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1954-04-05 第19回国会 参議院 補助金等の臨時特例等に関する法律案特別委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月五日(月曜日)    午前十一時六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     松永 義雄君    理事            青柳 秀夫君            伊能繁次郎君           小笠原二三男君    委員            秋山俊一郎君            石井  桂君            剱木 亨弘君            榊原  亨君            高橋  衛君            常岡 一郎君            竹中 勝男君            三橋八次郎君            千田  正君   政府委員    大蔵省主計局総    務課長     佐藤 一郎君    運輸政務次官  西村 英一君    運輸大臣官房会    計課長     辻  章男君    運輸省海運局長 岡田 修一君    運輸省船舶局長 甘利 昂一君    運輸省鉄道監督    局長      植田 純一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○補助金等臨時特例等に関する法律  案(内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 松永義雄

    委員長松永義雄君) これより特別委員会を開会いたします。  補助金等臨時特例等に関する法律案を議題に供します。先ず前回に引続き運輸省関係審議を行いますが、政府から船舶局長甘利昂一君、同じく鉄道監督局長植田純一君が出席せられております。第二十条について御質疑のあるかたは御発言を願います。
  3. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 第二十条についてお尋ねいたしますが、先ずこのモーターボート競走法は、当時の立法経過から見ましていろいろ問題のあつた法律でございますが、今全国でこの競争法に基いてモーターボート競争の施設をし、これを施行しておる個所はどういう所にどれだけあるかお伺いしたい。
  4. 甘利昂一

    政府委員甘利昂一君) 競争場の数が約十七カ所、それから施行者の数が二十六ございます。競争場の場所は今現に行なつています所は、静岡県の浜名湖、それから愛知県の半田、それから常滑、それから三重県の津、福井県の三国、大阪の狭山ケ池、滋賀県の琵琶湖、兵庫県の尼ケ崎、香川県の丸亀、徳島県の鳴門、岡山県の児島、福岡県の蘆屋、若松、福岡、それから佐賀県の唐津、長崎県の大村、競争場はこれだけでございます。それから施行者の数は二十六でございます。
  5. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まあ大体都道府県と市とを分けてどつちのほうが多いですか、その点だけ……。
  6. 甘利昂一

    政府委員甘利昂一君) 施行者は市が一番多いのです。県は一つです。それから市が十九です。それから組合でやつているのが六です。
  7. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでこれを監督しておつて、今の状態で何にもまあ施行上問題は出ておりませんか。
  8. 甘利昂一

    政府委員甘利昂一君) 一応今までのところ大して問題はございませんです。こまごましたほかのこういう競技に付きもののこまごました問題はございますが、一応大きな問題はございませんし、むしろ非常にまあ競輪、競馬に比べて海事思想普及とか、或いはそういう意味において、我々の聞いているところでは好評を博しているように聞いております。
  9. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私当時盛んに働きかけられて、又聞いたところでは、只今お話のように、海事思想普及並びに小型モーター技術改善等のための費用を上げる、無論ひいては地方財政に寄与する、こういうふうに聞いておつたのですが、その点から言うて売上金が年額、二十八年度でようございますが、国庫納付金幾らつたか。
  10. 甘利昂一

    政府委員甘利昂一君) 二十八年度のは、今まで締めたところで約百九億ございます。約その三%が国庫納付金になります。ですから予定額として三億三千七百三十二万円ということになつておりますが、実際納まつているのは相当少いのじやないかと思いますが、滞納になつているのが半数ぐらいあるそうでございます。今正確に調べてございませんが、後ほど調べて御報告いたします。
  11. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 地方公共団体施行者であつて滞納ということはどういうのです。
  12. 甘利昂一

