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剱木亨弘君 私は前に行革の問題を取扱
つたことがあるのです。日本の今の行政で一番欠陥は、何でもかんでも国家試験をして、そうしてその試験をしなければ何にもなれない。これが非常にあるわけです。それが
厚生省関係では理容師から何から全部国家試験をして、これは行政簡素化の面から絶対に廃止すべきだということを主張して来たのです。栄養士の問題等について、これを栄養士に優秀なものがなければいかんという観点からや
つたと思いますが、法律で要求しているのは栄養の実際の実務を二年なりや
つたということであ
つて、それ以上受験資格を若し制限するならば、これは法律を改正すべきだ。例えば弁護士試験を受けるのは、実際にその弁護士なり、そういう司法官の下において一年なり二年それをやるとか、或いはお医者になるのにインターンとして或る病院なり、そういう医師のところでインターンをや
つたものでなければ医者の受験資格はない。こういうことなんです。それは当然私は法律で受験資格を制限すべきであ
つて、時々刻々に
厚生省の
考え方で受験資格を変えて行くというならば、なぜ国家試験をやるのか、国家試験というのは権威がないのか、若し国家試験をや
つて権威をつけて、試験というものに権成があるならば、二年間の実務をや
つておるということで、それになお且つ受験資格を、
厚生省の
関係で、このいんちきのものを、書類を出すから、そういうものは受験資格はない、こういうふうにどんどん変えて行かねばならんというならば、その試験は合格してもしていなくてもいんちきというものを防ぐということはできない。そんな試験だ
つたらやめたほうがいい。それを或る例えば私
どもの
関係で、栄養士というものの実際業務
内容ははつきりわかりませんが、或いは人命に
関係するということでや
つておられるかも知れませんけれ
ども、
学校の仮に
先生の免許でも試験検定をやる場合、それは何か或る人の監督の下で何年間勉強しなければ受験資格がないとか、若しそういう必要があれば法律で書くべきであ
つて、それを一般の法律の
範囲を拡げて受験資格を制限する場合は、私は立法事項じやないかと思う。それを法律でそういうふうにきめて行くということは、その試験そのものに権威がないとか、若しくはそういうふうに
厚生省が法律事犯をや
つているのかというような問題について私
どもは疑いを持
つております。特に
荒木委員から質問がありましたように、去年まで二カ年や
つたのだ。当然認められておるものが何らの、
厚生省は告示でや
つているのだと言えばそれまでだけれ
ども、急にそれが勝手に官庁のほうで受験資格を変えられたら受験生はたまらないと思います。法律を改正してや
つたら別です。そうでないで受験資格を制限することはおかしいじやないか、それは形式論です。第二点は私は
学校給食を今一生懸命全国的に普及して行こう、これは
厚生省のかたも
賛成なんです。それにはどうしても
厚生省の
意見として栄養士をできるだけ人的につけて欲しい、そういうことを言
つている。それで、ここで私
どもが恐らく
学校給食を
全面実施するためには栄養士という問題が
一つの大きな難関にな
つて来るじやないかと思
つております。併し
学校の子供の栄養なり、或いは御生とか、そうい
つたものを私は真実に世話するものは
学校の
先生以外にないと思う。ただ栄義士の試験を受けてぼつと
学校の中へ入
つて来て、そうして子供を本当に可愛が
つて行くという
気持がなければ
学校給食の本当の
意味がない。それを自分は
学校の
先生はいやしくも今
先生になる資格は大学を出ておる。そういう人が自分の仕事以外になお
学校給食に非常に熱意を持
つて、なお且つ栄養士の試験まで受けようという場合に、それは
学校医の監督の下では、各職場にも職場の医者があるので、名義上はそれじや駄目なんだ、こういうことを言われるのだ
つたら、真実医者の下で監督を受けて栄養士の二年間実習したというのを本当に
厚生省としては受験者について一々お調べになりますか。これは恐らくそういうことを私はたくさんな受験者の中から一々
厚生省はお調べになるということは殆んど不可能じやないか。だからそういう不可能なものがあるから私はこれは国家試験をや
つていると思うので、国家試験で相当な成績を得、或いは又講習会等で
厚生省のやられる講習を熱心に受講されて、そういう受講をやるにもかかわらず、その資格がこの医師の監督下になければない、こういうふうにすることは、これは
学校給食の将来の面から言
つても実に重大な問題じやないか。むしろ私は
学校の
先生が本当に栄養士になろうかという場合においては相当私は世間の人よりも常識が発達していると思う。そういう人に喜んで
厚生省がそういう受験資格を制限しないで、私はむしろどんどん栄養士の試験を受けさしたほうがいい。権威ある試験で、権威ある見方をすればいいので、その試験に合格しても且つ栄養士の資格がないような下らんものが試験がうか
つてインチキだというなら、試験そのものが否定さるべきだと思う。そういう試験はやめたほうがいい。その試験に権威があるならこの際
一つ考え方を新たにして頂いて、
学校給会する場合に
学校の
先生が進んで栄養士になろうかという篤志家の
先生がいるとすれば、進んでそういう方が栄養士になれるように、或いは足らないところはどんどん講習もして頂く、そういうふうにして頂いたらいいんじやないか。それで今この問題については、一栄養士の問題でなくして、将来私
ども学校給食を全国的に普及して行こうという場合に重大問題でございますから、その点
一つ更に御
考慮願いたい。