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1954-03-24 第19回国会 参議院 補助金等の臨時特例等に関する法律案特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月二十四日(水曜日)    午後三時三十七分開会   —————————————   委員の異動 三月二十四日委員永井純一郎君辞任に つき、その補欠として戸叶武君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     松永 義雄君    理事            青柳 秀夫君            伊能繁次郎君            上林 忠次君           小笠原二三男君    委員            秋山俊一郎君            石井  桂君            剱木 亨弘君            榊原  亨君            横川 信夫君            島村 軍次君            高橋 道男君            成瀬 幡治君            戸叶  武君            千田  正君   国務大臣   大 蔵 大 臣 小笠原九郎君   政府委員    大蔵政務次官  植木庚子郎君    大蔵省主計局総    務課長     佐藤 一郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○補助金等臨時特例等に関する法律  案(内閣送付)   —————————————
  2. 松永義雄

    委員長松永義雄君) これより特別委員会を開会いたします。補助金等臨時特例等に関する法律案を議題に供します。  質疑に入る前にちよつと御報告申上げますが、実は昨日委員懇談会を開いていろいろ御懇談を願いました結果、本日大蔵大臣の御出席があれば引続き総括質問を行い、更に委員懇談会を開いていろいろ御協議を願うということでございましたので、一応その経緯を御報告申下げます。  それでは政府から小笠原大蔵大蔵及び佐藤総務課長出席されておりますから質疑をお願いいたします。
  3. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 大臣にお伺いしますが、補助金とか負担金、或いは交付金補給金ですね、こういうようなものが総額をざつと見まして四十億近くあるだろうと思います。で、その中で今度のこの法律或いは法律に基かずに落されるのが大体六十億ぐらいあると聞いております。こういう予算を削られたと言つて、そうしてそれを地方に廻されるわけですが、自治庁との間に十分話合ができて、地方財政を圧迫せないだけの財政計画とか、そういうようなものが十分見てあるかどうか。その点についてお答え願いたいと思います。
  4. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) お答えいたしますが、この自治庁の間には十分な打合せができております。それからなお全体としては件数百ほどで金額で六十億ほどに今度の予算補助金節減でなるかと思いますが、このうちここで御審議願つておる分が件数でたしか二十三件、それで金額で三十億ばかりと承知いたしております。
  5. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 先ほど大臣見える前にここで話題に出ておつたのですが、こういうようなものを突如としてと言つてはいけないかも知れませんが、突如としてとこう私は言いたいのですが、こう出されたようなこれについては何かこうしなくちやならないという基本的なお考えがあるならばこの際承わりたいと思います。
  6. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 実はまあ補助金が非常に多数に上つておるので、補助金整理してもらいたいという要望は常にあつたのであります。それで中にも地方制度調査会にはそういうような強い要望がございました。というのは、御承知のごとく補助金ですから、中央補助金が又地方行つてもそれが又それに伴う支出が入り用になつて来るので、地方財政負担の点からもそういうような議論が出ております。又余りに少額なものが先のほうでいよいよ配分するときは極めて少額のものになつてしまつて、旅費その他のものを勘定すると却つてもらわないほうがよかつたというのがあるというような実例を挙げて、地方制度調査会等でもそういう話が出ておりましたし、更に税制調査会でもこれもその名前を言われてはちよつとそのかたに御迷惑になるか知れませんが、或る地方自治体を代表されている方が、実はこういう補助金は下さらんほうが結構だというので実例を幾つもお挙げになつた。それで中には一町村一万円に満たんものがあつて中央に出て来なければならないようなことがあつて、どうこうというような実例等をたくさん示されて、それで甚だしいのは一戸当り農家に四百円、闇相場だと一升の米だと言われましたが、税制調査会のときは高い時分でしたが、そういう一升か二升分の補助金が来て、而も非常に町村としては困るというような実例等をお挙げになつていろいろ政府要望がございました。そういうようなことと、何しろこの緊縮予算を編成するときなので、でき得るだけ一つ予算を削減し得るものは削減したい、こういう考え方。もう一つはこの地方制度調査会でも或いは税制調査会でも言われたことでありますが、できるだけ現実に仕事をしておる地方の何といいまするか、負担が幾らか重くなるような恰好になると非常に効率的にものがやれるというようなお話がございまして、ちよつと言葉を訂正しておきますが、負担が重くなるという意味は、同じ金を出されるなら例えば三分の二中央が出されるものについていうと、二分の一を中央で出してあとの差を例えば地方財源としてもらう等で、その地方のほうでやるということにすると、非常に効果的に行けるというような等の話もありましたので、かれこれ私ども臨時立法としてそれでは丁度予算のこういうときでもあるしお願い申上げたい。こういう趣意で二十三件、約三十億の分をお願いいたしておる次第でございます。
  7. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そうすると緊縮予算云々ということは、私達もわかるのですが、今度のこの出て来ておるところのこの法律は、大体その末端へ行つたときには非常に少額になつてしまう。そういう基準ですか。
  8. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 少額ばかりではございません。少額ばかりでなくて、今申上げた地方自治を強化する、そうして実際の施行面に当る方面へそういうふうにまあ責任分担の範囲が拡がることが、補助金が効率的に使える、こういうような意味も多分に含まれております。
  9. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 この関係法律をこういうふうに整理されて中央からの干渉が非常に少くなつて地方自治が確立するというようなふうには私たち受取りがたいわけです。これを一ツ一ツ条文を拾つてみて、それからあなたがおつしやるように、ここで財政上六十億金が浮いて来た、それを出して廻すことができたから非常に高率適用になつて地方自治体お金がたくさんもらえて楽になると、そういうふうに説明されるわけですが、私たちはちよつと納得しかねるわけですが。
  10. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 地方お金がたくさんもらえて楽になるという意味じやなく、それはちよつと何か私はそういう意味には申さなかつたのであります。つまり地方で今例を挙げました三分の二補助の例のものについて言いますと、それはまあ補助建前だから我々のほうで二分の一を直接持つと、それから併しこの地方財源としてこの間中央地方を通ずる税制整理を今度行なつたわけでありますから、それでその地方財源として三分の二と二分の一との差額財源として差上げる、こういうことにすることが行う上においていいと、こういう意味で申上げた。それですから言い換えまして地方余計金を差上げるというわけじやありません。財源措置がとつてあるから同じ金額が同じものに使われると、尤もそうでないものもございます。
  11. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 関連して。今この地方と国との財政計画の上で二十三の法律案の中で、例を挙げれば三分の二の従来の補助であつたのを二分の一に補助率を切下げる、従つて他の三分の一の部分というものはこれは譲与税、或いは交付税と申しますか、そういう形で計画的に地方財源を与えていると、だから従来と変りはないのだというふうなお話があつたのですが。
  12. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) そういうものとそうでない全然停止を願つているものもあり、それから又今度は例えば教育なんかの関係のものには、従来施設その他出せなかつたものに施設その他へ出せというようにいたしたものもある、これはいろいろであります。それはいろいろあるという一例で申したので、一様にそうなつておるのじやありません。
  13. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それではつきりしましたが、いろいろあるので一貫した制度調査会なり或いは税制調査会答申の線に沿うて一定の基準があつて筋道が立つてこの二十三の法案というものが上げられて来て、財政的に全部が全部裏付けられておるものではない、そういうように私は思つておる。
  14. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) これはお話通りでありまして、二十三が二十三全部そうなつてはおりません。今申上げたのは、そういうものもまああると言うと何か少く聞えていけませんが、原則としてはそういう建前とつたと、併しむしろ言葉として言うならばそうでないものもあると、そのほうへ、もを附けたほうがもう少しよくわかるかも知れません。原則としてはそういうふうにいたしております。
  15. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういうふうに言い直すこともできるほどのこれは特例法であるとこういうことだと私は思つている。それで大蔵大臣としては地方制度調査会なり税制調査会答申というものを十分くみつて、抜本的にこれらの制度整理改善するための法案としてこれを出したのだと言い切れないだろうと思う。この法案内容でそういうことが言い切れるとあなたは断言できますか。
  16. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) それは言い切れません。お話通りであります。ただ今回の二十九年度予算で、この交付税及び譲与税配付金特別会計作つて地方に対する税制及び行政の措置を変えたことはこれは大部分あれが織込んでございます。併しこの補助金整理のこの法律だけから見ますると十分ではないけれども、まあ大きい方向としてはその地方制度調査会等答申方向をとつておるわけでございます。
  17. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 もう一点お尋ねしたいのですが、例えばこの法律案においては、補助金ではございませんが、競輪とか或いは小型自動車競走とかモーターボート競走、これらの国庫納付金停止するということでございまするから、本法によればそれぞれ施行者である当該地方公共団体が生む収入はそのままその地方が使えると、こういう形になるわけでございまするが、ところがこれが自治庁等地方財政計画の発表で見ますと、都道府県市町村全体のトータルとして出ている地方材政収入の中には、算定せられて見込額が入つておるわけです。この国庫納付金に当る部分を返したという部分が入つておるわけです。併しこれは全国特定都道府県或いは都市にこれはもともと収入として入るものある。一般都道府県市町村を潤わせる財源ではないわけなんです。それが全国交付税譲与金として配付せらるる金を算定する基準になる財政収入の部面にこれが入つておる。こういう点はちつとも地方財政にプラスにならんのじやないか。特定財源として特定都市が使うものを、全体の地方公共団体にさもさも配付するかのごとき印象を与えるようなこういう地方財政計画というものは矛盾しておるんじやないか。私はそういうふうに考えますが、政府のほうではこれはどういう考え方基準財政収入と申しますか、その中に算定したのであるかどうかということをお伺いしたい。
  18. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 今お話の点は、実は今度は今までの平衡交付金に代えて交付税及び譲与税配付金特別会計でやることになる。又その財源になつておるものもそれぞれ使つており、新たにたばこの消費税というようなものも織込んでございますので、今までの点は配付する地方に対して金を交付するときに十分配分の点で考慮されて調整されておるつもりで私どもおるのでございます。そういうふうに自治庁との打合せでは調整してございます。
  19. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは具体的にお尋ねしますが、あなたの出身の名古屋市というような所で仮に競輪をやつておる。その競輪収入が仮に十億あつた、こうしますと名古屋のような所は富裕都市として交付税が行くかどうかわかりませんが、交付税が行くという場合には、従来自転車競技等による収入自主財源として国と地方財政計画の中に見込まれなかつた財源なんであります。枠外の財源なんである。それを今度は枠の中に入れてその地方基準財政収入とし、そしてその財政需要との差額交付税によつて補填する、こういうような形になるのですか。
  20. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) それはそれだけ収入が増加している、まあ例えば名古屋市という団体はそれだけ今度は交付税のほうで減ることに相成ります。
  21. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでははつきりお尋ねしますが、母法と申しますか、本法のほうでこれは自主財源として使うんだという趣意を以てこの競技法が成り立つているんですが、今度は全体的な財政計画の中に算定せらるるのだ、こういうふうに承知しておつてよろしいわけですか。
  22. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) それは全体としてはそういうふうに、お話のごとくに算定せられるのです。
  23. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、自主財源を求めるために地方財政をカバーする、或いは国に交付金として納めることによつて当該産業の振興を図るための費用を出して行く。こういう精神とは全然もう別で、一つのこういう賭博事業を今度は公式に国の、或いは地方財政計画の中に織込んでそうして考えて行く。こういうふうに変つて来たわけですか。早く言えばこういうばくち行為というような、俗な言葉で言えばそういうようなものを国と地方との今の緊縮財政の必要やむにやまれないつごうからこれも計画的に財源の中に見込むと、こういうことになつたわけですか。
