○北勝太郎君 私は実は自分の牛乳を
北海道で雪印に出しておる、そんなふうな
関係で雪印の会社の内容をよく知
つておるのでありますが、これを御参考に申上げてみたいと思います。雪印は御承知の
ように全道に工場を持
つておる、これはクローバー・バターと同じであります。そこでいつも
生産者の集会でやかましい問題になるのは、あれは全道の酪農を或いはもつと範囲を広く、農業を合理化させるために是非
一つ協同組合の
ような力で、協同組合式の会社だとか、その力で進めて行かなければならん。これがためにはこの集乳費は全部の農家のプール価格としておる。それは御承知かと思いますが、一升に九円かか
つております。そこで工場に近い所の人たちは非常に
不平を言うのですよ、そんなことをやられては大変だ、こういうのですけれ
ども、とにかく協同組合式の行き方ですから、集ま
つて来る代表者はそのほうの乳の少いところ、一日一石とか、二石とかいう少いところの人が多いのです。
従つていつもプールでなければ問題は通らない、こういう工合にな
つておるのでありますが、私のところは工場に近いところだけれ
ども、我々の立場からい
つて全道の酪農が振興するためにこれは止むを得ない、こういう工合に
考えておるのでありますが、そこで
一つ隻乳費のことが問題になるわけであります。どうしても
一つ何とか方法を講じて、牛の密度の少いうちに集乳ができる
ようにさして、全道の或いは全国の酪農が盛んになるためには牛屋さんの迷惑でなしに、そうして
政府等の助成等によ
つてそれはやるべきものじやないのか、こう思われるのでありまして、この点特に力をこめて私はお伺いするわけなんです。よく近頃工場がほかの工場のところへ割込んで来て、そうして高い値を払
つて牛乳を集める、これは全道的の牛乳を集める、酪農を振興し
ようということは第二で、向うは牛乳のほうで儲ければいいのだから、そこで近いところ、便利なところだけ皆取
つてしまうということになるのでありまして、これは何らかの策を用いなければ、私は大変なことだ、こう思
つておるのであります。今後の集約酪農地帯においてもそういうことができると
考えられるのであります。そういう
ような引合わない間の農家に対する農業の奨励上、どういう方法で酪農を奨励するのかという根本方策を立ててもらわなければいかん、こう思うのであります。