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政府委員(
前谷重夫君)
小麦協定につきましては、これはこの前の八月でございますか、御
審議を頂いたわけでございます。その際に問題になりましたように、
最高価格を割るかどうか、これはその当時の状態として
最高価格を割るだろうか、この点についてはいろいろ見通しがあ
つたわけであります。そういう
最高価格を割る虞れもあるということは、我々も或る
程度の予想があるかも知れない、こういう予想があ
つたのでございますが、特に最低
価格が
輸入国については一番問題なんであります。つまり一
ブツシエル一ドル五十五セント以下に
市価が下りますと、一ドル五十五セントで買わなければならない、こういうふうなことになりますので、この最低
価格が高くなるということについては非常に
協定当時議論もし、警戒をいたしたわけであります。従いまして最低
価格も一ドル五十五セント
程度にきまりましたので、現在の見通しでは我々としては最低
価格を割ることはないのじやなかろうかというふうに考えているわけでございますが、
国際小麦協定の問題は、不利益になります場合は最低
価格を割
つた場合、
最高価格と最低
価格との間にある場合におきましては、実は
協定としての
取引は、単にその数量をレジスターするだけでございまして、
価格的な制限はその間においてはないわけでございます。
輸出国輸入国においてもないわけでございます。これはそういう形の場合におきましては、
国際小麦協定の
価格の
最高価格を下廻
つている場合においてはこれでなければ買えない、
国際小麦協定に入
つた輸入国側の利益というものは、端的に買うものの面には現われておらないわけであります。その点では入
つても入らなくても同じじやなかろうか、こういうような見方もできるわけでございます。数量的には一応確保されている、而もそれによ
つて不利益はない、元々
国際小麦協定の考え方と申しますのは、
最高価格と最低
価格との間において
取引されるという形が普通の
協定で予想されている形なんであります。問題は結局今後の
アメリカの支持
価格制度がどういうふうに変
つて行くかという問題と、実際生産費の
関係その他の
関係においてどこに落ちるか、こういう問題であろうと思います。大体今の状態において、最近一時強向きの様相を示しておりますが横這い状態にな
つております。
差当りこの状態が続いて行くのじやなかろうかというふうに我々は考えているわけでございます。