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河野謙三君 先ず私はお断わりしますがね、何も議事引延しなんということは毛頭考えていない。
一つの証拠が、私はあなたのほうに
要求している
資料でまだ手許へ来ていないのがあるのです。それさえも私はこういう皆さんに御迷惑をかけちやいかんと思うから
要求していない、それは今度の
酪農振興法の当初政府の作
つた原案と我々の手許に来ておるのとは大分違うのです。紆余曲折があ
つたことは事実です。その中に看過することのできないのは、あたかも
酪農資本によ
つて、この圧力によ
つてこの箇所が修正されたと思うようなところもあるのです。でありますから、かねて政府の当初のはら案と今度の我々の手許へ来たのと比較対象して少しそれに対する疑問も質したい、こう思
つたんですが、これさえも、私はこの際大事な問題であると思うけれども、あえて
お尋ねしていないのです。決して私は何も議事進行の引延しをしようとは思
つておりませんよ。この点は御了解頂きたいと思います。若し今から皆さんの許しを願えるなら、これは重大だと思うから、今から
資料を頂いて
質問したいと思います。併しあえて私は申しませんし私が先ほどから第三節のことを言
つているのは、なぜ修正をしなければいかんかということは、これに対しての私の疑問が
畜産局長の答弁では
一つも氷解しないのです。今、
清澤さんなり、上林さんの
質問でも、企業許可に対してあなたの御説明はいつでもその指定された当該地区の合理的、合理的とこうい
つておられる。そういう合理的という言葉でこの行政権限を府県知事が任されて府県知事はどうしてやれますか、その合理的とは一体何か、例えばこの指定地区に百石の
牛乳が出る。この百石の
牛乳が出る指定地区において、その地区におけるところの乳業の能力というものは、あなたは百石対百石の能力が合理的とおつしや
つておるのか、百石対百三十石が合理的とおつしや
つておるのか、その合理的な内答を知事にお示しにならなければ知事は運用が付きませんよ、私はこれを伺
つておるのだけれども、どうしてもその具体的な御答弁がない。知事は行政権の幅が非常にある。或る場合には
牛乳資本の味方をして、当然農民の声として起
つて来るところのその地区の
協同組合の処理機関、こういうものを新設しようと思
つたときに、現在ここにもうすでに百石の
生産能力に対して、森永の工場が百石の処理能力があるから、これはお前は農業
協同組合であるけれども、農民の
要求であるけれども、これは許可できない。これは不合理だからいけない、こういうふうにされる虞れがあると思う。これを大別すると、
北海道の場合には例の
雪印の場合が既得権があるわけなんです。
内地に来ますと、殆んど協同組分の処理機関で成功しているのはない。
協同組合が若しやるとすれば、これから起
つて来る問題をここでこういう法律によ
つて内地の
協同組合が
牛乳の処理をやろうという場合に、この法律によ
つて、知事権限によ
つて抑えられる危険があるわけなんですよ。そういう危険は私の杞憂でしようか。そういうことについて具体的に知事に権限を任すなら任すで、百石の
生産能力に対しては、その地区においては百五十石までの能力を認めるのだろうか、二百石までの能力を認めるのだろか、これを私は伺
つている。この場合時間の関係上私の考え方を申しますと、百石の
牛乳の
生産能力があるならば、その地区におけるところの
牛乳の処理能力というものは、常に百石をオーバーした百三十石なり、百五十石なりなければ農民は売手市場が維持できない。百石対百石というものは決して農民の立場からい
つて合理的じやない。特に農林省では畜産の十カ
年計画を立てて、将来日本の
牛乳を百万トンにしようと計画を進めている。これから殖える一方です。殖える一方なら処理能力を一歩先に進めて、常に処理能力を
幾らか過剰な形に置いておかなければ
酪農振興にならない。そこで第三節の問題は非常に関係が深いのですよ。この運用を誤まれば
酪農振興どころじやない。これは
集約酪農じやなくて醜悪
酪農法になりますよ、私はそう思うのです。その点を具体的に伺
つている。それさえ、私はあなたから具体的に御答弁があるならば、あえて何もこの三節について云々言いませんけれども、どうしてもその問題に私は非常な危険を感ずるから
お尋ねするのです。特に先ほど上林君の
お尋ねのように、農業
協同組合の場合には、これは優先的に、仮にそこにですよ、過剰処理能力があ
つても農業
協同組合があえてそれをやろうというなら、これはあえてこの農業
協同組合の分は優先的に認めるというのかどうか、こういう点も私は伺いたい