    政府委員甘利昂一君) 納める予定でおりますが、納めるのがいつも多少遅れ気味でございますので、我々としてもこれは特に督促いたしております。特に二十七年度も非常に滞納が多かつたのですが、これもたしか昨年の十月の末ですか、各施行者を呼んで、早速納めるようにということを強く申入れましたところが、非常によく納まりましたので、まあこちらから催促すれば納めるというので、非常にまあ今までも滞納勝ちつたことは非常に遺憾に思いますが、二十八年度についても同様の方法によつてできるだけ早急に納めさせるように手配いたしたい、こういうふうに考えております。
  13. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 政令か何かで国庫納付金納付期限なんか切つてあるのですか、どういうふうになつておるのですか。
  14. 甘利昂一

    政府委員甘利昂一君) 別段納付期限切つてございません。
  15. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では只今の答弁のように、国庫納付金二十八年度分が現在幾らつておるか、滞納幾らあるか、この点はあとでお知らせ願いたいと思いますが、そこでこの法律案は「当分の間、適用しない。」とありますが、これが衆議院のように、時限立法と申しますか、一年なら一年と期限切つてあれば、来年からは積極的にやはり根本に戻して国庫納付をさせる、こういうお考えですか。
  16. 西村英一

    政府委員西村英一君) 当分の間となつておるのでありまして、その間来年返すということにはきまつておらないわけであります。そのときの事情によつて判断するのであります。来年は国庫に入るということにはきまつておりません。
  17. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでいつまでこれが実施されるのかと言えば、それもわからないとしか答弁しないと思うのです。そうすると、私たちは何を目度にして「当分の間、適用しない。」ということを承認するかというと、ちつとも根拠はないですな。国家財政の都合というなら、これは国庫納付金を納付せしめるほうが中央の財政もよくなるわけです。ところが緊縮財政のために、国庫納付金を「当分の間、適用しない。」ということは、これはどういうことなんですか。
  18. 西村英一

    政府委員西村英一君) 只今申しましたように、地方財政援助のためにこういうふうな措置をとつたのでありまして、又こういうふうな金に国家財政を依存したくないという気持もありますので、今後こういう形で施行して行く上におきまして、又そのときに応じてはつきりした態度をきめたい、かようなわけでございまして、今当分の間と期限切つて、いつにしようじやないかということは考えておらないわけであります。
  19. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 こういう金で国の財政を賄うことを潔ぎよしとしない、非常に私たちも同感ですが、それなら国の予算のほうで、こういう小型モーター技術改善等にどれだけ費用をかけておられるのですか。
  20. 甘利昂一

    政府委員甘利昂一君) 我々当初意図いたしましたところは、相当日本としては、小型発動機の輸出ができておりますので、今後これを改善すれば、更に東南アジア方面に相当出るのではないかということで、毎年大蔵省にも研究補助費のようなものを要求いたしておりますが、今まで通つておりません。併し研究費はともかくといたしまして、相当これは刺戟されて、一般の民衆がこういう小型モーターに興味を持つておることも確かであります。又これに従事しております選手、審判員その他も相当殖えておりますので、こういう面において相当技術者のレベルが向上するということも確かだろうと思います。
  21. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 次に伺いますが、大蔵省から出ておる資料によりますと、二十八年度予算額より、現行法であれば、二十九年度は随分殖えるようになつておりますが、それはどういう関係でこういうふうに殖えるようになつておりますか。
  22. 甘利昂一

    政府委員甘利昂一君) 今の御笠間ですが、売上高がですか。
  23. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 納付金は無論売上高が殖えたから……。
  24. 甘利昂一

    政府委員甘利昂一君) それは逐次競走場も殖えて参りましたし、施行者の数も殖えて参つたために、二十七年度売上高は二十四億でしたが、二十八年度は百九億に売上高は殖えておりますので、自然殖えて来たわけでございます。
  25. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、これは百分の三でこれだけですから、計算してみれば、どれだけ二十九年度売上高が出て来ると予想されておるのですか。
  26. 甘利昂一

