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説明員(
昌谷孝君)
只今委員長からお申付けのございました先般当
委員会の御決議に対しまして、私
どもとしてとりました具体的な
措置を御
説明いたすわけでございますが、先ず
酪農振興法の規定によります生乳の取引の公正化ということが、この九月以来の乳価引下げの段階で、私
どもとして当面先ず努力しなければならん問題と心得まして、
酪農振興法の施行につきましては、
次官通牒を以ちまして各
知事に運用についての注意、心がまえ等の通知をいたしたわけでございますが、更に重ねまして、衆参両院の農林
委員会で今回の乳価の引下問題に関連していろいろ御注意を頂きましたので、その両院の御注意を特に付けまして、更に徹底して各県で、
牛乳取引の文書契約なり、或いは契約に伴う
法律的な斡旋事項或いは
法律以前の
行政措置としての斡旋時項について、県
当局としてこういう心がまえで取引問題についての調整なり、斡旋なりを積極的にやるようにという趣旨の注意を重ねて喚起いたして参りました。なお基本問題にも繋がる問題でございますが、
牛乳の
消費の
拡大と申しますか、確かに現象的には供給過剰というような一応の様相を呈しているように見えますけれ
ども、基本的には私
どもといたしましては、それによ
つて初めて私
どもが
酪農振興を努力いたしておりますことが緒についたと考えられますし、又これによ
つて消賀者
価格の引下を
実現し、
消費の
拡大を図るということが
酪農振興法の基本線であろうと考えまして、
消費の
拡大ということについて特にこの際積極的に処置をとりたい、かように考えまして、午前中も議論のありましたような問題を中心といたしまして、厚生
当局と数回に亘りまして相談を目下続けております。午前中も問題になりました
厚生省令五十二号の所用の修正が
実現することを、先ずこの際差当りの緊急策として取上げて鋭意それを
実現いたして参りたい、併せまして、それが若し
実現されました暁には、何らかの
方法によりまして、その
厚生省令で開かれました新らしい販路開拓の線を、農協等を中心といたしまして実践して参るように、裏打ちをするようた施策を、
厚生省令の
改正に併せまして、私
どもで実施いたしたい、さように考えて目下対策を練
つております。それから
消費の
拡大につきましては、そういつた一般自家
消費と申しますか、
高温殺菌に伴います
消費の
拡大のみでなく、広く
牛乳、乳製品の都市と
農村とを問わない
消費の
拡大、もつと
牛乳を飲むということを、私
どもとしても
消費宣伝といつたような、啓蒙運動といつたような形で推進して参ることが必要じやないか、さように考えまして、そのようなことも今の
省令改正の機をとらえて実施いたして参りたい、さように考えて、具体策を目下検討中でございます。
それから当面の乳価の問題は、先ほど申しました県
当局を通ずる現地での
指導と、それを受けます私
どもの都道
府県に対する協力、援助といつたようなことの態勢を進めて参る必要がございますので、県から逐次そういつた
実情の報告を求めておるわけでございますが、今日までに
酪農振興法によりまして、いわゆる仲立員の任命を終つた県は、その任命の進んだ状況の報告を求めております。県によりますと、具体的に斡旋の申請があつた場合に仲立員を任命し、それを今後の斡旋の
委員としてお願いするというようなことで、全然斡旋の申請もないので、任命も
従つて遅れておるというような事情の地方もあるようでありますが、今日までに
委員の任命を終つたという報告を受けておりますところが数県ございます。着々
法律に基きましての取引の
指導態勢は、県のほうでも整いつつある
状態だと思います。本省におきまする取引
関係で、先ず受入態勢として私
どもが急いで実施いたしましたのは、国会の御修正によりしまして入りました農林省に
酪農審議会を置いて、その審議会で
酪農行政全般についての主要事項の御審議を願うと同時に、県の紛争の斡旋で、なかなか片の付かないような事例が起つた場合に、
農林大臣に助力、協力を求められた場合等にも、この議会を通じまして、いろいろ地方の紛争の斡旋に
指導協力をするという建前にな
つておりますので、その審議会を成るべく速かに発足させるということを考えて、幸い本月の初めに審議会令の施行を見た次第であります。目下審議会の
委員の人選をお願いいたしておりますので、正式の発令は事務手続等ございますが、今月中には少くとも実質上の顔合せができ、いろいろの関連した最近の問題についての御
意見を伺い、私
どもの
方向を定めて行く
一つの
方向が出て参るものと期待いたしております。で、先ほど来申しました
消費の
拡大でございますとか、今後の納得ずくで乳価がきま
つて行くということの
指導を今や
つておるわけでございますが、そういつた
指導を更に具体的にどういうふうにや
つて参るか、そういうことの御相談を早速いたして参る予定にいたしております。
それから需給調整の問題といたしましては、そのようにあらゆる面で
消費の
拡大を図るということが根本義と考えてや
つておりますが、なお
経過的に今回の乳価引下の
理由の
一つとして、各製造業者団体の滞貨と申しますか、乳製品の製造が時期的に相当経営を苦しめておるというようなことが、乳価引下の
理由の
一つに挙げられておるようでございますので、目下その対策として、若し資金の融通等を必要とする製造業者があります場合には、個々具体的に私
どもも御相談にあずかり、適当な資金の斡旋と申しますか、融資
措置についても、この際積極的に御相談にあずか
つて参りたい、まだ具体的に、抽象的にはいろいろ何十億というようなことが言われておりますけれ
ども、個々の企業ごとにこういつた問題がございますので、具体的に
お話を伺わして頂けませんと対策の立てようもないわけでございますが、まだそこまで具体的には参
つておりませんが、特に中小メーカーと申しますか、比較的資本力の弱い
乳業者につきましては、特にこういつたことが
一つの乳価を急激に引下げた原因の
一つにな
つておつたように思いますので、その方々の団体、中小企業協同組合でございますが、中小企業の段階には、特に私
どもも慎重に呼びかけまして、何らかそういつた対策を講じ、合理化しつつ、この苦境を切抜けるようなことに、私
どももできることなら御相談にあずかり、御協力申上げる、その線で乳価の安定を幾らかでも
実現して参りたい、さように思いまして、
お話合をいたしておるところでございます。
大体すべて進行途上の問題でございますので、具体的にと申しましても、
一つのまとまつた対策というようなことで、紙に書いて御報告する段階にはな
つておりませんが、個々に具体的に進行いたしておる状況は大体以上のようなことでございます。