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1954-03-26 第19回国会 参議院 農林委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月二十六日(金曜日)    午後二時五十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     片柳 眞吉君    理事            宮本 邦彦君            森田 豊壽君            清澤 俊英君            戸叶  武君    委員            川口爲之助君            佐藤清一郎君            重政 庸徳君            関根 久藏君            上林 忠次君            北 勝太郎君            河野 謙三君            江田 三郎君            河合 義一君            松浦 定義君            鈴木  一君            鈴木 強平君   政府委員    農林政務次官  平野 三郎君    農林省農林経済    局長      小倉 武一君    農林省農地局長 平川  守君    農林省農業改良    局長      塩見友之助君    林野庁長官   柴田  栄君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    食糧庁総務部長 新澤  寧君    食糧庁総務部検    査課長     松岡寅治郎君    通商産業省軽工    業局化学肥料部    長       柿手 操六君   参考人    兵庫農科大学教    授       濱口榮次郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○保安林整備臨時措置法案(内閣送  付) ○農林漁業金融公庫法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○開拓融資保証法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○農産物検査法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○農林政策に関する調査  (糖業に関する件)  (硫安の生産費に関する件) ○連合委員会開会の件   —————————————
  2. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) それでは只今から農林委員会開会いたします。  先般御了承を得ておきました通り江田委員の御要求によりまして製糖歩留り等の問題につきまして参考人の御意見を伺うことにいたします。なお参考人のうち日本製糖工業会技術部長山根武雄君は急病のため出席ができないそうでありますから御了承をお願いいたします。  参考人といたしまして兵庫農科大学教授濱口榮次郎君を御紹介いたします。本日は御多忙中おいで願つて厚く御礼申上げます。  それでは江田委員から一つ御質疑の要点を御発言をお願いいたします。
  3. 江田三郎

    江田三郎君 私お尋ねしたいのは、この原料糖と言いましても……。
  4. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) ちよつと、私失礼ですが、耳が遠いので、爆撃で……、ちよつと大きな声でやつて頂くか、それとも御質問のはたへ私行かして頂きまして……。
  5. 江田三郎

    江田三郎君 それじや大きい声でやります。原料糖がこれはブラジルもあるし、台湾もあるし、インドネシアもあるし、いろいろありますが、その原料精製した場合に一体歩留りというものはどの程度になるのか、精製の過程には当然糖蜜もありますが、精製糖なり糖蜜というものがどの程度歩留りがあるかということが一つと、それからまあこれは先生のほうでお調べになつておりますかどうか、一体そういうように精製する場合の経費というものはどの程度かかるものか、ほかにもありますけれども、先ずその問題からなんです。
  6. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 第一の問題につきましては、その国の砂糖製造技術程度によりまして、それから原料の種類によりまして、例えば純度が非常に高いとか、低いとか、そういうことによりまして随分歩留りというものが相違があるのであります。で、先日、昭和二十七年度並びに二十八年度の最初前期歩留りにつきまして御質問を受けました。果してこの歩留りは正しいかどうかということでありましたが、あとからこれをトレースして正しいか正しくないかということを申上げることはちよつと困難なのでございます。できるだけのことをいたしまして私一応調べましたところによりますというと、日本の当時の技術並びにその当時輸入されました原料糖品質から考えまして、それは先ず間違いのない歩留りじやないかと考えます。  第二番目の生産費のことにつきましては、私不幸にいたしまして、もう大学を出まして四十年来、この間砂糖ばかりやつておりますが、経理のことは一つもやつたことはない、全部精糖技術化学技術の基本的な研究にのみ没頭いたしまして今日に至つておりますので、生産費のことは全くわかりません。ただこれだけはお答えできますが、併し皆様の御参考なりません。石炭はどのくらい使うものか、或いは活性炭はどのくらい使うものか、その他の薬品はどのくらい使うものであるかをお聞き下されば、これはできますが、御希望の全製品のこれらの占める比重というものは至つて軽いもので参考にはならないかと思います。
  7. 江田三郎

    江田三郎君 今の第一の問題についてのお答えの中で、二十七年と二十八年の前期歩留りについて間違いがないというのは、ちよつと私どもよくわからんのですが、どういう歩留りつたのですか。
  8. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 先ほど申上げましたのは、日本の当時の技術並びに当時の輸入された原料糖品質、それを基本にいたしましていろいろな計算方法があるのでございます。式があるのでございます。それに日本で輸入された全部の原料糖品質を今から調べるということはなかなか容易じやない、或る一部分の、大体各工場とも平均して入つたのじやないかと思いまして、一部の工場原料糖分析結果、それを参考にいたしまして計算して見ました。そうするというと、大体先ず精糖技術といたしましては割合に上手なほうではないのです。その当時の技術といたしましては無理もございません。私余談になりまするけれども、昭和二十四年の暮に台湾から解放されまして帰つて参りました。それまでは台湾でずつと糖業公司の顧問をしておりました。帰つて参りまして精糖工場を拝見いたしましたところが、かなり技術は下のほうでございました。無理もございません。それは戦争のギヤツプもあり、製糖工業というものを一時中止しておりました。そこで全くの素人連中の職人を使つておるのですからなかなかうまく行つおりません。それがだんだんと進歩いたしましたけれども、二十七、八年頃は進歩いたしましたと言つても、アメリカとか、イギリスあたり技術に比べて貧弱だつたのですが、只今大分欧米技術に近寄つたのではないかと考えます。それでその技術の進歩に従いまして七つばかりの歩留りの式があるのであります。その式に当嵌めて見ましたところが、誠にお恥かしい話でございますが、先ずヨーロツパの製糖工業大分前のほうの技術しか発揮されておりません。それは私はこういう事実と実際の歩留りと、それからこの式と当嵌めまして、そうして証明をちよつと皆様に申しげたのでありますが、私自身工場を見た当時の技術といたしましても、やはりその当時そう感心した進歩した技術ではありません。最近は著しく進歩したした。
  9. 江田三郎

    江田三郎君 ちよつと専門員のほうへお伺いしますが、何か先生のほうへ具体的に問われたのですか、そこのところがよくわからんのでが……。技術が進歩した場合と遅れておる場合とは精白糖歩留りが違つて来るのじやないかと思いますが、その際精白糖糖蜜を加えたものは原料糖に比べて何%くらいになるわけですか。その糖蜜精白糖とを加えたパーセントというものは、技術が進歩してもしなくても同じことでありますか、それはどうでしよう。
  10. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 大体におきまして機械的の損失さえございませんでしたら、糖蜜精白糖の合計が原料糖の総計に同じか、或いはちよつと上になるかだと思います。
  11. 江田三郎

    江田三郎君 精白糖糖蜜を加えたものが原料糖と同じか、或いはちよつと上かということですが、そうしますと、二十七年のあなたのほうへ専門員室から差上げておるところのあの表で行きますと、例えば二十七年の場合に手持原料加える輸入原料、それから精白糖糖蜜繰越量とを加えたものを比べて見ると、一〇〇%よりずつと下のように思いますが、それはそういう御計算はなさいませんでしたか。
  12. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) これは専門員のかたがたにお開きしなければわからない点もあつたのですが、実は輸入原料糖総量というものはインヴオイスに書かれておる原料じやないかと思うのです。そういたしますというと、向うから入つて来る砂糖目減りなどというものは、特にキユーバ糖あたりなどですと、かなり目減りがあるはずです。それなどもインヴオイスに書いてある原料そのままに受入れる場合がありはしないか、それからもう一つ製品のほうで考えて見ますと、これが課税対象目方じやないかと思うのです。と申しまするのは、御承知の通り製品を運搬しておる間の目減りとか、或いは東洋特有消費糖である車糖と称する御家庭でお使いになるようなふわつとした感じの砂糖ですね、ああいう砂糖水分がやはり一・何%なり、或いは二%近くなり含んでおるのであります。それを運搬しておる間の水分蒸発量目減り、或いは又運搬中のこぼれを見越して、そうして百斤入れる袋、今は五十斤ですけれども、百斤に対しまして車糖の場合ですと百一斤半、それからグラニ糖とか、ザラメ糖の場合ですと、百一斤であつたと思いますが、それまでは許されるのでございます。税金課税される場合ですと百一斤半入れておりましても百・四斤の税金しかとらない。それがこの調に入つておるのじやないか、それを歩留り目方にしておるのじやございませんでしようか。そうしますと、つまり百斤に対しまして一・一斤、つまり一%くらい歩留りが低い面が出ているわけです、合理的に計算すると……。つまりちよつと足りないのですけれども、その目方が今御質問のあつたように九十九斤というふうな数字になるやつが百斤になるか、百一斤になるかという数字なりはしないかと考えておりますが、如何ですか。
  13. 江田三郎

    江田三郎君 先ほどおつしやつたことで、原料というものと、それから精白等プラス糖蜜というものは一〇〇%であるか、或いはあとのほうがもう少し多いということであります。ところがこの二十七年度の原料受高及び溶糖実績というもの、或いは二十八年度のこの数字、あなたのほうに専門員室から送つておるこの数字で行きますと、それが一〇〇%よりも大分切れるところがあるのですね。これは先ほどのお話から行きましても、工場能力がよかろうと悪かろうと、その違いは糖蜜精製糖との比率では現われて来ますけれども、その二つをトータルしたものでは現われないはずでしよう。先ほどのお話からするとそうなりますね。精白糖糖蜜とを加えたものは一〇〇%、若しくはもう少し上廻る、そこで工場能力のいい工場と悪い工場とありますけれども、いい工場と悪い工場があつても、二つ製品を加えた量には関係なしに、二つ製品の歩合が違うだけでしよう。
  14. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) そういうことになります。
  15. 江田三郎

    江田三郎君 ところがこの数字で行きますと、私がずつと計算したところによると、いずれもこれが一〇〇%よりも下廻つておるという結果が出ておるのですが。
  16. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) これにつきまして、今申上げた通りに受入れた砂糖というものは、これは私の推測でございますけれども、砂糖というものはインヴオイスにやつておる、つまり実際の斤量よりも目方ちよつと減つておる、この可能性は多分にある、ところが製品にしたほうは今申上げた通りに、この調べ専門員のかたに御質問してから御返事するのが本当かも知れませんが、課税対象斤量じやないかと申上げたのです。課税対象斤量というのは、実は百斤一袋といたしますと、百一斤半入つているにもかかわらず百・四斤、つまり一・一斤少いわけですね、それがこの数字に出ているわけであります。大体の数でございます。
  17. 江田三郎

    江田三郎君 その点はこの資料を出したときに、私のほうから政府委員質問したことがあるのです。そのとき政府のほうでは、これは課税数字とは違うのである。こういう答えが出たのであります。
  18. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) それでは私はわからなくなりました。
  19. 江田三郎

    江田三郎君 若しこれが課税数字今言われたような百斤のものに百一斤半入れるというような課税数字でなしに、こういう数字があると、先生の御調査ではわからなくなる、こういうことですね。
  20. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) そうです。併しこの数字の間違いを一応確かめてみる必要があると思います。
  21. 江田三郎

    江田三郎君 そうですね。数字が正確かどうかということは、これはよくわかりませんが、今の点は私はわかりました。  それからその次にお伺いしたいのは、先のお話のように原料糖によつて歩留りが違うのだということですが、大体今までの経験でインドネシアであるとか、台湾であるとか、或いはキユーバであるとかから入つて来ますが、およそどこから入るものはどのくらいの精白糖歩留りだということはおわかりになりませんか。
  22. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) ちよつとわかりかねますが、尤も平均というのですと、さつき申上げた通りに、式によりまして、一つ今から私に、それじや現在入つている砂糖についてお前は工場歩留り調査しろという御命令があれば、相当の時間を経費さえ頂けますればできないことはございませんけれども、はつきり正しいという証言をするということはちよつと困難のように思います。
  23. 江田三郎

    江田三郎君 私が今まで聞いたところによりますと、産地による相違は大体ブラジルのものは九三%程度キユーバのものが九四%程度台湾のものは歩留りが高くて九六、七%、こういうふうに聞いておりますが、そういうことはお調べになつたことはございませんか。
  24. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) わかりません。そうおつしやつたかたの根拠を私から一つ質問したいと思うくらいであります。
  25. 江田三郎

    江田三郎君 先生のほうで先ほどの言われました原料産地によつても違うというのは、具体的にはどういうことですか。
  26. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 式をお目にかければ一番よろしいのですけれども、大体糖度とか、糖分とかいうものを測定いたしまして、それから更に灰分を測定いたします。それからところによりましては、又転化糖というものを測定いたします。そうしてそれらの測定した結果から計算する式があるのであります。その式が七つくらい私の手許に集まつております。その七つの式によつて、それで日本技術的水準がどれくらいかということを、先申上げたのはそれらの式によつて全部計算して見ました。
  27. 江田三郎

    江田三郎君 これは技術水準とは別の問題ですよ。原料糖によつて工場技術如何にかかわらず、原料産地によつて歩留りが違うのではないかとうことを私は聞いているのです。
  28. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) そうではございません。
  29. 江田三郎

    江田三郎君 技術の問題は一応除外しておるのです。技術の問題は除外して、原料産地によつて歩留りが違うのではないかというのです。
  30. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) そういう傾向はございましようね。
  31. 江田三郎

