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説明員(緒方信一君) これは私
ども地方に参
つたりしまして、実際に
教育委員会の責任者ともよく話合いをし、まあいろいろ事情を聞いているわけですが、これは一々の事情を私ここで申上げることはできません。まだ実施していない府県等につきましても、やはり先ほ
ども申し上げましたように、同じことを繰返すのは恐縮でございますが、根本はやはりその府県財政で、これは御承知のように従来やはり累積する赤字を持
つておる。これに対しましては各府県とも年度計画を立てまして、これを解消する努力を今や
つておるところでございます。特に今年度からその努力をしようということで始ま
つておるようであります。それから二十九年度につきましても、いろいろ中央財源も問題もあり、
地方財政
制度が若干変りまして、そのための問題もあるようでございまするけれ
ども、当初見込んだ財源と大分食違いが来た、そういう点からまあ当初予算
通りに行くと、年度末に赤字を出すことが相当に多いわけです。それにつきましては、各府県とも今年度は少くとも赤字を川さんように節約してや
つて行こうという努力を今盛んにや
つておる。事業費、人件費、事業費は勿論先ずその節約の対象になりますけれ
ども、更にやはりどうしても人件費に及ぶというようなことが非常に大きいようでございます。そこで、どうしても昇給財源を見出し得ないと、当初予算には組んであることはあ
つた、組んであ
つてもそういうことで大分節約をしなければならない。まあ県を挙げて、ただ教職員だけではなくて、各部門においてそういう努力を相当真剣にや
つておるというのが実情でございます。そこでこの影響を受けておるのが
一つの問題であると
考えます。併しこれはやはり県の教職員だけではなくて、府県におきまする一般公務員もその赤字の影響を受けておるわけであります。これは
お話の
通りです。定期昇給はちやんとや
つて行くということにな
つてございますし、給与水準というものはこれは保
つて行かなければならない。これは当然であると
考えますけれ
ども、二面さような
地方団体の財政から来まする実際上の何と申しますか、影響がそこに及んでおるというのが実情でございます。そこでまあそういうふうな赤字、これを消して行く、財政を健全にして行くというふうの努力、そういう問題と、もう
一つはやはり資金繰りの問題がなおあるのではないかと
考えます。昇給をしようと思
つても実際にまあ資金がないという問題もあるだろうと
考えます。これらにつきましては、私
どももこれにつきましては御承知のように国庫負担金は各四半期ごとに前以て概算交付をいたしております。これを成るべく早く交付するということを
一つ考えなければならないと
考えております。次は第三四半期でございますが、第三四半期に入りましたならば、成るべく早く出すということが
一つの助けになろうかと思います。
それからもう
一つは前から問題にな
つております「十八年度の負拠金の不足額でございますが、これは相当額ございますが、これにつきましては、大蔵省と折衝を続けておりましたけれ
ども、大体
結論が出まして、そこでこれを成るべく早く出したい、かような
考え方で今大蔵省と更に出し方につきまして折衝をいたしております。そういうふうな
関係から私
どもといたしましては、具体的にはこの資金を成るべく早く出すと、
文部省でできる範囲におきましてもこれをやるということに努力をしたいと
考えております。
それから
地方財政全体の赤字から来まする影響につきましても、これは
お話の遮りに
文部省としましても、特に
教育の
関係につきましてはその責任がないということではありません。それにつきましては、自治庁とも十分協議をしまして、成るべく早くそういう事態が解消されるようにやりたいと思いますけれ
ども、併しこれはなかなか困難な問題であるということは言えると思います。なかなか一個一個にすぐ対策を立てて、これを平常に復するということはなかなかむずかしいんで、やはり各
地方団体におきまする財政の立て直しという努力が真剣に続けられて、それに対しまして或る面においてはやはり協力する意味もなければならない、かように
考えております。