    政府委員甘利昂一君) 一応我々の予想では二百億と予想いたしておりますが、非常に確実にどれくらい売上があるか、低目に見ると百四十億という数字を弾いておりますが、一応二百億ということを予定いたしおります。
  27. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 二百億なら二、三が六で六億ですか、そんなものじやないです。二十九年度国庫納付金のそれは……。
  28. 松永義雄

    委員長松永義雄君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  29. 松永義雄

    委員長松永義雄君) 速記を始めて。
  30. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 二十八年度は大体二千七百万ぐらいの国庫納付金が出るという御説明から見ると、余りにこの予算額というものは見込み違いでとんでもない話だと思うのですね。而も本年度になると六億も納付見込みがあるのに、予算関係のほうでは一億七千万ぐらいしか見ておらん。余りに見込み違いで、杜撰だと考えておるのです。あとでそれは協議してしつかりしたところをお知らせ願いたいと思います。運輸省のほうで地方財政のほうにこれを戻してやるとなれば、どれだけ地方財政計画に寄与するかということを尋ねても、これはちよつとお答えになれないのだろうと思うから、私は二十条についてはこの程度で打切つておきます。
  31. 松永義雄

    委員長松永義雄君) 他に二十条について御質疑ございませんか……。ないと認めまして、一応この程度にしておきまして、次に二十一条に移ります。
  32. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これはここに出て来ておる利子補給を当分の間適用しないということは、文面では非常に短い簡単なことですけれども、それによつて影響するところが非常に大きいのですね。それで私どもこの問題は騒がれておつたものですけれども、とつくりとこの内容を聞いたことがない。それで一応運輸省のほうから現在までの経過について詳しく御説明願いたいのですが、外航船舶第一次からどういうふうになつて来て、それに基いて開発銀行がどれだけの金を出しておつて、その利率等がその都度々々どういうふうに変化して来たか、その経過について一通りたちの頭に入るように御説明願いたい。
  33. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 終戦後の船舶建造でございますが、第一次から第四次までは主として内航船を作つております。で、外航船を作りましたのは第五次でございます。第五次と申しますのは昭和二十四年度からでございます。現在までに計画造船として作りましたのが百九十八隻、トン数は百五十四万総トンくらいであつたかと存じます。で、第一次から第四次まではいわゆる船舶公団というもので、大体七割が政府、三割が民間と、こういう恰好でやつております。実際は四次頃には公団の持分が四割ぐらいで民間が六割ぐらいになつております。それから第五次船になりましてから、いわゆる見返し資金から半分出す、あとの半分は船会社銀行その他から調達すると、こういう方法であります。それで第八次までその見返資金から出しておる。ところが見返資金開発銀行融資されまして、第九次船、昭和二十八年度建造船からは開発銀行融資と、こういうことになつております。  そこで見返資金当時の金利でございますが、これは七分五厘でございます。市中銀行が大体平均一割一分、これでずつとやつて参りました。貸付条件といたしましては、大体元金は三年据置きのあと十二年間で償還すると、まあ十五年間の償還ということでありまして、これは一般の船の場合でございます。タンカーの場合には三年据置きのあと十年ですから、十三年間の償還という条件でございます。それから見返資金五割、市中五割というのは、八次船になりして、実は少しでも財政資金を少くして船を多く作りたいということで、八次船におきましては、大体見返資金一般貨物船については四割、市中が六割と、それからタンカーはたしか見返資金三割、市中七割と、こういうことになつております。