    江田三郎君 あなたの先ほどの最初に言われたことの中にも、原料産地技術によつて歩留りは違うのだということをおつしやつたのです。
  32. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) それを申上げましたのは、品質を含めて申上げたのであります。
  33. 江田三郎

    江田三郎君 そこで、品質であろうと何であろうと、とにかく原料の達いというのはあるわけですね。
  34. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) あります。が併し、先にお話になるように、ブラジル糖だからどれだけの歩留り台湾糖だからどれだけの歩留りということは、ちよつと言えないのじやないかと私は考えるのです。
  35. 江田三郎

    江田三郎君 一般には、およそ品質というものは産地によつて相違があるということは認めていますが、先生はそういうことはお認めになりませんか。
  36. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) そうですね。著るしく違うのですね、入つて来るのが……。作りやすい、作りにくいという傾向はあるのでございますよ。ブラジルから来た砂糖は作りにくいとか、或いは台湾でも台湾の東海岸ですか、あのほうでできた砂糖は作りにくいとかいうふうなことはあるのですがね。
  37. 江田三郎

    江田三郎君 それでは、先生は特に台湾のことに詳しいから台湾糖についてお伺いしますが、最近二十七年なり、八年に入つて来ている台湾糖というものは、日本の今の技術水準から行くと、どの程度歩留りができるものですか。
  38. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 台湾糖ですと、私の別に計算いたしましたのは、大体月別に歩留り計算をしていないのですが、キユーバ糖台湾糖ですね。平均したやつを算術平均で以て計算しているのですが。
  39. 江田三郎

    江田三郎君 そうなると、先生向うにおられた頃には、台湾糖というものはどの程度歩留りがありましたか。
  40. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 歩留りと申しますと……。
  41. 江田三郎

    江田三郎君 精白歩留りが。
  42. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 日本では非常にいい歩留りで九十八、九ぐらいまでも上る程度原料糖を出しておりましたですね。
  43. 江田三郎

    江田三郎君 そうすると、先生台湾におられた頃は九八%くらいの歩留りのものがあつて……。
  44. 濱口榮次郎

  45. 江田三郎

    江田三郎君 その後現在の台湾糖というものは、それよりもうんと品質の下つたものであるかどうかということは、これはどうでしよう。
  46. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) それは下つております。非常に下つております。
  47. 江田三郎

    江田三郎君 それでは同じ台湾のその原料使つて、例えばイギリスの場合は、これを歩留りをどの程度に上げているということは御調査なさつておりませんか。
  48. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) それはここに持つておりませんけれども、計算すれば後ほどでも御返事できますけれども、ちよつと税務の問題は、専門員のかた、おいでなりませんか……。確かなことはここでは申上げられませんけれども、九十八糖度、九十八度以上の糖度のものに対しましては、三割でしたか、三割五分でしたか……。
  49. 江田三郎

    江田三郎君 三割。
  50. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 課税することになつております。九十八度以下のものですと二割ですか、二割五分ですか。
  51. 江田三郎

    江田三郎君 二割。
  52. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 二割ですね。そこにギヤツプがあるものですから、九十八度以上のものは日本に送つて来ない。皆九十八度以下のものというふうになるのじやないかと思うのでございますがね。税金関係糖分の余り高いものはそう得にならないのですね。向うの送るほうでは……。
  53. 江田三郎

    江田三郎君 だから九十八度以上のものは直消糖としての関税が高いとしても、少くとも九十七なりなりという糖度のものは入ることができるわけですね。
  54. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 九十六、七のものは入つておりますね。
  55. 江田三郎

    江田三郎君 そういうようなものが一方にあるのに、ブラジルも、キユーバインドネシアも総平均して先生計算をされるという計算のされ方は正しいものですか。
  56. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) まあ今のところではそれよりほかに方法がないと思いますのですが。
  57. 江田三郎

    江田三郎君 専門員室から送つた資料の中には溶糖の総量が幾でということと、それぞれの会社がその年度においてどこの国から原料糖を入れたということが附けてあつたと思いますが、それは御覧なりましたか。
  58. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) ところがこれは分析の結果がないのですよ。私の手に入らない。これを一々歩留り計算いたしますと、前に申上げた通り、ホーラリゼーシヨン、それから転化糖、それからアツシユなどの分析数字がないというと、この計算ができない。正しいか、正しくないか。
  59. 江田三郎

    江田三郎君 そういう精密な資料がないからわからんということを今言われるのでしたら、なぜ最初に、自分の計算ではこの数字は間違いないということをおつしやるわけですか。
  60. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 私はそう思うのです。
  61. 江田三郎

    江田三郎君 前には間違いないと言われて、今私が質問すると、この資料だけじや計算できないと言われるのはおかしいじやないか。
  62. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) それは最初に申上げませんでしたでしようか。今から追及するというのは、正確を多少欠くような嫌いがあるようなことは申しませんでしたでしようか、そういう口振りじやございませんでしたでしようか。
  63. 江田三郎

    江田三郎君 私はそう受取つておりませんが、この問題については、これ以上言つたつて無駄だと思いますから、その問題はそれで置きます。  その次にお尋ねいたしますが、日本技術水準は二十七年或いは二十八年の上半期頃には非常に低かつた、今は非常によくなつたと、そうおつしやいましたが、その頃と最近とはどの程度違つておりますか。
  64. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) これはちよつとどの程度ということは、どうも技術的水準をどういうふうに現わしていいかよくわかりませんけれども、糖蜜の量がだんだん上つて来たところから、或いは歩留りがだんだん上つて来たなどしたりしたところからして、技術水準上つたと言えるのじやないかと思いますが。
  65. 江田三郎

    江田三郎君 そうしますと、先生自身工場機械御覧になつたわけじやないのですか。
  66. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 機械ですか。
  67. 江田三郎

    江田三郎君 二十七年に比べて最近は非常に設備がよくなつていると、技術が進んだ。こうおつしやいましたのは、工場機械設備を見ておつしやつているわけではなしに、ただ出た数字だけからおつしやつているのですか。
  68. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 使つております機械の装置も大分進歩しております。
  69. 江田三郎

    江田三郎君 いろいろ機械御覧になつていると思うのですが、それらの優秀な機械というのは日本の国の中でできる機械ですか。
  70. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 全部はそうじやございませんね。作つた機械じやありませんね。
  71. 江田三郎

    江田三郎君 今の日本機械の製作の能力から言いますと、先生が言われるような優秀な機械日本じやできないのですか。
  72. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 機械のことは私はよく存じませんけれども、併し逃げを張るわけじやございませんが、アメリカから輸入したものでかなり啓発されたのじやないのでしようか、と思いますけれども……。
  73. 江田三郎

    江田三郎君 機械の設計などでも、アメリカから入つたとしても、今、日本ではまだそういう先生が言われるような優秀な機械というものは作つておりませんか、どうですか。
  74. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 部分的には作つているものがあります。全部じやありません。と思いますが。
  75. 江田三郎

    江田三郎君 だからそれはどういう機械なりますか、例えば遠心分離機であるとか、瀘過機であるとか、或いはその他の機械もありましようが、そういうものの中で、今なお優秀な機械日本にできないというものがあれば、それはどういう機械ができませんか。
  76. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) パテントを持つているものはできないのじやないのでしようか。
  77. 江田三郎

    江田三郎君 そういうことですと、やはり優秀な機械というものは国産品にはない。向うパテントを持つている限り、そのパテントをこちらが有しない限りは優秀な機械国産品じやないということですか。
  78. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) パテントに関する限りですね。遠心分離なんかは日本で作つておりますですね。
  79. 江田三郎

    江田三郎君 それは性能はどうですか。
  80. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 完全に向うと同じものとは言えないと思うのです。まだ材料などの関係で以て完全に向うと同じようなものとは言えないと思うのでございます。併し大分似たりよつたりのものを作つております。
  81. 江田三郎

    江田三郎君 先生御覧なりました工場の中で例えば名古屋精糖東海精糖芝浦精糖という工場御覧なりましたか。
  82. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 拝見しました。
  83. 江田三郎

    江田三郎君 例えば芝浦精糖の場合にアメリカ濾過機が入つていると思います。そのアメリカから入つた濾過機と今まで使つた濾過機とはどのくらい性能が違うものですか。同じ原料使つた場合に歩留りがどのくらい違つて来ますか。
  84. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 歩留りじやなしに濾過能力、濾過する能力ですね。
  85. 江田三郎

    江田三郎君 速度ですか。
  86. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) そうです。
  87. 江田三郎

    江田三郎君 そうしますと、日本機械なり技術が遅れておるから、歩留りが悪いということはどうなんですか、さつきおつしやつたことは……。
  88. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 実はちよつとこれと機械と何とばかりじやないのでございますがね。そう御返事するとちよつと御不審に思われるかも知れませんが、科学的ないろいろな管理とかいうような問題が遅れておつたのです。科学的管理の問題が遅れおつたと思うのです。
  89. 江田三郎

    江田三郎君 どうもお聞きしてもちつともはつきりしませんからやめます。
  90. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) どうもお答えが御満足行かないようですけれども、どうもちよつとこれ以上のお答えの方法がないのでございますけれども、若し何だつた江田さんのちほどでも膝を交えて一つ御説明する機会を作つて頂きましたら、できるだけのことはいたします。
  91. 河野謙三

    ○河野謙三君 ちよつと大きな声をしてお尋ねしますが、極く素人の質問ですから、そのつもりでお答え願いたいと思います。歩留りに影響のあるものは原料ですね、大体において……。それから機械能力もありますね。ありませんか……。今あなたが機械ではなくて、管理その他とおつしやいましたが、機械そのもので歩留りの影響はありませんか。
  92. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 全然ないとは申上げられませんけれども、こういう事実があるのでございます。一例で申しますと、台湾糖業をずつと見せてもらつて、三、四十年おりました。そのときにアメリカさんが終戦後やつて来まして、そうしてその台湾機械を見まして、こんな古ぼけた、こんな旧式な機械で以てこれだけの成績を出すとに嘘だと言われるのです。ひどく嘘だと言つて疑いを持たれましたが、併しごまかすところは少しも私は見当らなかつたから、この数字が正しいと思うということをアメリカさんにお答えしたことがございます。それと同じように、機械が全然悪くてはいけないけれども、機械が或る程度だというと、人間の科学的管理、つまり日本人のようないつも私は申しておりますが、人口が多くて、そうして学校を出た者でも安く使えるというような状態の国におきましては、相当皆の努力によりまして集約的な管理によりまして驚くような成績が上るのでございます。それではお前機械は全然関係ないかと申されますと、これもちよつと困るのですけれども、そこに非常に矛盾があるのですけれども……。
  93. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうしますと、世界で砂糖工業では大体アメリカが一番ですね。
  94. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) それはどういう……。
  95. 河野謙三

    ○河野謙三君 要するにあらゆる水準が、製糖工業としての水準アメリカが一番性能が高いでしよう。日本は非常に遅れている、こうさつきおつしやいましたね。
  96. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 日本只今遅れておりますけれども、アメリカが果して高いですか。
  97. 河野謙三

    ○河野謙三君 アメリカでなくてもいいのです。日本製糖工業水準は低い、この低い水準を世界の一流の国のレベルまで持つて行くために欠けている条件というものは一体何ですか。
  98. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 持つて行くための……。
  99. 河野謙三

    ○河野謙三君 欠けておる条件、機械ですか、それとも今あなたのおつしやいました広い意味の管理ということなんですか。
  100. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 機械と両方でしようね、私はそう思いますが。
  101. 河野謙三

    ○河野謙三君 やつぱり機械関係がありますか。
  102. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) あると思います。
  103. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうしますと、重ねてお尋ねいたします。日本製糖工業を加工貿易工業として、例えば向うから原料を入れてそれを精製して輸出する、日本砂糖の輸出国となるためには必要な設備というものはどういうものですか、そういうことは考えられませんか。日本はどこまでも加工貿易としては製糖工業というものは対象にならんということですか、それも対象なりますか。
  104. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 輸出ですか、それはどうでしようか、よくわかりませんけれども、ただこういうことが言えると思うのですね。戦前の話を今持出すのはおかしいのですけれども、ブラジルがやはり輸出先として有望だつたのでございます。それから満洲は勿論でございましようし、それから中国もやはり輸出先、ところが原料糖のままではいけないので、或る特殊の、東洋で使用するような特殊な砂糖があるわけでございます。それを製造して出すとなると、出ないこともないじやございませんか、これはどうも私の専門外から大部引摺られましたけれども……。
  105. 河野謙三

    ○河野謙三君 学者としての先生の専門外かも知れませんけれども、やはり製糖工業の経験者として、日本製糖工業というものは将来輸出工業としての見込みありやなしやということについての極く漠たることについての御見解如何ですか。
  106. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 無論責任を持てる御返事をすることはできませんよ。
  107. 河野謙三

    ○河野謙三君 責任は問いません。
  108. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 特殊の砂糖、今申上げました通り、東洋では特殊の砂糖使つております。車糖という御家族で使いますような……、それまで作つて、そうして送る場合になりますと、相当有望じやないでしようか。
  109. 河野謙三

