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1954-03-29 第19回国会 参議院 農林委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月二十九日(月曜日)    午後二時二十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     片柳 眞吉君    理事            清澤 俊英君            戸叶  武君    委員            佐藤清一郎君            重政 庸徳君            関根 久藏君            上林 忠次君            北 勝太郎君            川口爲之助君            河野 謙三君            江田 三郎君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    農林省農業改良    局普及部長   黒川  計君    食糧庁総務部長 新澤  寧君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農産物検査法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○補助金等臨時特例等に関する法律  案特別委員会申入れの件 ○地方行政委員会申入れの件   —————————————
  2. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは只今から農林委員会を開会いたします。  最初に、農産物検査法の一部を改正する法律案を議題にいたします。前回に続きまして御質疑をお願いいたします。なお、本改正案は新年度早々から施行の必要もあるようでありますので、本日御質疑をいたしまして、質疑が大体完了いたしますれば、本日のうちに質疑を終りまして直ちに討論採決に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。それではこれより質疑に入ります。  私からちよつと質問しますが、これは米価審議会なり、或いは当委員会でも曾つて問題になつておつたと思うのですが、検査手数料を国がとつて、それから政府が米を買入れる場合は、同額の検査手数料を加算して政府が買うということになつておるのですが、それくらいであれば相殺をして、手数料をとらないほうがいいではないかという意見が今までもあつたのですが、併し従来は一般会計で受入れて、それを食管会計に繰入をするという関係で一応技術的な意味では多少の意味があつたと思うのですが、今度は一般会計手数料をとらないで、食糧庁と言いますか、食管関係それ自身証紙を売つて手数料を入れているのですが、今度は同じ食糧庁がその金額を加算して買うということになると、今度は同じ会計でやつてそれを加算して買うことになると、而も米は全部政府が買うということになれば、これは従来の議論がもう一歩前進して、余計なことをするというような感じを、少くとも全面管理をしておる米についてはそういうことが言えると思うのですが、その辺はどんなふうに考えておるのですか。
  4. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 確かにお話のような点があろうかと思うのでありますが、たしか私の記憶が間違いかも知れませんが、実態的には米を買います場合には、検査料納付するという手続は省略しておるように私は記憶しておりますが、ちよつとその点担当のかたが参りましてから、確かめますが、私が聞いているところでは米の場合には省略しているように考えております。
  5. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それではこれはあとはつきり御答弁願いますが、米は全部政府買つておれば、この検査証紙食糧庁ではただでやることになるのですか。
  6. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 手続としては只今申上げた通りでありますので、一応わざわざ検査証紙は貼らないということでその間の手続を省略しておることになるのではないかと思います。
  7. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) これは重大なところですから、あとで確かめて御答弁願いたいと思います。
  8. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 確しかめます。
  9. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それからもう一つ衆議院附帯決議が附いておりますが、この間の本会議収入印紙の総額が十万円までは百分の六とか、十万円から三十万円までは百分の三とか、この間同じようなものについて改正があつたのですが、これはやはり衆議院でも附帯決議が附いておつて、それだけではないと思うのですが、収入印紙売捌手数料との均衡を失しないように最高額を引上げることとありますが、これは多少変える意思があるのですか。
  10. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 只今の点につきましては、今事務的に検討をして少くとも今月中に結論を出さなければならないと思つておりますが、一応衆議院でああいう附帯決議が附きましたので、その趣旨に副つて考え直しつつありますが、一応予算の面の制約もありますので、それぞれ、主として売捌人は農業協同組合などでありますが、実際のコストというものと睨み合せまして取扱数量コストを睨み合せて決定しなければならないと存じております。一応衆議院で御参考に御覧に入れました案では、大体平均的なもとして、収入印紙の真ん中の段階に属する百分の三という手数料で全部一律に考えていたわけなんですが、取扱数量が非常に少いところも同じように百分の三ということで抑えられますと、非常に手数の割合に収入がなくて困るというところもあろうかと思いますので、収入印紙の場合と金額的に同一歩調をとりますことは、或いはむずかしいかと思つておるのでありますが、一応百分の三を中心といたしまして、やはり取扱数量が少いものについては若干の手数料の率を上げるということは考えて行かなければならんのじやないかということで、具体的な予想取扱数量と申しますか、それと予算とを睨み合せて只今検討しておるわけであります。
  11. 河野謙三

