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松浦定義君 私はなぜこういうことを聞いておるかと言いますと、聞くところによりますると、今度これを出さないと選挙をしなければならん。選挙をするには金がかかる。先ほど北
委員が
お話になりましたような点とは別に、そういうような詳しいことでなしに、金がかかるからというようなことも実はあるわけなんです。そういうことで私は先ほど申上げましたように、金がかかるから選挙をやらないためにこういうことをするとかということでなしに、本当に私は重要な問題としてお考えに
なつたかどうかということをお聞きしたいから申上げておるので、そこでまあ大体それでよろしいと思いますか、そうしますと、今、
小枝議員の
お話から受けた印象は、政調会としてこの話が出て来た。
政府はもう二度の失敗で、これはどうも出し得ないというふうな
お話でありますが、私はそこでせようとせまいと、この重要な農業政策を
政府が出さんのですから、今、議員が吊して来たから、それをそのまま呑むということなら失敗するということではないと思うのです。そういうような意思の弱い農業政策の出し方ではいけないし、現在や
つている農業政策そのものが、それでは全部失敗したというように私
どもが考えていいかどうかということを聞かなければならん
立場になるのです。ところがそれを農林大臣に聞きますと、
自由党の農業政策は、現
政府の農業政策は非常に行詰
つておると言えば、そうでもないというふうに答弁されるのですから、私は今の
お話のように、こういうような重要問題を出す、二回出してそれが失敗だから、今度は政調会がそれに肩代りしてや
つた、こういうようなことは私は非常に弱い、農業政策に対する本当の熱意のある
政府のやり方だと了承はできないわけですから、こういうことはこれ以上申上げませんが、そういう
意味では非常に私は、今回この種の重要な問題であるならば、やはり各党の
意見を聞いてでき上
つたものを、面子にかけるとか何とかいうのでなしに、どうせ責任を持たねばならんのだから
政府提案で出してもらいたい。我々参議院としては、やはり同じこうした問題と取組むならば、
政府提案として出してもらうように……、なぜ私はそういうことを申上げるかというと、お互いに
議員提出というものは、
衆議院と参議院の間で各党各派においていろいろ繋りが出て来る。ここにその問題が私たち参議院をして非常に苦しめているものがあるのでありますから、こういうような農業政策というものは、日本の農業というものは全く超党派的に行かなければならんというので、参議院の
農林委員会においては、与党の諸君もいつでもこれを満場一致の線できめている。こういうような大きな問題を政党的な繋りで、そういうものを審議をする際に非常に苦しい
立場に我々を追込むということは遺憾であるので、併し
政府に熱意がなか
つたものを
議員提出で出してくれたということは私は非常に感謝をしなければならんと思いますが、そういう点は
一つ政府は十分この責任を負
つて、今後皆さんの
質疑に対しましても誠意ある答弁をし、更にこの問題が
政府或いは
提案者の望まれる方向に早く結論を得るようにや
つて頂きたい。このことを一応そういう
意味から
一つ申上げておきます。そこで私は
政府といたしましては、これらの二
法案については、いずれもどちらをどうというふりなお考えはないと思いますが、我々が審議をする場合におきましては、やはり
農業委員会というものは、
政府が終戦後におきまして、いろいろ供出制度或いは農地改革とい
つたような形から、
政府が末端に対する
指導を直接やれないから、
委員会制度を以てこの
政府の末端
機関として代行するとい
つたような
意味合で作られたものであります。併しその半面の
農業協同組合というものは、先ほど清潔
委員も御指摘になりましたように、終戦直後における農業会が
協同組合に変
つた、この
協同組合は設立当時から考えてみましても、非常に全国的に苦労して農民が作
つて、いる。十五名の発起人が中心にな
つて末端部落まで話を進めて、そうしてその中からでき上
つた協同組合でありますから、全くこれは自主的にできた
協同組合である。併し自主的にできたけれ
ども、
政府のその後におきまするこれに対する補助と言いますか、それらの一切の
政府のとるべき責任が、余りにも当時の
考え方から離れて参りましたので、現在各単協或いは又各都道府県の
連合会におきましては非常な赤字赤字で苦んでいる。そのことによ
つて再建整備とかいうような、農民から見れば一応飛びつきたいような
法律でありますけれ
ども、それはむしろ農民が搾取された形にな
つている。
再建整備というものの裏には、やはり農民が搾取されているというような
考え方も私はあり得ると思うので、そういう形に追込んでしま
つた、この
農業協同組合というものと
農業委員会というものが同じ
農村の中にあ
つて対立している。言うならば、私は或る種の対立をしているというような形が見受けられると思うのであります。これらを調整するのが即ち
政府の最初から考えてお
つた農業団体の再
編成である、私はこういうふうに思うのです。ところが今回の
提案者の御
意見を聞きますと、全くこれは再
編成というものではなくして、それぞれの単独
委員会の一部
改正である。それは私は全くその
通りだと思うのであります。従
つてこの
農業協同組合法の一部
改正と
農業委員会の一部
改正とは、あたかも車の両輪のような印象を受けさせて、これが審議を図
つているわけですが、私はこれはむしろ
二つに分けて審議すべきである。無論
内容が別でありますから
二つに分けて審議はいたしますが、どこに重点を置くかということになりますれば、農民を中心にして考えましたならば、終戦の当時から考えました
農業協同組合というものは、全くみずからが作れという形において作
つた農業協同組合であるという形から、
政府といたしましても、どちらが本当に自主的な、農民の希望する
組合であるかということになれば、恐らく私は
農業協同組合というものを中心として日本の農業のあり方を推進すべきである。併し限られた力において
農業協同組合というものはやれないから、この別の補助
機関としてやはり
農業委員会というものを作
つて、供出の
促進もいたし、或いは農地改革とい
つたような誠に無血革命的な仕事をさせるということまではよか
つたんですが、ところが今日になりまするというと、この
政府機関というふうなもののほうが重点のごとくに考えるかのような私は印象を受けるようなことが考えられるのです。私は決して
農業協同組合の陣営でもなければ、
農業委員会の陣営でもないのですから、全く一個の農民の
立場から考えて参りますると、今申しましたような形から行けば、いずれをとることが日本の農業の発展であるか、或いは又末端農民の心からなる協力を得られる
団体であるかということを考えて参りますと、今行われておるこの両
法案に対して、
考え方が全く
団体再
編成的なものであるということの印象の中から、先ほど各
委員からの
お話もありましたように、種々それらの
関係者の中に、成るほど好ましくないような動きがしておる。私はそういうことについては決して私は顧みようとはいたしません。それらの形の中に我々が動くということは、みずから選ばれた議員の
立場というものを放棄するということでありますので、どのようなことがありましても、そうしたことにはこだわらずに、今私が申上げるのは、ただ私
どもの審議するのは、そうした
団体の
意見でなくして、
提案者なり、
政府の
見解に立
つて私は堂々とこのことの
見解を明らかにして、そうしてこれを右にするか、左にするかということを明白にすればいいと思う。そういう
立場で私はこの種の
法案は十分検討すべきである、こういうように考えるのですが、
只今私が申しましたようなことが間違
つておるかどうか、或いは、間違
つていないとするならば、やはり私が今申上げましたこの両
法案に対して、
政府のどういうふうに違うか、両
法案はどういうふうに違うのだか、或いはやつぱりこの両
法案に対しては
政府としては今後どういうふうに行きたい、或いはこの
改正をめぐ
つても、不満足ではあるけれ
ども、今後どういうふうにするとい
つたような、根本的な
一つお考えについて方針を明らかにして頂きたいと思います。