  24. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) それは今のように国としては、言葉が悪いかも知れませんが、そういう賭博的なものの何はいかん、そういうものが主でなく、みんなが緊張して緊縮してやつてもらうときだから地方にはこれを認める。だから地方財源としてこれを認める。併しながらこの認め方には相当ゆとりがあるのでありまして、まあちよつと私は数字を的確に記憶しませんが、仮に実際に収入が三十億全体としてあるとこれは仮定します。併し実際見積るときにそれは二十億かそこらしか実は固く見て見積つてございません。尤もああいうものの収入が確定しているとも言いにくい。非常に浮動なものであるのでありまするが、併し極く内輪に見てゆとりのある財源として地方財政としては見ております。
  25. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 只今の御意見自治庁長官の御意見も同じであると承知してよろしうございますか。
  26. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) どうも私は直接自治庁長官とそういう話を交換したわけではございませんが、多分同じ政府だから同じ考えを持つておると私は思つております。
  27. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それは固く見積つているとかゆるく見積つているとかいうことは、当該責任者である自治庁長官との間にあなたが話をしたことがなくてそういうようなことは言えないんじやないですか。
  28. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) これは従来は国がやつてつたのでありますからよくわかつておる。そのわかつておるのを内わに控え目に見たと、こういう意味です。
  29. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まああと自治庁長官に聞きますから……。
  30. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 地方財政圧迫の問題について、例えばこの間公述人なんぞの意見を聞いておりましても、二分の一の国庫負担をしている。それでは地方は二分の一負担かというとそうではなくて、これは二分の一・五になつたり、或いは二にひとしいくらいです。国との比率が、普通でいえば一対一の割合のものが、国が一つつて地方二つ持つというようなことで、非常に地方財政を圧迫して困る、こういうような御意見が多かつた。この会計検査院の決算報告書などを見ましても、公共団体工事費分担金収納未済金額はここに資料として若干出ている。それなどによりますと、二十四年或いは二十五年、二十六年といつたようなものに全然入つていないということは、私は地方財政が窮迫しているからこういうことが出ないんだろうと思います。先ほど小笠原君が、自治庁との間に話合ができているかと聞いたら、私は直接に会つておらないけれども、さあというような小笠原君に対する御答弁であり、私のときには話合ができておるというようなことですが、本当にこういう法律或いは補助金が余りいいものじやないということは私たちもわかります。その補助金制度というものが陳情政治になつてしまつて悪いものだということは私たちもわかりますが、それかといつて地方財政を圧迫するようなことはしちやいかんと思うんです。それに対して根本的な、それじや税制改革をやつて今後やるというような、そういうそれじや意思があるのかないのか、或いは今後やろうとしてお見えになるのか、まあこの法律において見ますと、当分の間というようになつておるのがそういうようなことに関連しておるかどうか、お伺いしたいと思います。
  31. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) これは別に時限立法ではございませず、いわゆる臨時特別等に関する法律案臨時立法ですが、実は当分の間といたしておりまするのが、まあ日本のおかれておる財政経済事情から、財政緊縮等を要する事情が、これが一年であるか二年であるか、そう長く続くことは私もないと思つておりますが、というようなそういう財政の面からも来ておりまするが、併し一方この一つ一つについてはよく内容検討してみまして、内容検討した上これは当分の間停止するのですから、そうしてだんだんと恒久法に変えて行きたい、こういうふうに私考えておりますので、これを以てずつと続けて行くという考え方ではございません。こういう臨時的な立法措置として臨時的に御承認を得るので、この臨時立法はできるだけ一つ一つ早く根本的にそれぞれの内容検討した上で実情に合うように持つて参りたい、こう考えておる次第でございます。
  32. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私、ただ単にこれだけのものを今後も恒久的な研究対象にしてやつて行こうとするのか、もつと補助金全体について検討を加えて、それは税制改革などとからみ合つて当然来るわけですが、そういうふうに考えてお見えになるかどうかというのです。
  33. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) それは成瀬さんの言われた通りに実は考えておるのです。まあこれは私ども地方財源を与えるについて、例えば本年は、よく最初に二つが言われたのですが、入場税遊興飲食税、そのうちまあ入場税だけを見た次第なんですが、ああいうようなものを引続きまだ研究して参りまして、入場税遊興飲食税地方制度調査会でも税制調査会でも、これは国に移管してそして成る程度地方に環元するというような意味答申が出ておるのでありまして、まあ今度持つたの一つでありますが、こういうまだ中央地方との財政の点は今度やるだけでは根本的なものと言えません。従つてこれは引続き検討して参る、又引続き改善することが適当と思うものは改善して参りたい、かように考えております。
  34. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 関連して……。その点が非常に本委員会と申しますか、私たちとしては重要なんです。個々のこの内容を持つた補助金のそれを打切るとか、補助率を下げるとか、こういうようなことは私たち又別な角度から考えればいいので、少くともこういう特別委員会を持つてそして補助金等整理するという大きな枠でこういう法律案を出す限りは、その根底となる政府としての一貫した基本的な御態度というものがあつて然るべきだろうと考えておるわけなんです。ところがこの点についてお尋ねしますと、緒方副総理は今度臨時的な措置としてこういうことをやつたのなんだが将来どうなるかは皆目それはわからない、白紙なんだ、官房長官もそういうふうにおつしやる。ところが大蔵大臣がお取りまとめになつたというこの法律案趣旨説明におきましては、地方制度調査会なりその他各般の意向を汲んで国と地方財政を抜本的に調整し、計画を建直し、補助金制度にも根本的にメスを入れて行く方向考えるんだけれども、今の時代において関連法規その他も多いから、非常に技術的にも面倒だから、だからそういうことは慎重に検討の上、後日適当な措置をとるとして、臨時的な措置としてこの法律案を出したんだ、こう言つておられる。そうだとしますとこの法律案は臨時的だということはどういうことを言うのか。臨時的だということはいつかは元に復元するということじやないかと思うんです。ところがそうではなくて、政府のほうでは抜本的に、今後慎重に検討を加えて整理して行くんだという意向ならば、これは当分の間と言つたつて今後二度と再び日のめを見ることのないものなんだというふうに私たち簡単に考えたくなるわけです。で、政府としては今はこういう法律案を出しているが、この個々内容についても検討の上、やはりこれは必要だつたんだなということになり、或いは財政的にも余裕が出て来ると、こうなれば補助金その他の形で復活する場合もあると、こういうことなんですか。こういう方面から私はお尋ねしたい。
  35. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) これは私どもの本案御審議をお願いしているところの根本考え方は、先ほども申上げましたように、これは今の財政事情等が、或いは財政事情等というと言いすぎるかも知れませんが、非常に緊縮を要する点から出発をしておる点もありますが、併し主としては中央地方とを通じての税制改正を、二つ委員会でそれぞれ答申を得ておるのであるから、こういうものをやるときにも十分そういうことを織込みましよう。又本院に出しておる地方税改正等にも皆その考えを実は織込んでおる次第でありまして、従つて根本考え方は、この出しておる一つ一つにつきまして私どもとしては十分更に検討した上で、これはそれまでの必要はない、例えて申しますればもう一般に普及してそれらのことはせんでもいいというような、こういうようなものも出て参りましよう、又時の事情でそれほどにしなくてもいいというものも出て参りましよう。併しこれはもつと引続き、これを国のためには拡張して行かなければならんといつたようなものも出て参るでございましよう。そういうことを一つ一つについて検討してやる。併しながら今お願いしておるのは臨時的なものとしてお願いしておるのであつて、更にこの一つ一つについて検討した結果、いわば恒久的な立法としてお願いする場合は、これは私ども予想してやつておるので、その点が臨時的と申しておる意味なんです。
  36. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうするとこれは又従来の補助率に引上げたり、或いは国庫納付金停止でなく国庫納付金をさせるということもあつたりするというふうに了解してよろしいんでございますか。
  37. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) それはそう実際一つ一つについて取調べて、必要があつて、皆様の御協賛がそういうことでありまするときには、そういうものもあるとお考え下すつていいと思います。
  38. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうも協賛などと言われると、私ぐつと来るほうなんですが、こういうときだけは答弁で、国会協賛があるならばもうその通りなどと言つていますが、そんなら又同じことをむし返すようですけれども、あなたは初耳でお聞きになるんだからしばらく聞いてもらわなくちやならんのだが、そんなに国会意思というものを尊重して、今後において必要ありとする場合には元に復元する場合もあり得るんだということをおつしやるならば、二十三のこの法律案のうち十三は議員立法である。けれども私はこれはいろいろむづかしい議論はこの際したいとは思いません。が、少くとも十三の議員立法というものが拾い上げられた中でも、この議員立法自身が二十八年度なり或いは二十九年度なりにおいて当然予算措置をしなければならないようなものさえ、まだ公布になりながら実際的な効果を挙げるための予算的の裏付けをしないうちに政府みづからが手を着けてこれを実施するとか或いは補助率を引下げるとか、こういう形の修正をして来ている。こういうことはあなたが今おつしやるような国会協賛によつていかようにでもというような、その国会の意志を尊重するという建前に矛盾しておるじやないですか。
  39. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 私は実は矛盾しておると思いませんですがね。というのは私どもはこの法律を変えるということを皆様に御審議をお願いしておるのであつて、それで予算も今年の緊縮予算であるからそういう考えに基く予算を編成したのでありますが、従つてどもとしては、本年は緊縮予算のときであるから、それにはいろいろな補助をいたしまして、やはりつり合いのとれたものに持つて行きたい。又地方制度なり税制調査会意向を織込んだものに持つて参りたい、こういう考え方から実は出しておるのでありまして、これはちよつと私の言葉が過ぎるか知れませんが、例えば予算を組む場合に、増税なら増税というものを、増税案を見越してその増収があるものとして実は予算を組むのが当然であり、減税するとなればその法案が通るものとして減税案を見込んで予算を組むのが当然でありますので、従つて今までの、改正法律案を出しておるのだから、改正法律案に基く私は予算を組んだ、こういうことになるから国会の審議権の問題ではないかと私は思いますがね。
  40. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 あなたはそういうことをおつしやいますけれども、そんならばこれは客観的な基準があつて、あなたがおつしやるように抜本的な補助金制度を整備するという建前で、ずつと或る基準を以てこの法律案が出て来ておるのですか。そういうことは緒方副総理その他に聞いても御答弁がないのです。ないのじやない。それはできるわけはないのです。例えばあなたがそういうことをおつしやるから申上げますが、一例として申上げますならば、この漁船の補償法の問題であります。保険金の率と申しますかこれを切下げる。そういう問題でありますが、これはあなた御承知かどうかわかりませんが、昨年自由党を含む全会派のそれに賛成を得て、これは修正になつて現行法通りになつてつたものです。で昨年の補正で予算を筋道から言えば付けなければならなかつたものなんです。それが当然一十九年度から付けて新しいこの法律が実施されなければならないはずのものなんです。それが実施されないのですよ。まだもつと例をあげますならば、多分公民館のほうの問題もそうなんです。これも政府原案となつて出て来ておるものは左に掲げる経費についてその一部を補助することができるとこういうふうにございますが、この補助することができるというのは旧法にあつたものであつて補助しなければならないという積極規定にこれも国会意思で満場一致を以てきまつたものなんです。それを又こういうふうに戻して来る。然るにその金額はと言えば幾何もかからんものなんです。公民館のほうは殆んど僅かの金であります。それから先ほど例をあげたこの漁船の利子補給と申しましても、百トンまでその対象を拡大しましても数千万円あればいいという。今の国の全体の予算額から言えばそれは微々たるものなんです。併し私はそういうことも申上げません。そういうことも申しげませんが、三十数百億にものぼる法律の根拠に基く補助金、或いは法律の根拠のない予算でだけ措置される補助金その他ですね。これらを通覧してみる場合に、なぜこれだけがこの法律案の対象とせられ、他の大部分のものはそのまま温存せられておるのかということには多くの疑点があるのです。これは大蔵大臣つてこの二十九年度補助しようとする法律の根拠のないこれこれは、この法律案に出て来てやめようとするものよりは重要なんだということを一々理由を明示して、我々に納得させるようなことは言えないと思うのです。あなたが今もおつしやつたように一町村ごとに百円足らずくらいの補助金すらある。そういうような微々たる補助金さえも二十九年度は生きておつて、而も法律の根拠に基く、而も議員立法であり、而も積極的に国会意思を決定したものを、その実施も見ないうちにこれをもう又元通りに引戻す、こういうようなやり方はそれ自身が、財政的見地々々々々々と言いますけれども一貫した政策だとは私は思えない。一々明示せられて大蔵大臣はこれだけあるものについて、この二十三の立法と比較してこつちのほうに書いてあるものの大部分を重要なんだということが言えますか。だから私はこういう点についてお尋ねしておるので政府政府でいずれ案を出す、あと国会が適当に片付ければそれでいいじやないかと、そういうことは今の国会と行政府との立場というものをあんた全然考え違いしているのじやないかと思うのです。少くとも憲法違反の疑いがあるという説をなす学者さえあるのですよ。今の国権の最高機関としての国会意思を決定したものについて、行政府かこの法律を修正したいということで出すそれ自身さえも疑義があるとさえ言われておる。私は必ずしも議員立法それ自身が全部公正であり、そうして妥当なものであるということは、現実的には認められないものもあることは十分承知しております。併しこういうやり方で抜本的な一つ基準を持つた補助金その他の整理をすることもしないで、そうして何十あるかわからない、何百あるかわからないこの補助金制度の中からたつた二十三を選び出す、選び出した中の十三というものが全部議員立法つた、これは結果としては偶然だとあんたは公式的に質問された場合には答弁されるだろうけれども、そんなことは口先のそれは弁解だけだ。だから何かこれは確かな根拠に基いて、緊縮財政という建前で三十億というものを生み出すがためにやつたんだというならば、私はここにそんなら二十九年度も生きて来る法律の根拠のある補助金と、法律の根拠のない補助金と一々比較検討せられて、その重要度を我々にお示しになつて頂きたい。そういうことができたならば、私はあなたの意見に真向から賛成する。できますか、そういうことが。そんならば少くとも国会意思を決定をし、そうして今その実施の過程にあるものをさえその芽をつみとつてしまう、こういうやり方は行政府国会に対して、国会意思を尊重するという態度であるのかどうか。というならば国会意思というものは尊重していない。私が言うことも当然の理由があるとあなたも認めなくちやならんと思う。私はどつちでもいいが、そういうことをおつしやるならば、もう少し根拠をお示し願いたい。