    河野謙三君 衆議院付帯決議のほうの第二の「穀物検定協会の構成、検定員職務権限等について、」云々とこれは付帯決議を付けた衆議院農林委員会に聞けばわかることですけれども、大体これはどういうことを言つておるのですかね、これを読んだだけでは何を言つているのだかわからないのですが、具体的にどういうことを言つておるのたか、総務部長の手を通じて一つ御説明願いたい。
  12. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 私が伺いました範囲内で申上げますが、或いは間違つておりましたらば申訳ないと存じますが、一応私の理解している範囲内で申上げます。その付帯決議は、作りましたのは検定協会のやつている仕事が売買両当事者にとつて相当利害関係に亘る部面の仕事をしておる。従いまして、そういうような仕事なやるようなものは今何の法規的な裏付けもなしに、ただ事実上やつているということだけではいけないので、その仕事をやるにつきましては、法律はつきり検定協会としてどういう範囲権限を以てやるか、又その検定に従事する検定員というものの資格要件も、やはり何らかそういうふうな法規的な規定を以てはつきりさせておく必要があるのじやないか。仕事の率に比較して取扱いが余り簡略に流れ過ぎているのじやないかというような意味の御意見のように私は伺い、理解しておるわけでございます。
  13. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、例えば海事検定協会というのがありますね、ああいうふうな性格のものにこの穀物検定協会をすべきである、こういうふうなことですが。海事検定協会というのがありますね、ああいうふうな全く第三者的な性格を持つたものにすべきである、こういう意見なんですか。
  14. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 検数協会と同じ取扱いというところまで行くかどうかということでございますが、一応考え方としましては先生がおつしやるようなことだと思います。
  15. 河野謙三

    河野謙三君 それに対して農林省の御見解はどうでございますか。
  16. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) これも頂いたばかりでまだ具体的に研究段階に入つておりませんですが、確かに仕事重要性に鑑みまして、やはり資格要件を何らかの形で権威付けると申しますか、裏付けをする必要はあるのじやないだろうかというふうには感じておるわけでございますが、これも今後十分研究いたして結論を出したいと思います。
  17. 河野謙三

    河野謙三君 それからその後段にあります「所要経費の額及び支払方法等について、政府より実費の直接払いを行う等、これを明確ならしむるよう」云云と書いてありますが、これは現在はこの検定協会経費というものはそれぞれの食糧の取扱業者から一トン幾らというようなことでとつておるんですね。それを、そういうことをやめて国の負担においてこれを行え、こういう意味ですか、この書いてあるのは……。
  18. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) この意味はおつしやつたような意味ではないかと思います。国の仕事に属するものじやないだろうか、従つて国仕事を第三者に委託しておるような形でやつておるように受取られるから、従つてその関係はつきりして、国の事業として行なつておるものは国が直接その費用を払うようにすべきじやないかというふうにおつしやつておるように思います。
  19. 河野謙三