ところが昭和二十八年度になりましてからは、そういう条件では絶対船ができない、市中銀行の金が付かないという情勢になつた。これは海運市況が非常に悪くなつたということですが、そこで財政資金七割、市中三割ということにして、タンカー財政資金四割、市中六割と、こういうところまで持つて来たわけであります。ところで海運市況が非常に悪くなりまして、これは昭和二十七年の春頃から急に悪くなつて参りました。それが更に二十七年の暮くらいになると、現在と同様のどん底状態に陥つた。そこで私どもは、日本海運会社外国船会社と太刀打をして行くためには、これに何らかの助成策を講じなければならん。では、なぜ日本海運会社がそういうふうに対外競争力が弱いかと申しますと、戦争で日本海運会社というのはもう殆んど全部の船を失つてしまつた。その失つた船に対して政府から補償金を受けたのです。それは別段預金として積立てた。それであと船を造ります場合には、その別段預金を使わないで、銀行から金を借りて造つた。ところが終戦になりまして、その積立てた金は打切られてしまつた銀行から借りた借金だけが残つたと、こういうひどい目に会つた従つて、戦後船を造りますためには、今申しました財政資金並びに市中資金に全部頼らなければならない。戦前の日本海運資本構成は、借入金が二割で自己資金が八割であつた。ところが戦後においては借入金が八割、自己資本が二割と、こういう状況になつたのであります。而もその金が市中は一割一分、見返資金ですら七分五厘と、こういう高い金利です。これが外国との競争をする上において一番の負担になつて来た。例えば北米と日本の間の小麦の運賃原価をとつて見ましても、外国日本の船と金利の差だけでも一ドル五十セントくらいである。こういうふうな非常に不利な状況にありました。従つてこの日本海運対外競争力を強化する上には、どうしても金利負担を低減する、こういうことが一番緊要だというので、政府といたしましては、昭和二十七年の秋の臨時国会つたと思いますが、大蔵省と話をいたしまして、取りあえず市中金利が七分五厘になるように、これは一割一分三厘くらいになりましようか、従つてその差額の三分八厘を利子補給すると、こういうことをきめまして、その旨の法律規定したわけです。これは昭和二十七年の初め頃の市況を土台とした政策です。その後昭和二十七年の予算をきめ、それを出すことになりますと、そんな程度助成策では到底やつて行けん、更に一般助成をしたいというので、私ども資料を以て大蔵省審議庁、こういう方面にいろいろ説明をしておつたわけです。丁度二十八年度予算が流れまして、暫定予算でやつて来た。従つてどもは、その流れているうちに二十八年度予算が或いは政府の手で変更になるかも知れない。従つて政府の手で当初組んだ二十八年度予算変更になれば、そのときに運輸省の新らしい考え方、新しい助成策を盛り込んでもらいたい、こういうので大蔵省審議庁にも十分話をしておつた。ところが政府のほうとしてはその予算を変えないということになつて、たまたま海運事情に非常に精通されている先生方の間で議員修正ということで行こうじやないかと、こういう話が出たのです。従つてどもとしては、党の求めに応じて、或いは自由党、改進党方面に御説明したこともございましたが、そのときに修正になりましたのは、市中融資については一割一分を五分になるようにする、それから開発銀行金利は三分五厘になるようにする、こういう修正ができたわけです。それで取りあえず二十八年度予算に、市中銀行に対して約七億の補給金、それから開発銀行に対して約三億の補給金を出そうと、こういう予算なつた。これをずつと補給期間中の利子補給額全額について見ますると、市中銀行、これは利子補給を始めてから八カ年間で約百六十八億、これは実際その後ずつと数字を整理し、或いは補給対象を整理いたしました結果、百三十数億に減つております。これは例えば乗出費用に対しては利子補給をしないとか、当時予算総則に書かれました国庫負担契約限度額というのは百六十八億になつてつた。それから開発銀行に対しましては、開発銀行自体で五分まで下げて、あと一分五厘を政府補給する、で、開発銀行船会社に貸出すのは三分五厘と、こういうことにしました。