  41. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) この予算を編成するに当りまして、補助金一つ大巾に整理したいという考え方で、まあ私どもとしてはかれこれ非常に検討した結果、事務的にも最善を尽してこういうふうにやつたのでありますが、併しそれじやこれはどういう重要度がある、これはどうだというふうの見当をつけろとおつしやいますと、それはそういうことをまだ申上げることができんのはお話通りであつて、この点は私どもの方にちよつと及びません。併しながら私どもとしては自分として最善を尽した、こういうことなんであります。  それからまあ今お話になりました、丁度このうちの、例えば社会教育の中の公民館の問題とか、或いは漁船のお話等がございました。この点は私どもこれは個々の場合については、それぞれのいろいろな事情が、漁船損害補償法ですか、あつたことと思うのでありますが、併し大体におきましてまあ諸経費のバランスというか、振合等を考えて、こういうことが出たものと思うのでありまするけれども、私が申上げる意味は、これはまあいわゆる臨時的な立法であつて、その間に私ども一つ根本的にいろいろ調べることを調べて、そして皆様に、こういうふうに政府では見るがということでの案を出して御協賛を仰ぐ。こういうことを申したので、政府のほうでは責任を免れて、あなたのほうに押しつけるという意味を毛頭申しておるのではない。そうでなくて、これは臨時的な立法でほんの当分の間ですが、常識的に考えてみて三、五年の間になるのが普遍でございましよう。常識的に考えてみてそう思われまするで、その間に一日も早く政府としては個々のものについて取調べまして、そうして他との振合とかいろいろなものを考え、今あなたが言われた重要度の問題等もよく考えまして、それで政府は成案を得た上で皆様に御審議をお願いしましよう、こう言つておるので、従つてこれは私ども率直に言つておくが、重要度を私が一つ一つ、たくさんあるものについてこれはまあやつたものじやないのですから、それなら政府は何でもかまわないから、議員立法だから丸をつけて行つたのか、それはそうじやないことは、先ほどつた通り。このお願いしておるのは二十三の法律でありますが、補助金を減すことにしましたその件数は百件ほどあるのであります。そういうふうになつておりまして、まあ私どもとしてはこの緊縮予算建前から最善を尽したのであります。併しそのときに私が申上げているように、何かそれでも併し幾らか考えのよるところがあつたのだろうとおつしやるから、それはその地方制度調査会なり或いは税制調査会なりの考え方を織込めるだけ織込みましたと、こう申上げている次第であります。極く細かいことは、これは正直に申しますが、私も一々法案を読んで、大体これはこういう点が重要だ、これには何点つけるかということは、実は私の頭にもでき上つておりません。ただ全体としてはできるだけバランスをとりつこの予算の編成をした、こういうつもりでいるのであります。
  42. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、やはり大蔵大臣のおつしやる通り、又私たち考え通り、そうそう大蔵大臣もこの程度のものですから、朝晩ねじりはちまきで研究して成案を得て来たものではない。要するに事務当局からそれぞれ検討して出て来たものについて、大蔵大臣として、大枠においてもうここから三十億なら三十億浮くということで、よかろうという程度にお認めになつたことで、従つて個々のケースとなつている、議員立法だからこれを載せるとか載せないとかということは大臣の念頭にないのだと、こういうことですね。
  43. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) その通りです。
  44. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そこで、これは事務当局が検討したというところに多く問題があるわけです。あなたは事務当局が検討したものを、早く言えば、まあ下僚の人たちのそれを信頼せられて丸呑みしたわけなんだ。(笑声)いずれも緊縮のきんちやくのひもをきつちりと握つて放すまいとする大蔵大臣としてはそれもよかろう、これもよかろうで、金のほうだけを先ず抑えておけばよいというところに重点があつたのだろうと思います。それで国会の中ではそういうところから、又こういうことを蒸し返して恐れ入りますが、大蔵財政当局がこういう議員立法等に意識的に手をつけて来たのではないかという疑いが非常に濃厚なんです。こういうことは他の自由党の議員でさえも、大蔵財政当局のものがこれこれしかじかのことをこういう機会に言うた事実があるということさえもおつしやつている事実があるのです。そういう点から言つて非常にこの国会意思を尊重すると言つていながら、そのことが実際になされておらないという実態がだんだんわかつて来る。官房長官や緒方さんの御答弁を聞き、本日の大蔵大臣の率直な御意見を聞いてみても、やはりこれを組み立てて持出して来たのは財政当局だ、そう言わざるを得ない。であなたは御承知であるかどうかわからんが、これにのつて来た、零細な補助金をもらつて仕事をしておる、例えば公民館なりその他の事業なんていうものは、この呼び水がなくなつたらその事業がもう進行しないであろうと非常に憂慮しておる向きがある。従つてたちはこの法案にのせられて来たものは非常に気の毒なものが多いと思う。まあ何と申しますか、十分慎重審議して、何か妥当な客観的な基準があつて出て来たのではなくて、この絞り出されて来て、そして無理無理木の枝に繩をかけて、お前首つつてしまえというふうに、皆に持上げられて首くくりさせられたようなのだけがここにずらつと並んで来たのか、そういうふうにさえ思われる。ですからまあこの点については、あとでしつかりお尋ねを私はしたいと思いますけれども、あなたは個々のケースについてそれぞれ妥当な根拠があるやの話がありますから、だから各論的に入つたときに実際根拠があるかないか、これは徹底的にお尋ねしてみたいと思うのですが、私は何もあなたを追求するのではないので、かたくなに、非常に立派な体系立つた法律案であつてこれはいいものなんだというふうに我々に押付けようとすることだけは真平御免なんだ。率直に、こういう事情で今度だけはまあ臨時的というけれども、お粗末ながらその程度にして出したものなんだからよろしくと言つて頂くほうが問題ははつきりしていいのです。そして今後の抜本的な施策に待つのだ、まあ大蔵大臣が在職するならば(笑声)、私のその腕前を見てくれ、こういうふうにお話し願つたほうがいいのです。それを一々誠しやかに、立派そうにこれを持出してもらえばもらうほど、そんなものはあり得るものじやないということで議論が紛糾するだけなんです。で率直に、大蔵大臣も滅多にこういうところに出られない重要なお忙しいかたですから、この法案については実を申すとこうこうしかじかなんだ、よろしくというふうに言つてもらつておいたほうがやりいい。(笑声)
  45. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) よろしくはお願いしなきやなりませんが、併し実は私どもはこれには……。
  46. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 お粗末ですよ。これは。
  47. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) いやそれは私どもとしては最善を尽したので、あなたが御批評になつてお粗末だとおつしやるのは止むを得ませんが、実は私どものほうでは、これだけ相当各省と交渉するのに、事務当局同士で交渉し、なおまとまらんところを私ども交渉したのもありまして、相当骨折つたのであります。従いまして私どもも皆こういう補助金の問題はなかなかやかましいものですから、閣議へもかけまして相当議論の末にきめた次第でありますが、これは御参考に実は一つ申上げておくのは、一番多かつたのは昭和二十八年のあの災害のときにいろいろその率が引上げられた、これは実は私は愛知県ですから特に私のほうは水害地なんだから一番恩恵を受けるわけなんですが、さて大蔵省で二十八年の災害について九千数百件現実について取調べをさせました。それから監察庁のほうで、監察庁というのですかね、あそこで三千数百件、それから更に又会計検査院で同じ二十八年災害を九千数百件調査させました。ところがその災害、これは災害の分だけです、二十八年災害の分です、災害の分には実は驚くことには大蔵省の調べでは二重になつたり重複をしたり、架空工事或いは水増し工事等が実はそのうちの三割二分もあつた。それから自治庁で、行政管理庁で調べたのは五割二分にも達した。そういうこと等もありまして、それでずつと又見て行くと、補助金の率が多いということで補助金で余るようなものが出て来る。つまり実際或る仕事をすると、そういうようなこともありましたので、まあ幾らかそういう点が、これは十二月の一日から十二月の半ばに亘つてずつと各地方財務局は大蔵省が動員してやらせました。そういうこと等もございまするので、まあそういつた少しまあ俗に言う甘過ぎると見えるような補助金についてはまあこういう国の財務のときだから元の所に戻つてもらおうじやないかというようなものもございます。そういうものもあることを一つ付加えておきます。そんな次第でございまするので、研究することは一応相当研究したのですがね。まあ併し粗雑なものだと、こうおつしやればそういう点もございましよう。何しろ多数のことですから十分なことはできません。大蔵省当局としてはやれるだけのことはやりましたわけでございます。
  48. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは最善を尽した案であるということは大蔵大臣の主観的な努力の考え方なんです。従つてたちも主観的に大蔵大臣の努力した、最善だつたということを立証するに足る資料として、最初財政当局は各省に対してどれどれのものに手をつけようと、こういうふうにこれは交渉せられたのであるか、その爼上に上つたものの一覧表を御提出願いたい。それからいろいろそれは御苦心になつて取りまとめられたが、最小限度しぼつてこう出て来たんだというところが見えれば私たちも成るほどそれは主観的に最善だつたと認めるでありましよう。従つてその資料を出して頂くように委員長に要求しておきます。それから又今のそのお言葉には、併しこの中には粗雑なものもありましよう、この中のどれが粗雑なんです、どれが粗雑なんです。
  49. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) それは、そういうお言葉でしたからそういうものもありましようと言つてお受けした言葉なんで、(笑声)これは私はさつき申した通り、私のほうは最善を尽したとこう申上げた。
  50. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 じや最善を尽したと申しますから、もう一点だけ関連してお尋ねしますが、法律官房長官も緒方副総理もこれは尊重しなければならない、行政府はこれを実施する義務を負うとはつきりお答えになつておる、これはもうはつきりしております。けれどもそういうことさえ聞くのは、憲法違反の疑いのある自衛隊、防衛と、これこれをやるから法律を守るのかどうかわからんような事情も起つて来ておるので、念晴しに私何遍も聞いたのですが、ところがこの法律案の中に形式上出て来ております第一条における公立高等学校定時課程職員費国庫補助法の施行の停止というのですが、本法補助法は二十五年以降この法律案にもかかわらず、補助法による補助は行われておらない、予算を一文も組んでおらないのです。そうしてシヤウプ勧告に基く平衡交付金の中に地方基準財政需要として算定して、そして組入れているのだ、だからこの法律はまあ眠らせておいたのだというお話つたのですがね。こういうやり方は大蔵財政当局だけの都合で平衡交付金法のほうに委ねて、そして本法のほうは眠らせておる、こういうようなことは如何にお考えになつておるか。  もう一つ第五章、運輸省関係の第十九条でございますが、「日本国有鉄道法の一部を次のように改正する。」とあつて、『五十七条第一項中「(第一項第三号を準用する場合を除く。)」を削る。』とある。この削られる内容になつておるものは何かというと、国家公務員共済組合法に基く組合の事務に要する費用の全額を国が負担しなければならない、これは全額補助の規定であります。その国鉄公社の従業員をもつて組織する共済組合に対する事務費の全額補助を削除するというのがこの案の内容なんです。ところが今頃国会にのこのこと削除いたしたいと思いますが、この通り法律をお認め下さいというふうに出しておられますけれども、これは二十六年——二十八年までこの事務費は削除せられて一文も出て来ない。その間の事情を聞くと、大蔵財政当局は公社内のそれぞれの資金のやりくりをもつて賄えということで、年間三千万円経費を要する、この経費を全面的に一度も出したことがない。これが今衆議院においても憲法違反でないか、法律違反でないかということで参考人まで呼んで問い質しておる問題なんです。こういう義務責任を負わないで頬かむりして来たものを今度頬かむりをはずしてそうして表通りをのこのこ歩かせて下さいというふうに、こういう法律を出して来てこれが最善の法律だなんて言えますか、この点伺つておきたい。
  51. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) この法律論につきましてはまあこれは一つ法制局長官から御答弁申上げるのが一番適当かと思いまするが、私どもとしては法制局の解釈によつて、これは何ら違法でないと実は考えておつたのでありますが、最初にお話になりました公立高等学校職員の関係補助金の問題でありますが、あれは御承知のように占領治下でありまして、占領行政の下にそういうふうにされておつたわけなんです。従いましてそれぞれ平衡交付金のうちに入れろと言われた、それに基いてやつたことはこれはお聞き及びになつておることと思うのであります。  それから今の国鉄の共済組合の関係部分につきましては、これも今の法律的解釈は法制局長官のほうからお聞きを願いたいと思うのでありますが、私どものほうとしてはそういうふうに今丁度お話があつたように二十六年、二十七年、二十八年も何ら予算措置が全然とつてございません。そういうことについては何か私はよく……、法律の解釈は今のように法制局長官から聞いて頂きたいのでありますが、予算措置をとらんということもそれは一つ政府の解釈であつて、必ずしも不当でない、こういうような工合に聞いておつたのでありますが、併しそういう疑いがあることがあつてはいかんからはつきりと今度は打出して、こういうことはなくしておくほうがいいだろうということが今度提案申上げておる趣意で、つまり疑いをなくするという意味からお出ししておるのでありますから、何か私が最善々々と言うと一番いいことをやつたようにとれるとか、言葉が少しかれこれ誤解を与えるかも知れませんが、そういう工合で、私どもとしてはこれは出さんで頬かぶりしておればいいじやないかという御意見もあるかも知れませんが、出しましてはつきりものをさしておくほうがいいのではないか、こういう趣意から出したような次第であります。なお全般を通じましてのこの法案考え方につきましては、これは私どもとしましてはまあ今申上げたどうも緊縮財政止むを得ざる状況の下で、いろいろ忍んで頂くところを忍んで頂こう、従つてこれをいつまでも忍んで頂こうという趣意じやないから、その間にできるだけ一日も速かに恒久的な法を立てて、又それぞれ御審議を願つて当分の間、当分の間というのはいつか、まあ私もこの緊縮財政を必要とする期間、これは二、三年以上に亘るものと考えておりますが、その間だけこういうことをお願いいたしたい、実はこういうふうな考え方で御審議を願つておる次第でございます。