    河野謙三君 私はそこで、衆議院決議にけちを付けるようでありますけれども、国の負担においてこの経費を賄えということなら、これは要するに政府そのものがやはりやればいいのであつて、即ち現在の食糧庁の直接の仕事としてこれをやるということで私はいいと思う。いわゆる検定協会の今の仕事というものはデリヴアリーのことであります。デリヴアリーに先やつて、そうしてこの性格を付けるわけでございます。これは本来の食糧庁仕事であつて食糧庁仕事以外のもので私はないと思う。それを特に食糧庁から切離して別個性格のものを作れ、そうしてその費用は国が負担しろ、こういうことは私は非常に矛盾があると思いますね。食糧庁自体仕事としてこれるやることに支障がございますか。
  20. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 確かに仕事の性質といたしまして、何と申しますか、国がやるような意味合もないではないと思うのでありますが、併し将来のことも併せ考えますと、先ほどお言葉にありましたような検数協会というようなものがあり、又国際的なこういう検定機関もあるわけでございまして、更に統制時代のことだけでなく、長い将来のことを続けて考えますと、こういうような検定協会仕事なり、内容なりというものをだんだんに基礎付け、権威あるものに育成して行くことも一つ考え方としてあり得るのじやないかというふうに感じておるわけでございます。そういう意味におきまして、検定協会仕事を直ちに国がやることがいいのかどうかということに関しましては、私としてはちよつとまだ研究を要するのではないかというふうに考えております。
  21. 河野謙三

    河野謙三君 私はこの前段に書いてあるように、全然別個の第三者的な性格を持たしたものにしろ、これは私も一つ考え方だと思う。それならばこの経費は今まで通り取扱業者から私はとつていいと思う。若し後段のようにこの経費政府が持つんだということであるならば、何を苦しんで別の機関を作らなければならないか、こういうことで私は非常にこれには矛盾があると思うのですが、いずれこの決議に対して政府は如何に考えるかということは、よく御討議の上本委員会に御説明頂きたい、かように思います。  それから別個の問題ですが、これは検査と直接関係がありませんが、最近蔬菜園芸が非常に盛んでありまして、いわゆる無菌栽培と申しますか、いわゆる人糞尿を使わない、若しくは人糞尿を使う場合にも、これから十分に消毒と申しますか、要するに人糞尿使つてもそれによつて蛔虫が、例えば「いちごの」栽培において、或いはその他野菜の栽培においても蛔虫が付かないようにするということについて、何か簡易な便器か何かの奨励をやつてそれに補助金等が出ているようでありますが、こういうことについて、これは一体農林省は今後積極的にそういう方向に向つて栽培指導をして行かれるつもりですか。ちよつと御質問申上げた趣旨がおわかりかねるかと思うのですが、丁度今日は普及部長も見えておられまするから、むしろ厚生省の分野かも知れませんけれども、一体人糞尿栽培関係、これについてどういう方向に持つて行かれるつもりでありますか、これを伺いたいと思います。
  22. 黒川計

    説明員黒川計君) 人糞尿を使用する場合の問題につきましては、今のお話のようにいろいろ問題があるわけでありますが、現在この特殊な便器を利用いたしまして糞尿を分離するようなやり方でやるやり方と、もう一つはずつと前から三槽便所と言いますか、そういうやり方と二つの方法がありまして、その土地々々に応じまして、我々といたしましてはこれを進めておるわけです。ただ国予算等補助金が今のところないわけですが、生活改良普及員が教育をし、それを進めて行くと、こういう段階で今のところはやつております。
  23. 河野謙三

    河野謙三君 そこでこういう問題は一体国としてどうでもいいとお考えになつているのか、予算関係がありますから、一年、二年では片付きませんでしようが、今後五年なり、十年の間において全部そういうふうな簡易な糞尿処理便器を、農家に設備さして、そうして完全なる無菌栽培と申しますか、そういうことに持つて行くのか、そこらのところを伺いたいと思います。実は補助金がないんだとおつしやいましたけれども、各府県においてはまちまちでありますけれども、これに対して相当補助金を出しております。出しておる府県があります。そこでこれを各府県に任してやりたいものはやれというような程度の消極的なものか、積極的に国がその方向指導して行くつもりなのか、これを一つ伺いたいと思います。同時にこれらの問題について厚生省農林省のほうでは現在まで事務的にはどういう連絡をしてやつておられるか、これを伺いたいと思います。
  24. 黒川計