    ○河野謙三君 これでも先生の専門外ですが、東洋ということになると、結局一番主たる得意先は現在の中共ということになりますか。
  110. 濱口榮次郎

    参考人濱口榮次郎君) 中共ということになるのじやないでしようか、戦前の何にすればジヤワ、インドネシアということは元は考えられなかつたですね、生産量が多かつたのですから……。そうするとほかにない、東洋として輸出し得る国はほかにちよつとないようでございますね。
  111. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ほかに御質問ございませんか、それでは御質問もこれ以上はないようでありますから、この程度でよろしうございますか。
  112. 江田三郎

    江田三郎君 濱口先生に対してはございませんけれども、やはりそういうことについては、今日欠席された現役の製糖工業会の技術部長ですか、その人にお聞きすることが必要じやないかと私は思うので、今日は欠席されましたが、病気ということですから、仕方がございませんが、これについては又御考慮願いたい。
  113. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 承知しました。どうも有難うございます。  砂糖の問題は今日はこの程度といたします。   —————————————
  114. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に、保安林整備臨時措置法案を議題にいたします。  この法案は去る三月二十二日、内閣から閣法第百十号を以て予備審査のため提出せられ、即日本委員会に予備付託となつたものであります。本日は政府から提案理由の説明を聞きます。
  115. 平野三郎

    政府委員(平野三郎君) 只今議題となりました保安林整備臨時措置法案の提案理由を御説明申上げます。  昨年の西日本の大水害や南畿の大水害等は申すに及ばず、近時異常な大災害が頻発しているのでありますが、これには、戦中戦後を通じての森林の濫伐過伐が、その発生又は拡大の誘因の一つとなつていることは周知の通りであります。従いまして災害を未然に防止し、或いはその被害を軽度にとめまするには、先ず水の流れ出て来る水源山地の森林を造成し、その森林を国土保全の目的から適正に管理することが必要不可欠の条件であります。この意味におきまして昨年七月内閣に設けられました治山治水対策協議会が従来の治山治水に関する諸施策を再検討され、その抜本的対策といたしまして、治山治水基本対策要綱を決定せられ、その重要な一環として保安林の整備拡充を取上げ、その緊急の実施を要請せられましたことは誠に当を得た措置であると存ずるのであります。保安林整備臨時措置法案はまさにこの治山治水基本対策要綱の具体的措置の一つなのであります。  以下におきまして、簡単にこの法案の骨子を申述べたいと思います。  第一に、農林大臣は、国土保全の長期的観点から、重要河川の流域単位ごとに保安林の配備、保安林における森林施業、治山事業、国の保安林等の買入等に関する保安林整備計画を中央森林審議会に諮問して策定し、これを基本といたしまして保安林の整備事業を実施することになるのであります。第二に、保安林整備計画を実施するため現在森林法で定めている森林計画を補整する必要が生じますが、この場合森林基本計画を変更し、これに基き森林法の手続に従い、森林区施業計画及び森林区実施計画を変更し、森林所有者の守るべき施業要件が示されるのであります。第三には、保安林等の買入の問題でありますが、これは保安林整備計画に基いて、流域保全のための保安林、治山事業施行地及びこれらに隣接する森林で、国土保安上国が一括管理することを相当とする森林を所有者との協議により買入を進めることになります。なお、農用林がたまたま保安林等として買入の対象なりました場合には、価格の差額が二分の一以内でありますれば、国有林野との交換によつて処理することができるようにいたしました。更に森林法第二十五条第一項第一号乃至第三号の流域保全の保安林につきまして、森林計画で定める伐採制限や行為制限に違反した場合には、造林命令又は復旧命令を出し得るように森林法第三十八条で規定していますが、これらの命令に違反し、且つこれに従うよう催告されても、なお従わない場合には、国としては、国土の保全上これらの保安林を強制して買取らざるを得ないわけであります。もとよりこの買取は慎重を要することでありますから、農林大臣が中央森林審議会の議を経て手続を進めることにいたしております。  以上の買入の場合の対価は時価によることは申すまでもないところでありますが、その算定方式は政令によつて適正に定め、誤まりないようにいたすことにしてあります。  次に、保安林等の買入措置を円滑に進めるため、租税特別措置法の一部を改正いたし、登録税、譲渡所得税及び再評価税について若干の特例を認め、又地方税法に新たに設けられる不動産取得税につきましても、交換により取得する場合免税をすることにいたしました。なお、この法律は施行後十年間有効なものとし、この間に大体の目的を達したいものと存じているのであります。  以上がこの法案の内容の要点でございますが、治山治水対策の一環である保安林の整備を緊急に実施いたす必要のある今日におきまして、何とぞ慎重御審議の上速かに御可決あらんことをお願い申上げる次第であります。
  116. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 本法案の審議は後日に譲りたいと存じます。   —————————————
  117. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題にいたします。  本法案は前回の委員会において大体質疑が終つたようでありますので、特に御発言がなければ、直ちに討論採決に入りたいと存じまするが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めまして質疑は尽きたものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もないようでざごいますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  120. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続は慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とされましたかたは例により順次御署名を願います。  多数意見者署名     清澤 俊英  江田 三郎     河合 義一  河野 謙三     川口爲之助  北 勝太郎     戸叶  武  佐藤清一郎     宮本 邦彦  関根 久藏     森田 豊壽  重政 庸徳   —————————————
  122. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 続きまして、開拓融資保証法の一部を改正する法律案を議題にいたします。  本法律案は前回の委員会におきまして大体質疑が終つたようでありまするから、特に御発言がなければ、直ちに討論採決に入りたいと存じまするが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  123. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。  それでは御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  124. 重政庸徳

    ○重政庸徳君 私は本法律案に関連して、この際前回の委員会において問題となりました買収未墾地中開拓不適地の売戻し促進について、次の附帯決議の動議を提出いたします。理由は前回の委員会において申上げましたので、今更申す必要もないのでありますが、この適切な開拓行政にややもすると支障を来たすゆえんのものは、この買収未墾地の中に開拓不適地が相当あるのであります。これに対する処置が遅々として進まないのであります。これは最も適切な開拓行政に支障を来たすゆえんであると私は考えておるので、かような意味で残つておる未墾地を速かに開拓不適地であるか否か調査して、そうして売戻しを速かに施行する、こういう意味で動議を提出いたします。
  125. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  126. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて。
  127. 重政庸徳

    ○重政庸徳君 開拓融資保証法の一部を改正する法律案に関する附帯決議   買収未墾地中開拓不適地については、その調査を完了して、速かに適切な措置をとること。    〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
  128. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  129. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。これより採決に入ります。  開拓融資保証法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  130. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、只今討論中にございました重政君の附帯決議を付することの動議を採決いたします。  附帯決議を付することに賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  131. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 全会一致でございます。よつて附帯決議を付することに決定いたしました。  なお、本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続は慣例によりまして委員長に一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とせられました方は例により順次御署名を願います。  多数意見者署名     清澤 俊英  江田 三郎     河合 義一  河野 謙三     川口爲之助  北 勝太郎     戸叶  武  佐藤清一郎     宮本 邦彦  関根 久藏     森田 豊壽  重政 庸徳
  133. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) この決議に対しまして農地局長から発言を求められております。
  134. 平川守

    政府委員(平川守君) 開拓適地として買収いたしました用地のうちに開拓不適地が相当数含まれておると考えられますので、これを速かに調査いたしまして、でき得れば今年内くらいにその不適地であるものについては、農地法に従いましてこれを払下げるという措置を講ずべく努力をいたしておるわけでありまして、ただ技術的に見まして、適地であると認められるようなものに対し、不適地であるという主張の係争がある、従つてその点がまだはつきりと最後的結論が出ておらないといつたような場所も相当面積ありまするので、こういうものにつきましては、若干措置が遅れることは止むを得ないと思いまするが、その他につきましては極力速かに調査を完了して措置いたしたいと思います。   —————————————
  135. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に、先般の決議によりまする補助金等の臨時特例等に関する法律案の取扱に関し、同法案特別委員会に対する申入について、お配りいたしましたような草案を作つてみましたので、御相談を願いたいと存じます。  ちよつと速記を止めて下さい。    午後四時五分速記中止    —————・—————    午後四時二十七分速記開始
  136. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。それでは只今の問題の措置につきましては、本日後ほど更に御相談を願うことといたしまして、続きまして農産物検査法の一部を改正する法律案を議題にいたします。  本法案は、去る三月二十三日政府原案の通り衆議院を通過して本院に送付、直ちに本委員会に本付託になりました。なお衆議院農林委員会においてお手許にお配りいたしましたような附帯決議が行われております。本法律案につきましては、去る三月二日提案理由の説明を聞いたのでありますが、なお政府当局から法律案及び参考資料について補足的説明がありますれば、これを聞きまして、続いて質疑に入りたいと存じます。  政府側からは別段の補足的な説明はないそうでありますから、直ちに質疑に入ります。
  137. 江田三郎

    江田三郎君 この農産物検査について、例の俵でなしに、「かます」の問題ですね、あれについては一体最近農林省のほうはどういう方針で行つておられますか。
  138. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 「かます」につきましては、いろいろ最近各地の状況を見ますと、俵でなくて「かます」に入れて売りたいというような御希望も多いように見受けられますので、私どもといたしましては、そういう御意向がありますれば、「かます」をどんどんお使いになることは結構だというふうに考えております。
  139. 江田三郎

    江田三郎君 まあ「かます」がいいか、俵がいいかという問題は、これはいろいろ理由もそれぞれあると思うのでして、併し私どもやはり俵というものをああやつて納屋の隅で編んで使うというやり方は、これは日本の農業経営というものを極めて遅れた経営に閉じ込めることであるし、農村婦人の解釈というふうな面から見ても、いつまでもあんな形があつていいものとは思えないと思うのです。やはり多少とも「かます」のほうが近代的だと、こういう工合に考えておるし、又私の国あたりではそういうような考え方が強いわけですが、ただ十六貫ということになると、これは「かます」では非常に持運びにくい。若しあれが十二貫というもので扱うことが許されれば、これは皆双手を挙げて賛成すると、こういうような意見が多いのですが、その点についてはどうお考えになりますか。
  140. 松岡寅治郎

    説明員松岡寅治郎君) 最近「かます」は西の方から次第々々に、岡山、香川、徳島というように「かます」使用で拡がつて参りまして、我々といたしましても、従来農家が副業的にやつているところの、特に二重俵等が御存じのように非常によいという点から、二重俵を奨励いたしておりましたのですが、最近のこういうふうに金銭経営と言いますか、農家といたしましては、あらゆるものを購入するという傾向になつて参りまして、抑え切れない。保存上は俵がよいことはきまつておりますが、農家の経済上から見ましても、これを抑え切れない現状でありますので、何とか「かます」を改良したい。できるだけ、今の十六貫は少し無理でして、少し高いところから投げ出すとすぐ破れますものですから、何とかこれを改良して、穀用「かます」、こういうような規格を示して、農家の副業にも、又一般の「かます」の製造者にも示したいと、今鋭意研究しておりますのですが、「たてなわ」なんかもう少ししつかりさせるとか、いろいろな方法を考えておりますが、まだ従来の「かます」の織機の関係がありまして、機械を全部取替えるということはむずかしいものでありますから、一応従来の「かます」でできるだけ強いものをというので、穀用「かます」を作らしておるのでありますが、これを十二貫にしたらどうか、正味重量をいろいろ研究して、今各地の食糧事務所で研究中であります。
  141. 江田三郎

    江田三郎君 標準か何か作られるというのは、ちよつとはつきりしなかつたのですが、やはり十六貫として頑丈な「かます」を作る、或いは「なわ」のかけ方を違えるということなんですか、十二貫「かます」というものについても考慮するというのですか、どつちですか、
  142. 松岡寅治郎

    説明員松岡寅治郎君) 今先ず十六貫で輸送、貯蔵に耐えるという点を目標にして研究しております。
  143. 江田三郎

    江田三郎君 ところが十六賞では、まああなたも今言われておりましたように、上から投げると破れるということだけでなしに、俵でも十六貫、「かます」でも十六貫といえば、同じことだと言えばそれまでですが、やはり扱い慣れた関係か、或いは形の関係か、「かます」の十六貫というものは非常に扱いにくい。十二貫ならスムースに行ける。十二貫は皆が歓迎するのだという声が強いということを私申しておるので、そういうときに、十二貫「かます」というものを将来お取上げになるというような気はございませんか。
  144. 松岡寅治郎

    説明員松岡寅治郎君) まだその点、十二貫俵にするというところまで決心が付いておりませんが、今「かます」を何とか改良いたしまして、十六貫でやつて行けやしないかと大体の見通しを持つておるものですから、来年あたりは大体規格でも示して、この二十九年産米を入れる場合には、十六貫俵として、それに耐え得る「かます」の規格を示して、それで奨励して行きたいと、こう考えております。
  145. 江田三郎

    江田三郎君 十二貫にしたら一体どこが悪いのですか。俵の十六貫というものも、これは仲仕なんかはそれで慣れていると思いますけれども、一体十六貫の重味のものをやつとばかりに肩に乗せるというのは、これは人間の労働としては非常に重労働だと思うのです。それで事百姓に関することだから、重労働でも何でもいい、封建的でも何でもいい、今まで通りやらしておけばいいのだ、神武天皇以来でいいと、こういうことなら、それならそれでも成立つでしようが、ああいう重たいものをこれからの若い連中が好んで担ぐかどうか、もう少しあなた方のほうが考え方を転換されることがいいんじやないかと私は思うのですがね。十二貫にするということは、一体どういう不便があるのですか。
  146. 松岡寅治郎

