませんから、
一つ
次の機会に長官からも十分に伺
つて
おかなきやならないことだと思いますが、その点は公安
調査
庁でお仕事をして下さ
つて
おるすべての方が、はつきりと常に念頭に置いておられることと思いますが、その政治上の
主義
というものをとやかく言うのじやない。いわんや思想というものをとやかく言うのじやないのだ、破壊
活動
という事実ですね。そこにのみ関連することだというような認識には、絶対に誤りはないと思いますが、いかがでしよう。
高橋一郎
51
○
説明員
(
高橋一郎
君) その点はもうその
通り
でございます。
亀田得治
52
○理事(
亀田得治
君)
委員長
から最後に二、三お尋ねしておきます。時間が非常に遅くなりましたので、具体的な問題
一つ
、二つお聞きしますが、例のあの破防法第一号事件として取り上げられた釧路の事件ですね、今年の九月十五日に無罪の判決があつた。私もまあ判決の全文を読み、なお問題になりました総
選挙
に際し
日本
国民
に告ぐというビラですね、これも拝見したのですが、私はまあざつくばらんに言
つて
、なぜああいうものが破防法第一号として取り上げられたのか、これは全く
選挙
運動
のための
一つ
のいろいろな用語の使い方を工夫しておるだけなんですね。そういう感じだけしか私どもいろいろな
運動
をやつた者としては感じない。やはりこれは
共産党
の諸君がやつたからというような何かとらわれた考えが、これを起訴した人たちの間にはあ
つたの
じやないか、おそらくはかの政党の人が少々激烈なことをいろいろな
宣伝
文書なり、
選挙
活動
なんかのときに使うことを書いてお
つて
も、まさか問題にならなか
つたの
だろうと思うのですが、これは起訴に当
つて
はもちろん
調査
庁も関与されたことだろうと思うのですが、どういうふうにこの点お考えにな
つて
おりますか。
高橋一郎
53
○
説明員
(
高橋一郎
君) 釧路の事件は、これはいわゆる刑罰法規の違反ということで警察、
検察
の線で処理した問題でございましてわれわれのほうとは直接
関係
はございません。
亀田得治
54
○理事(
亀田得治
君) それではお伺いしますが、しかしあなたのほうは起訴については
関係
しなかつたかもしれませんが、おそらくあの重要な問題ですから検討されておると思います。検討された結果の感じはどういうところですか、ざつくばらんに……。
高橋一郎
55
○
説明員
(
高橋一郎
君) 今度の判決の検討は今そのほうの係でや
つて
おるのでありまして、今私から具体的に申し上げる
程度
に至
つて
おりません。
亀田得治
56
○理事(
亀田得治
君) それではこれはまたいずれときを改めまして、こういうやつぱり具体的な問題が出て来た、そういうことについてのお互いの見解を聞かしてもらうことが非常に参考になると思いますので、あらためてこれは
一つ
お聞きすることにいたしたいと思います。 それからもう一点お尋ねしておきますが、今
政府
で反
民主主義
活動
対策協
議会
、こういうものができて、その
説明
を先だ
つて
から法務
委員
会として求めておるわけですが、まだいろいろな都合でその時間のやりくりが
政府
側でできないということで延び延びにな
つて
いるのですが、
調査
庁側の見解ですね、果してああいうものの必要性があるかどうかということが
一つ
、それからもう
一つ
は、それじや必要性があるとして協
議会
ができた。できて、この協
議会
というものは、今の破防法なり憲法というものがある以上、何らかの
行動
が一体とれるのか、
調査
庁が今おやりにな
つて
おること以上のことが何かできるのかということですね。そういうことは全然できないので、
ただ
閣員の中で意見の交換をする
程度
だということ以外に出れないというお考えかどうか。その二点ですね、どういうふうにお考えにな
つて
おるかちよつとお尋ねしておきたいと思います。
高橋一郎
57
○
説明員
(
高橋一郎
君) これは私どものほうの問題じや実はございませんので、しかるべき方からお聞きとりを願つたほうがよろしいと思うのでありますが、私は緒方副総理が
国会
でお話にな
つて
おりますところを承わ
つて
、閣僚
懇談会
のようなものであるというふうに
承知
しております。
亀田得治
58
○理事(
亀田得治
君) そうすると、しかし懇談をした結果ですね、何かそこに対策が出て来るわけでしよう。
高橋一郎
59
○
説明員
(
高橋一郎
君) それは
一つ
しかるべき筋から御答弁を……。
亀田得治
60
○理事(
亀田得治
君) なかなか緒方さんが出て来んものですからお聞きしたのですが、じやこの
程度
にしておきましよう。 本日は非常に
高橋
次長から各
団体
の左右のいろいろな
動向
について御報告があつたわけです、羽仁さんちよつとおくれましたが……。実はそれらについて私ももう少し具体的に右も左も聞きたい点があるわけなんですが、前提的ないろいろ問題で時間がもうすでに予定が過ぎてしま
つたの
で、これはまた
一つ
ときを改めることにしたいと思うのです。 午前中はこの
程度
で
委員
会を……。
羽仁五郎
61
○羽仁五郎君 ちよつと公安
調査
庁に要望なんですが、われわれしじゆうこの法務
委員
会から、
委員
会の
任務
に基いて
裁判
所や
検察
庁の方々の御意見を伺つたり
調査
したりしているのですが、ごく最近にも検事の方から、こと前に思想検事をなす
つて
いた方から、敗戦によ
つて
非常なシヨツクを受けたというお言葉を伺つたことがあります。これを公安
調査
庁の最高の責任をと
つて
おられます長官なりそれを補佐されますあなたなりが、公安
調査
庁で働いておられる方々が、後日そういうようなシヨツクを受けられるということは非常に悲しいことですし、私も望まないことなんです。で、こういう法律が非常な乱用あるいは拡張解釈によ
つて
非常に悲しむべき事態を招いては大へんだということは、これは全く御同感であろうとお察しをするのですが、どうか
一つ
過去においてなしたような誤りを繰り返さないように。で、実際において法が適用せられるときに、いやしくも思想を圧迫する、基本的人権を弾圧するというようなことがあ
つて
はならん、そのほうがおそろしいことである。区々たる眼前の事実というものにあまりそれを大げさに考え、その結果そういう基本的人権が侵害され、
民主主義
の基本が崩れて行くというようなことにな
つて
は大へんだと思うのですが、この点は長官初め公安
調査
庁において常に十分徹底をしておられること思いますが、われわれ外からながめてときどき心配せられるようなことがあるのですね。この際特にそういう点について御尽力願えますかどうでしようか。
高橋一郎
62
○
説明員
(
高橋一郎
君) 十分了承いたしましたです。
亀田得治
63
○理事(
亀田得治
君) では、午前中はこれで終了いたしまして、午後は二時から開会いたします。 午後零時五十一分休憩 —————・————— 午後二時二十二分開会
高橋進太郎
64
○
委員長
(
高橋進太郎
君) これより法務
委員
会を開きます。
政府
のほうから
委員
会で要請した法務大臣及び副総理、官房長官出席しませんからこれをも
つて
散会したいと思います。 本日はこれをも
つて
散会いたします。 午後二時二十三分散会