    説明員黒川計君) 無菌の下肥を使う場合に、無菌をするやり方につきましては、我々としましては全面的にやりたいという気持は十分あるわけです。ただ現在基本的な生活指導をやる費用もなかなかとれないような状態にあるものですから、現在の段階ではそこまで行きかねておる状態である、こういうことです。それから厚生省農林省の問題につきましては、今の御質問のようにまだはつきりしない点があるわけですが、我々としてもいろいろ話合つておるわけですが、又ここからここまでは農林省でやる、ここからここまでは厚生省でやるというようなところまでは行つていない、甚だ残念ですけれども、そういう状態であります。
  25. 河野謙三

    河野謙三君 厚生省が主として都市糞尿につきましては、これはいろいろやつておりますし、今度はまあ何か都市のいろいろの糞尿処理についての法案が出ておりますが、農村の中においての糞尿取扱い、こういう問題について非常に厚生省が無関心だ、これにつきましては、農林省から積極的に厚生省との連絡の上何らかの計画を立てて頂きたい。そうして今お話のように、この方向で進めて行くのだというならば、年次は仮に五年かかろうが、十年かかろうが、ここに一つ計画を立て、予算化しなければいかん。こういう問題については本日の農産物検査法とは少し縁が遠いのでありますから、この場合の御答弁でなくてもいいんですが、よく御相談なさいまして、又具体的な政府考え方一つお示し頂きたい、これを私は希望しておきます。
  26. 清澤俊英

    清澤俊英君 本案の提案説明等も頂戴しておりますが、盛んに行政簡素化などを言われているとき、わざわざこういう複雑な機構を作らんけりやならんというほどの重要性がどこにあるのですか。大体説明書に従いますと、受検者の便と検査手数料収入の確保上にも制度的に多少の欠陥がある、これだけの理由で、新らしく印刷機から何からそつくり揃えて収入印紙納付するような方法を講ぜんけりやならんような重要性をもつと具体的にお開かせ願いたいと思います。
  27. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 今回の手数料納付収入印紙じやなくて、農産物検査用紙を以て行うようにいたしました理由につきましては、提案理由に概略説明してある通りでございますが、実体的には印刷そのものにつきましては、この発行印刷権限としては農林大臣が持つわけでございますが、実際の発行印刷庁に委託してやる、印刷は委託してやることになるわけでございます。又検査の受取る側のかたがたの便宜から申上げますれば、収入印紙郵便局行つて手に入れて来なくちやならないというような点が、今回はこの農産物検査印紙売さばきには、原則といたしまして農業協同組合を指定することを考えておりますので、検査を受けるその場で所要印紙を手に入れるのだということになりまして、若干便宜が増すのじやないかというふうに考えております。この印紙検査済だということの証明のために封緘に用いることになつておるわけでありますが、この点につきましては、実体的には昨年来証紙というほどの強い性格は持つておりませんが、巻封を用いておるわけでありまして、実体的にはこれによつて食糧庁にいたしましても何にいたしましても、手数は特に増すことはないだろうというふうに考えておるわけであります。理由は一々提案趣旨にも書いてありますような、受検者がすぐ手近で印紙が調達できるということと、それからそれを封緘に使いまして検査が確実に行われておるということの裏付けにいたしたい、そのことに尽きておるわけであります。
  28. 清澤俊英

    清澤俊英君 どうもはつきりしませんが、只今お伺いしただけの話だと、検査自身にあるよりは、何か売捌店手数料が目的になるような気がしてかなわんのですが、そういうことはないのですか。それは農協に置けば便利だ、ここに置けば便利だというのは、それの便利なことは考えられるが、結局はそのほうが却つて重いのじやないかというような気がしますがね、と同時に、大体検査を受ける場合に、まあこの場合などはそう大したあれもありますまいが、附帯的な「わら工品検査など受ける場合などは大体常に用意して来ます。収入印紙をいつでも間に合うように用意して来ますので、従つてこういうふうに制度が変つた場合には、その収入印紙というものを一応証紙と換えて頂くような便利な措置等がとられるのですか、この二点を一つ……。
  29. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 手続的に今御質問のございました収入印紙とこの農産物検査印紙と交換ができるかどうかという点でございますが、この点は収入帰属関係がございますのでむずかしいのじやないだろうかというふうに考えております。それから先ほど委員長からの御質問にお答えしたのでございますが、米についての検査料納付について先ほどお答えいたしたのでありますが、先ほどお答えいたしました点は農産物検査法の第十一条に規定がございまして、米の場合政府に売渡す場合につきましては検査料納付という手続を要しないことになります。先ほどのに重ねてお答え申上げます。
  30. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでわかりましたが、麦の場合ですね、麦の場合です大部分政府に売る、こう思うのですが、麦の場合など政府に売る場合に一応手数料を納める、それを加算して買うということを省略するというまでは考えられないのですか。
  31. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 確かに政府に売ります場合の手続につきましては、御指摘の点があろうかと存じますが、只今のところはやはり印紙買つて、それによつて納付するということに現在はいたしておるわけであります。確かに研究を要する問題と存じますので、研究はいたして参りたいと存じます。現在のところはその点まで改正の手を触れておりません。
  32. 清澤俊英