    説明員松岡寅治郎君) 別に不便と申しますか、これは従来四斗ですべて米の扱いが売却、買入、すべてがそうなつておるものですから、できれば六十キロの建て方を全国で統一してやればすべての点に便利がありますものですから、一応今までそういう方針で進んでおりますが、なお先生の御意見もありますから、十分研究してみたいと思います。
  147. 江田三郎

    江田三郎君 ただ私が言うからお座なりに答弁されるのなら、そういうことは要らんのです。はつきりそうおつしやつてもらえばいいんで、今まで十六貫建だつたからということだけでこだわつておられるならば、この際考え方をお変え願いたいと思うのですよ。いつまでも百姓なり、仲仕なりというものは苦力じやないと思うのですよ。だんだんと重労働は機械化されて行くわけです。ところが俵を担ぐとか何とかいうことはいつまでたつて機械化はできないのです。物の性質上そういうことはできないのです。それならやはりもつと手軽く運べるようにするということは、これはやはり一つの進歩だと思うのですよ。あなた方のほうは、食糧検査じやないけれども、とにかく生活改善だ、何だかんだと言うて、農林省はいろいろ農村に対し新らしいことを吹込もうというのに、こういうものだけは、従来十六貫だつたから、今の若い衆が嫌がろうと何だろうと十六貫で行くということは、これはもうそろそろ転換されても遅くはないと思う。ただお座なりに、やかましく言うからいい加減に答弁しておけと言われるのならば、これは答弁は要りませんけれども、本当にそういうことをして行くというお気持があるならば、もう一遍答えて頂きたい。
  148. 松岡寅治郎

    説明員松岡寅治郎君) 御指摘のように、現在まあ麦におきましても、ああいうように各地によりまして俵の規格も違つておりますし、米におきましても、そのように、土地の状況或いはそのところの「かます」の生産量とか、いろいろな点から、或いはお話のように今後の農村の若い者の扱いやすいようにというように、十二貫ということもこれは考える余地は当然あると思いますし、我々といたしましてもまじめに真剣に取上げて研究してみたいと思います。
  149. 江田三郎

    江田三郎君 もう一つだけ言うておきますがね。大体まあ農産物検査なんというものは、しばしば行政整理の対象とか何とかいうことに上つて来るわけですがね。そういうときに私どもは、やはり農産物検査というものは大事なものだと、こう思つておりますが、実際農村に行つて聞いてみると、検査員とか、或いは統計調査の人、これも大事な仕事だと思います。併しその統計調査の人なんかに対しては農民の気持というものは極めて消極的ですね。反感が多いわけです。そういう点やはりあなた方も、この明治初年以来か、何年以来か知らんけれども、やつておるからやつておるということだけではなくて、少し頭の切換えを必要とするときに立つておるということをよくお考え願いたいと思うのです。できればこの秋の米までには一つそういうような思い切つた措置をとられるように要望しておきます。
  150. 河野謙三

    ○河野謙三君 ちよつとお伺いしますが、過去三年なり四年なり、若しくは五年でも結構ですが、包装の内容というものに変化がある。例えば今お話の「かます」がだんだん殖えて来たとか、俵には二重俵がだんだん減つて複式三本編が殖えて来たとか、包装がだんだん変化して来ておる。これは一つは農林省の検査のほうの立場から、包装の改善という立場から指導しておる面もありますが、どういう方向に変化していますか。例えば複式三本編がどんどん殖えて二重俵がどんどん減つて来たとか、「かます」がどんどん殖えて来たとか、この傾向を大体極く簡単でいいです。
  151. 松岡寅治郎

    説明員松岡寅治郎君) こまかい数字は持つておりませんけれども、大体の傾向は、元はこれは御承知の通り二重俵が圧倒的に多かつたのでありますが、それで複式が次第々々に多くなりまして、現在は複式が一番多くて、その次が「かます」が多くなりました。二重俵は非常に少くなつて参りました。
  152. 河野謙三

    ○河野謙三君 そこでお伺いするのですが、私もそういう方向だと思う。複式三本編が殖えて二重俵が減つて来たということは要するに包装の単価が下つたということなんです。ところが農林省が販売価格を決定する場合、又買入価格を決定する場合の内容の一つである包装単価というものが一年くらいずつずれていやしませんか。例えば本年買いますところの米に対しては、本年の傾向というものを過去三年なり四年の変化の傾向を織込んで包装単価というものをきめなければならん。ところが昨年の実績等によつて単価をきめるのでしよう。でありますから、あなたのほうの買入価格の中に織込まれておる包装単価というものが、実際に政府が買上げるところの包装別の平均単価というものと違つておる、もつと具体的に言うならば、そういうつまらんことで食糧庁が黒字を出しておる。つまらんところで稼ぎをしておる。こういうことは私はよくないことだと思うのだが、そういう傾向はありませんか。
  153. 松岡寅治郎

    説明員松岡寅治郎君) お話通り、現在価格を立てます場合の費用といたしましては、前年度の実績に基いて包装代等を出しておつたのは事実でございます。ただ傾向で価格を修正いたしましても、或いはそういう方法がいいのかも知れませんと思いますが、実際の傾向として数字的に取上げられるだけの費用が得られるかどうかという点について若干疑問がございますので、只今のところ前年度の実績に基いてやつておるわけでございますが、意識的に黒字を生み出すためにという意識はないわけでありまして、いわゆる費用といたしましては、一応前年度の実績しかないということでやつておるわけでございます。
  154. 河野謙三

    ○河野謙三君 本年のは今きまつちやつて、而も大部分きまつちやつたから仕方がないけれども、私は今後においてはそういうことは非常にインチキだと思うのですよ。すでに毎年の統計によつて包装種類別の買入数量が出て来るのだから、而も過去三年なり五年の傾向というものは統計にちやんと出ておるのである。一方又あなたのほうの指導によつて二重俵を成るべくやめろ、複式三本編にしろ、こういう指導をしておるわけだが、でありますから、そういうことで安全弁をとつて、食糧のためには安全かも知れないけれども、農家のほうからみれば迷惑千万である。今の私は「かます」の問題にしてもそうだと思う。全部一様に六十キロにすれば買入事務が非常に簡単ですよ。だから食糧庁本位の、そういうすべての制度とか、取りきめということが農家に迷惑をかけなきやいい、農家に迷惑をかけることであれば、その犠牲は食糧庁が背負つて、農家に便宜を与えるということでなければ本当に私は親切な行政じやないと思う。そこでこれは是非、今から申上げておきますが、今後におきましては、従来の包装の変化の割合を織込んで、私は包装単価というものはきめてもらいたいと思う。特にお願いします。場合によつては私は別の機会に本委員会の総意においてそのくらいの私は決議なり、申入をしてもらいたいと思う。  次にお尋ねしますが、これはしばしば申上げておるんですが、いつかも私は農林大臣がここへ見えたときに農林大臣に大いに教えてやつた。あなたのほうで買入れておる米の中に、検査課長なり、総務部長にも私はしばしば言つておるがいつまで経つても直らない、私は非常に遺憾に思うのは、新らしい俵に入れるものと古い俵に入れたものと三十円の値開きはどういうわけだ、これは食糧庁が三十円安く古俵を買つて、売るときは同じ値で売るんです。そういうことは一体どういうことだ。あなたのほうに言わせれば、古俵と新らしい俵とは原価計算から言つて古俵のほうが市場価格等から勘案して三十円くらいの開きがあつてもいいということなんでしよう。だけれども、逆に我々のほうから言えば、売るときは同じ価値で売るんじやないか、それなら同じ値で買つたらいいじやないか、私はこういうことを主張する。古俵を使わせることを奨励するということは非常にこれは農村の経済から言つて大きな問題です。私は「わら」の高いことは農村のためにならない。成るべく古俵を使わせて、そうして「わら」をできるだけ農村が堆肥その他農村の経営の中に成るべく多く使わせるようにする、これが私は食糧庁の問題よりも、農林省としての経済局としての大きな指導の根本でなければいかんと思う。いわゆる農村の経営における「わら」の経済ということを考えた場合に古俵を余計使わせる、成るべく俵等には使わせない、こういうことにして古俵を使わせる、こういうことが農林省のほうから見て大きな政策の一つでなければいかんと思う。そういう点から考えましても、何が故に而も食糧庁が損が行かないところの古俵を三十円開きで安く買わなければならん理由があるのですか。これについて私しばしば申上げているんだが、依然として直らない。去年は二十円開きだつたが今後は逆に三十円開きになる。農家から安く買つて費るときは同値で売つておる。この点について今日我々の納得の行くような御説明をこの機会に頂きたい。
  155. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 包装代の算出につきましては、これは価格を決定いたしますまでに得られます、できるだけ新らしい資料に基きまして、大体市価並びに原価、両者を参酌いたしましてきめておるわけでございます。従いまして、そういう原価計算的な見地から立つて参りますと、新古の間にどうしても開きを付けざるを得ないので、新らしい俵は新らしいものとして、やはりそれだけの高い価格で買わなければならんという観点に立ちまして、それぞれの包装代をきめておるわけでございます。政府が売る場合におきますこの包装代のマージンに織込んでおります価格というものも、これも大体各地におきますその古俵がどれくらいで売れておるだろうかというような、市場の価格も勘案いたしましてきめておるわけでございます。そういうようなわけでございますので、確かに古俵というものをできるだけ使うようにするということは一つの観点ではございますが、一応包装代を計算いたします場合には、やはり或る程度原価に立つた計算をして行かなければならないという考えで、只今のような価格は立つておるわけでございます。
  156. 河野謙三

    ○河野謙三君 私が今申上げたことに対して総務部長の答弁は、私は答弁にならんと思う。三十円安く買つて同じ値で売つておるんですからね。そうでしよう。なぜそういうことをしなければならんか、それによつてやはり前の包装代金を儲けておるのです。それだけ儲けるだけの余地があるならば、古俵を奨励するということは悪いですか。私はこの問題でお伺いしたいと思います。農村でできるだけ古俵を高度に利用させるということは悪いですか。そういうふうな商人のような根性では……、新らしい俵は幾らかかる、古い俵は幾らでその差は幾らか、その差は三十円ある、だからおれのほうは別だ、買うほうがそれだけの原価において開きがあるのだからこうだ。それじや何にも政策的な意味はないじやないですか。それとも食糧庁なり農林省として、これはむしろ食糧庁の答弁を聞くのは妥当でないかも知れないが、古俵を一体使わせることを奨励するのはいけないですか。どこまでも古俵を成るべく使わせないで、いい加減なものを使わせて、そうして食糧庁はできるだけ新らしい俵のものをほしい、こういう政策に立つているのですか、そういう政策の上に立つておるなら今のやり方も一応理窟は立つと思う。私は農村を中心にして、「わら」の経済から行きまして非常に不当なものだと思います。古俵を極度に利用させる、こういう観点に立つてつておられるか。そうでなく古俵をできるだけ排撃されるという立場に立つておるか、この点だけを私は簡単に御答弁願いたいと思います。
  157. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 一つは新古いずれを使わせることに意を用いておるかということでございますが、只今の私どもの考え方といたしましては、やはりできるだけ新俵で入れて頂きたいという気持を持つておるわけでございます。それから政府は包装代金で儲けているかどうかという点でございますが、これは織込みは同一ではございますが、併しこれは買入価格、新古とも買入価格より相当下廻つた価格で配給業者の副産物収入で見ておるわけでございまして、この関係政府が儲けているという関係はございません。
  158. 河野謙三

    ○河野謙三君 それは一応同値で売つていないとおつしやるけれども、それはプールしておるとはおつしやるけれども、新らしいものと古いもののプールにおいてやつているとおつしやるけれど、販売価格は、買うほうは三十円で買つておるけれども、売るほうは買つた値段そのままにすべてのマージンを加えたものを売つていないと、こうおつしやるんでしよう。そういう計算をされる基礎になる数字は違いませんよ。古俵を入れて幾ら集まつているか、あなたのほうで年間を通じて古俵の入つたものを買つているという数量は非常に少なく見ていますよ。新俵を非常に多くして古俵を実際以上に少くしている。そこに問題がある。私はこういうことを、例えば、今の古俵と新俵の問題にしろ、先ほど江田さんからお話のあつた「かます」や俵の問題にしろ、こういうものを通して食糧庁の会計を大事に守ることは結構ですよ。けれども余りにも食糧庁の会計を守ることのみに汲々として、これを農村に少しも及ぼしていない。これが食糧行政に対する我々の批判の結論ですよ。これは是正しなければならん点ですよ。ですからこの古俵の問題も、もうすでに大部分の米は集配が済んでいるから、将来の問題として十分御検討願いたいと思います。特に経済局等とも連絡して、農村を取りまく「わら」の経済について、一体どういう方向をとつたらいいかということはあなたのほうできめるべきじやないか、これは農林省の中でも経済局の意見があるわけだ。こういうものと十分連絡をして今後の買入につきましては特段の御考慮を頂きたい、こう思います。
  159. 北勝太郎

