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政府委員(小倉武一君) 質疑応答などいろいろございましたので、一々と言われましても、
ちよつとはつきりした御返事をすることはむずかしいんじやないかと思いますが、こうした原価
計算は
一つの大きな問題かと思いますが、これは開銀融資等の斡旋に附随して、附属書類として必要なものが通産省におありになろうということは、私どもも農林省の
関係から類推して想像できるのでありますけれども、併し普通開銀融資の場合でも、そう厳密な外へ出して恥かしくないような原価
計算がついているかどうかは必らずしも私よく承知いたしておりません。併しそれに類するものは恐らくあるだろう、又要求もできるだろうとは思います。ただ開銀融資の問題、まあ今年始ま
つたばかりでなく、随時各社から出て参るやつを斡旋するということに
なりますので、同じ時期の統一的な
方法に基いたものが揃
つておるかどうかということについては、恐らくなかなかむずかしいんじやないかというふうに私は想像いたします。これは想像でございます。それから
資料、そういうものを出したほうがいいかどうかということについては、できるだけ御審議の便を計らうようにするのが当然と思いますけれども、肥料
工場会社の営業機密にも関するようなこともあるでございましようし、おのずから個々のものについての提出については、特にどうこうということを御返事することは
ちよつと困難でございます。それから
ちよつと話が外れますけれども、農林省におきましても、そうい
つたものはないかということは、この前の
委員会でもございましたし、私のはつきりした記憶にはございませんが、昨年の暮なんかもたしか河野
委員から御
質問がございました。そのときに私からこの
委員会でお答えしておいたと思うのでありますが、農林省といたしましても、安定帯価格等については事実上行政指導的にタツチいたしている面もございますので、そうい
つたものが当然あるはずだというふうにお考え頂くことは至極御尤もであると思います。ただ私どもの実際を申上げますと、これは又通産省と
関係のないことですけれども、原価
計算とい
つたほどのものを持
つておりません。持
つておらないのをなぜ安定帯価格についてどうこう言えるかと申しますと、これは安定帯価格についての経過がございまして、これは河野
委員が衆議院におられたときから問題に
なりましたので、よく御承知と存じますが、当初たしか一昨年でございましたか、硫安の価格が千円に近くなんなんとしたときでございました。たしか九百九十何円というときに、そのときにストツプするという各方面の強い御要望がございまして、それが
一つの目安と
なりまして、その後だんだんと下
つて行く、その後安定帯価格九百三十円、中値九百円で、それから八百七十円、こうい
つた価格が出て参りました。このときの下値も当時の輸出価格であ
つたわけであります。そして中値を当時の市況よりか少しばかり下
つたところを中値にしたように記憶しております。その後当時の秋肥の価格について、これは私どもだけの話でございますが、業界と申しますか、硫安の生産者各位に自粛をお願いしまして、九百円ということで以てこれ以上げてもらいたくないということを意思表示を事実上たことがございます。その後安定帯価格が少し下廻りまして、上値がたしか八百九十五円でしたかということで、多少当時の市況とこの前きめたときの安定帯価格から、石炭の値下りの状況でありますとか、或いは電力問題でありますとか、或いは生産量操業率の問題等を加味して、一応価格の問題について農林省としても意見を申上げておくとい
つたようなことでございまして、はつきりした原価
計算費があるということでは残念ながらないのでございます。先般農林省の政務次官が
生産費と申しまするか、原価について、そういうものがあればこれは提出すべきだ、又してよろしいとい
つた御発言がございました。それについておつつけどなたかから御
質問がございましたように、それは農林省の一政務次官としてでなく、
政府の代表としての答弁だとい
つたようなこともございましたので、強いて農林省にはそういうことがないということをお断わりする必要はないと思いまして私も申上げなか
つたのでありまするけれども、通産省には事実上そうい
つた筋のもの、まあ厳密な原価
計算というかどうかは私も疑問かと思いますが、現在の
生産費を大体測定して、この辺じやないかということを用いるに足る材料は或いはおありになるんじやないかというふうに思
つておりましたので、その辺の取扱い方をどうするか、こういう問題と私は承知いたしておるのであります。