その一分五厘の補給が二十八年度では、只今申しましたように約三億、それからこれは十七年度問に亘りますが、二十七年度間に約八十億程度であつたかと思います。そういうものを予算に計上された。ところで更に二十九年度予算編成に当りまして、大蔵省のほうで、開発銀行政府機関だ、これに政府利子補給するのはおかしいじやないか、従つて開発銀行金利開発銀行自体で下げさせるようにしようじやないか、従つてその利子補給は、二十八年度はもう予算に組んで実行するということになているから止むを得ないが、二十九年度からこれを打切ろうと、こういうことになつております。従いまして、この法律の面も、外航船舶利子補給法第九条では、開発銀行利子補給契約を結ぶことができると、こういうことでございまするから、必ずしも今度のような法律を出さなくても、或いはそのまま頬被りで行けたかも知れない。併し仮にもそういう利子補給契約を結ぶことができるという法律があつて、実際補給契約を結ばないということは、いわゆる法的の潔癖性から言つても面白くないというので、今度のような利子補給契約規定は当分適用しないと、こういう規定が掲げられたわけでございます。  いきさつはさようなことでございます。
  34. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで二十八年度開発銀行に対して約三億の利子補給のための金を出すと言つておりますが、実際の支払いはどういうふうになつておりますか。
  35. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) その当初組みました予算は約三億でございますが、その後補正予算修正修正を重ねました。当初は利子補給対象として、船の契約船価だけではなしに、いわゆる乗出費用というものがございます。これは建造中の金利公租公課、こういうものを利子補給対象にしておりますが、こういうものを削つた。それからもう一つ大きいのは、当初の予算では、開発銀行四半期ごとの清算としまして、九月から十二月までの補給金を見ておつたのですが、これは翌年度補給金にするというので、二十八年度予算から削つたのです。そういうことから、最終の予算として第三次補正予算開発銀行に組みましたのは一億三百二十万円でございます。これがこの三月末に契約になりまして、開発銀行のほうに目下支払手続中でございます。
  36. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 二十八年度開発銀行政府機関ではなかつたのですか。というのは、今年度開発銀行政府機関だから金は出さんでもよいのだ、銀行自体で賄わせろと大蔵省側が言うたと、そういう条件なり、そういう実態なりというものは二十八年度もその通りつたのではないかと思うのですね。それを国会が多数の意思できめたことを、二十九度年中にこういうふうな改正を加えるということは、私たちは反対した立場ですけれども、筋から言うとおかしいと思うのです。そういう意味で聞いているのです。
  37. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 二十八年度開発銀行国家機関です。従いまして私どもは二十八年度もそういう利子補給をしたのだから、二十九年度も同様の予算要求をしたわけですが、その間において先ほど申しました意見政府の決定、こういうことになりまして、二十九年度からは補給しない、こういうことになつたのであります。
  38. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、大蔵省国会意思を曲げてこの法案を出して来ることの主役になつたというふうに考えていいわけですね。
  39. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 大蔵省意見一つお聞き願えれば幸いと存じます。
  40. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いろいろ批判がありますけれども国会が一旦きめたことを翌年度予算政府が勝手にと申しますか、自由にいじくり廻すというようなこと自体けしからんことだと考えるのですが、政務次官如何ですか。
  41. 西村英一

