○国務大臣(
保利茂君) 丁度「すけそう」の漁期を迎えて、漁船がかなりの
被害を受けましたことは実に残念に思
つております。最も緊急を要すると現地に行きまして拝見もし、且つ、いろいろ聞いて見ましたところからしましても、三千数百戸一挙に灰燼に帰した岩内町の
事情が、全くまあいわば「すけそう」によ
つてあの町が立
つておる。而も漁船の大半を、或いは焼失、或いは風浪のために大破して、大体三百五隻出漁予定をしておる。然るところ、緊急修理等をいたしても百四十隻ほどしかまあどうにもならない。併し岩内町のとにかく復興の元は、如何にしてこの「すけそう」漁獲を予期
通りにいたし得るかどうかというごとにかか
つて来るわけなんで、丁度私は田中知事の同行を願
つて岩内町に参りました。つぶさにその後の状況を見ますと共に、特に「すけそう」漁業に対する
措置として、どうしてもまあ道庁の計画としても緊急修理をして間に合うものは間に合わせる、問に合わせられない部分については道内若しくは道外から雇船をして、とにかく二百五隻で出漁する予定の漁夫は全部とにかく乗組んでもら
つて、二百五隻に至らずともできるだけ働いて頂けるようにして行かなければならんのじやないか。そのぎりぎりのところはどうしても百六十隻くらいは出さないと全体が出られないというような
事情のようでございまして、それは道庁でも機宜の
措置をと
つてくれておりますが、取りあえずこの雇船なり、或いは漁具調達等についての一億数千万円の融資
措置はこれはもう岩内町復興という上から言
つても絶対にこれは避けられないことで、道庁でもとにかくや
つてくれ、やりますということで大体その手配は済んであるようであります。私のほうとしましては当然それについての
措置はもう講じている。それで大体「すけそう」漁期はそれによ
つてとにかく出て行くという処置はと
つておるわけであります。併し広汎に、とにかくひとり北海道のみならず
全国的に、無論漁船の中心は小型漁船でありますけれども、相当無数の
被害を受けておるわけであります。これの
措置につきましてはその対策本部におきましても水産庁におきましても復旧
措置につきまして
検討いたしておるところであります。何らかの特別の
措置を講じなければならないというのが私の考えであります。
それからこの薪炭風倒木の処置について私も特に、林野庁長官も一緒に御同行願
つて、道内のひどい所を見たわけでございます。考えとしては大体
お話のようにとにかくあれだけの風倒木を出している、而も冷害凶作によ
つて北海道の
被害が単なる台風
被害というよりも冷害凶作がより深刻な広汎な
被害をもたらして来ているわけであります。これだけの風倒木を出したということは実に今日資源の大事なときにえらいことでございますけれども、同時に又北海道の
実情からしてこの風倒木を御趣意のような気持で処理することによ
つてかなり凶作対策としても寄与し得るのではないかということを、私ども初めからそういうことを考えております。いろいろ、無論国家の事業でございますからそうルーズなことはやれないと思いますけれども、併しとにかく余り従来の慣例がこうだとか、あとに又悪例を残すとか何とかいうことにとらわれずに、
一つできるだけのことはや
つてもらいたい、やりますということを現地で私言
つて来ているわけであります。林野庁長官も大体その
方針をと
つて、或いは薪炭木等の利用とか、その他固有の事業を、今回の北海道の
災害に全面的に寄与し得るように、無論これはそうむちやなことはできるはずはございませんけれども、どの
程度ができるかできないかということは無論林野当局の判断に任せなければなりませんが、そういう
方針で私としては指導いたしておるわけでございます。個々につきましてはどういうやり方ができるかということはこれはもう林野庁長官からでもお聞取り願つたほうがいいと思います。それと、北海道の冷害凶作の対策としてまあこれはなかなかむずかしいところだと思
つておりますけれども、とにかくまあ北海道の凶作が予想以上だというその認識の上に立ちまして、特にこの開拓
地帯の中の惨たる
状態、無論まあ全体が同様と申しましても、或いはまあ北見のほうはまあ当
委員会からも御調査を頂いておりますからよく御
事情はおわかりの
通り、馬鈴薯にしましても、大体まあ馬鈴薯等は悪い中にも比較的よかつた、よかつたと言われても、北見のほうはかなりの広い面積に亘
つて水を冠つたりなんかしている、馬鈴薯も北見のほうはよくはなかつた、ただ十勝方面を見ますと馬鈴薯等は比較的いい、又例のビート糖は割合に作がない、雑穀、水稲がとにかく無慙な
災害を受けておりますことに対しては衷心から私どもも御同情申上げているわけで、これらの
地帯に対しましては無論千差万別、それは農家のことでございますから、その力の上から見ましても千差万別だと存じますけれども、とにかくできるだけ
実情に即した救済
措置をとらなければならんということで、今日は又内閣の担当責任者として加藤国務大臣も北海道へ出かけておりますし、私のほうとしましてはこれまでも対策を
検討して内閣の連絡本部に持込むものは持込む、大蔵省と交渉するものは交渉してや
つているのでございます。早く冬の来る北海道のことでございますから、できるだけ早くどの道その十分な手が打たれようともこれは今日の
事情から見ましてその辺のところはよく考えて、ただできるだけ早い時期に何からでもいいから手を打
つて行くというよう
なつもりで督励いたしているような次第でございます。