○松原一彦君 私の見て参りました
只今までのところでは、割合に多数の
教員はこの
法案に対しては無関心であります。又さように
教員仲間で申しておりますが、知
つて無関心であるのかというと、実はよく知らない。知らないで無関心であり、或る者は従来
通りだからして何も心配するな、従来
通りにや
つて行け、こういう
指導をしておる者もある。又よほど注意しなけりやいけないぞというて
指導している君もある。まあここに
一つの流れはできておらんように思われますが、併し第一線の五十万と称する
教職員の
現実は、無関心であるというものの、曾
つて自由党の諸君が
機関誌等で言われたように、私は混乱もしておらなければ、偏向もしておらんというふうに認めて参
つておるものであります。但し、
教職員が一般に非常に憂えておりますものは、個人々々の
教員の政党政派に対する好悪とか、或いは支持、非支持とい
つたようなことについては大した影響のあるものじやない。これを団体として
一つの政党を支持するかのように中央で以て押付けられることは非常に迷惑だという空気が満ち満ちておるように私は思う。現に
教職員に左派の支狩者もあるけれ
ども、右派の支持者も相当多い。事実においては私は右派の支持者が非常に多いと思う。にもかかわらず、その集められたる
組合費は左派のほうに流れておるとい
つたようなことに対する不満も相当私は聞いて参
つておる。又中には、現に保守系の人を支持しておるものもおる。地方では政党というよりもむしろ人物中心の動きも少からずある。かような場合において、個人の政党所属若しくはその支持を問題にするよりも、個人を含めたる全体的団体が一党一派に偏向する二とをひどく恐れておる声もたくさん聞いて参
つたのであります。さような場合に、今回
佐久間君が
官公労の署名者として
責任を今問われようとしていることに対する事柄、
態度などは、
文部省は相当御研究の上に、はつきりしておいて頂きたいと思う。こういうことは、中央と同様に、各府県でも行われるのであります。各府県でも労働
組合評議会等ができておる。それに
教職員組合が入
つておる。その
教職員組合の
責任者がその主な役職を分担いたしておる。つい名前も出るであろうと思う。従来は慣例として、
淺井総裁も言われたように、不問に付せられてお
つたものも、今回の
法律が出ましたことによ
つて、それは新たなる問題として検討せられることになる、その結果が平地に波瀾を起して、多数のものに及ぼす影響、殊に
教職員に及ぼす影響等が大きくなりはしないかということを私は恐れる。だから日教組の諸君についても、私
どもは私的にも懇意にいたしておりますから、よく意見を聞き、且つ私の
考えも述べてみたいと思うのでありまするけれ
ども、団体として、かような偏向的な事柄が大多数の
教員に及ぼす影響を思うときに、これはよほど
考えなきやならんと思う。特に先般
相馬氏が触れられましたが、この中に
佐久間官公労事務局長の意見として、
人事院は我々に好意的だし、千葉県
教育委員会も教組出身者が圧倒的に優勢なのだから問題にはなるまいと言われておる言葉には私は不満を持つ。さようなふうにものを
考えることは私はよろしくないと思う。自分の味方が多数あるというが、味方が多数でない
教育委員会もあると思うのです。そういうときに、やはり
相馬氏が心配しておられるように、甲の県においては不問に付せられ、乙の県においてはこれが問題になる、そうなるというと、かねて文相の言われてお
つた一つの基準を
刑事罰へ持
つて行かなきやならんというところにおのずから問題が進んで行くと思うのです。我々は、
教育者であるが故に自粛し、反省して、そうしてかようなことはないということをば高調してあの修正を行
なつたのでありますが、こういうところにあいまいなものがあり、且つ便宜的に
考えられるようなことになりまするというと、
教育界に及ぼす影響が非常に大きいということを私は心配するのであります。そういう余りに
只今のような
質問をいたしたのでありますが、私は、
文部省はまだ多くの調査をしておいでにならんと言いますから
お尋ねはいたしません。私もこれから実際に当
つてみようと思いますので、結論はいずれそのうちに出て来ると思いますが、どうかそのような問題点が現われましたならば、いい加減にして置かないで、ぴしりと筋を立てて、全国の諸君に迷いを持たせず、不安にならないようにお取計らいを願いたい。これを希望いたします。