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参考人(
竹俣高敏君) 御
説明申上げます。
前回各
肥料メーカーの私
どもに出しました
資料、これに必ずしも完璧ではございませんけれ
ども、それをうまくまとめまして早速印刷いたしまして本日持
つて来るつもりでおりましたのでございますが、実は当初
メーカーからもらいますときに、絶対公表せんという
約束の下にもら
つておりまするので、
メーカーに、実はこういう御
要求がございますので、出したいと思いますということを早速その翌日念を押したのでございますが、ところがまちまちでございまして、或る
メーカーさんは、ほかの
メーカーさんが全部承知であるということであれば或いは止むを得ないかというようなところもございましたが、中にはどうも
最初の
約束と違うというようなことを言われまして、私
どもといたしましては、実は当初必ずしもそういうことを予想いたしておりませんものでしたから、ABCでよろしいというような、かなり寛大な御
要求でございましたので、恐らくできることと思
つておりましたのですが、本日その
刷り物のできませんことをお詫び申上げなければならない羽目に
なつておるわけでございます。それで実はこの前の御
説明のときにも申上げましたように、たしか私から
開発銀行当局の考え方として、
コストとして二方二千数百円というようなことを申上げたわけでございまするが、そのときにお断わりいたしましたのは、私
どもが
肥料メーカーのまあ
コストを調べたわけではございませんで、
融資のときにいろいろなことをお尋ねいたしましたのは、昨年の夏から秋にかけてでございますということを、恐らく二回くらい繰返して申上げたのですが、なおもつと正確に申上げますと、二十七年四月から二十八年三月までの丁度一カ年間のいわゆる通算の数字を欲しいということを申入れて、或るところは出してくれましたし、或るところは出してくれませんでしたのでございますが、それを基にいたしまして私
どもは
融資の判定をやつたわけでございます。そこで
メーカーに対しまして私
どもはそういう
約束をいたしておりまするので、いわば信頼関係でそういう数字をもら
つておりまするので、若しその気持を無視してここで
刷り物にして差上げるというようなことをいたしますると、実は今後私
どもが、会社の企業の或る程度の秘密を教えてほしいと申しました場合に、なかなか教えてもらえなくなるということに本質的な危険を感ずるわけでございますけれ
ども、私
前回大体申上げられるでございましようとい
つてしまつたわけで、結局その板挾みになりまして、実は非常に弱
つているわけでございますけれ
ども、口頭を以てこういう例があるのだというふうに申上げることでお許し願えれば、そうさせて頂きたい、これはお願いでございます。
メーカーが私
どもに出しました
資料は、不完全なものもございますが、それの
提出に関しましては以上のような次第でございます。
なお、その次の点でございますが、確かに江田さんから御指摘頂きましたように、二万二千幾らということであ
つてはむしろ逆鞘に
なつて、配当をしたり何かすることはできないのではないかというような御質問もございましたが、実はこれも
只今私が御
説明申上げましたように、二十七年の四月から二十八年の三月、即ち二十七年上下通算の数字でございまするが、そのときに各
メーカーの売上げました単価を改めて私又見直してみますると、かなり高く売れておりますのでございます。大体二万三千円以上で売れております。一社だけが二万二千九百何十円というところがございましたけれ
ども、いずれも二万三千何百円というところで現実に売れておりまするので、私が推定的に申上げました二万二千幾らということで十分利鞘はあつたというふうに私
どもは考えておりまするし、なお、
開発銀行当局といたしまして
融資をいたしますのに、当然そういう
利益ということも考えまするが、仮に
利益がなくてとんとんであつたといたしましても、償還は相当確保できるのでございます。と申しますることは、この間におきまするところの償却額が幾らであるか、結局償却願は固定的な資産が漸次流動資産に変るわけでございますから、それを以て返済に引当てられるわけでございまして、私
どもは常に
利益と申しますときにも、普通は償却前の
利益を特に計算いたしておるのはそのゆえでございます。それで、それでは償却額が一体どの程度あるのか、勿論会社によ
つてまちまちでございますが、最低で六千五百万円、最高のところは六億七千幾らというような償却額を現に実際や
つております。従いまして、開発銀行が二十八年度におきまして
合理化のために
融資いたしました額というものは、御承知のように一億乃至一億六千万円、各社につきましてでございますから、結局二年か三年といつたようなことで、それを引当てれば、仮に
利益がない場合でもできるということと、更に担保力ということを当然考えますのでございますが、これも今日御
説明を申上げたいと思いまして、ちよつと数字を抜き書きして参りましたが、担保額、これは相当大きくございますが、現にそれをほかの債務の担保に入れておりますので、担保余力という点で申上げたほうがより正確だと思います。ところが担保余力の最も少い会社でも、大体三億見当を私
どもとしては見込んでおりまするし、多いところでは九億九千幾ら、十億に近い余力を計算上出しておりますので、担保の点から申しましても、或いは償却を見込んだところの償還力というようなことからいたしましても、開発銀行の
融資はかなり堅めにや
つたのであるということを申上げてよろしいのではないだろうかと思います。従いまして、配当の点その他に関しましても、当然たこ配であるというようなことは言えないというような数字であろうと私
どもは考えておりまするし、又開発銀行自身も、
融資に際しましてそのことの注文を必ずしも付けていない次第でございます。重ねて申上げまするけれ
ども、実は私
どもは
コストだけにピントを合せておりませんで、むしろ
融資全体、この間も
融資の五つの要素を申上げたわけでございますが、その五つの中の償還力の又一部として
コストということが浮び上
つて来るわけでございまして、私
どもの考えといたしましては、一応
融資に関しましては必要にして十分の審査をいたしたものというふうに考えておるわけでございます。
これで一応の
説明を終らせて頂きたいと思いますが、先ほどお願い申上げましたように、口頭で、およそ出された数字にこういうような数字であつたといつたようなことを申上げることでお許し願えますれば申上げたいと思います。なお、附加えさせて頂きますと、
メーカーのお出しになります場合にも、なかなか政策的な数字を持
つておいでになられますものでございますから、この会社がと思われるところが、かなり高い
コストだといつたようなことを御
説明になられたり、或いはそうでない場合に、逆に非常に安目におつしやられるというようなこともございますので、私
どもといたしましては、それを十全に、必ずしもその通り鵜呑みにしていいかどうかということには多分の疑問を持
つておりますけれ
ども、口頭で申上げるといたしましても、そういう数字に実は
なつてしまうわけでございます。なお御質問がございましたら、一々御
説明申上げますが、一応の御
説明といたしまして以上……。