  52. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 大蔵大臣はこの法律上のことは法制局長官の解釈に待つということを言つておりながら、なかなかどうして堂々とこれでいいんだという法律解釈をされる。私さつぱりわけがわからなくなる。で、この公立学校の話が出ましたが、大蔵大臣おつしやる通り、その通りなんです。併し占領治下であつたのだから、だからそのものが独立したのだから放つたらかしておいていいのだという論理は、私常識で法律専門家でないけれども、絶対に生まれて来ないと思うのです。それは占領治下であろうが、日本の国会において立法措置を以て行政がなされる建前をGHQがとつて来ておるのですから、だからその当時これは平衡交付金のほうに委ねるという場合において、この法律を何とか措置しなければならなかつたものなんです。そういうふうに弁解なさるなら吉田第五次内閣まで続いて来ているこの内閣は、その時において平衡交付金法が設定せられた途端において、この法律を何らか措置すべきだつた、それをしておらないということもこれは怠慢である。行政府として、特に日本のように法律案を提出することが殆んど政府において行われて来ているならば、これは政府の怠慢であつたわけなんです。私はもうそれだけ申上げておいて各論に入りますが、この日本国有鉄道法は出さなくてもいいという解釈も成立つ疑いがあるようなものであるからということで、疑いの中に二十六年から二十八年まで金を出さないでおつたなんて、こんなべらぼうなことがありますか。少くとも国会は困難の最高機関してそういうあいまいな措置を許さないで、一々各条項、各項、各号に亘つて明記しておるのです。それが予算の範囲内でとか、それから財政の都合によつて何とかかんとかすることができるという法律ではないのですよ、これは。それが政府財政のほうの都合でそういう解釈の余地もある、疑いもあるというところでぎりぎりキリで穴でももむように無理々々と素直でない途を解釈ずけて、そうして三千万円なら三千万円ずつ浮かして行こうとしたのが、そして又この運輸当局のほうもぎりぎり、それで我慢せいと押しつけて来たのが財政当局じやないですか。何で法律上これが、国会意思として立法した経過に鑑みて金を出さないでもいいのだという解釈が成り立つものですか。そういうことがあり得るとするならば、国会におけるあらゆる立法について、政府が専断な措置をとる途を許すことになる。これは何も法制局長官の意向を聞くのではなくして、私は専門的な法律技術論、立法論を聞くのではなくて、大蔵大臣としてこういう法律を与えられておつて、これを実施して行かなかつたことがさもさも当然であるような、そういう御発言を遺憾だと思います。私申上げているのは御無理でしようか。御見解を伺いたい。
  53. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) これは法制上の解釈を私から申上げるということは誤解があつていけませんから、ただ私の感じをですね、法制上の解釈でなく、感じを率直に申上げさして頂く。これは余り率直過ぎて又お叱りを受けるかもわからんのだが、実はこの問題につきましては二十六年以降、二十七年も二十八年も一方予算は現局から請求がなかつたわけですね。現局から請求がないところへ大蔵省のほうでこういう法律があると、一体こういう法律があることについて、これはなんですよ、国会のほうでも今までそういうことを二十七年、二十八年の予算の御審議の際に、どなたもおつしやつたことがなくて、今度こういう法律が出て来たら、こんな法律が前に眠つていたじやないかというようなことから、大分やかましい御議論が出て来たわけなんです。そこで私ども聞いてみたところが、法律論としてはそういう解釈ができるということだつたので、私はまあ胸を撫で下したわけです。そういうふうに法律が解釈できるということならば。  それから他の一面において丁度国有鉄道と同じように日本専売公社とか日本電信電話公社ではこういうことが全然考えられておらないので、従つてまあ法律論でありませんけれども、やはり同じ公社におけるほかとのつりあい上もこれは止むを得なかつたのじやないか、まあこういうふうに考える。まあ法律の解釈は、どうか甚だ私不得手ですから、法制局のほうへ聞いて頂かんと、そういつた法律の解釈が間違うといけませんから、私は感じたままをむしろ率直に申上げさせて頂く。
  54. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そろばんをはじくことが専門家の大蔵大臣から率直な感じ、感じということだけ伺つてどうも困るのです。率直な感じで何億か数字が間違つたりすると困るのですが、私しつこいように思われるかと思いますが、法律解釈論を聞いているのではないのです。あなたはほつと胸を撫で下したとおつしやいましたが、そうとすれば、大蔵大臣としてはこういう法律がある限り、法律は守り財政支出はすべきものであるとお考えになつてつたからぎよつとなり、又ほつともなつたわけだとこう思うのです。そして大蔵大臣としてはこの二十六年から二十八年まで、財政当局も大蔵大臣も知らないうちに予算化もせられないで今日まで来たのは、現局から要求がなかつたからだとこういうことで御答弁になられるというようなことはおかしいと思うのです。そう言いますと、大蔵大臣は二十六年から二十八年まで国会予算審議で問題にしていなかつたのじやないか、従つて責任は国会のほうにあるというふうなことを言いたいような口吻にも聞えるのですが、併しそれは政府のほうが予算案の原案提出者なんです。政府のほうの責任を私たちは逆に追求しなければならん。併しそういうことを事荒立てて言うことではなくて、大蔵大臣はこういう一般的な問題として、法律で当然金を出さなければならない筋道になつておるものを、出さないでも済むというふうにお考えになつておられるのかどうか。ただ当り前のことを聞いておるのであります。
  55. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 今のこの問題でなくてお答えを申上げれば、私は実はこの間予算編成のときにいろいろ法律で以て予算措置をとれということをきめてあるものがある。併し予算金額についてはこれは予算の配分の関係があるから、大小は問うところでないが、若干でもこういうものがあるのは計上すべきであろうということはその通りで、これは実はこの問題私は全然知らなかつた。知らなかつたが、予算編成のときにそういう話をしておるのです。私はそういう法律があれば、金額の大小は別ですが、これは予算化はそのときの予算の問題ですから、事情ですから、併し若干でも計上すべきであると私は考えております。従つてこの二十九年度予算についてはそういうことを言つてつたのですが、実は私もこれは率直で、そんな迂濶なやつがあるかとお叱りを受ければ仕方ないが、実はこういう法律があるということを知らなかつた。そうして見ると僕の考えと少し違う。それで調べてもらつたらこういうような法律がほかにもあつて、実は予算に盛るのもいいが、それは強いて盛らなければならないことのないということが言えるということを言われたので、そういうことがあるならというので、それでほつと胸を撫で下した。私は違法をあえてしたということでは大変だから、これは余り率直に申上げると又その言葉をつかまえていろいろ言われると実は私も困るのだが、そこで実は今回のこの提案はどういうことかというと、これは私ども今言うようなことは、あなたはそういうことを知らなければいかんと言われるだろうが、なかなかこうたくさん法律があつて、その法律大蔵大臣が全部それを知るということはないんですよ。それで初めて見てこれは大変だなと思つて聞いてみたら、そういう解釈もあるからというので、実はそうかというので胸を撫で下した次第なんで、こういうことがあつちやいかんから、こういう疑いのないようにはつきりしておいて頂きたいというようなことなのでありますから、どうか御了承願います。
  56. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 聞いてみたら法律解釈も成り立つということでほつとしたというのですが、それは法律解釈が成り立つようにお願いしたのではないかとも思うのですけれども、まあ併しあなたは最善を尽したと言われる。そして粗雑なものもあるかも知れないともおつしやる。こういう問題について私は関連質問をやつたんです。関連質問でさえもこれくらい時間がかかるくらい質問しなくちやならん。そういう実態から見て、これは素直に最善であるかどうかということについては相当検討を要すると私は思つております。関連でしたからこの程度にしますが、委員長のほうにおいては私の資料要求については善処して頂きたい。
  57. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) なおちよつと申上げておきますが、さつきお話なつたような今のいきさつについて各省とどういうことを交渉したかということについての資料を出せと言われても、これはちよつとあなたも御承知でしようが、案ができてからのやつはよろしいですが、どことどういういきさつがあつたかという資料を出せということは、ちよつとこれは出し得ませんので、この点一つ悪しからず御了承願いたいと思います。いきさつについてのいろいろなことは。
  58. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私はそのいきさつを事細かに書いて出せということを申しているのではなくて、主としてこれは緒方副総理も官房長官言つていました。あなたがやつぱり財政通であり又地方のほうのいろいろ陳情を聞いて御承知であるから、その補助金制度も慎重に検討して抜本的なことを考えるのだというふうに筋を通した話をしていますが、率直に閣議決定に立会つた副総理なり官房長官は、もう財政的な措置としてやるのだ。今後もやるとかやらんとかそんなことは全然考えないのだ。まあまあこれだけなんだという意味合いに、これも誠に率直なお話つたのですよ。それであなたが最善ということを主張されるならば、事細かに詳しく書いて出せということじやなくて、財政的な見地に立つて財政当局として、大蔵省としてこれこれこれこれは本年度の問題になる。一応各省と協議をしてみなければならんと、こうお考えになられた件名を羅列して一覧表で出して頂きたい。こういうことなんです。そうすればそれから如何にそれとこれと対比した場合にどういう事情でこういうことになつて来たかということは、我々が自由に判断をし自由に考えることであつて、あなた方の、或いは財政当局の責任がどうであるとかこうであるとか申上げるのではない。或る資料があつてそれから浮び上つて来たものがないと、比較検討することも或いは今後どういうふうにして行くのかということも私達は考える余地がないのです。そういう意味で資料を出して頂きたい、こう要請しているわけなんです。
  59. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) どうもこれに要する資料ならばですけれども、それは今必要ないとおつしやればそうかも知れないが、各省にどういうことを要求したか。そのうちこれはなぜ撤回したか、なぜこうとこういうことになりますとなかなか私どものほうでこういうことの巨細な説明をし得る立場のものは少いと思います。従いまして、やはり最後にお出ししておるものについての何を御必要な資料だけに止めて頂きたいと存じます。
  60. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だからそういうことをおつしやれば、この浮び出て来たものそれ自身がみんな個々に断片的に角度がそれぞれ違つて浮び出て来たものに違いないとしか思惟されない。何ら財政当局の基準的な考えを窺い知ることができない。あなたも個々の問題について重要度の軽重をつけることができないとおつしやる、ただそして出て来たもので個々のものについていいか悪いかを判断せいということであるならば、国と地方との今後の財政計画、或いは税制の改革、これらについて基本的に今日国会考えられていることを反映して、この補助金の特例を考えて行くことはできないわけなんです。個々のケースは我々委員として審議することにおいては重要度はそうないのです。今後これが永山の一角としてそうして補助金制度というものを再検討して行くその構想と申しますか、基準となるものと申しますか、基本的な態度というものが奈辺にあるかということをはつきりしておいて、こういう法律を通すなら通すということにして、逐次建設的に将来の財政的な計画について検討をしなくちやならんと思つている。そういう資料は一切出ないで個々のケースでだけ何ぼ見てやつてくれと言われても、そう言われるならば私は率直に言うならば、こんなものは無意味だ。今こういうことはやるべきじやない。こんな法案なんか撤回して慎重に審議した上で出し直したほうがいい。どうせ国が交付税譲与税等で見るのだ、カバーするのだというものが大部分だとも言われる。実際三十億と言われているけれどもぎりぎり詰めて行けば十数億に縮まつて行く、これは整理法案なんです。そんなものに今日手を着ける程度のものではないのじやないかという議論にもなつて来るんですよ。それで私はしつこく申上げているんですが、資料が出せないということは、資料が出せないわけじやないので、当初考えられた案というものはあるのですからそれは出せるのですが、出すと私たちにそれを残してこれを埋めて来たとは何だ、こういうふうに追求されたり論議が紛糾するから、まあそういう点はこの際飽くまでも勘弁してもらうということで大蔵大臣おつしやる意味はよくわかりますよ。わかりますけれども大蔵大臣がそういうお話をするならば、やつぱりこの法案というものは最善である、各般の事情を考慮して、そうして不均衡にならんようにこの法律案を出して来たのだということは言えない。私はそう思うのです。けれども結論は出せないというのが本当なんで、出さなくて結構ですよ。けれども出せないとあなたがおつしやるところにこの法律案が適当なものなんだということを立証している。それさえわかればいいのです。
  61. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) それは例えば補助金の今の新旧対照表がこれがもとはどうなつて今どうなつておるというようなものとか、或いは又さつき申した地方制度調査会が一体どういう答申をしたとか、或いは租税制度調査会がどういう答申をしたか、こういうものならこれは関連もありますし、御参考になると思いますからこれをお出しできますが、私がさつき聞きそこなつたかも知らんが、どういういきさつでどうしてこの分はやれない。なぜこの分は残つたかということを出しますと、これはどうも実際困ると、こういつて申上げたのですからそういつたものの御参考なら出します。
  62. 上林忠次