    ○北勝太郎君 今河野委員から古俵の問題が出たのでありますが、実は最近御承知のように酪農振興、畜産振興というような関係から、「わら」は立派な飼料なんでありまして、日本の牧草の大部分の代りをしているものが「わら」なんであります。そこで畜産をやつている農家としましては実は俵を編む時間も困るが、今一つは飼料とする材料がなくて困るという現状であるので、畜産振興上から言いますと、是非一つ古俵を数回に亘つて使わせるようにしてもらわなければならない、こういう工合に思うのでありますので、今の俵は三本編俵が多いのでありますが、三本編俵は何回使つても大丈夫なはずなんです。それだから三本編俵にしたのであります。検査をおのおのやつて、そうして適当なものだけを何回も使わせるということは是非やつてもらわなければならん問題だと思う。殊に農村で精白して出すようになりますと、古俵とは言いながら、実は新俵と変らない。ただ判が打つてあるか、ないかということによつて古俵ということがわかるだけの話なんです。そこで一つ是非古俵を再三使用ができるようにやつて頂きたい。これは附加えてお願いを申上げておくのでありますが、更にその次は、先ほどもお話がありました一俵の重量の問題、これは「かます」の問題を先に取上げられていましたけれども、実は俵の問題についても同様なんです。でありますから、俵でありますと正味十六貫、恐らく十七貫二、三百あるはずなんです。皆掛では今の若い人たちはなかなか動かすのに容易じやない。そればかりでなしに、少し便利な所では若いものは殆んど農村にいません。農業をやつているのは年寄りばかりです。そこで十七貫余りの俵をいじるということは、これは包装をする上においても、担ぐ上においても、今の農家の人たちの手ではちよつと手に負えないようになつております。十二貫という説もありましたけれども、せめてこの皆掛にして十四貫ぐらいまでにこれは軽くしてやることが時代に適したやり方じやないか、こういうふうな工合に思うのであります。この点についてどう考えておるか、ちよつとなんですが、重ねて御答弁を願つておきたい。
  160. 松岡寅治郎

    説明員松岡寅治郎君) お話のように酪農地帯、特に北海道のようなそういう地帯に「わら」が非常に飼料として大切なので、古俵を使うということは俵の経済から申しても非常にいいことと思いますが、我々といたしましては米を大切にして、米は非常にこういう食糧事情で、米をあつちこつち引つ張り廻すものでございますから、途中の漏れとか、そういう点を非常に心配いたしまして、できるだけ包装を立派にしてもらいたいという気持でやつておりまして、古俵にいたしましても、検査員が見ましてこれは使えるというものは使つておりますし、特に古俵は「いも」とか、その他のものに非常に需要もありますし、そういう関係で米はできるだけ新俵に入れてもらいたいということを今のところ希望いたしておりますが、皆さん方の御意見も、今江田先生お話、又皆さんのお話がありましたのですけれども、なおこの点はよく研究いたします。正味重量ですが、成るほど現在のように皆掛で十七貫になりますと扱いにくいという点は、確かにそう我々も感ずるのですが、この点は昔からの慣例でございまして、これを一挙にというて従来の慣習もあり、いろいろな点からよく研究いたしまして、俵にいたしましても全部変えなければならんようなことになりますし、あらゆる点に変革を来たすものでございますから、よく念を入れて研究いたしたいと思つております。
  161. 江田三郎

    江田三郎君 これは課長さん、農村だけじやないのですよ、駅の仲仕の人からも今のあの俵は困る、こういう声が出ているわけですよ、これは、あなた方はまあ俵を担いだのか、担がんのか知らんですけれども、私なんかは若いときやつているけれども、どうも呼吸がうまく行かんと、ここまでは来てもなかなかここまで上りはせんです。それで今とにかく農村の娘さんというのはパーマネントをして口紅をつけているのです、いい悪いじやない、そういう世の中になつているのです。農村の若いものは尺八なんか吹いていませんよ、バイオリンを弾いていますよ、ブラスバンドを組んでやつているんです。そこまで世の中が変つて来ているのに、いつまでも十何貫何ぼのものを担げというのは、これは基本的人権の蹂躪ですよ。(笑声)若しそれが基本的人権の蹂躪でないというなら、笑いごとだというなら、あなた担いで御覧なさい、担げやせんでしようが。あなたができないことを百姓であるからこれを強いるのだ、仲仕であるから当然だ、この考え方を直さん限りは検査員というものは農民の敵だということになつてしまうのですよ。僕らはいつもこの検査員の行政整理なんか出て来る、そのときに農家へ話に行くと、検査員というものはいいものだといつて、農民がそれについてくれたということは一つもないんですよ。これは一つあなた方はしつかり考えなければならん問題だ。河野君の言うように、或いは北さんの言うように、やはり農民の立場というものは考えなければならん。時代がどう動いているかということを考えなければならん。ただ役人としては明治初年からやつたことをずつと続けて行くのが一番安易な途ですけれども、そういうことをする限りは、本当に検査員というものは恨みの対象になるのですよ。これは一つようお考えなさいよ。
  162. 河野謙三

    ○河野謙三君 北委員なり、私が申上げました古俵の問題をちよつと検査課長は曲解されたと思うのだが、私たちは中味の食糧を従にして、包装を主にして考えろというのではないのです。というのは、包装は少しぐらいどうでもいいじやないかということではない。古俵といえども、あなたの部下の検査官が十分な検査をしているのだ。要するに輸送にも耐えるような、すべての観点からいつて新俵と同様な価値のあるものの範囲内において古俵の検査をしてとつておられる。でありますから、農民の側から言えば古俵と申しましても、仮に古俵をトラツク一台買うでしよう。その中に穴のあいたのや耐久力のないのや、そういうものが三割も四割も出るんです。それを食糧庁のほうでは東京の古俵の相場が二十五円、横浜の相場が二十何円で、それをトラツクで運賃をかけて持つてつても五十円なのに、然るに古俵に六十円もやつているのだ、十分じやないか、こういうような全く滑稽千万な原価計算をされている。その間に出て来るはねにしても、あなたのほうではそれを見ていない。だから古俵そのものがあなたのほうの検査官の手を通つて、そうして合格するまでには相当高いものについているのです。そこへ持つて来て、それを今申上げるような原価計算において三十円開きだ、こういうふうに簡単に片付ける。でありますから、私たちは今申上げたのは決して古俵を極度に利用しよう、少しぐらい中味がこぼれてもいいじやないか、こういう意味ではないのです。それは現在あなたの検査官のほうがちやんと守つておられる。新俵と同じような輸送に耐える包装としての価値は十分新俵と同じもの、これは検査官として守らなければなりませんよ、そこまで行つてもらえば、あとは新俵と同じに買つてつていいじやないか、こういうことなんです。そうして北さんも言われるように、今畜産が盛んだ、自給飼料が足らん、「わら」が足らん、堆厩肥が足らん、こういうことで、農民から見ればこの頃のお百姓は非常に「わら」に困つておる。であるからそのほうにもつと、新俵に廻す「わら」をその農事用にもつと使うように、あなたのほうで農林省の政策としてやつたらいいじやないか、私はこの間農林大臣に教えてやつた。知りやしないじやないか、そんなことは……。又そんなことを教えてやつても小さな問題だと思うからあなたたちには連絡がないに違いない。だから今の農林大臣は行政者としてちつともピントが合わない。ピントの合わない大臣はしようがない、あなたたちはそういうことについて十分研究して頂きたい、特に希望しておきます。
  163. 北勝太郎

    ○北勝太郎君 皆掛の米でも農産物の目方を少くしてもらいたいという問題ですね。実は私は百姓で本当にやつて来ておつたのでありますが、皆さんの御存じのない苦しい点がある。そいつは今農産物はすべて農業倉庫に全部入れますが、それは農業倉庫にもいつも満載になつて、十六段、十七段という高いところまで歩みをかけて、そうして背負つて上る。ただ一俵担ぐだけでも実にさつき言う通り容易でない、二人がかりでなければできん。それもそれを二人で担いで歩みの上に持つて行くわけに参らんので、結局年寄つた人でも歩みの上を一人で背負つて行かなければならん。たまにしくじつて米もろともに落ちて大怪我をした人があるのです。実は私の村でそういう実例がある。そこで協同組合の総会においてもしばしば問題になり、何とかいい機械を買つて機械で上げてくれ、それを一つ研究しようといつたが、研究したつて安い金でできやしない。又倉庫の中で仕事をすることですから、機械が自由に動かない。この点については農村では実に困つておる。そういう点等もお考え下さいまして、是非皆掛にして重量を少くするということに特段の一つお考えを願わなければならん。本当に今の時勢に合わないと、こう考えますから、そういう点をお願いしたいと思います。それからその次は、これは北海道だけの特長だと思うのでありますが、私の手許に大した陳情書が来ている。それは連判で大したたくさんのものが来ている。これは恐らく先ほど来申上げまする通り、北海道特有のものかと思うのでありますが、非常に遠い距離の場所から運んで来る、できたものを……。それが検査員が手が廻らんものですから、折角持つて来たものを又再び家に持つて帰らなければならん。遠い距離のことですから、ちよつとほかの家に預けておくわけにいかん。預けておいて米を盗まれるようなことになつたら重大な問題です。結局家に持つて行かなければならん。農家の迷惑は非常に多いのであります。そういう関係から検査員の数をこの際減ずることは絶対やめてくれ、農家として迷惑千万だという陳情なんでありまして、先ほどからも検査員に対して農民が感じが悪いと言つておるということは事実であるのでありますが、特に北海道のはそうではなくて、自分の体がかわいいからという意味で検査員をこの際減じてもらつちや困る。今でさえ困つているのに、これ以上になつたら農家として迷惑千万だということを言つて来られておるのでありますが、いわゆる今の人員減少の点で人が減るのは止むを得ないかも知れませんが、併し現業方面でそういう人が減らされては大変なんでありまして、その点につきまして、北海道の実情に合して、この人員を整理するかせんかというようなことについても御意見を承わつてみたいと思います。
  164. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 先ほどの皆掛重量の問題についていろいろ御意見を承わりまして、私非常にお教えを受けたことがたくさんございましたので、これから研究いたさなければならんと思つておりますが、先ほど検査課長が申しましたように、いろいろ関係する部面も広いのでありまして、急速にとは行きかねる点もあろうかと思いますが、できるだけ十分研究を積んで、だんだん時代に合つた方向に直し行きたい、こう考えます。それから北海道の検査員の問題でございますが、これは従来からも確かに北海道として予定されております定員が常に満たされない。実際上充足されないような状態にあつたわけでございまして、いろいろ検査面につきましても、なかなか検査員自身も努力はいたしておりますが、農民のかたがたに御迷惑をかけた点も多かつたと存じます。今回も大分やめる人が出まして、私ども予定しております定員から申しましても大分下廻つた数字が出ておるのでございます。従いまして全国的に見ますると、比較的余裕のあるところもあるようでございますが、特に北海道のようなところは確かに仕事の分量に比較いたしまして非常に手薄の陣容であるということは私どもよくわかることでありまして、できるだけこれの人員の充足につきましては、配置転換をいたしますとか、或いはそれのできない部分につきましては、特にこういうような特殊な地帯につきましては、或る程度新規に人を入れるというようなことも考えて行かなければならんじやないかというふうに考えておるわけでございます。只今各地の仕事の実態と、それから各地の人員の充足事情とを睨合せましてで、只今二十九年度以降におきます人員の再配置ということを今考えておる次第でございまして、北海道の点につきましては、特に私ども今お話のありましたような点を留意して人員の再配置を研究をしたい、こう思つております。
  165. 松浦定義

    ○松浦定義君 今総務部長の北委員に対する御答弁について私もう少しはつきりしておきたいと思うのですが、検査員の問題でまあ非常に北海道が苦労しておることは、当然あなた方のほうの所管ですからわかると思うのですが、特に農村側からいつても供出の最盛期には非常に殺到するというので、供出の期限等、そういう点がいろいろ非難の的になつて来る。そういう意味合から、例えば今回の人員整理の問題で相当数が全国的な問題として止むを得ん場合があるかも知れない、そういう場合に北海道はそういうことから考えて減員、現在員を減らすようなことはしないというようなことが、今の御説明から決定的に考えた場合に、そういうふうに了解していいかどうか、例えば統計調査部等のごときはやはり北海道の実情等を十分忖度して、北海道の現状というものが認められたというようなことから、やはりそれと同一のような処置をとるというようなお考えと了承していいかどうか、この点お伺いしたいと思います。
  166. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 私どもの予定人員を現在員とを比較いたしますと、確かに北海道は今までも予定定員に達しておらなかつたと思います。将来の計画を入れましても、現在員というものは恐らく北海道におきましては予定される定員には満たない状態にあるのじやないだろうかと思つております。実際にこれを充足するにどうしたらいいかということについて、私ども今頭を悩ましておるわけでございますが、食糧庁全体の関係から言いまして、新規採用するということがなかなか困難な事情にありまして、できるだけ食糧庁内の定員の割振りによりまして、北海道に多くの人員を当てて行きたいということが第一の考えでございますが、なかなかそれだけでは困難な面が出て来ようかと思つております。それならば更にそれを配置転換できない部分を、特に特定の地域としての北海道に対してだけは特別な措置としての新規採用を認めるかどうかという問題になりますと、なかなか直に、今北海道に限つてそういたしますということも直ちには言いかねるような事情にあるわけでございますが、止むを得ない場合には若干の人間はそういうふうに考えなければならないかと思つております。実際の人員の状態といたしましては、確かに昨年ぐらいの人間は北海道には来年以降においても維持しなければならないという考えは私ども持つておるのであります。人間を維持するための方法といたしましては、いろいろほかの事務職との関係もございまして、具体的に今後考えて行きたい、こう思つております。北海道の人員としては、昨年ありました定員よりは減らしたくないという気持は私どもも持つております。
  167. 松浦定義