    政府委員西村英一君) 運輸省といたしましては、只今海運局長からも申しましたように、実質的に金利幾らか引下つておればそれで一応いいわけであります。勿論この法律を生かしまして、政府から開発銀行利子補給をするということは筋は通ると思うのです。併し又大蔵省大蔵省立場からかようなことをせずに、それだけの金利の差を開発銀行の操作で行こう、運輸省大蔵省両省会議でそうなつて、二十九年度予算といたしましても、政府から開銀に対する利子補給をやめまして、予算は御審議を願つたわけであります。その意味から行きまして、この法律もそれに並行いたしまして、二十九年度政府から開銀利子補給はないのでございますから、法律もそのようにはつきりいたしたほうがいいのだ、かように思つて提案いたしておる次第であります。
  42. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで開発銀行船会社の間でだけこの問題が処理される、政府利子補給をしない、こういうことになると、何か契約上国にとつて利益になるようなことがございますか。
  43. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 開発銀行船舶と電気につきまして、船舶と言いましても外航船舶ですが、この二つにつきまして、二月一日から金利を三分五厘に下げております。従つて三分五厘と六分五厘の差の三分の処置についてでございますが、これは開発銀行は一応金利を負けるのでなしに、徴収を猶予する、こういう形をとるわけであります。従つて船会社がずつと損金を落しまして、そうして利益を計上するような状態になるまで一応その支払と言いますか、開発銀行としては徴収すべき金利猶予してやる。で、船会社が今申しましたような経理の状況に達した場合には、遅滞なく猶予したものを取上げる。従つて船会社から言いますと、二十八年度にとられた方策からいうと非常な助成の後退です。国家からいうとそれだけ助成を減らしておる、こういうことでございます。
  44. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、何と申しますか、契約上は開発銀行船会社だけの問題になれば、船会社に出している金はいつかは取れる。飽くまでも債権として残る。国が利子補給をしておれば、船会社がうまく行かない事態においては、或る期限が来れば債務と申しますか、船会社から言えばそれはなくなる、そういう点が違いがあるというふうにまあ一応考えていいわけですか。
  45. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 国からの利子補給の場合でも、この外航船舶建造利子補給法船会社がその資本金に対して一割以上の利益を挙げた場合には、その利子補給を国に返納する、こういうことになつております。従つて普通の補助金と違いまして、一応利子の分だけ国から借りたというような恰好ちよつと出ておるわけです。併しそれは飽くまでも補給金でございますから、一応船会社にくれてやつて、ただそういうような状態ができた場合に国が取上げるということでございます。利子猶予の場合は、これは飽くまでも船会社債務でございまして、一定の状態が来れば開発銀行遅滞なく取上げる、従つて開発銀行金利猶予は、まだ今その契約条件を検討中でございまして、はつきりしておりませんが、大体半年ずつ延ばして行く、そうして半年延ばした後に取上げ得るような状態が来れば遅滞なく取つておる、こういうようなことでございまして、それは利子補給の場合と金利猶予の場合とは、船会社のほうから言うと非常に助成を減らされたということでありますし、国家財政的な見地から言うと助成を非常に少くしたということははつきり言えるのであります。
  46. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 何かそういう話を聞いていると、大騒ぎして利子補給をしてもらう運動船会社がやつたということは、結果として考えてみると、国から補給を受ける、或いは援助を受ける金というものは初めから返さなくてもいいのだという気持があつて、あれだけ猛烈な運動をしたのじやないかというふうに思われますが、暗々裡にそういうような関係船会社にも、何と申しますか、匂わせられるような何かあつたのですか。