    ○上林忠次君 今頃質問するのはおかしいのですが、大体この今度の改正によつて差額は一部は地方交付税のほうへ見ておるということを聞いておりますが、三十五億ばかりの差額、これに対してどの程度交付金のほうにに見ておられますか。
  63. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 数字ですから私から申上げますが、三十三億ございますうちで、例の保健所につきましては途中で予算の修正がございまして約四億落ちまして、二十八、九億に全体がこの法案関係は一応なるという計算になりますが、そのうちでいわゆる地方団体に対する補助関係が十億ございます。その千億の地方団体に対する補助の分は、この法律案に関する限りにおきましては全部一応地方財源を見てる、こういう計算でございます。先ほど大臣がおつしやいました見ないものがあると申しますのは、いわゆるこの法律案関係のない部分について多少ある。こういうことでございます。
  64. 上林忠次

    ○上林忠次君 それではここにのつていることに関係したのは全部見ている。差額地方交付税に振替えておるというわけですか。
  65. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 正確に申上げますと、例えば公営住宅のごときものは起債で見ております。そのほかのものは、いわゆる交付税で見ておるわけでございます。いずれにしても地方財政計画の中にはそれだけのものをプラスして考えている、こういうわけであります。
  66. 上林忠次

    ○上林忠次君 私地方税制調査会とか或いは行政調査会とかいろいろな方面で、地方の重点的な事業を促進するために地方に還元してもらいたいということで、相当今度は切られておるのはわかりますが、大体先ほどから問題に出ますように、どういうような基準でこれが残つたかという点は幾ら聞いてみてもわからん問題であります。先ほど大蔵大臣おつしやいました例の中にも、国庫補助に眠つている仕事があるのじやないか、そういうような仕事に対して交付金があるならばどんどん切つてもらいたいと考えますが、今回のこの案に出ておりますものをずつと見ておりますといずれも必要なものが多いと思うのであります。一部は不必要と考えられるものも勿論ありますけれども、いずれも必要だ。特に農業関係の農業改良助長法、これに基く普及員の設置問題、又事業関係に対する補助、このようなのは現在でもすでに三分の二の補助に対しまして実際はそれが二分の一になつておる。残りはそれほど必要なものという意味地方財政のほうに相当しわが寄つておるのだというような状態から考えますと、これが若しも切れるとなると地方はますます負担が苦しくなるというような問題が農業関係以外にもあるのであります。そういうような状態の案件をずつと拾つてみますと、なぜこういつたような有効な施設、有効な補助に対して切られたか、先ほどの話のように大きな確固たる基準はない。基準なしにただここにしわ寄せられたということから考えますと、すでに地方交付税交付金、こういうような方面財源が認められているようならこのままで行つたらいいじやないか。十億或いは十五億でございますか、少額財源をここからお求めになつてもいいじやないか。はつきりこれを切つたという基準がないならばこのままで行つたらどうかというような感じがいたしますが、これに対してお問いしても同じような御返答しかないと思いますが、もう少し細かいところを査定された大蔵省のほうからお願いいたします。
  67. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 先ほどからもお話がございましたが、勿論政府としてお出しいたしますのですから全然基準がなくてやるというようなことは勿論慎しまなければならないわけであります。我々大蔵省が先ず事務当局としての案を作り、各省と折衝し、それから大臣の御認可も得、閣議を経てから出て参る予算であります。その点当初やはり補助金整理という方針を盛り立てたわけでありますが、実はこの補助金整理は大きな意味二つの流れがあつたのであります。全体としては勿論緊縮財政ということが根本にありまして、更にそれを色分けいたします際には、地方団体に対する補助金のうちでいわゆる先ほど大臣からしばしばお話ございました地方制度調査会の趣旨等にも鑑みまして、地方に廻して然るべきものと思うものは或る程度全額若しくは補助率を引下げて、地方財源廻しにしたのがございます。  それから個々の性質に基きましてこれは検討の上、或いは他の補助金その他の経費等のバランスから見て削るのが然るべきと思われるものについては、補助金についてのいろいろな御批評もある際でありますから深く検討の上でこれを整理する。その際の例えば方針といたしましては、一応しばしばお話のございます余り末端に行つたいわゆる少額補助はできるだけこれは能率の上から言つても削るべきではないか。若しもそれを直ちに削らないでもほかの隣の経費と総合してこれを少し金額の大きなものにまとめたい。そういう意味整理も今回やはり入つております。  それからいわゆる個人若しくは外郭団体と申しますか、民間の団体に対する補助についてはいろいろと又問題がございまして、こういうものについてはまあ個々的に当りまして、できるものならこれを徐々に削減して参りたい。こういう観点からして削減いたしたものもございます。  それから例えば相当いわゆる奨励的な補助というもので、三年とか四年とか五年とかもう経過いたしまして大体事業の奨励の目的が達せられたろうと思われるような補助金はこれを大体削減いたして行きたいというような幾つかのそういう基準を設けまして、そうしてこれはなかなか全部個々的に検討するのが理想でありますが、各省が納得されるものにはやはり一定の基準が欲しいわけでありまして、そういうふうな一定の大まかな基準を経ましてそれでやつております。  それから地方団体に廻ります場合には、以前もお話し申上げたように、職員の給与に関する補助のようないわゆる経常的な経費、これは何も紐付の補助金でやらなくてもいい。併しこれも地方財政の今日の事情でありますから、一挙にこれを全部地方財源に持つて行くということは困難であるということから、徐々にそういう方法をとつて然るべきではないか。地方制度調査会の趣旨もそこにあるという意味で、例えば三分の一のものを二分の一にするということで補助率を下げるというような意向で、主として職員の設置費若しくは経常費のようなものについては地方財源に廻す。併し初年度においてはともかくも地方財政計画のうちに財源として織込まなくては地方が困るからそういうものは全部見る、こういう方針を一応立てたわけでございます。まあそういうような考え方によりまして整理計画を立てまして、それぞれ又各省のお立場もあることでありますから、各省と折衝してそのうちで大体各省がよかろうと言われたものを大体成案を得て、最後に閣議の決定になつた、こういうわけでございます。
  68. 上林忠次

