○
説明員(作原政司君) 原でございますが、
只今町田部長からお手許に御配付申上げました資料の結論と申しますか、要約いたしましたところを御
説明申上げましたので、私からはいささか大部に過ぎましたが、お手許に御配付申上げました資料を見て頂く際の要点と申しましようか、多少
説明が足りない点もございまするので、さような点につきまして補足を申上げたいと存じます。
先ほど野田部長から御
説明申上げました通り、この大冊、厚いほうの資料につきましては、私のはうでいろいろ
作況調査の
方法などをより的確な、科学的な
方法にいたしまするところの目的を以ちまして説置しておりまする
気象感応試験、
気象感応試験における今年のこれまでの、これまでと申しますか、八月一日までの
生育の
状況を一応棒グラフ等によりまして取りまとめてみたのでございます。範囲は先ほど申上げました通り、東北、北陸、北海道、それから長野、山梨の県並びに道でございます。で、お手元に配付申上げました、資料につきまして、先はど申し上げまた通り一、二補足をいたしまするというと、三頁を御覧頂きますれば、そこにはこの大冊な
報告の中に載
つておりまする試験地の場所、それから又そこに掲げました品種名別にどういうふうなものを掲げたかということの一覧表でございます。それに基きまして四頁からずつと参りまして四十一頁までは、個々の品種につきまして、又個々の試験地の場所につきまして
生育の経過を要約したものでございます。で、四十三頁に参りまするというと、特に問題にな
つておりまする
出穂期が本年はどういう
状況になるであろうかというような見当をつけまするために、その一つの
方法といたまして幼穂、つまり小さな穂がいつできたか、それから
最高分蘖、つまり分蘖がどんどん増加たしまして、或る時期になりまするというと
最高に達して、それから又ずつと減
つて行くというのが稲の
生育経過でございますが、そういう
最高分蘖の時期は昨年と本年とはどういう
関係にな
つているか、まあそうい
つたことから推定いたしまする、予想されまする今年の
出穂期はどういうふうになるであろうかというようなことを一覧表にしたのでございます。それから四十四頁以下は、主なる測候所の
気象観測の結果を、或いは平年との対比をいたしまして、最有、最低
気温をグラフでお示しいたしましたり、又、五十二頁から以下は、実数を以ちまして今年の
気象の経過を
気象台の成績からそこに転載をさせて頂いたのでございます。
気象の経過等につきましては、すでに皆様御承知のところでございまして、又非常にまずい表でございますが、ここに掲げました四十四頁以下の表を御覧頂くならば、およそ御理解が頂けるかと存じますので、詳細の補足
説明は避けたいと思いますが、一、二この表を御覧頂きます際の御注意と申しますか、そういう点を補足しておきたいと思います。で、
気象から申上げまするというと、四十五頁、
只今お聞き頂きました四十五頁につきましては、これは札幌測候所の札幌
気象台の成績でございますが、真ん中に横に水平な線がございまするのは、平年の値でございまして、それからこの斜線が入
つておりまして実線で結びましたのが本年の平年に対する差でございます。偏差でございます。で、点々がございまするのは、非常に見にくくなりましたが、昨二十八年の
状況をそこに記したつもりでございます。例えば札幌でこれを御覧頂きますると、
最高気温につきましては、六月の下旬、つまり下のほうに六月、七月とそれぞれずつと目盛りが打
つてございますが、六月の末から七月の
状況をずつと御覧頂きますと、
最高気温では平年にかなり近付いておると申しますか、それほど平年を下廻
つた状況は見受けられませんが、最低
気温になりますと、かなり下廻
つておる、かような
状況がございまするので、各地の
気象条件等を
我我のはうでも検討いたしまする際に、単なる日平均、平均
気温で言いますと、いささか問題の焦点を把握しかねるという点もございます。さような点からいたしまして、以下四十六頁は函館、それからずつと主なる測候所につきまして記したのでございます。なお四十六頁につきましては、
只今申上げました四十五頁の札幌と御比較してもらいますと、札幌では今申上げましたように
最高気温の下り方は非常に軽微でございますが、最低
気温のほうが下
つておることを申上げました。ところが四十六頁の函館を御覧頂きますと、
最高気温、最低
気温、いずれにいたしましても平年をかなり下廻
つております。これは先ほど野田部長からも御
説明申上げました通り、本年の北日本におき場ます
状況は一口に申しますと、北東風或いは偏東風の太平洋或いはオホーツク海の冷たい風が人づて参ります
地帯におきまして、特に芳しくない
状況でございますが、それをいささか札幌並びに函館の測候所の成績が示しておると存じます。四十七頁以下は盛岡、四十八頁、
岩手というように、主なる測候所と言いますか、大体太平洋岸、日本海岸を、緯度がほぼ似通
つておるところをそこに記したのであります。さようにいたしまして、北陸のほうに参りまして、五十一頁までそれが図表が続くのでございます。五十二頁以下の表でございますが、これは五十二頁は日平均
気温、これは先ほど申上げましたように、日平均