    ○松浦定義君 どうも余りはつきりして来ませんが、現在欠員になつておるのを補充することはなかなか容易でない、私の言うのはそうでなく、補充されて十分であつてもなお足りないというのが北海道の農民の考え方であるにもかかわらず、欠員になつておるままで補充できないということは、現実に減員されたと同じです。充足をしてでもなお農民は十分希望が達せられないのです。こういうような減員が止むを得ない場合でも、北海道のほうは整理しないでもらいたい。私どもの要求は十分補充した上に立つての要求です。例えば内地関係で減員するという場合、それを直ちに北海道のほうに持つて来て充足すれば北海道の定員は十分カバーできるので、それは非常にいいことだと思う。そういう点を一つ考えておやりになればいいと思います。これは又いずれ十分お伺いします。それから先ほど話のあつた量目の点、容量の点ですが、これは何とかそういうふうに漸次考えてみたいという話ですが、私は若し米が自由販売になりましても、この検査制度というものは、むしろ逆にいいものを作つて高く売らせるために検査は厳しくなると思う。従つてそういう意味から俵の問題について或いは又一層厳重になるかも知れません。そういうことが考えられます半面に、農家は依然として、検査の上からいつてそういうことはできないが、それを加工し、或いは販売する業者は十六貫のものを精白しまして、これを八貫ぐらいにして紙の袋に入れ、需要者が希望するような形にして売つて行く、例えば炭は四貫のものを東京では二貫ぐらいにしたほうが却つて売れるような工合でありまして、生産者の手を離れると、十六貫のものを八貫ぐらいに分けて紙袋に入れて需要者の喜ぶような形で販売されるものが出て来る。併し生産者は検査制度がある限りにおいては、やはり依然として非常に不利な立場に立つてしまうというようなことになりますから、自由販売になつてもそれは当然続けられると思います。でありますからして、統制中と言わず、自由販売になつたらということでなしに、若しそういうようなことをお考えになると断定されるならば、実施の段階で努力するように方向を変えてもらわなければ、研究する程度では私は依然として農民側は了承できないと思うのです。その点は如何ですか
  168. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 先ほど直ちにお答えしないで、研究するとお答え申上げたわけでありますが、確かに先生方のおつしやるようなことはあろうかと存じますが、実はたまたまこういうことを耳にしたのであります。それは内地米の場合に当嵌るか、当嵌らないかわからないと思います。例えば輸入米は百キロ詰で入つて来るわけでありますが、たまたま四十五キロ詰の袋になつて来る場合もあります。そうしますと、流しと申しますか、これは何と申しますか、出来高払というような制度になつておりますので、百キロの荷物を扱うほうを好んで、四十五キロは扱い高が上らないので好まないというような実例を実際に見たので、内地米の場合にそういう例が当嵌るのかどうか存じませんが、或いは経済の問題でございますから、いろいろそういうような思わざるところに問題があるのじやないかというような感じがいたしておりますので、そういう経済の問題とか全部含めて、十分検討した上でないとお答えはできないかと思います。そういうような気持で申上げたのであります。
  169. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) この問題はまだ御質問があると思うのですが、如何ですか、次回には長官の出席を求めて、今日はこの程度で、ほかの問題もありますので、この次には一つ長官の出席を求めて……。ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  170. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて。  それからもう一つ御相談を願いたいのは、行政機関職員定員法の一部改正でありますが、これも実は非常に時期が切迫して来ておるわけです。この前も連合審査にするか、如何にするかという問題について……、ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  171. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて。  それでは行政機関職員定員法の一部を改正する法律案につきまして、当委員会に重大な関係がございますので、連合審査を申込みたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  172. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。   —————————————
  173. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 最後に、去る三月十六日の委員会において問題になりました硫安の生産費に関する資料の件につきまして、通産省当局から発言を求められておりますから、お聞取りをお願いいたします。
  174. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 大変遅くなつて甚だ申訳ございませんが、先日本委員会におきまして、硫安の工場別の原価を提出するようにという御要求がございましたから、大変どうも延び延びになつておりまして誠に申訳がないのでございますが、このことにつきましては、一、二事情を申上げて御了承を得たいと存ずるのでございます。  実は、この前私どもの手許におきまして推算をいたしております硫安工場の原価でございますが、実はこれは十七の合成、硫安の工場があるのでございますが、これの全部につきましてそういう推算をしておるのではないのでございまして、そのときも申上げましたが、開発銀行に関しまして硫安の合理化の工事を推薦をいたしておるのでありますが、その際にその工場の原価内容、原価事情はどうなつておるのであろうかということにつきまして、大よその見通しを付けておるものがあるのでございます。そういうものが二十八年度におきまして数社、六工場あるのでございますが、そういうものが今私どもの手許にあるのでございまして、御要求になりましたような各硫安工場全部につきましてのコストをお出しいたしますということはちよつとむずかしいのでございます。なお、この点に関しましては、先日のこの委員会におきます私のお答えの表現が、言葉の足らん点等もございまして、或いは誤解を招いたのじやないかということを甚だ恐縮に存じておるのでございまするけれども、事実はさような次第でございますので、何とぞ御了解を頂きたいと考えるのでございます。工場別につきましてはさようでございますけれども、先般も大体のところ私どもは肥料の行政をやつて参ります場合に、硫安工業の大体の原価の状況を把握しておるということを申上げましたが、それは十七工場全体につきまして、それの総平均的な原価につきまして検討を付けておりまして、現在の製造量、即ち操業童と原材料の価格等から見て、大体日本の硫安工業の平均的な原価というものはこの辺だろうということを常々検討いたしておるのでございまして、近くこれを整理いたしまして御説明を申上げたいと考えておるのでございますが、実はさてそれをプリントにいたしまして整理して御覧に入れるとなると、いろいろ整理に手間をとつておりまして、甚だ申訳ないのでありますが、来週には是非とも提出いたしまして、いろいろ御説明を申上げたい、かように考えておるのでございます。なお、この資料の取扱いでございまするが、これは政府側といたしまして、コストの程度はこの見当であろうということを公式に申上げますことは、対外関係、特に通商関係でございまするが、そういう点も考えなければならんのでございまして、懇談会等適当な方法によつて事実上皆様方に御説明をさせて頂くというふうにお願いを申上げたいと、かように考えます。
  175. 河野謙三

    ○河野謙三君 委員長は、先日私がお願いしましたような手続によつて資料の要求をされたかということでありますが。
  176. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 大体通産当局から自発的に提出されるというお話でありましたので、委員長としては成規の手続はとつておりません。
  177. 河野謙三

    ○河野謙三君 今後、ではどうされますか。
  178. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 只今の発言についての皆様方の御意見如何によつて考えたいと思います。
  179. 江田三郎

    江田三郎君 ちよつと今の発言を聞いておつてよくわからなかつたのですが、十七工場の総平均というものをただ公式に言うと、対外関係等があるから懇談会において説明をすると、こういうことですか。それからもう一つは、六工場については資料があるということですが、どうも聞いておつてよくわからなかつたのですが。
  180. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 六工場につきましては、仮に開銀の融資を推薦いたします場合に、その工場がどういうふうな原価の内容を持つているだろうかということについての大体の検討をすべて付けて持つておるのでございます。それから十七工場平均を出すならば、十七工場あるじやないかというような御疑問であろうと思うのでありますが、実は十七工場あるのでございますけれども、これの個々の原価を実は弾くことはいろいろな費用の関係がむずかしいものでございますから、これは御説明を申上げるときに、詳細その計算方法を説明すればおわかり頂けると思うのでありますが、この日本にある硫安工場全体で、工法の如何を問わず、又業態の如何を問わず、この生産量はたしか硫安に換算して二百三十万トン程度ございますが、それに使つている電気でありますとか、石炭でありますとか、コークスでありますとかいうものの総量を一応推定いたしまして、そうしてそれに現在の物価をかけまして、そうしてそれぞれの費目の全体としての金額を出します。更に固定費のほうでは道具費とか、経費とか、金利とかいうような固定費的なものを、各会社の全体にかかつたものを、肥料の生産の上で以て按分をして推計いたします。そうして出たそれぞれの費目を、硫安の二百三十万トンと推定される総生産童で割るというような方式で、大体これは大数観察的には日本の硫安工場の中庸と申しますか、平均的な値いが出まして、これは先ず先ず私どもとしてはそういう意味の数字としては大数観察ができて大体適当な値いが出ておるんではないかというふうに考えております。
  181. 江田三郎

    江田三郎君 六工場というのはどこどこですか。
  182. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 今年融資の推薦をいたしました東北肥料株式会社、日本水素工業株式会社、昭和電工株式会社、東洋高圧工業株式会社、新日本窒素肥料株式会社、もう一社、別府化学工業株式会社の六社でございます。
  183. 江田三郎

    江田三郎君 この六社については開銀融資の推薦をしたときに資料があるということですが、これは発表される用意があるということですね。
  184. 柿手操六

    説明員柿手操六君) この問題につきましても甚だ何でございまするが、今の開発銀行に推薦いたします場合に、私どものほうで一方的に試算をいたしたものでございますし、又各社の内容にも触れて参るのでございまして、いろいろな差障りも考えられますので、この工場別につきましても提出を見合わしたい、かように考えるのでございます。
  185. 江田三郎

    江田三郎君 これを発表されるかどうかということは、これはあとあとの問題にして、この六社については先ほどのあなたのお話では融資の推薦をするときに資料として出した、こういうことですから資料としてはあるわけでしよう。
  186. 柿手操六

    説明員柿手操六君) これは私どもが、この六社を開発銀行の融資対象工場としてやつてもらいたいということを銀行当局に推薦する場合に、この工場のコストはこういうものであろうということを試算をいたしてあります。それを……。
  187. 鈴木一

    鈴木一君 開銀の融資を仰ぐ場合の資料というやつはそう簡単なものじやないと思うのです。農林省のほうがこうであるとか、或いは通産省のほうがこうであるというふうな推定の資料じやなくて、メーカー自身が自分のほうの工場の内容はこうだ、生産されておるのはこうだ、販売はこうだと、実に厳密な調査資料を出して、それを更に開銀が何度も何度も検討した上で……、今あなたの言われたことは全然私は違うと思うんだ。その資料に対して農林省なり、通産商が認承と言いますか、間違いないとか、この通りだとかいうような証明をするのであつて、あなたのほうが主体になつてそんな資料を出したんじやないと思うのですよ。
  188. 柿手操六

    説明員柿手操六君) これはお話のごとく開発銀行を作りましたのは、政府が従来見返資金の融資を決定しておつたのを、実際に即するように事業家であり、銀行家であるかたがたによつて実際に即した最も効率的な資金を使つたほうがいいというので、従来政府のほうからそれぞれ融資額を決定しておつたのを開発銀行というシステムを作つて、そこでおきめになるということになつたのでありますが、銀行に対しまして政府側としては参考案と言いますか、先ほどから申上げましたように、各省の各局から開発銀行に対しまして、これは私どもの関係しておる会社、工場として開発銀行の融資対象に推薦したいということを、肥料は肥料、鉄は鉄、石炭は石炭、それぞれの部分から推薦をいたしておるのであります。その推薦をいたします場合に、私どもがいろいろ研究のときにその工場についての現場の見通しを立てておるのでありまして、お説のごとく最終決定をなされる開発銀行では、私らの出した資料そのものをそのまま鵜呑みにしてきめるとかというようなことはなさつておられないと思うのであります。
  189. 鈴木一

    鈴木一君 あなたのほうがそういう資料を作る場合、その当該メーカーのほうからそういう資料をとらなければ証明も何もできないでしよう。若しそれで結構だとすれば、各社のやつは全部あなたのほうでできるわけじやないでしよう、十七工場の全部……。どうもこれはごまかしだと思うのですよ、主体をぼかしているんだろうと思うのです。私は必ず開銀のほうの資料に関しては特別の方法があるかどうか知りません。肥料は政治的にいろいろ動く会社ですから、あるかどうか知りませんけれども、普通の場合は各メーカーが出して、それを農林省なり通産省、或いは経済審議庁あたりが査定して、これならよかろうというので認承して初めて融資の対象になるというように私たちは記憶しておるし、大体各メーカーとも間違いないと思う。開銀の金の出る場合は大体そういうケースをとつておると思うのですが、どうもあなたのはごまかしとしか思えないのです。単に何か理窟を付けるためにこまごまとした理窟を言つておるんじやないかというふうにしかとれないのです。もう少しはつきり良心的にやつてもらいたい。これだけの法案を審議するならやはり問題の所在を明らかにして、その上でやつてもらわないと問題の焦点がわからないし、我々がこの法案を審議するということはできないと思う。ただお前たちは知らなくたつていいから通せということでは、絶対この法案を私らは審議できないと思うのですよ。  それから委員長にお尋ねしますけれども、農林省の次官あたりから、何かこの法案は面倒な問題だからよろしく頼むというような話もあつたんじやないのですか。委員長のほうにあつたんでしよう、どうもそうとしかとれない。(笑声)
  190. 戸叶武

