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国務大臣(
大達茂雄君)
只今上程になりました
学校給食法案について、その
提案の
理由及び
大綱を御
説明申上げます。
学校給食は、児童の心身の健全な発達に資し、且つ、国民の食生活の
改善に寄与するものでありまして、その普及
充実を図ることが必要であることは申上げるまでもないところであります。
小
学校等において、その
教育の一環として
学校給食が適正に実施されるということは、取りもなおさず、児童がみずからの体験を通して、望ましい日常の食生活の営みを学びとることであ
つて、
学校給食が児童の現在及び将来の生活を幸福にするゆえんであり、
教育的に実施される
学校給食の意義はまことに重要であると存ずるのであります。
学校給食の重要性は、この点に存するものと考えられるのでありまして、すでに全国各地で
学校給食が行われました結果、その効果は極めて顕著であり、
学校給食に対する認識も深まり、今や世論は
学校給食の普及
充実を強く要望するに至
つておるのであります。
更に
我が国の現下の食糧
事情から申しまして、今後国民の食生活は、粉食混合の形態に移行することが必要であると思うのでありますが、米食偏重の傾向を是正し、また粉食実施に伴う栄養摂取
方法を適正することは、なかなか困難なことでありますので、
学校給食によ
つて幼少の時代において
教育的に配慮された合理的な食事に慣れさせることが国民の食生活の
改善上、最も肝要であると存じます。
ところが現在、小
学校等において実施されております
学校給食につきましては、未だはつきりした法的根拠はないのであります。そこで
政府といたしましては、多年に互る
学校給食
関係者の
学校給食に関する法制化の熱望に応えると共に、
学校給食の重要性にかんがみ、その普及
充実を図るために、ここに
学校給食法案を立案上程いたした次第であります。
本
法律案の
骨子といたしますところは、
学校給食の目標及び定義を明らかにし、
学校給食に関し小
学校等の設置者、
地方公共団体及び国の
任務について所要の
規定を設けたのであります。
即ち小
学校等の設置者は、当該小
学校等において
学校給食が実施されるように努めなければならないものとし、
学校給食の実施に必要な
施設及び
設備に要する
経費並びに
学校給食の運営に要する
経費のうち政令で定めるもの即ち主として人件費は、小
学校等の設置者の
負担とし、これら以外の
学校給食に要する
経費は給食費として、給食を受ける児童の
保護者の
負担といたし、一応その
負担区分を明確にいたしたのであります。
次に国及び
地方公共団体の
任務は、
学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならないのでありまして、本
法律案におきましては特に国の補助について
規定しておるのであります。すなわち国は、公立または私立の小
学校等の設置者に対し、予算の範囲内において、
学校給食の開設に必要な
施設又は
設備に要する
経費の一部を補助することができるものとし、又国はその
負担において、
学校給食用小麦等の代金について特別低廉な価格を定めることができるのでありまして、給食を受ける児童の
保護者の
負担である給食費はおのずから相当に軽減されるわけであります。以上のほか
学校給食用小麦粉等の用途外使用の禁止、報告の徴取等について
規定を設け、いずれも
学校給食の実施に関し、その
管理の適正を期しておるのであります。以上がこの
法律案を
提案いたしました
理由とその
趣旨の大要でございます。何とぞ慎重に御
審議の上、速かに御賛同給わらんことをお願い申上げます。