    清澤俊英君 実施に当りましては、手持ちの収入印紙、これはこれだけ専門農民は持つているので、収入印紙農民ばかりじやないのですが、普通一般の人が収入印紙を常に使うなんということは、これは殆んど裁判所でもなければありませんので、従つて非常に多数の人が不便をこうむる。粗末になる、額によりましては非常に粗末になる危険性がありますので、それの処直に対して何らかのことを考えて頂きたいと思うのですが、非常に数多く人が持つていても、それをすぐ駄目になつたということになると、これをどう始末するかということになりますと、まさが郵便局へ返しに行くというわけにも行かない。人に売ると言うても売れない収入印紙を持つておる、長く持つておるといううちには紛失するか、何かする、これは非常に全体の農民の上から見れば大きなものになると思う。この点に対しては何らかの一応の処置を考えて頂きたい。こう思うのですが、期間を定めて印紙と今度の証紙と換えるとか、何とかいうような一つ方法を考えて頂かんと、非常に迷惑するものがあると思うのです。
  33. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 只今のお言葉は確かに問題であろうと存ずるのでありますが、一応歳入の関係一般会計特別会計に分れてしまつた関係がございますので、法規的に何と言いますか、何らかの規定則つてつて行くというようなことも解決がなかなか困難ではないだろうかと存ずるわけであります。実態に即して何か考えなければならないのじやないかと思いますが、今直ちにそれに対する案として答え申上げるものはないのでございますが、実情をよく調べた上で研究して参りたいと存じます。
  34. 北勝太郎

    北勝太郎君 小さい問題ですが、検査をするときに見本のために抜きとつたもの、あの帰属はどこになるのですか。
  35. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 原則といたしましては、元へ差し戻すというのが原則になつております。ただ非常に最盛期等で忙しくなりまして、そういうことをすることができませんで、止むを得ずその見本をとつておきました場合には、それは元の検査請求者にお返しするということにいたしております。
  36. 北勝太郎

    北勝太郎君 よくそれが地方で問題になりまして、いろいろ問題を起しておるのでして、そのことは農民はつきりわかるようになつておるのですか。
  37. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) これは何と言いますか、特に改めて御通知したことはないわけでありますが、私どもの検査員に対しましては、只今申上げましたことははつきりその処置をするように指導をいたしております。
  38. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を止めて。    〔速記中止
  39. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて。
  40. 上林忠次

    上林忠次君 ちよつと一点。品物によつて手数料が違うごとに証紙も違うわけですが、年々手数料が変つたときに変ることがあるのじやないかと思う。変つたときに古い証紙を手許にたくさん持つておるという耕作者がある、これはとつて売上げてもらわなければいかん。そういうようなことについての規定を作りますか。
  41. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 只今の点につきましては、一応新らしい証紙と交換できるような規定を省令に定めたいと思つております。
  42. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御質疑ございませんか……。他に御発言もないようでございまするから、質疑は尽きたものと認めまして御異議、ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異疑ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  44. 江田三郎