    戸叶武君 今の話を聞いておると、開発銀行が自主性を持つて金融機関としての役割を果しておるというからには、この融資の場合においては当然開銀には正確な各社から提出されたところのデーターがあると思う。それを政治的配慮の上に立つたところの今の御説明との数字的なギヤツプがあるかどうかということも一つ参考になるから、開銀に入つたところの、開銀でとつたところのデーターと両方出してもらえば余計参考として非常に便利なんですが、今の話を聞くと非常に開発銀行の持つておる役割と政治的配慮というものがごつちやになつて、何かわからなくなつて来るのですが、その点はどうなんです。開発銀行もやはりあなたたちの政治的配慮の上において作られた推定統計よりももつと、これだけの金をかけるのですから、正確なものが開発銀行には行つておると思いますがどうなんですか。そうでなければ自主的な一つの金融機関の役割はないですよ。
  191. 江田三郎

    江田三郎君 議事進行について……。これはどうも先ほどからの答弁というものは、今鈴木なり戸叶君が言つておるようにどうも合点が行かん。それで説明員のほうで意識して事実を隠そうとするなら、これは又委員会としても正規の手続をとつてそれぞれのことをやらなければならん。結局時間がかかるだけだと思うのです。そこで委員長のほうで説明員の答弁をされるときに、その態度について委員長のお考えに基いた注意をあらかじめしておいて頂きたい。それから答弁して頂きたい。
  192. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) その前に、先ほど鈴木委員からの御発言がありましたが、委員長としてはこの前の速記に載つておりますような、この前の当委員会の質疑応答で明らかにされた趣旨において通産当局のほうから資料の提出があるものと思つて了解をしておるわけであります。詳細は省略いたしまするが、大体の質疑応答の結果は、大体各工場別の資料があるという質疑応答であつたのでありまして、そういう資料が自発的に出るという意味におきまして成規の手続をとらなかつたわけであります。今日の御発言で、その前の質疑応答と変つて来ておるということを今知つたわけであります。
  193. 江田三郎

    江田三郎君 委員長に注意してもらつて答弁を聞く。
  194. 柿手操六

    説明員柿手操六君) そのことにつきましては、先ほどもお断わり申上げたのでありますが、事実十七工場全部についてはコストの計算をやつておらないのでありますが、私の言葉の足らざるところからそういうふうな誤解を招きましたことを先ほどもお断わり申上げたのでありますが、実際におきまして、開銀の融資を推薦いたします場合の各社のコストの見通しをきめておるという程度でございますので、特にこの点をお断わり申上げておるのでございます。
  195. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 誤解があるといけませんから重ねて申上げておきますると、質疑応答の速記録の関係部分を朗読いたしますると、河野委員からの御質問で、「そうしますと、各社別の原価計算を一応通産省としては持つておる、併しそれを公表する自由を持たない、こういうわけですね、そうですか。」、それに対して通産当局が「さようでございます。」ということでございますので、さような趣旨で私は自発的な資料の提出があると思つておるわけでございます。
  196. 河野謙三

    ○河野謙三君 今この前の委員会での柿手さんの発言について誤解を招くようなことがあつたからと、こういうことで、私はまだ速記を見ておりませんが、ついこの間なので記憶しておりますがね。あの質疑応答におきましては、そういうふうな経過じやなかつたんですよ。でありますから、あなたはこの間のあなたの答弁を一切取消されますか、取消したからといつて別にどうということはないが、取消すかどうか、先ずそれを伺いたい。(「いや、今の答弁を取消したほうがいい」と呼ぶ者あり)
  197. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 今委員長がお読みになりましたように私が申しておるといたしますと、本日ここで事情を申上げましたことと違つておるのでございまするから、取消をさせて頂きたいと思います。(「それは大変なことだ」と呼ぶ者あり)
  198. 河野謙三

    ○河野謙三君 取消される。ところで何で取消さなければならんかということなんです。先ほどの今日の答弁におきましては一応総平均は出しておる。平均を出すということは十七の工場のそれぞれの上に立つて初めて平均が出るのであつて、何の上に平均が出ます。平均というものはそういうものでしよう。それとも開発銀行に出た六つだけの工場平均ですか。私はそうじやないと思う。今日の御答弁でもちやんと平均ということは大体押えておる、その平均というものを押えておると言つておられるのだから、その平均というものは十七の平均でしよう。そうじやないですか。
  199. 柿手操六

    説明員柿手操六君) その点につきまして、ちよつと先ほどお答えをしたと思うのでございまするが、十七の工場の原価を出しまして、それを平均したのじやないのでありまして、日本の十七工場の硫安が使つております原材料全体の総量を、(「そういう詭弁はやめなさい」と呼ぶ者あり)単価を、物価を推定しまして、(江田三郎君「嘘を言わなきやならん理由を言つたほうがいいよ、そんな説明は駄目だ、なぜ嘘を言わなきやならんか、その理由を言いなさいよ、そのほうがはつきりするわ」と述ぶ)それを全体の製造数量で割つて大体大数観察的なものを出しておるのでございます。
  200. 河野謙三

    ○河野謙三君 然らば私は別の角度から聞きますがね。硫安は一つの輸出工業ですね。輸出工業として今取扱つておる、将来ますます輸出工業として発展さしたい、こう言う以上は、日本の輸出工業として将来があるかないか、こういうことについてはどういう根拠でやつておられます。例えば同じ肥料で過燐酸であつても、過燐酸が今加工貿易の対象になつて輸出工業だという以上は、過燐酸の各会社からそれぞれこれこれこういうふうな原価計算において、これこれこういう利点があるから加工貿易として過燐酸工業を政府は面倒みてもらいたい、そういうものが出なきやならんはずです。出ておるはずです。それと同様に硫安におきましても、これは加工貿易じやないかも知れないけれども、やはり通産省が大所高所から見て輸出工業として硫安を対象にする以上は、それぞれのやつぱり原価計算というものがなくちや、そういうものはできませんよ。そういう角度から輸出工業としての硫安工業というものの検討が私はなくちやならんと思う。なくて、つかみでやつておるならば何のために通産省があるかわからんと思う。そういうことでないですか。特に過燐酸の場合もついでに説明して下さい。過燐酸が輸出加工貿易として今扱つておるその場合に、過燐酸の角度からそれぞれの原価計算が出ておるはずだ。これこれこういうふうな原価計算になるのだから、燐鉱石をこれだけで買つても、それに対してこれだけの過燐酸を送つても差引日本においてこれだけの要するに利点がある、こういうことの順序になつておると思う。これもついでに説明してもらいたい。
  201. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 過燐酸につきましても各社別の原価計算はしておりません。供しながら大数観察的な、大体平均的な原価はこういうふうになるだろうということにつきましては計算をいたしまして、加工貿易としてこれは有望であるということは考えております。硫安の今の平均の問題でございまするが、これは硫安を十七社造つておりますが、硫安の製造事業が全体の七、八割という殆んど大部分の所もありますし、硫安の製造は全体の会社の事業のほんの一部分だというのもございますしいたしまして、それぞれの個々のものはなかなか、或る一定の方式で以て報告をとつて各社の原価を調べれば別でありまするが、現状におきましては、そういうふうにそれぞれ業態が非常に違つておりますものを私の手許で計算いたします場合には、それが全体としての平均的な数字を発見する以外の今のところ方法はないのでございます。(「やめたほうがいい」と呼ぶ者あり)
  202. 戸叶武

    戸叶武君 先ほどの非常にあいまい模糊とした説明の中においても、公表は対外関係、特に通商上を考慮してできないということを言つていますが、これは私は一つの逃げ道だと思うのです。今肥料の中における硫安ほど公共性を持つておるものはない。而もこの価格の問題というものはその重点です。一面においてこれが産業合理化が要請せられており、一面においては輸出貿易ということが考慮されなきやならないのです。輸出貿易に名をかりて、そうして原価精算が立てないということで価格というものをごまかして、政府をうまく飜弄してやつて行こうというのが業者のやり方だと思うのです。こういうようなあいまいなところにおいては造船疑獄よりもひどいものが潜んでいやしないか。造船だつて原価精算を出してあるのです。なぜ肥料において原価精算が出せないか、而も価格の問題の実態を把握することができなくて、これに対して融資を斡旋するというようなことは不届き至極です。これはほかに輸出関係であるから、これはそういうことを考慮してと言うけれども、日本の産業合理化というものを明確にし、それから政府の財政投資というものもガラス張りでやるような方向に持つて行かないからこそ今のスキヤンダルが発生するのです。これは私はこういうような態度で政府がやつているからには、この問題に対しては我々は壁にぶつかつて審議を進めることはできないと思うのですが、ただ簡単に言えば対外関係のほうを考慮して発表ができないというような点はどういう点です。この国内における明確な線が出てない輸出なんかやらなくてもいいです。国内の問題を片附けてからやりなさい。この肥料の実態というものを正確に国民に認識さしてからでなければ、私たちとしてはこの問題を片附けることはやはりできないだろうと思うのです。その根拠を示してさい。
  203. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 日本の硫安の原価の状況につきましては、先ほども御説明いたしましたように、各社のものはお示しができないにいたしましても、鋭意平均的なと言いますか、中庸と見られるような種目別の原価を今算定いたしておりますから、それを御説明いたしまして十分御審議を願いたいと思うのであります。それから今の公表しないということにつきましては、対外関係、主として今売つております輸出価格は出血をいたしておると認められるのでありまして、それを政府みずから認めるというようなことになるようなことも非常に好ましからざることでございまするので、そういう点を考えておるのでございます。
  204. 清澤俊英

    清澤俊英君 何かどうも余りむずかしいことばかり言われるのでわかりませんが、大体二、三年前までは足らんと思うのです。肥料がまだ統制時代ですな。統制時代には或る平均率を出して補助金をおやりになつたでしよう。そういうときは何を基準にしてそういうものをお出しになつたのですか。これは一社々々の生産費がかちんとせんければ金は出せない。国民の懐ろからそれを出して撒いたのですか。私は出ないという話はないだろうと思うのだ。一年か二年前にそういうことをやつてつたのです。どうしても出ないというのがおかしい。何をそうすればあのときは基準にしてこの工場には何千何百円やる、この工場には幾ら幾らやるということをおきめになつたのです。それを一つお伺いしたい。それがなかつたらできないはずだ。
  205. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 昭和二十五年の七月末まで硫安の公定価格制度はございました。その際に物価庁が法令によりまして各社のコストの報告を徴しまして、それによつて生産者の価格というものをきめて、その価格で当時肥料配給公団という一手集配機関があつたのでございますが、それに買い取らしめる、そうして政府はその肥料配給公団に対しまして補給金を出しまして、そしてメーカーから肥料配給公団が買つた値段よりも補給金を頂いただけ安く配給することというような組織を二十五年の七月末までやつてつたのでございます。(「議事進行」と呼ぶ者あり)
  206. 清澤俊英

    清澤俊英君 いずれにしても工場単位の生産費がわからなければ、そういうものは出せないでしよう。どこがそれを分けるにしろ何にしろ、あなた方然らば長い間国民から取上げました税金を盲勘定でばらばら撒いていたのですか、どうです。そうでなかつた工場単位の生産費というものは或る程度目度を付けて行かなきやならん。それは一〇〇%確実であるかどうかということはわかりませんが、肥料の生産費というものを中心とした或る価格を決定しなければ、これは損がいつているからくれる、ここは得がいつているから取るというわけにはいかん。
  207. 江田三郎

    江田三郎君 議事進行について……。先ほどからの答弁を聞いておりますと非常に矛盾があるわけです。第一、十七工場の総平均を出すといつても、説明員の説明によるというと、例えば日本の肥料工業全体、硫安工業全体として電気を幾ら使つているか、それを総平均だけから見て行くのだということを言つておられますけれども、こんなことはできるものじやない。一体硫安工業の電気の総使用量というものは個々の工場へ当らんでわかるはずがない。電気会社を一々調べるわけですか。電気会社を調べるなら、これは電気会社皆違うのですからね。一つではないのですよ。東北もあれば関西もあれば中国もあるわけです。いろいろあるわけです。そういうことについて電気会社を調べれば、そういう調べ方をして行けばおのずから各工場のデータというものは全部出て来るわけでしよう。そういうことをぬけぬけと言われるということは、これはそういう説明では何遍繰返されたところでこの委員会を納得さすことはできんと思います。それから六工場の問題についても、これはもう鈴木君が言うように、工場からはつきりとした計算書が出て、それに通産省が意見を付して開銀に送るというのが、これが常識です。こんな手続に誰だつてわかつております。それであえてとぼけて六工場については通産省として推算をした数字を付けただけだというようなことで、工場から出た資料がないように言われるのは、これはもう明らかに虚偽です。そういうような態度で行かれるというと、勢い当委員会としては前々からの審議の経過からみても、当然成規の手続で資料を要求するという措置はとらざるを得ないということになるのです。而もこれは通産省からも取る、農林省からも取る、開銀からも取る、こういう形をとらざるを得んと思う。そのときに起る混乱、それについてあなたのほうで考えられたことがあるのか、勢いの赴くところそうなるわけです。あいまいなことを言われるために藪を突ついて蛇を出すということになるわけです。それでもいいということを考えてそういうことを言つておるのか、或いは自分の腹は別だけれども、上司から言われて、こう言えというから言うのだということなのか、そういう点よほど慎重に考えないと、あなた方が妙な態度をとられるために、重ねて言いますけれども、藪を突ついて蛇を出すということになるわけです。この発表が対外的にどうこうという問題がありますが、そういうことについては我々も考えんことはない。それならそれで腹を打割つて、秘密会でも何でも、どういう形式でもとられるわけです。併し今のあなたの態度を続けて行かれるようなら、これは秘密会とか何とかいうことにはなりません。そうでなしに、正式の手続によるところの資料提出要求という形をとる。通産省だけでない、農林省からも出せ、開銀からも出せということになる。混乱が起るにきまつておる。そういうことを考えておるのかどうか。そういう点委員長のほうで更に説明員のほう、或いは通産当局に対してよく念を押されて、委員長として適切な御措置をとつて頂きたいと思う。
  208. 河野謙三

