○河野謙三君 あなたは非常に固くな
つているから、それじや私からあなたに申上げましよう。あなたは今何とおつしやいました。内地の製粉
会社に、「ふすま」についてどれだけ供給
見込があるかということを調べたところが、
会社によ
つては、もう先物を売つちや
つているからというので、幾らも
農林省の配給
計画と申しますか、こういう
計画の数字に乗せるものはないと言
つている。こう言
つたでしよう。あなたはそれを製粉
会社がそう言
つたのをまともに受けておりますか、私は皆知
つている。或る大
会社は比較的協力的に、五月も、六月も、七月のものも協力して、これだけのものは六月に出します、これだけのものは七月に出しますと言う。或る一方の製粉
会社のほうは、六月はもう売つちやいました、七月は売つちやいました、こう言
つている。そうでしよう。そういう実情でしよう。そういう実情にあ
つて、あなたは第七条を発動する以外にあなた手がありますか、あなた方現実において先物を売つちや
つたと思
つておられますか、今頃製粉
会社が先物を売るほどばかではありませんよ。商売人はそんな、今頃五月から六月のものを売るほどのばかなやつはいないのです。そんなものは極く僅かなものであ
つて、そういうときに製粉
会社があなたのほうの要求に答えて、先物は売
つてしまいました、折角でありますけれ
ども、御期待に添い得ません、こういうふうなことを言
つて来たとき、あなたそれをまともに受けたのですか。併しそれは嘘だと思
つても。あなたはそれを抑える方法がないでしよう。それを抑える場合に一体何があるか、第七条以外にないじやありませんか。それを製粉
会社が率直に、いや、今こういう御時勢でありますから、食糧庁から五百五十円と言われているけれ
ども、もう七百円も、七百五十円もで売つちや
つても合わないが、何とか我々もしなければならないと思いますから、
農林省に協力して、五月のもの、六月のもの、七月のものも、原料
割当から換算したものは全部
農林省に協力しましよう、こういうようなことであれば、今のあなたのように第七条の発動の時期ではないと思う。中には協力的な態度の者もあるけれ
ども、非協力の者を現実にあなた目の前に見て、而も非協力な者を見ても、第七条の発動について私は非常な疑いを持
つていると言うようなあなたの良心を私は疑うな。だから私はこの間変なことを言
つたが、製粉
会社になぜそんな遠慮をしなければならないのか、日頃のお附き合いと行政とは別ですよ。私を御覧なさい。私は
肥料会社で二十年飯を食
つた。
肥料製造
会社は皆友だちだ、そういう友だちと政治とは別ですよ。これだけは私は自慢できるのです。私が急先鋒に立
つて肥料会社の懐ろに飛び込んで、
肥料会社を洗いざらい洗
つているじやありませんか。私はこれをあなたにあえて自慢しますよ。あなた行政をやつおられて、いろいろむずかしい点もあるでしよう、陳情もあるでしよう、お附き合いもあるでしよう、そういうものと行政とぶつかることもあるでしよう。ぶつか
つても、そういうことを乗り越えて行政をやらなければ、それは行政にはなりませんよ。製粉
会社の協力を完全に求めるだけのあなたに自信があられるならば第七条発動の必要はない。私もあえてそういう混乱を起す必要はない。ところが口では五月は五百五十円で売ります。六月は六百三十円で売りますと言
つておりますよ。あなたが折角そういう安い値段で売るからというので、製粉
会社に行
つて協力しろと言
つても、製粉
会社は……。私はそんなことを聞いておるから、製粉
会社に行
つて、少し
手許に分けてくれと言
つて分けてもらいましたよ。ところが全国でそういうことで売
つているかと思うと、私の行
つたところだけや
つている。ほかでは殆んど売
つていない。そういう製粉
会社が非協力な態度でいるときに、あなたは第七条以外にあなたのやるべき手がありますか。そうしてその今の、この間私が申上げたように、これから四月も、五月も先の「ふすま」を五千トン入れますとか、こういうことで一体……。私は昨日あなたに宿題を出したでしよう。今一体豚の
生産者はどういう計算にな
つていますか、豚を飼
つて餌代が幾らとられる、粗収入が幾らであ
つて、あの汚ない、嫌な思いをして豚を飼
つて、六カ月後農家の
手許に落着く金は幾らか、これは今の餌の問題で一番
はつきりして来る。私はそういう
意味合で、これはあなたとは敵同士でも何でもない。あなたに恨みも何もない。ないけれ
ども、現在有畜農業をあなたのほうで何カ年
計画でそうして
計画をや
つている。現在あなたのほうで
酪農振興法案を出している。それで酪農振興をやるという真剣な決意があるならば、先の百より今の五十ということがある。今の餌の問題を
考えても、「ふすま」で六百円や六百五十円で買えるものが、農家は八百五十円も「ふすま」代を出さなければならん。それに対して未だにあなたの、これに対して第七条の発動について
審議会に臨む態度が畜産
局長の腹がきまらん。一方製粉
会社からそういう勝手なことを言われて、先物は皆売
つてしまいましたと言
つてごま化されていた
つて、どうにもならないところで手を挙げている。この姿を見て私はじれ
つたくてならない。もう一遍私はあなたの率直な御
意見を
一つ伺いたい。