    江田三郎君 私はこの問題について賛成いたしますが、ただ賛成に当りまして次のような附帯条件を付けることにいたしたいと存じます。内容は米麦の「かます」包装普及を図ると共に取扱いを容易にするため一包装当り重量の引下について早急に改正を図ること、この附帯条件を付して賛成いたします。
  45. 河野謙三

    河野謙三君 私は今の江田委員附帯決議には賛成するものであります。同時に原案にも賛成はいたしますが、ただこの機会に希望を申上げておきます。過日の質疑の際にも申上げましたが、従来新俵と古俵の買上価格に三十円という大きな開きを付けておりますが、これは私は非常に納得しにくいものであります。もう少し農業経営上「わら」というものをできるだけ農村から都会に吸上げないということを基本にして考えた場合に、できるだけ古俵を高度に利用させるということを中心にして、古俵の買上につきましての価格の決定の仕方を再検討して頂きたい。御承知のように、昔横尾惣三郎とかいうえらい百姓に熱心なかたがいて、余り熱心過ぎて気違いだと言われたようなかたでありますが、このかたは化学肥料を使う者は死刑に処せというような法律を作れと言つた。勿論私はこれに賛成するものではありませんが、要するにもう少し農家有機質のものを余計使わせる、自給肥料を余計使わせる、これに対して農林省が何ら積極的に考慮を払われていないのじやないか、こういうことだつたと思います。これけ私は特に最近の農業経営の実態からみまして、この点にもう少し農林省け積極的に考慮を払わなければいかんと思う。そういう点に関しまして食糧庁も、ただ食糧管理特別会計がうまく運営されればいいのだというような単純な観点から買上価格の決定をされてはいかんと思う。特に今申上げる古俵の問題につきましては、農業経営の中に非常に重要な地位を占める「わら」の点につきまして、もう少し大きな観点から、食糧庁としてでなく、農林省としてもう少し関係の改良局なり、経済局なり、それぞれの立場からの御意見も聞かれまして再検討して頂きたいと思うのです。これを私は特に希望するものであります。  それから検定協会の問題につきまして、衆議院から附帯決議が出ておりますけれども、私はこれは経費多くして余り効果の上らんものだと思います。これはよろしく検定協会というようなものをやめて、そうしてこの非常に複雑多岐な食糧のデリヴアリーには、これを扱うところの運送業者にそのデリヴアリー仕事というものを一定の料金で請負わせることによつて私は事足りると思う。そのほうが私は実績が上ると思うのです。一々俵や「かます」のあとを追いかけて、米や麦のデリヴアリーを完全にしようと検定協会が何千人の人がかかつてもできるものではありません。これけ実際できないのです。それよりも今の検定協会の運営に要する費用の三分の一なり、五分の一のものを食糧の運送業者に与えて、運送業者の責任においてこの検定協会の使命を果すことのほうが私はよほど効果的であり、又経費の節減にもなると思う。従つてこの経費は取りも直さず食糧の中間経費でありますから、中間経費の削減にもなると思う。こういう点につきまして私はさような意見を持つておりますが、十分な再検討をして頂くということを特に私はこの機会に附加えまして本案に賛成いたします。
  46. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 他に御発言ございませんか。
  47. 上林忠次