  47. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 最近船会社の非常に悪口と言いますか、それが横行し、それから新聞等にもそういうことがありましようが、船会社は国から借りた金或いは開発銀行から借りた金をただもらつたというふうな考えはこれはもう絶対に持つておりませんし、私どももそういうふうなことを、それほどまでに甘やかす言葉を書いたことはございません。で、開発銀行金利にいたしましても、或る新聞では利子は一文も返してないということですが、その利子はむしろ市中銀行よりも厳重なくらいに開発銀行はお取立てになつておる、従つてその元金も船会社の経理の状況が本当に返し得る状態ならば、開発銀行としては遅滞なくお取立てになるというふうに考えまして、そういうふうな国の金だからもらつたものだということは絶対ない、私はむしろ今まで船会社に国がとつた措置、それから今払つておる船会社の犠牲、こういうものから言いますと、今までやつた利子補給というものは何ら過当のものじやない。先ほど申しましたように、戦時補償で打切つた金は二十五億でございますが、これは現在の額とすると五千億になるわけです。で、先ほど言つたように、一方においてそれを打切られて借金だけが残つている。それから現在の船会社が非常に受けておる苦痛ですね、これは御承知のように受取る運賃は外貨若しくは外貨建です。従つてこれは為替レートを変更しろとは絶対に言いませんが、為替レートの三百六十円レートを維持されているがために如何に経営が苦しいか、その半面においてほかの産業がどんなに海運の安い運賃で恩恵を受けているか、こういうことをお考えになれば、私は海運に対する助成というものは決して過当でなく、むしろ過少でないかということをあえて申上げる次第です。
  48. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、戦時補償というものをしなかつたものの身代りだからいいじやないかというようなことですが、それにしては種々雑多な会社に、何も戦時補償もそうとれそうでもないような会社のほうに余計金が廻つている、こういうふうにもとれるのですが、その点はどうなんですか。
  49. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 私どもは何も戦時補償の代償としてこういうものをやりなさいということじやないのです、海運一般としての話です。戦争中に失つたものに対する代償としてやるということならばもつと別の方法がある。これは占領中でも戦争補償に対しての、戦争によつて受けた被害に対しての補償という考えについては、これは非常にやかましくとめておつた。例えば郵船の阿波丸のごときは明らかにアメリカ側の不当なる措置、或いは日本政府の不当なる措置、不当なる措置というのはちよつと言い過ぎかも知れませんが、阿波丸の代船建造についても何らそれに対する代償的な措置を絶対考えてはいかん、これは日本政府のほうでも強く要求したのですが、向うさんがそういうふうなことを認めなかつたという事例でもわかりますように、若し個々の会社に対する補償ということからいうと、別の措置をとつたであろう。ただ私が言いますのは、海運全体としてこういう立場に置かれておる。従つて日本海運が本当に外国と太刀打ちできるように育て上げようというお気持があるならば、こういう点もお考え願つて然るべきじやないか、こういう意味で申上げたのでございます。
  50. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 変な話を聞くようですが、私たちがそういうことを素直に受取るためには、今騒ぎになつているような事態が国会議員と船会社との間にあつたかないかは先ず暫らくおくとしまして、あなた方当局と船会社との間に何らの関係もなかつたのですか、この点がはつきりするとすぐ納得が行くのです。
  51. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) それは検察当局でお調べ中でございますから、私がここで申上げないほうがいいかと思います。お調べが済めばはつきりするかと思います。
  52. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 あなたも当面の一人の人としていろいろ噂のある人ですから、あなたからそういう話を聞いて納得するわけにはちよつと行きかねるのです。それでやはり検察庁のほうに任せているとなれば、検察庁のほうがはつきりして、あなたの言うことも私たちに或るほどそうだということになるまで、この法律はやはり当分の間通さないでみておらなくちやならんように思うのですが、それはそれとして、通して欲しいとあなたは立場上強く御主張なさいますか。
  53. 西村英一