    ○河野謙三君 ちよつと私は念を押しておきますが、農林省は今通産省の肥料部長がこの席で報告されましたことにつきまして一々報告されますか、これを伺います。
  209. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 質疑応答などいろいろございましたので、一々と言われましても、ちよつとはつきりした御返事をすることはむずかしいんじやないかと思いますが、こうした原価計算一つの大きな問題かと思いますが、これは開銀融資等の斡旋に附随して、附属書類として必要なものが通産省におありになろうということは、私どもも農林省の関係から類推して想像できるのでありますけれども、併し普通開銀融資の場合でも、そう厳密な外へ出して恥かしくないような原価計算がついているかどうかは必らずしも私よく承知いたしておりません。併しそれに類するものは恐らくあるだろう、又要求もできるだろうとは思います。ただ開銀融資の問題、まあ今年始まつたばかりでなく、随時各社から出て参るやつを斡旋するということになりますので、同じ時期の統一的な方法に基いたものが揃つておるかどうかということについては、恐らくなかなかむずかしいんじやないかというふうに私は想像いたします。これは想像でございます。それから資料、そういうものを出したほうがいいかどうかということについては、できるだけ御審議の便を計らうようにするのが当然と思いますけれども、肥料工場会社の営業機密にも関するようなこともあるでございましようし、おのずから個々のものについての提出については、特にどうこうということを御返事することはちよつと困難でございます。それからちよつと話が外れますけれども、農林省におきましても、そういつたものはないかということは、この前の委員会でもございましたし、私のはつきりした記憶にはございませんが、昨年の暮なんかもたしか河野委員から御質問がございました。そのときに私からこの委員会でお答えしておいたと思うのでありますが、農林省といたしましても、安定帯価格等については事実上行政指導的にタツチいたしている面もございますので、そういつたものが当然あるはずだというふうにお考え頂くことは至極御尤もであると思います。ただ私どもの実際を申上げますと、これは又通産省と関係のないことですけれども、原価計算といつたほどのものを持つておりません。持つておらないのをなぜ安定帯価格についてどうこう言えるかと申しますと、これは安定帯価格についての経過がございまして、これは河野委員が衆議院におられたときから問題になりましたので、よく御承知と存じますが、当初たしか一昨年でございましたか、硫安の価格が千円に近くなんなんとしたときでございました。たしか九百九十何円というときに、そのときにストツプするという各方面の強い御要望がございまして、それが一つの目安となりまして、その後だんだんと下つて行く、その後安定帯価格九百三十円、中値九百円で、それから八百七十円、こういつた価格が出て参りました。このときの下値も当時の輸出価格であつたわけであります。そして中値を当時の市況よりか少しばかり下つたところを中値にしたように記憶しております。その後当時の秋肥の価格について、これは私どもだけの話でございますが、業界と申しますか、硫安の生産者各位に自粛をお願いしまして、九百円ということで以てこれ以上げてもらいたくないということを意思表示を事実上たことがございます。その後安定帯価格が少し下廻りまして、上値がたしか八百九十五円でしたかということで、多少当時の市況とこの前きめたときの安定帯価格から、石炭の値下りの状況でありますとか、或いは電力問題でありますとか、或いは生産量操業率の問題等を加味して、一応価格の問題について農林省としても意見を申上げておくといつたようなことでございまして、はつきりした原価計算費があるということでは残念ながらないのでございます。先般農林省の政務次官が生産費と申しまするか、原価について、そういうものがあればこれは提出すべきだ、又してよろしいといつた御発言がございました。それについておつつけどなたかから御質問がございましたように、それは農林省の一政務次官としてでなく、政府の代表としての答弁だといつたようなこともございましたので、強いて農林省にはそういうことがないということをお断わりする必要はないと思いまして私も申上げなかつたのでありまするけれども、通産省には事実上そういつた筋のもの、まあ厳密な原価計算というかどうかは私も疑問かと思いますが、現在の生産費を大体測定して、この辺じやないかということを用いるに足る材料は或いはおありになるんじやないかというふうに思つておりましたので、その辺の取扱い方をどうするか、こういう問題と私は承知いたしておるのであります。
  210. 河野謙三

    ○河野謙三君 農林省は今までに、我々はこの法案の審議に当つて必要であるから、今原価計算を持つておるものを出してくれ、こう言つておるのですが、農林省は今日に始まつたことではなくて、肥料行政をやる上において絶対に必要なものは原価であります。従つて農林省から通産省にこういうものを今まで要求されたことはありますか。要求されたことはないですか。
  211. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 改まつて生産費を見せてもらいたいといつたようなことを申したことはございません。ただ硫安の或いは過燐酸も同じでございますが、安定帯価格等について全講連のほうと製造業者のほうとで話合がなかなか困難である、こういつた場合に事実上の斡旋をせざるを得ない、こういつたようなこともございましたので、そういうときに生産費の問題が議論になる、こういうことはございました。そういうときにまあ通産省のお考えをお聞きするような機会はこれはあつたのであります。
  212. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は農林省非常に怠慢だと思うのです。農林省が常に生産費につきましては通産省と横の連絡ですよ、今仮に機密の問題があるとしましても、行政府の間で、通産省と農林省の間では機密は守れるはずなんです。柿手さんに伺いますが、今機密の問題というものは我々納得しませんが、仮に機密の問題があつたとしても、農林省から要求があつたら、我々に出せないものを出しますか。同時に農林省はなぜ今まで要求しないのですか。肥料行政をやつて農民の代表であつて、肥料行政の中心に立つて、何を中心にして肥料行政をやつたのか、今経済局長が言つたように、安定帯価格の経過はそうなんです。安定帯価格というものがいい加減なものだということです。進駐軍に少しつかい物を持つてつて、丼鉢を一つつてつて頼めばすぐどうにでもなる、これはいなくなつたから言うのだけれども、これは大よそのつかみなんです。そういうつかみではいかんから、もつと科学的な原価計算をして、その上に積上げて価格を決定しようじやないか、今あなたのほうも努力しているし、我々のほうも努力している。そういう過程において農林省は一遍も通産省にこういうものの資料を要求しないということは怠慢だと思うが、どうでしようか。私はいつも申上げるように心からあなたを尊敬しているが、こういうことについてなぜ通産省に要求しないのですか。仮に今まで要求しなかつたとしても、改めて要求してもらいたいと思うが、されますか。同時に柿手さんに伺いたい。農林省から若しそういう要求がありましたら、どうしますか。
  213. 鈴木一

    鈴木一君 私別にこの法案を通さないといつてここで議論しておるのではなくて、国内価格を下げるように又従つて輸出のできるように、本当に硫安工業を合理化したいというようなまじめな観点から法案の審議に当つておるわけなんでありますが、私は柿手さんの先ほどの御答弁では甚だ遺憾だと思うのです。今までそういつたような原価計算がなかつたとしても、これだけの重要な法案をここに出す前提として、当然農林省の責任においてできるだけのことをして原価計算をつかんでいるということが私は前提条件だと思う。そういうことが一つもなされないでこの法案を出されるのは、結局メーカのほうから言われて、出血だと言うからやつて来たということだけに過ぎない。物が足りないときの統制ならこれはいざ知らず、余つているときの統制というものは、これは結局カルテルを合法化するというような結果に陥ると思うから、私たちは一生懸命にメーカーのためにも農民のためにも原価計算を是非出してもらいたいということを要求しておるわけでありますけれども、今までの御答弁は非常に我々をばかにしたような答弁でしかないので、私たちとしてはここではつきりと、そういう原価計算を出せないというなら、どうもこの法案の審議ができないというように思うわけです。
  214. 河野謙三

    ○河野謙三君 私の今お尋ねしたことについて御答弁下さい。
  215. 柿手操六

    説明員柿手操六君) これは官庁内部のことでございまするから、いろいろ内容にもよりますが、今農林省と私どものほうで肥料の行政をやつておるのでございますから、お互いに資料の交換をして円満にやつて行かなければならんと、こういうふうに考えております。
  216. 河野謙三

    ○河野謙三君 いや、円満にやつて行くということは、今まででも円満だと私は信じます。信じますけれども、そういうものを農林省から要求があつたとき、あなたのほうから出せますか。
  217. 柿手操六

    説明員柿手操六君) それは官庁同士でございまするから、それは私たちはそういうふうにしていいと考えております。
  218. 河野謙三

    ○河野謙三君 そうしますと、農林省はすぐ要求して下さい。要求してくれますか、これを伺います。
  219. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) これは別に改まつて要求するとか、しないとかというようなことでなくて、柿手部長が先ほどお答えしましたように、事実上よく連絡をいたしまして、必要な資料は交換するという建前で行きたいと思います。
  220. 河野謙三

    ○河野謙三君 今までちつとも要求していなかつたと言うから、改めて要求して下さいと言うのです。同時にもう一つ伺いますが、農林省は開銀に融資を依頼している六社の原価計算はあなたのほうで見ておりますか、御存じありませんか。
  221. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) これは生産のほうでございまして、私どものほうは全然関係しておりませんです。
  222. 河野謙三

    ○河野謙三君 なぜそういうものを要求して原価を農林省自体がつかもうとしないのですか、本当にこれは見ていないのですか。私は当然こういうものは原価をつかむ一つの基準になるのでありますから要求すべきである。又見るべきであると思う。本当に知らないのですか。見ていなければ、これも早速見て下さい。見てくれますか、柿手さんそれを渡して下さいますか。
  223. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) ありように申上げまして、農林省に見せたらプラスになると思えば業界は見せますが、けれども私どもに見せて値を下げられるという心配があるときには見せないのです。(笑声)そういうわけで御了承を願います。
  224. 河野謙三

    ○河野謙三君 だから業者は出しませんよ。出さんけれども農林省は通産省に見せてもらうことはできる。この書類は……。先ほどのお話のように、柿手さん、何と言つても開銀に融資を依頼する場合は、あなたの手許に行つて、一件書類はあなたの手許で一遍目を通して、意見なら意見を出して、それから開銀に行くのでしよう、事実は……。これは肥料に限つたことではない。これはあなたの手許にあることは間違いない。だからそれをあなたは同じ肥料行政が二元行政になつて農林省と通産省とがやつている以上は、仮に農林省から要求が出なくても、今度はこういうものが出たということは秘密でも秘密でなくても、何でもいいから私は通産省のほうから農林省に出すべきだと思う。お互いの間で連絡は密にいたしております。仲よくやつております。と言つておりますが、どうもやつていることは口とは違う。言うことはうまくて、やつていることはとんまだ、私に言わせれば……。又先ほど柿手さんの私は十七社の原価計算はわかつていない。これは信じますよ。信じますが、これをあなたの言う通りにとつても、その十七社の原価計算を何とか押えようと思えば、六つの会社をやはり開発銀行に……。だからその六社のやつを押えれば直ぐ出ますよ。自動的に出ますよ。これは誰だつてできる。一人もスタツフを持つていない農林省でもできますよ。私でさえもできる。こういうことをやることによつて私は農林省が至急に適正なる原価というものをつかむべきだと思います。そういうことを直ぐにやつて、これは一週間待つたらできると思いますが、一週間後にはそれを出してもらえますか。(「議事進行」と呼ぶ者あり)議事進行と言つても、待てよ。
  225. 江田三郎

    江田三郎君 答弁するかい。
  226. 河野謙三

    ○河野謙三君 答弁じやない。事実だから仕方がないよ。
  227. 江田三郎

    江田三郎君 黙して語らずか。
  228. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 私どもとして必要な場合は、勿論いろいろなお話合をいたしまして必要な資料は出して頂くようにいたしたと思つております。
  229. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は最後に議事進行でお願いいたしますが、委員長は今日の委員会の質疑応答の経過を見まして……、これは政府は出しません。特に私はこれは柿手さんのあなたの気持はよくわかる。わかつているけれども、私は苦しいというところなんだよ。わしもあなたの首を締めるというような悪趣味は持つていない。あなたの立場上いけない。だからあなたの立場を離れて、この資料を我々が要求するためには、かねて私から要求いたしましたように、委員長から成規の手続をとつて、速かに私は資料の要求を政府に向つてしてもらいたい、こう思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  230. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  231. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。それでは只今柿手部長の発言に対して質疑の次第もありましたので、次回においてこれが処置について決定して行きたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  232. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないものと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時四十四分散会