    上林忠次君 本案には賛成いたしますが、先ほど出ました一俵の目方を減らす、そうして取扱いやすくするというこの趣旨にも勿論賛成であります。併しながら、この「わら」の資源の少いときに、この単位当りの目方を減らして運送するために、その包装に要する「わら」が多くなるのじやないか、小さくすると扱いは楽になるが、「わら」が余計要るというようなことになると、半面「わら」が不足しているときに、この運送のためには余計な「わら」を使うというようなことになりますので、一遍くらい包装したやつを次に又白米の配給にも使うとか、回転の段取り、それからこれを製造するときのコストの点、いろいろ考えてもらいまして、一方「わら」の必要量ということと睨み合せて考慮して頂きたいということを附加えまして、賛成するものであります。
  48. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 他に御意見もないようでございまするが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。  それでまこれから採決に入ります。農産物検査法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  50. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中にございました江田三郎君提出の附帯決議について採決をいたします。江田三郎君提出の通り附帯決議をすることに賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  51. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 多数でございます。よつて附帯決議をすることに決定いたしました。  なお、本会議における委員長の口頭報告の内容、事後の手続等は慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。  次に、本案を可とされましたかたは例により順次御署名を願います。   多数意見者署名     清澤 俊英  戸叶  武     佐藤清一郎  重政 庸徳     関根 久藏  上林 忠次     北 勝太郎  川口爲之助     河野 謙三  河田 三郎
  53. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  54. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。  次に、前回の委員会におきまして本日まで留保になつておりました補助金等臨時特例等に関する法律案特別委員会に対する申入れにつきまして、これから朗読しまするような文案で申入れすることについて採択をいたしたいと思います。  文案を朗読いたします。   昭和二十九年三月二十九日         参議院農林委員会   参議院補助金等臨時特例等に関する法律案特別委員会    委員長 松永 義雄殿    補助金等臨時特例等に関する法律案の修正に関する申入   目下貴委員会において御審議中の首題の法律案について、左記理由によつて、別紙の通り修正(第十二条「農業改良助長法に基く補助等の特例」を削除する。)方御措置願いたく、   当委員会決議を以て申入れます。     記    削除修正の理由   一、問題となつている農業改良助長法に基く補助対象事業は、農業生産の増強及び農民生活の改善の中軸をなして、極めて重要にして且つ効率的な施策であり、而も最近の経済事情は、国内における食糧自給度の向上をいよいよ緊要とし、これが対策の拡充は刻下の急務たるにかかわらず、財政事情はこれを許さず、かかる事態に当面して、少資を以て多穫を収め得る本施策に対する期待は甚だ大きいものがある。かかる際において、本施策に対する補助率を切下げ、実質的に事業の縮小を招来するが   ごとき措置はこれを避くべきである。  一、農業改良助長法による補助率、現在三分の二とあるのを二分の一に引下げ、その差六分の一は新たに地方交付税交付金に追加計上してあるから、美質上は従来の補助率と変らないとのことであるが、かかる措置は無意味であるばかりでなく、むしろ事を複雑且つ曖昧にすることになるものであるから、現行通り農業改良助長法により補助率を三分の二とする必要がある。  一、現在においてすら国の補助金算定の単価と現実の単価との差、勤勉手当、期末手当、超過勤務手当等の諸手当及び事業費の不是等のため、農業改良助長法に基く義務負担のほかに、都道府県においても、又市町村その他においても、純地方費を以て相当巨額の負担をしている現状であつて、かような現実において補助率を引下げるがごときことは妥当を欠く。  一、別紙のように法律案を修正しても、これに見合う財源は地方交付税交付金の中に含まれているから、これが組替によつて措置すれば大体差支えないはずである。   補助金等臨時特例等に関する法律案に対する修正案  補助金等臨時特例等に関する法律案の一部を次のように修正する。  目次中「第十六条」を「第十五条」に、「第十七条—第十八条」を「第十六条—第十七条」に、「第十九条—第二十二条」を「第十八条—第二十一条」に、「第二十三条」を「第二十二条」に改める。  第十二条を削り、第十三条を第十二条とし、以下順次一条ずつ繰り上げる。  附則第四項中「第十七条、第十八条又は二十条」を「第十六条、第十七条又は第十九条」に改める。 以上であります。お手許に配つてありますような、只今朗読いたしました申入文案で申入れることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めまして、さよう申入れることに決定いたしました。   —————————————
  56. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案の当委員会においてとるべき措置につきまして御審議を願いたいと思います。  本法律案につきましては、政府当局から一応説明を聞きましたし、なお先ほど陳情もお聞きしたわけでありまするが、如何いたしましようか。  ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  57. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。  それでは地方税法の一部を改正する法律案になきましては、先ほどの懇談会で御相談しましたような文案で要請することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めましてさよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十九分散会