気温で申しますと、非常に物事が平板的になりますが、一応概念をつかむということには役立ちますので、五十二頁には日平均
気温につきまして、北海道から鹿児高まで、四月以降七月の末まで平年の値に対しまして、本年の差額をそこに書いたのでございます。赤は要するに平年よりは摂氏でそれぞれの赤字だけ低いということを示しておるのでございますが、なお御参考までに八月上旬の
状況を申上げますと、北海道は札幌が〇・五度だけ低い、それから網走につきましては一・五度、それから帯広につきましては一・一度、函館につきましては二・一度、それから青森につきまして二度、以上申上げましたのは、いずれも平年を下廻
つております。併しその他のそれ以下の
地方につきましては、一、二平年を一度或いは一度以下下
つたところもございますが、各測候所とも八月上旬には平年より上廻
つておりますようでございます。要約いたしますと、北毎近を除きまして、全国的に八月上旬は平年を平均
気温におきまして上廻
つておる
状況でございます。五十三頁は同じような平年との比較におきまして、
日照時間を表にいたしたのでございます。この場合赤い印は平年より
日照時間が少なか
つたということを示しておるのでございます。なおこの場合におきましても、八月上旬を御参考までに申上げますと、北海道を除きましたその他の
地区におきましては、
日照時間も殆んど大部分の測候所におきまして平年を上廻
つております。それから五十四頁は雨の
状況でございますが、この五十四頁は降
雨量でございます。これも赤は平年よりは下のほうの備考欄にございますように、平年より少いということでございます。なお御参考までに八月上旬の
状況を申上げますと、札幌から青森までは雨が平年より多くな
つております。その他の測候所におきましては、以下余部と申しますか、一つ宮崎だけが別でございますが、あとは全部平年よりは降水量が下廻り、要約いたしますというと、八月上旬は北海道を除きましては
日照りが多く雨が少くて温度は高いと、こういう
状況で図にしているようでございます。五十五頁以下は、今申上げました平年との差額ではなくて、これはそれぞれの実際の数値、絶対温度或いは絶対の
日照時間数等を御参考までに貼付いたしたのでございます。
以上
気象表につきましては、大体それらの点につきまして補足を申しまして、甚だ恐縮でございますが、前のほうへ帰
つて頂きたいと存ずるのでございます。前のほうと申上げましても、五頁から始るのでございますが、五頁に、実は変な図をそこに掲げてございまして、甚だどうもできが悪くておばけみたいで恥かしく思いますが、これは実は六頁以下を御覧頂きます際の御参考にと思
つて書いたのでございますが、絵が甚だ不得手でございますが、真ん中に斜線がありまして太い棒がございますのは、これはずつと上のほうに、右かたに書いてございますように、稲の主稈でございます。稲の穂稈と青いますか、主稈と言いますか、そういうつもりで書いたのでございまして、それの主稈にそれぞれ下のほうから陥円形、右のほうが少し下
つたような丸を書きまして、そうして下のほうから一、二、三、四というようなずつと、番号がございまして、ずつと上に参りますと、十五というような番号がございますが、これはやや穂稈の節を示しております。或いは節と申しますか、葉つばの数と申してもよろしうございますが、それを示したのでございまして、それから例えば第五番目、下から五番目あたりに左のはうへ、それから六番目から右のほうへと出ていますが、汽車の線路のように出ておりますが、これはいわゆる第一次分蘖と呼びます。そういうものを示しております即ち穂稈から第一次分蘖がそれぞれの節から出て参りまして、それからその線路部から更に枝が出て参りますが、それが第二次分蘖、それから更に第二次分蘖から第三次分蘖が出て参るわけでありまして、その紙の上のほうへほうきみたいな、幽霊みたいなものがずつと出て参りますが、これは穂という意味で実は書いたのでございまして、こうい
つたおばけみたいな絵を書きました趣旨は、要するに先ほども御視察の御
報告にもございました通り、本年の分蘖体形が例年とは著るしく趣きを異にしておりまするので、穂数の推計にいたしましても、それぞれの分蘖の体形を、分蘖がどういうような
状況で推移しておるかということを追跡いたしますことによ
つて、初めて穂数の推定等が可能になろうかと存じております。さような意味からいたしまして、こういう分蘖のそれぞれの主稈或いは一次、二次、場合によりましては三次の
状況等がどうな
つておるかということを私のほうの
気象感応試験で品種別に、場所別にトレイスをしておるのでございます。その意味におきまして、一応ここに模形図を書いたのでございます。で、恐縮でございますが、六頁以下についてそれの大体御覧頂きまする際の御便宜と申しますか、相違点を御
説明申上げたいと思います。実は六頁七頁に書いてございまするのは、私のほうの
水稲気象感応試験につきまして、北海道の旭川でや
つておりまする試験の、而も直管栽培、地域栽培の成績でございまして、八頁、九頁は同じ場所にございまする、つまり北海道の旭川にございまする同じ試験地の冷床栽培の成績をそこに掲載いたしたのでございます。
直播のほうはいささかレアケースでございますから、恐縮でございますが、八頁につきまして御
