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安部キミ子君 この報告によりますと、憲法が約束いたしておりますところの
教育の機会均等ということは全く無視されたような行き方で、而も
公立の
学校は一校ということになるようでございます。あとはみな
私立で賄
つているようでございます。
私立で賄われているということにも大きな問題が建
つておるのでございますが、こういうふうに機会均等ということが無視されております
関係上、今私山口県の例を引きますと、こういう独立した
養護学校に入れない子は勿論のこと、
特殊学級に学んでおります
子供にいたしましても、県下の全部のそうした
子供がそれで救われているというような実情ではないのでございまして、大きい
学校になりますと
一つの
学校で
学級が五十人にも余るというような
学校がございまして、そういう
学校にたまたま
特殊学級が併設されておりましても、それを入れるだけの設備なり、それから受入態勢ができていない、又
先生の定員も含まれていないという実態で、当局者は、或いはその地方の自治団体では非常に困
つておる。せめて県の
教育委員会もいろいろ援護いたしておりますけれ
ども、それでも十分それらの要求を満しているとは言えない実情であります。私は過日
教育委員でありましたときに、下関の本村
小学校の研究会に参りましてその実態を見ても、何しろ複式授業をいたしておりまして、一年生のような低学年と、六年のような
子供と一緒に、而も
一つの
教室にごちやごちやと入れて
教育をしております。そういたしまして、
先生は非常に教材に困るのでございます。それがせめて三十人までが私は限度じやないかと思いますのに、ときにはそれをオーバーすることがございますし、それから何しろ経費の
関係でそういう
学級に編入できないというのが実態でございまして、たまたま三十
学級も或いはそれ以上もあるという地域でございますと、それが賄われているのでございますけれ
ども、田舎の十
学級にも満たないというふうな小さい
学校で、而もそういう
子供が殆んどが放置されておるという実情でございますので、この点を実態
調査に当られますときには、これらの機会均等、大きな意味の独立した
養護学校の設立、それから
学級の扱いにいたしましても、その地域的に公平な建前で
学級の経営ができるように、と申しますのは、これの解決は簡単に言えば
予算がすべてを解決する、これですべてが事足れりと思いますけれ
ども、やはりその
調査の仕方が限界をどこに置くか、これは
先ほどの課長さんの
お話にいたしますと、
養護学級の建前の
対象の
子供と或いは
学級の建前の
対象の
子供というふうに言われますけれ
ども、そういうはつきりした割切り方では今では解決できないと思う。それから地域的に
先ほど申しましたように、大きな
学校はたまたまそういう学紙が編成されておりますけれ
ども、それに満たない
学校はすべてが放置されておる。それともう
一つ私は強くここで要求しておきたいことは、
養護学級を併設しました、或いはそういうものができました当初は、
家庭の母親なる人たちも初めは何だか恥しい、そういうクラスに入れられることが恥のように感じてお
つたのが、やはりそういうものが打出されて、そうしてそこで
教育効果が出て来るときに、やはりこれらのものができてよかつたというのが私の知
つておる
範囲ではみんなの声でございます。そういう意味で、私は
養護学級に対する
一般の認識も、そういう事実が証明することによ
つて、私はこれらの
子供が均等に救われるのじやないか、こういうふうに考えますので、
予算の
関係もございますし、特に今日地方財政が苦しうございます。山口県でも下関と申しますと、最も一級地で、恵まれた地域でありますけれ
ども、それでもいろいろな困難を私
ども常に聞いております。そこでやはりこういうふうな
学校の扱いは当然国庫が全額
負担、あらゆる面で全額
負担という意味で、早急にこれの
調査を間違いなく而も公平にや
つて頂きたい、こういう希望を重ねまして最後にお願いするわけであります。