    ○上林忠次君 余り個々になつて小さい問題になるかも知れませんが、農林省がこの大きな食糧増産の事業を前にして、普及員の給料の補助をどういう工合にして折衝しまして落ちたのか知りませんが、現在でもこの普及員のネツトワークがうまく末端まで行つていない、途中で切れているのです。これを強化しない限りは食糧の増産もできない。農林省としては大きな問題じやないか。相当これは大蔵省との折衝に当りましては力強く要求したのじやないかと思いますが、まあ私考えまするに、このような大きな問題がこの僅かな国費の縮減のために犠牲になつておるということを考えますときに、大蔵省はもう少しこの前に横たわつております食糧増産の問題を慎重に考えてもらいたいと思つております。まあいずれこれは農林委員会で農林省のかたが来られたときに又申上げますけれども、大蔵省でもそのおつもりで一つこれについてはもう一度再考をお願いしたいことを申上げておきます。
  69. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 もう時間もないようでありますから簡単にお尋ねいたしますが、水産問題が三件ばかり出ております。そのうちで先ほどもお尋ねがありました漁船損害補償法の問題でありますが、今度整理される補助のうちで、個人に又は個人会社或いは団体等に行くもの、産業教育振興会の教科書の発行費の補助の経費、これと只今申上げまする漁船損害補償に対する補助、この二件だと思うのですが、大臣も漁業関係は船のほうに御関係がありますので相当御存じと思いますが、現在の漁船はまあ大きいのもありますし小さいのもございます。ところで日本海とか或いは支那海とか或いは北海道方面、又は最近では千葉県、静岡県、神奈川県等から広く漁場で操業しておるわけなんです。ところで御承知のように今日のようなだ捕とか、或いは襲撃とかいうようなものがあります一方、又災害等によつて事故を起すものも非常にございますので、これらの漁船は先ず普通一般の保険をかける。それからそういう海域におけるものは一応だ捕に対する保険をかける。それから乗組船員の給与保険をかける、船員保険をける、労災保険をかけるといつて四つも五つも船主は保険の負担をしなければなりません。そういうことで今日食糧増産の面に漁業者は非常に悪戦苦闘して経営難に陥つているわけであります。そこでこの小さいいわゆる中堅どころの百トンまでの漁船に対しては、何とか幾らかでも保険を軽減してその安全を図つてやる、遭難した場合の復旧に資してやるというのがこの法律の趣旨であります。当時私は大臣のお宅へも参りましていろいろお話を申上げ大蔵当局ともいろいろ折衝しましてみたうちに、政府当局としてはこれに対していろいろとスライド制をもつて行く、或いは船のトン数の制限の案を持つて来るとかで我々と折衝いたしましたけれども、どうもそういうことはこそくでとにかく今日の漁船は二十トン未満のものというものは極めて小さいものであるし、保険の対象となるものは少くとも百トンまでは中小企業として絶対に必要であるということから、百トンまでということに衆参両院全会一致でこれは通過したものであります。ところでそれに対しましては大蔵当局としては、当局の御意向が容れられなかつたためにこれは御不満もあつたこととは思いますけれども、少くとも国会において何らの異議なく全会一致で通過いたしまして、当時の補正予算でこれを組むということは財政関係もあつて困難であろうということで、二十九年度からこれを実施するということにしてこの法律が制定されたのでございますが、今回御提案になりました提案の趣旨を拝見いたしますと、「民間団体等に対する補助金等補助金等の交付を停止又は低減することが妥当と認められるもの等について所要の措置を講じようとするものであります。」、こういうことになつておりますが、かような状態の下に大臣はこれを停止し、或いは低減することが妥当であると、かようにお認めになつておられますか。この現状をよく御承知になつておられますか。先ほどから伺いますと、必ずしもそこまで行かないで事務当局の出したものを大体承認したというようにお聞きしたのですが、それでは大変な問題だと私は考えるのです。少くともこの問題は大臣は或る程度御存じのはずでありますが、それでもやはりこれは削限、停止することが妥当であるとお考えになつたのでありまするか、その点をお伺いいたします。
  70. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) これは私はこの前法律のできる当時秋山さんにもしばしばお目にかかつてよく事情を知つております。ただこれを私どもがまあ当分の間政令で定める漁船とするということでございまして、まだ政令そのものは見ておりませんが事務当局ではどういう考えを持つておるか、事務当局の考えを伺いましてその上で私の考えを申上げさして頂きます。
  71. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) これはまあ私ども考えが適当かどうかいろいろ御批判もあろうと思いますが、一応大蔵省がこれについて、いわゆる二十トンといたしました考え方を申上げますと、まあ御存じのようにこれにつきましては元来いわゆる零細な船主というものに対して国庫負担制度が当初開かれたわけでございます。零細な船主と申しますと大体二十トンくらいが限界ではなかろうかということで、まあその零細な船主に対してのみ国庫負担をする、それ以上のものはいわゆるコマーシヤル・ベースとして、いわゆる自前でやつて頂きたいということで長い間制度があつたわけでございます。それで元来がそういういわゆる零細な船主に対する負担の軽減ということが一面でございますと共に、いわゆる漁船保険に対する加入を促進奨励する。いざとなつてみると保険に入らない船主が案外多くて困る、そういう意味におきまして国庫負担を或る程度みてやつて、そうして漁船保険にだんだんと船主が入つて行くようにしたい、そういう見地からいたしますと、国会で御提案がございました二十トン以上百トン未満の船主というものは、調べによりますと最近は相当つまり加入が促進しておるわけであります。これはいろいろな事態に直面してだんだんとそういう傾向になつて来たんだろうと思いますが、これは漁船保険が民間保険を通じてでございますが相当に加入が促進されて来ている実情にある。これも又一つの見方でございますが、二十トンの船でございましても建造価格そのものによつていろいろ違いますが、まあ三、四百万円はすると思うのでありますが、そういう船を建造し得る船主に対して国庫負担するのはせいぜい限度ではないか。それ以上のものに対するいろいろな事情もあるけれども、例えば農業保険の例をとつてみますと、あれはたしか五町歩が現在の農地の限界でございますが、そういうものに対して大体半分くらいを負担している。そういうような農業保険等のバランス。又いわゆる船主の富裕程度というか経済力というかそういうようなもの、とかく大蔵省ではバランスということがまあすぐ頭に来るわけでありますがそういう点なども考え、又保険に対する加入も相当促進されている実情もございまして、一応こういう緊縮の際でもございますからして、御提案もございましたがこの際は暫く我慢をして頂きたい、こういう考え方に立つてこういう提案をした次第であります。
  72. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 只今のお話のうちに二十トン未満のものは長い間これで来ているというが、長い間ではありません、たつた一年間であります。一年ようやつとでありますが、そこでこれも初めから二十トンではいけないというのを二十トンに切られたのでありますが、この交渉の過程において大蔵当局は五十トンにしよう、或いは百トンまでをスライドで行こうというような案を出されたところから見ますと、今お話のようにこれはやらんでもいいような御意見じやなかつた。そこで当時においては相当激烈な言葉を以てこの法案の審議で不愉快な言葉を私も聞いております。それは具体的にはここでは申上げません。さようにこれは相当感情的に動いているように私は考える。当時一兆予算の話はなかつた。そのときにこれは大きな船主、大きな資本の漁業者の利益擁護のためであるというような言葉もありましたが、我々は数字を調べてみましたところが、いわゆる五社と称するものは四・八%くらいのものであります。九五%というものは中間の一般漁業者の船であります。決してその資本家の漁船を目標にやつたものではない。そういうことも後になつては大蔵当局はおわかりになつたろうと思うのです。それにもかかわらず今回こういうものが一遍も実施をしないで出て来たということには、何か割り切れない感じを私は持つのであります。大蔵大臣はその当時のいきさつも十分御存じのはずでありますが、これが出て来たときにそう深くはお考えになつておらなかつたのじやないかと私は想像する。この保険新聞がありますが、これには相当この問題を野次つております。大臣はそういう小さい新聞は御存じないと思いますが、野次つておる。そういうところから見て民間保険会社がこれに対して反対運動を相当やられたのですが、その点は如何ですか。
  73. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 実は民間保険会社の反対も何も聞いておりません。又一人もこの問題については会つておりません。実は秋山さんも御承知のように、私もこの漁船のことは比較的わかる一人なんです。ところでわかるだけに漁船のことと船のことはまあ一切私は言わんことにしている。というのは、例えば私自身は何もとらわれない考えを持つておりまするけれども、どつちのことをかれこれ言つたと言われることも、これは或いはもつと勇気を出せとお叱りを受けるかも知れませんが、別に公平をてらう意味でもなんでもありません。けれども自分がかれこれ意見を言うことは関係しておるだけにどうかと、こう思つたから一切この漁業の問題は、例えばこれについては農林省で言い出してもいません。又船の問題についてこれは利子補給法等いろいろ出ておりましたが、これについては閣議でも一言もいたしておりません。これは自分の一つの道徳として、携わつておるから言わない。秋山さんの言われることは非常によくわかるのです。この点は今聞いて甚だ私自身として恐縮している。
  74. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 誠に意外なお言葉を承わります。大蔵大臣は船にも漁業にも非常に御理解のある方である。大蔵大臣としてこの問題を考えて頂きたい。関係会社のことで考えてもらうと間違いが起ります。私はそういう極めて公平な立場に立つてかようなことが日本の漁業のためになるかならんかということで考えて頂きたい。それを御自身の何かの考え方でやられたというようなことがあつては私は非常に心外であります。そこに事務当局のものをうのみにされたことによつて非常に全国の漁業者が失望をしている。これは四月一日から一層余計やらなければならん、現在勧誘しつつあります。それがばさつとここでやられたから今日は御承知のように漁業は非常にあつちこつちで行詰つてどうにもこうにもならん。最近じや南方のまぐろまで行詰つておる。そういうふうな状態のときにこれを削られるということは余りにもひどい仕打じやないか。而もこれは衆参両院の全議員が賛成し、これは内輪を申上げますと変ですけれども、我々の党の幹部とも十分金額まで打合せてできたものをばつさりやられるということは、何か感情的な問題がある、或いは何かそこにあるんじやないかということを懸念しまして、非常に残念に思いますが、何とかしてこれだけは私どもは生かして、今日の漁業者の窮状を幾らかでも助けてやりたいと思つてこの点をお尋ねするのでありますが、恐らく大臣は御承知であつても今のようなお気持で御遠慮になつたんじやないか、私はこれは非常に大きなミスじやないかと思いますが。
  75. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) それは秋山さんにそう申したのは恐縮だと申したわけであります。あなたの言われることは非常によくわかるのです。わかるのだけれども、これはどうも一つの人間の考え方で、そういう考え方をすべきじやないとお叱りを受けてもこれは止むを得んが、これはどうも私は現在は何も関係を持つておりません。この一年ほど一切の関係たちましたけれども、まだ幾らかでもそういうふうにいわゆる瓜田に履を入れたように思われる疑いがあつてはいけませんから、世論も公平なところに帰して行くだろうが、私の考え方で、実はこの点は秋山さんあたりにもたびたびお目にかかつただけに私は恐縮しておるのですが、恐縮しているなら真剣に落着いてやつたらどうかと言われると、どうも私どもの今の考え方では、私の意見を押し通す……それよりはむしろ農林当局のほうからこれはもう少し強くやつてもらうことです。自分でやらんでなぜ人のことを言うかと言われるかも知れませんが、希望する。どうも私は自分の心持ですから何ともこれはいたし方がない。
  76. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 もう一つお尋ねしますが、大臣そうおつしやいますけれども、農林当局、まあ例えば水産当局が強く言うといつても、主計局に向つては強く言えないのですよ。それは非常に主計局というものは役所に向つては強い。それを強く言うとほかへ響いて来るから言えないのです。私どもこの法案が出る出ると言うから、途中でこれはなんか妥協したらどうかという話も内々あつたのです。併しこれは法律で来ておつて国会でできたものは一応これはどうのこうのと言つて豪語してみたところで、法律に明文のあるものは妥協すべきものじやない、こういうことで法律法律として立つて行くべきだ。こういう建前をとつて来たのですが、先ほど大臣お話で政令に委ねるということは何かお間違いじやないか。政令に委ねて補助金を打切るならなぜ予算にお組みにならないか。ですから予算に組んでないものを政令に委ねたということは、明文上はそういうことになるかも知れませんけれども、事実予算に何にもないから削つたといつてもちつとも変りない。これはお考え違いじやないかと思いますが、若しそれをつけて切るならどういうふうにつけるおつもりか、お伺いしたい。
  77. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 私どもの説明書には、当分の間これを政令で定める漁船とするとあるものだから、それで政令と言つたんですが。
  78. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 これは前からその通りである。
  79. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 政令に譲つております実態は只今秋山さんのおつしやつた通りでございます。
  80. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 私はこれ以上あれしません。
  81. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今非常に慎重に大蔵大臣の御答弁を伺つてつたんですが、非常に船という名が付いてさえも大蔵大臣は身震いするような気持で、非常にここ一カ年間謙虚なお考えでお進みになられて、誠に私は先輩政治家として敬意を払うにやぶさかでありません。そして秋山さんにもたびたび会つて、十分事情はわかつているが、恐縮しておりますということでございました。又農林当時がもつと強く主張してもらえばよかつたという気持も御披露になられました。そのことから考えますと、この漁船損害補償法については大蔵大臣、公人、私人としても身辺等の問題から一切の判断を下すことを避けて、そして事務当局のそれにゆだねて、この国会法案を出したのだ、だから大蔵大臣として腹の中は恐縮をしており、農林当局が強く要望してくれればよかつたという期待もあつたということなんですから、ここの点だけは国会の御意思にお任せしたいというふうな気持が濃厚にあるように私受取つたわけなんですが、そういう気持で私たちも謙虚に真剣に本問題に取組んで、大蔵大臣のお考えになつているような結論を生み出すことで大臣としては御異議ございませんか。
  82. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) これも誠に恐縮ですが、それに予算が只今佐藤総務課長がお答えした通りにとられておりますると、今日予算増額等の処置もとりにくいので従つて今仰せのごとくにやりにくいのじやないかと、こう私たちは思う次第でございます。併しこの見当がこれは先ほども申上げたように当分の間となつておりまして、できるだけ一つ一つは早く取上げて又それぞれの何としてやりたいと思つておることは繰返し申しておるのでございますから、本年はそうでございませんでもできるだけ早い機会にそういうふうに持つて行きたい、かようにこれは私の率直な考えを申上げておきます。
  83. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、私は今年度の補正とか来年度の補正とかそういうことを言うのじやございませんが、何らかの補正の措置が他の諸問題等で仮に最悪の事態が起つて来るというような場合に、優先的にこの問題については御考慮が願えるという機会が近々に国会意思によつてはある、と、そういうことは十分考えていいというお含みがございますか。
  84. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 大変上手におつしやるので誠に困るのでありますが私は十分研究をさしてもらいます、優先的にというふうにはちよつと申上げにくうございますが十分研究さしてもらいます。
  85. 島村軍次