    政府委員西村英一君) 今海運局長にお尋ねですが、私ちよつとお答えいたします。運輸省の我々の部下のことで、そういうようなことになりまして検察当局からいろいろと調べられておることにつきましては誠に遺憾でございます。併しこの法案が通りましたときに、又この法案の趣旨から申しましても、船会社利益せしむるというような考え方を持たれたのでは非常に困るというので、特に大臣初め私たち船会社の枢要なところのかたがたも寄りまして、今回のこの措置は海運助成策だ、他の産業もいろいろあるけれども、これは特別な助成策である。従いまして船会社に対してこうこうだというのではなくて、日本海運の再建のためにこういう特段な助成策を講ずるのであるということを申上げて、それぞれの処置はとつたつもりでございまするけれども、不幸にいたしまして、今新聞紙上にあるような結果になつておることは誠に遺憾でございまするが、飽くまでも私たち意思はその辺にあるわけでございます。併し先にも申しましたように、二十九年度予算政府から開発銀行には利子補給はしないということになつておるので、この法律は皆様方の御賛成を得たい、かように考えておるわけでございます。
  54. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今日、本会議で緊急質問をやるようにも聞いているのですが、そんなに潔白なものが、新聞記事にあるように課長補佐ですか、飛降り自殺をするような事態はなかつたのじやないかと思うのですが、あの飛降り自殺はただ精神錯乱なり、一身上の都合でやつたようなものですか、ただの事故ですか、どういうふうなものなんですか。
  55. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 余りそのことは私から申上げたつて弁解になるでしようし、或いはその通りにおとりになりませんでしようから、一つ答弁は許して頂きたい、或いは検察庁のほうへ事情をお聞き願えればその間の事情はわかると存じます。とにかく私ども言つているのは、船会社から何か利益を得ているから主張しているのだ、こういうことを言われることだけは心外でございます。私は若し悪いことがあれば、いつでもどこへでも出て行く覚悟は持つておる、或いはいつも責任をとる決心を持つておる、私は六年間海運局長をやつておりますが、その間いろいろ海運業を見、又これからの日本海運というものを見て行つた場合、本当に日本として海運を育てるという気があれば、こうしなければならん、こういう信念で申上げておるのです。だから汚職は汚職で、若し少しでも悪いことがあればいつでも検察庁へ引つ張つて頂けば結構だ、私はこういう気持は持つておるのです。先ほどの御答弁は御勘弁願います。
  56. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 只今海運局長のお話は誠に御尤もですが、そういう気持を持つていながら、潔白であるはずのものが容疑の対象になるというようなことそれ自身がおかしいのですね、あなたも監督する立場にいる人として、そういう潔白な気持を持つておられるなら、ほんの如何わしい噂が出るようなことであつても、相当厳粛に自戒せしむべきであろうと考えますが、それぞれの担当課長等については、行政的にどういう措置をとつているのですか。
  57. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 担当課長と言いますか、とにかく私どもは私どものやつている仕事が疑惑の中心になるということは、つねづね心がけ、従つていやしくもそういうことのないようにということをお互いに戒め合つて来たのでございますが、不幸にして部下から多くのそういうものを出した、こういうことは私どもとしては深く責任を感じております。それから私にどういう疑惑がかかつておるか知りませんが、これは十分洗つて頂きたい。若しそれが引つかかる点があれば如何ようにも御処断願いたい。これは人様がいろいろ疑いをおかけになるのを私が一々払い除けるわけには行きませんから、これは或いは私自身非常に真つすぐな道を歩いていると思つても、これが引つかかるかも知れません。これは如何ようなる御処断をして頂いても私は結構だと思います。結構じやない、そうされるでしよう、ありますれば……。併し私どもは仕事と言いますか、海運政策と私どもの行動をごつちやにして日本海運自体を損うことのないようにいたしたい、こういう気持だけはお汲取り願いたいと思います。
  58. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だからそういう潔白な厳粛な気持でお仕事をやつておられるにもかかわらず、部下から不幸にもそういう容疑のあるような者が出て来たというようなことについて、責任を痛感しておるという点からどういうふうな措置をとろうとしておるのかお伺いしたい。
  59. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 私は上に大臣、次官もおられることですから、私の身分は大臣、次官のおつしやる通りにするつもりです。
  60. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 あなたの下のほうの人をどうするかということです。
  61. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) 私の下は起訴になつておりますのでみんな休職でございます。従つてあとは補充したところもございますし、まだ補充してないところは目下適当なる人を持つて来べく人選中でございます。
  62. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 大臣はどういうふうに責任をお感じになつておられるか、政務次官からお聞きしたい。
  63. 西村英一

    政府委員西村英一君) 大臣のことは大臣に聞かんとわからんわけでありまするが、私といたしましては、事件がはつきりいたしまして適当に……、自分の責任につきましては痛感いたしております。大臣のことにつきましては大臣からお聞取り願いたいと思います。
  64. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 本題に戻りますが、当分の間適用しないということが、仮に内容としては一年間……。
  65. 松永義雄

    委員長松永義雄君) 速記を止めて。    〔速記中止
  66. 松永義雄

    委員長松永義雄君) 速記を始めて。  暫時休憩いたします。    午後零時六分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた