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吉田萬次君
只今環境衛生部長の言われたのを基本にしまして、そうして
文部省のお答えから勘案してみますると、それはやはり
机上の
空論のようなものである。実際問題というものはもう少し検討して考えてもらいたい。それはなぜかと言いますると、
只今言われたように、二十二グラムの
脱脂乳を一合の水に溶かして飲ませる。それが一人一日三円八十銭とおつしや
つたが、去年は三円七十五銭でこれが出ております。併しながら今の一合四円で買えるというようなことから考えますると、そこに殆んど同じような
価格を以て
精乳一合というものが買えるというようなことだ
つたら、その
カロリーからい
つたら問題にならん。むしろどうだとい
つたら、
精乳一合の多少
分量が
減つても、
実情において
カロリーの量からい
つたら私は
精乳を
使つたほうが遥かに効果があると思う。さような点から考えまして、私はカゼインとか或いは脂肪を含むところの
精乳、それから滓に
なつたような蛋白のみに依存しておるところの
脱脂乳というものを比較してみた場合においては、
精乳を
使つたほうが遥かにいい。そこで今
文部省のほうの
お話によると、一日一合ずつ与えるとすると三百七十万石要る。而も
先ほどの
部長さんの
お話によると、三百七十万石の
生産であるということになると、
学童一人に一合ずつやれば殆んどなくな
つてしまうというようなことでありまするけれ
ども、一日一合とい
つたところで
学童は毎日というものじやありません。やはり休暇もあればいろんなことがありまして、大体私のほうの愛知県では一カ月に二十日与えることにな
つておる、
給食が大体十七日半から十八日くらいの
日数にな
つておる。そこで私はいわゆるその三百七十万石というものが全量使わずして半分で補えるということを考えております。
先ほど森永或いは
明治に対して
大変同情があるような
お話でありましたが、私はこの内容は実にけしからんと思う。彼らのやり方というものはどうかというと、本当に従来の資本主義的の
傾向を以て、全く営利的な
観念から殆んど公共的の意識というものは絶対にありません。私は具体的に実例を以て、どうして彼らが農民の膏血を絞
つておるかということを明らかに立証するだけの何を持
つておりますけれ
ども、かような場合において私は言う必要がないから言いませんが、彼らの行動というものは実に蛇蝎視さるべきものです。かような点から考えまして
政府が英断を持
つてこの問題を真に検討しようとするならば、私は打開の道は十分にあると思う。この点はいわゆる私は政治の力によ
つて解決のできるものである。ただ一片の
机上の
空論において
解決のできるものではないと思うのであります。
それからもう
一つ、
先ほど食形式の
改善とか或いは
合理化とかいうようなことをおつしや
つたのですが、これもどうぞ
机上の
空論にならんようにしてもらいたい。本当に今日どうだというと
栄養教育というものは私は極めて必要だと思う。それでは
栄養教育というものをどうして
学校で施すかということを考えた場合において、その
職員を入れたならば一番いいでしようけれ
ども、併しその
職員を入れるということは今日の財政からできません。そうしたらどうしてこの
栄養教育というものを行うかということは、いわゆる
食事の時間において担当の教員が
栄養というものに対する常識的な考えを持
つて児童にこれを徹底するように教育したならば私は実に効果的だと思う。併しそれについては現在の
学校で
給食をさせておる児童が食べる時間というものについてはいささか足らん。もう少し
給食の時間を長くして、そして当該教員から
栄養というものに対する
観念というものを植え付けるように私はしたら、これこそ徹底したところの
栄養の教育というものは行える。そこで
文部省としても
栄養教育ということに留意せられるならば、この
給食の時間というものに対して如何にしてこれを利用するかということ、又
厚生省としてはこの
食生活の
改善或いは
栄養教育というものの徹底ということを考えますなら、この
給食時間というものに対する利用法というものを十分に考慮し、これに対する。パンフレットでも参考資料でも与えてそうしてこれに
従つてや
つて行
つたならば私は以外な非常な常識から考えても効果のあるものが生れて来ると思うのであります。この点は是非留意して頂きたい。そこでどうだというと、今日国なり県なりが三百円の金で
給食をやらせようとしておるが、これは極めてむずかしい。併しその三百円の金というものは容易に出し得ない金であるというようなことに対して、この問題を掘下げて、そうしてあらゆる方面から検討し、安くものを手に入れるようにし、そして徹底するような
方法を考えるということは、これは重大なことであ
つて、今日国民におけるところの体位の向上というものは、私は恐らくこれがその基本になるだろうと思
つておるのであります。
従つてかようなことはただ単に口頭禅に終らんように十分に注意してもらいたい。
それから今の
森永やそれから
明治のやり方というものは実にけしからんのですから、かような方面のことを考慮せずして基本的に農民の
酪農組合にいたしましても、あらゆる方面にいたしましても、又
高温殺菌の方面から考えて、そしてこれが供給しやすいようにな
つて来たという点を織込んで、少くとも
生産地の児童だけにでも徹底するような
方法を考えてもらいたい。私は一合ということを決して固執しない。たとえ五日でもいいから児童に与えるように、それから
都市であるから
農村であるからというようなことを考えずに、手取り早く配給のできるところからこの問題を実施するように考えてもら
つて、それを基本に漸次広めて
行つてもらいたい。私はかように考えますが、併し
厚生省の衛生
部長からの御
意見はどうですか。