    ○島村軍次君 大変時間も経過いたしましたし、この法案について先ほど小笠原委員を中心としてお話なつたことは、どうも抜本的整理については別途考えるべきである、而も重要度については再検討を要する、或いは軽重の問題等についてもおのずから必ずしも他の補助金との間に均衡がとれておるかどうかということにはなお検討を要する、こういうふうなお話だと解せざるを得んと私はさように思うのであります。只今大蔵当局のお話によつてみますれば如何にも尤もらしくありまするが、大臣の御答弁と大蔵事務当局とのお考えの中には相当逕庭がある。そこで僅かに二十三件で而も三十億円ということであり財源的には僅かに十億円の補助にしか過ぎない。こういうことでそして地方団体から言い、或いは一般の国民から見るとそのつり合いなり緊急性なり、軽重なり或いは重要度については十分な検討が加えられていないというふうに考えられるのでありますが、さように承知してよろしいかどうか。
  86. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 今のお話でございまするが、これはさつき私は最善をつくすと言つたら最善をつくさんじやないかといつてお叱りを受けたぐらいで、私どもとしてはできるだけ釣合をとることに努め、又できるだけいろいろな諸点を考えましてこれをお出ししておる次第で、私どもが最初から考えておることは、これで釣合もとれ、これで大体軽重の度合等も考えておると思つておるんですけれども、これはなお足らんところがあるかもわからんという意味を申上げたことなんであります。  なお更に十億だけの歳入の事柄だと仰せになりましたが、これは自転車その他のものをお差引になつて考えになるからそうなるのでありまするが、財源としてはやはり三十億を目安においておる、この収入に立つておることは御承知の通りでありまして、従つてどもといたしましては、それは他の法律に基かざるものでやり、ほかに七十数件約三十億からございまして、そういうものも今の日本の財政では相当大きな実は財源なんであります。このことはさつきも丁度衆議院のほうで五億ぐらいの金はどうでもいいじやないかと仰せられたところがございまして、その辺私どもは実は五億という金は非常に大きく考えておるんです。これは御承知の通り問題になつておる原子核などについても、僅かに一億三千万円しか出しておりませんというような工合であつて、そういうことを申上げたのでございまするが、実は私どもはいろいろな点から見まして、どうもまあこの案で一つ是非御了承を願いたいものだと考えておる次第でございます。
  87. 島村軍次

    ○島村軍次君 お気持はわからんでもないんですが、二十三件のほかに八件、六十億を整理するということでありますが、その材料が出ておるのかどうか、私はよく存じませんけれども、私の手許にないんですが、若しお出しになつておらなければそれも一つ御提出を願いたいと思います。
  88. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) これは用意いたしましてお差出しいたします。
  89. 島村軍次

    ○島村軍次君 それから更にお聞きいたしたいと存じまするのは、この財源関係についてはこの間も参考人の意見を聞きますと、地方団体としては要するに均衡の問題、或いは富裕府県との間の財政上の措置が果してうまくとれるかどうかということに非常な疑念を持つておる。先に御提出になつた例の義務教育費の国庫負担等も、法律の範囲におきましては勿論相当の何も出すべきでありましよう。併し政府は一旦御提案になつて法案が通過しないというので更に今度補正予算をお出しになつておる。それらとのかね合から考えますと、非常に零細なごとくにして深刻さというものは、むしろ今度の補助金整理によつて受ける割合というものは、これは非常に大きな問題だと我我は思うんです。そこで十億という問題に対しては、これは如何さまそういうふうなお考え一つのものでありましようが、併し考え方によりますと、非常な深刻さを受け、而も地方財政から行きますと、このためにしわ寄せされるものが相当ある、これは認めざるを得ないと思うんです。補助金全体についての抜本的な整理考えておいでになるならば、果して大臣としてこれが釣合も最善を尽したと言われますけれども、どうも不十分な点があるのじやないか。一々を検討してみますと、只今秋山さんのお話にあつたように、僅かな漁船の問題についてさえも僅かなものであるにかかわらず、その影響するところ非常に大きいということが考えられると思うのでありまして、むしろこれらの将来問題は今ここで各項目別に検討を加えられる前に、まだ総体的に検討を加える必要があるのじやないかということを、我々はさように感ずるのでありますが、この点に対して大臣の御所見を一つお聞きしたいと思います。
  90. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 仰せの通りに、特にこの地方財政検討についてはまだ今後検討すべき点がたくさんあると思います。と思いまするが、今回の予算でもあれで富裕県と、いわば富裕県以外の県との釣合いをとるのに相当苦心いたしまして、たばこの交付税を新設するとか或いは入場税を国税に移管して、その九割を人口別で戻すとか、いろいろな措置をとつておるのもそういう点から来ておるのでありますが、これも仰せのごとくにまだ十分ではございません。ございませんが、今の義務教育費半額国庫負担の分はあの特例法が二回に亘つて通りませなかつたので、私どもとしましてはどうしてもこの三月三十一日までに補正予算で手続をとらなきやならん法律上のいわゆる義務がありますところから、ああいう手続をとつた次第でございます。この頃それを御覧になつたが、何でこんな富裕な東京、大阪或いは神奈川県、こういう金持のところへやるのか、こんなものはやらんでもつといわゆる貧弱な府県にやるべきじやないかというようなお叱りを受けましたが、実は義務教育費の半額国庫負担ということがきまりましたときに法律上そうなつておりまするので、そこで実はこの問題をとうから、というのは早くからこれを実はお出ししようと思つてつたところが、これも御承知でもございましようが、岡野文部大臣のときに第四次吉田内閣で全額国庫負担、義務教育費の法案を出して御審議を願うことになつてしまつた。それでそのうちにそれが審議未了になつておる間に議会解散になつてしまつたので、そこで二度に亘つて特例案を出したところが、実情をあんまりそういうことを申上げていいかどうかわからんのだが、相当委員のうちにどちらかといえば富裕都府県の関係者のかたが多かつたので、一回も討論も何もせずに或いは流会になつておる。委員はまあ集まるんでしようが結局審議未了になつた。その次に又併しこれはどうしても出してもらわなければならんということで又一回出しましたが、又審議未了、こういうことになつた。それで今回やむを得ずお出ししたような次第なんです。併し大体からいいまして今回の地方税中央移管その他の問題で約五十数億については調整がとれております。従いまして今度のあの半額国庫負担という特例案は将来は出さない考えであります。併し地方税についてまだ現状完全でないことは御指摘の通りでありまするから、漸次これをもつと完全なものに持つて参りたい。特に地方制度調査会等で指摘されておるような点について一層こういうことに努力いたしたい考えておる次第でございます。
  91. 島村軍次

    ○島村軍次君 そこでこの際お急ぎになつて補助金整理の二十三件をこの際取上げられんでも、もつと総体的に考えられて事務当局として十分な検討を加えたのちにお考えになつても私は遅くはないのじやないかと、かような感じもいたすのであります。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)只今のお話を伺つてみましても、とにかくも地方財源の調整はなお今後に問題を残しておるということはお認めになつておるようでありまするので、この点に関して先般の地方団体の参考人の意見を聞いてみましても、補助金整理には賛成であるけれども、これはどうも竹に木を継いだというよりはむしろ弱い者だけをいじめておつて、均衡がとれていないばつかりでなしに軽重については非常な論議があるということを開陳いたしております。この点は意見に亘るようでありますが、大臣におかせられましてもこの問題はもつと真剣にお考えになる必要があると私は認めざるを得ないと存じます。  なお財源について三十億というお話がありましたが、これはいわゆるモーターボートや自転車の財源は、特定財源で、先ほどお話のあつたように特定の市町村考えられるだけでありまして、国民の血の出るような財源といううちから考えますと、これは三十億のうちから大蔵省がお出しになつておるいわゆる財源調べの点からいいましても、十一億七千万円が本当の国の負担に過ぎないと、こういうことになつておると思うのでありまして、大臣は御認識にはなつておるだろうと思いますが、その点は如何でしようか。
  92. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) お話になりましたまだ多少十分でないというような御批評については、これは今後とも私ども十分に検討しなきやならんと思つておりますが、まあ私どもとしては現在の段階でできるだけのもので御審議をお願いしておる考えでおります。  それからなお今の自転車とか或いはモーター・ボートのような収入でありますが、これは地方で、成るほど仰せになつたように受入れる団体しか関係がございませんが、併しその受入れる団体がこれを受入れました額については交付税その他の関係で調整をされております。調整をされておりまするから、このことにおいては全体がこれを受けたと大した変りがないことになつておるのでございます。このことは今後とも実際においてそういう問題が起つて参りまするからよくおわかり願えることと思うのでございまするが、それから繰返して申すようでございますけれども、私どもとしては差引勘定ができないので、やつぱり三十億の補助金についてはやはり三十億の歳入とこういう考え方をいたしております。どうもこの点は、歳入として見るときはどうしてもこれを歳入の削減としか見られないので、さように考えておる次第でございます。
  93. 島村軍次

    ○島村軍次君 純粋の国のいわゆる負担の減額というものは十一億幾らということは大蔵省の御提出になつた書類のうちにはつきりしておるわけでありまして、これは間違いがないと思いますから、間違いがあれば一つお調べを願います。
  94. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) ちよつと資料の出し方で申しわけありませんでしたが、歳入と歳出は差引いた面をつくつて差引いてあるのでありますが、これは今大臣お話になりましたように、歳入と歳出、そこで差引くのは御提出申上げてから気が付いたのでありますが、余り意味がないと率直に解しております。一方において収入が減りましたが、それは又地方財政計画のほうに織込んで、そのかわりにそれだけ交付税の出るのが減らされておるわけでございますからして、歳出の約三十億というものは結局整理されておるという点には間違いはないのでありまして、資料の出し方が適当でなかつたと思いますので、この際おわびを申上げておきます。
  95. 島村軍次

    ○島村軍次君 そういうふうな御説明は、これはあなたからお聞きせんでも私はよく存じております。歳出が減るということはわかつておるのだけれども、実際の国のこの血の出るような国が負担すべきものは十一億七千ということには間違いはないんですかということを申上げておる。
  96. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 今ちよつとおわびをしたのですが、その数字、非常にミスリードしやすい数字をお出ししたのですが、実際はやはり三十億、結局国としてはそれだけのものを節約した、こういうことになるわけであります。その場合に差引くということは余り意味のないことだと今考えております。
  97. 島村軍次

    ○島村軍次君 節約したということでごまかすと言つては失礼ですが、その言葉はわかります。併し国の財源としていわゆる純粋の財源というものは十一億七千万円ということは、あなたのほうでお出しになつた数字にあるのですから、これは節約が三十億だと言つて一般に国民に言つたところで、実際の財源は十一億七十万円の減にしかならん、こういうことがはつきりしておると思うのです。これはこれ以上お伺いする必要はないと思うのですが、若し私のほうが間違つておるならば、それはよろしい。
  98. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) これは考え方でありますが、まあ私のほうの考えといたしましては、一方にその減つた財源がそのまま財政計画に使われておるわけでありまして、それだけ歳出のほうが節約、つまり交付税のほうが減額し得る余地を作つておるわけでありますからして、どうしても実質的には三十億というものが全体として財源の上から言つて浮いて来るこういうふうに考える。
  99. 島村軍次

    ○島村軍次君 しつこいようですけれども、納付すべきものをやめるんですか、そういう意味で十一億七千万円数字をお立てになつたんだろうと思うのです。だからこれは国の直接の財源というものは十一億七千万円だと……。
  100. 松永義雄

    委員長松永義雄君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  101. 松永義雄

    委員長松永義雄君) 速記始めて下さい。
  102. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで時間にもなりましたので、私さつきの資料要求に関連して、島村さんからもお話があつて御承諾を得たようですが、この際はつきりと資料を要求しておきたい。どうしても事務局案という草案は出せないと先ほど来おつしやつた、その事情はよくわかりますが、事務的に処理し得る資料は出せるわけです。何らそこに政治的な作為のないものは出せるわけなんですから是非以下述べる資料は出して頂きたい。私たち自身で最善であるかどうかを検討する資料として重要です。  一つは二十九年度の法令に基く補助金等、これも件名とその予算額を附した一覧表を出して頂きたい。  一つは法令に基かない補助金等、これは三百件くらいあるうち百件くらいについて六十件程度整理したという話がありまして、島村さんから資料要求のありました、いわゆる二十九年度は落してしまつた整理したというものについての件名と二十八年度の予算額、或いは二十九年度、それは減額せられて予算がついているものがありましたら減額せられた金額、これを附した一覧表並びに二十九年度も残つておるものですね。二十九年度も法令に基かない補助金等で残つているものの件名と二十九年度の予算額、これを附した一覧表を出して頂きたい。いわゆる私のお願いは大きく分けて二つ、法令に基くもの、基かないもの、基かないものは整理した分と二十九年度残したもの、この三つの資料をお出し願いたい。
  103. 松永義雄

    委員長松永義雄君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  104. 松永義雄

    委員長松永義雄君) 速記を始めて下さい。
  105. 島村軍次

    ○島村軍次君 もう一つ重要な問題について大蔵大臣にお伺いしたいのです。今回の二十三件の補助金以外に私は本省直属の直接にお出しになつておる補助の中で整理を要するものが相当あると思う。団体的にそれを切らずして或いは場合によればこれを増額しておられる。これはそれぞれの理由があると思うのでありますけれども、然るに今回の補助金整理は零細な、地方や個人の負担の非常に出血をみるような補助金整理だけにとどまつておるという非難をする人があります。この点は私は根本的に補助金整理をもつと考えて頂きたいというその大きな理由だと思うのでありまして、この点に対しては大蔵大臣の御所見を一つ承わりたいと思います。
  106. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) これは私どもはよく零細なる補助金、つまりこれは極く細かい少額意味での零細の補助金は先へわたつて行くものが効果が少いからやめるという考え方を持つておりまするが、併しその弱いところにしわ寄せをするという意味での零細な補助金は別に打切るという考えではなかつたのでありまして、補助金について大体最初省議を開いてこういう方針のもとにやる、そういうように補助金整理してみようということをやりました。そのときの考え方はさつき佐藤総務課長が申述べられた通りの方針のもとにやつたのであります。恐らく三千億ぐらいはありましようかね、その補助金全体では。ただこれが例えば公共事業費とか食糧とかいろいろ大きなものについておる補助金で、全然動かせないものがたくさんあるのです。動かし得る補助金というものは極めて僅かなものでございまして、それで自然そのうちからさつき申しました約百件六十億、法律に基くものが二十三件とありましたが、それが比較的目に立つと思うのでありますが、根本考え方としましては私どもはあくまで補助金の性質上まあしばらく暫時忍んで頂けるもの、こういうふうな考え方で実はやつたのであります。従つて先ほども申した通り今後引続き一々検討しまして、それこの補助金が今後こういう場合、この補助金はこうこう使うということで恒久的な対策は立てて参りたい。こう考えておる次第でございます。なお本省直属のものについてやらなかつたかということは、実はよく私どもが本省直属のものという、例えば今私の言うどういうものが大蔵省で直属であるか、今ちよつとお話があつたの考えてみたがちよつと大蔵省の中で本省直属の費目というのは頭に浮んで来ないのですが。
  107. 島村軍次

    ○島村軍次君 これが大蔵省が直接にお出しになつておる……。
  108. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 島村さんのおつしやるのは大蔵省だけでなくて……。
  109. 島村軍次

    ○島村軍次君 全般ですよ。
  110. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) よくオリンピツクの補助金だとかああいうような意味も含まれてのお話ですね。
  111. 島村軍次

    ○島村軍次君 そうです。もう一遍一つお忙しいでしようがこの補助金調べを見ましても相当直接補助をお出しになつておるのがたくさんある。さような意味からも補助金全体について再検討を要するという私は強い考え方を持つております。御参考までに申上げておきますが、大臣も御研究になる必要があるというふうに……。
  112. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 最後に大蔵大臣お忙しいからたびたびお出でにならんと思うので、ちよつと手続上の考え方についてお尋ねしておきましよう。法制局長官の意見あとで伺います。大蔵大臣としてはどういうお考えを持つておられるかという点、以下お尋ねいたします。それは予算案が参議院に出ております。この予算案はこの本決が改正された暁を予想して改正法律というものに基いてこの予算が組まれております。そのことはいいことなんです、かまわないと大臣おつしやつておりますが、この点は私も今問題にしませんが、これが仮に三十日なり三十一日なりにこの予算の根拠をなす法律案が当該委員会であるこの本委員会、或いは地方財政法に関係するものは地方行政委員会で審議の過程にあつたといたします。そうして予算は本会議で原案のまま可決せられたといたします。その場合に審議途上にあるこの関係法案予算委員会予算上においては肯定せられ、本会議でこれが賛同を得られたのであるから、法律案は拘束を受けて、その予算案の筋道通り出て来なければならない建前になるのだというふうに大蔵大臣としてはお考えでございますか。それとも法案が仮に最悪の場合、一部変更をみるような措置予算通過後行われたというようなことがある場合には、予備金等において大蔵大臣の権限で措置をするとか、或いは他に組替補正をするとか、そういうこともなし得るという御見解でございますか。私は後段のほうは、補正というとざらつとするでしようから、大蔵大臣そのほうは聞きませんが、予算が通つたということは、法案そのものも肯定せられたというふうな御認識をお持ちになるかどうかという点だけをお伺いいたします。
  113. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) これはまあ予算を通して頂くのでございまするから、予算とまあ一体というか裏腹をなしておるこの法律につきましては、是非通して頂くよう私は念願いたしております。(「それはわかつている」と呼ぶ者あり)併し仮に改正された、又は通る時期が遅れた場合には付則でもちよつと付けて頂くようなことが起つて来るかとも思うのであります。これはそういうことは実は予想しませんですが、そういうことが一応考えられます。それから更に内容自体によつては、これは相当考える問題が起つて来ると思いまするが、併し只今のところ私どもは補正予算というものは実はあなたがおつしやるように、これは組まないという建前を固くとつておりまするので、それから又これは世の中のことですから三十年になつても通らんかということを言われると、年度の意味じやありませんが、昭和三十年になつてもやらんのか、こういう先のことは世の中のいろいろなことがあればこれは又別でありまするが、如何なる場合、そういう先に行きましても、いわゆる枠をふやしての補正措置は絶対にとらないと、こういう固い決意を持つております。なお補正予算は組まないというのがこれは私ども繰返して申す本旨でございまするが、併し今に天変地異が起つて来ないとも限らないから、そのときはどうするかとおつしやれば、仮定の問題だから答えんと言えばそれまででありますが、そういうものはむしろ私は率直に御答弁することがいいと思いますが、そういうときでもいわゆる歳出予算の枠をふやして行くことは私はしたくない。いわば今の枠の中で既定経費を節約するとか一切のことをやつて行きたいとかように考えておる次第でございます。
  114. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 よくその点は了解しました。それで一般的な点はそういう政府建前であつても、国会意思は常に尊重するという言明それ自身は今後においてもやはりその通りございますか、それを伺つておきたいと思います。
  115. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) これはまあその通りでございまして、国会意思は尊重いたします。私も国会が最高国権の府であることをよく承知しておりますから尊重いたします。
  116. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 大変結構な御答弁で了解いたします。
  117. 松永義雄

    委員長松永義雄君) ちよつ速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  118. 松永義雄

    委員長松永義雄君) 速記を起して下さい。他に御発言がなければ、本日の委員会はこれを以て散会いたします。    午後六時十六分散会