説明申上げたいと思います。
八頁以下、ずつと先ほど申上げましたように四十二頁に至りまする間はいずれも移植栽培でございまして、以下表の記載様式は全部同じでございまするから、八頁並びに九頁につきまして表を見て頂きまする際の要点と申しますか、そういうところを御
説明申上げたいと存じます。で、八頁の表を御覧頂きまするというと、表が上中下三段にな
つておりますが、一審上欄が
農林二〇万という品種で、これは北海道では
早生グループに入
つておりますが、真ん中が栄光、これは
中生、下のほうが中主栄光で大体
晩生という扱いにな
つております。それぞれ要約いたしますというと、上中下は
早生一、
中生一、
晩生一という気持で以下ずつと各試験地につきまして品種を並べたのでございます。それからそれぞれの品種について御覧頂きますというと、左のほうへ
草丈がございまして、真ん中に一坪
当りの茎の数がございまして、一番右に主稈の、先ほどおばけのような図で申上げました穂稈或いは主稈の葉つぱの数をそこへ示したのでございますが、
草丈から申上げますというと、
草丈には下のほうを御覧頂きますと、田植後二十日、それから右のほうへ田植後四十日とな
つておりますが、それのそれぞれにつきまして左側に斜線がございますが、斜線は昨年の値でございます。二十八年の
状況、それからその右の白い線が本年の
状況でございまして、そういうことで記したのでございます。それから真ん中の坪
当り茎数につきましては、左のほう、それから真ん中の
状況につきましては、今申上げました通りそれぞれ斜線のあるほうが昨年で、斜線でない白いほうが本年ということにな
つておりますが、右の下のほうへ括弧して
出穂期とございますが、
出穂期のところ縦棒二本御覧頂きますと、左のほうは斜線が入りまして、而も実線でくく
つてございますが、有のほうは点々でくく
つてございます。これは左のほうの二十八年は昨年の穂数でございます。
最後にきまりました穂の数でございまして、右のほうの点々は八月一日現在におきます、あとで申上げまするが、特定な
方法によりまして推定をいたしました今年の推定穂数でございます。御承知のようにまだ八月一日と申上げますというと、多くの品種、多くの場所におきましては
出穂までに二週間或いはそれ以上の日がございまするので、そうい
つた非常に早い時期に本年の大体の穂の数がどこいらまで行くであろうかという想定をいたした試験でございますが、その結果でございます。従いまして、点々でそこへ書いたのでございます。先ほど野田部長が申上げました通り、以下各試験地の各品種につきまして、その
出穂期のところの、斜線の入りました部分と、右のほうの点々で書きました部分とを御比較頂きまするというと、本年の予想或いは推定されまする穂数というものがどうい
つた状況に行くであろうかという一つの目安と申しまするか、一つの傾向が御覧頂けるかと存ずるのでございます。実は八月一日におきまする坪
当りの
茎数をここでお示しすれば非常によか
つたのでございますが、実は昨年のそういう
調査成績等がございません等の
関係からお示ししなか
つたものですから、田植後四十日と、その
出穂期に現われまする今年の推定穂数の間にいささか御覧頂きました際に奇異にお感じになる点が出て参るかと思います。場所によりましては、そういう奇異の感を抱かれると思いますが、それは本年の八月一日の値を書かなか
つたということに発するのでございます。それで先ほど申上げました通り
出穂前相当まだ日がございまする八月一日におきまして穂数を推定いたしました
方法でございますが、これは現在私のほうの
気象感応試験或いはその他学者層において、いろいろ御検討頂いておりまする結果を利用して測定いたしたのでございますが、その
方法といたしましては、一株をとりますというと、たくさん茎がついておりますが、それの一本々々の茎につきまして葉つばの、特に青い葉つぱの数なり、或いはその一つ一つの分蘖の長さが、一番長い主稈の長さに対してどういう
関係にあるか、或いはそれぞれの茎の中に小さな穂の源が見えまするが、顕微鏡或いは拡大鏡で見ますと、そういうものが見えますが、そうい
つた点を
調査いたしまして、それから本年の穂数の推定をいたすと、さような
方法によ
つたのでございます。まあ専門家筋ではそれを青葉数
調査、或いは
草丈調査、或いは幼穂
調査、幼穂伸長
状況調査等と申しますが、そうい
つた今日におきまして技術的に可能な
方法をすべてとりまして、それから一応ほほ確実であろうと思われる値い、結果を予測いたしたのでございます。それから一番右につきましては格別御
説明を申上げることもございませんが、主稈におきまする葉つぱの出方を示したものでございまして、その主稈葉数におきまする一審右の
出穂期のところは、要するにこれは留葉の数を示すものでございます。例えば
農林二〇号の場合を御町頂きますと、
出穂期の棒の一番高い所を左のほうへずつとや
つて頂きますと、十一というところに参りますが、要するに北海道の冷床栽培でございますと、昨年は十一葉で
出穂した、こういうことに、留葉に
なつたということでございます。留葉の数等につきましては、栽培条件、
気象条件によりまして、今年はまだそれがどういうふうになるか、私らとしても留葉の数を推定する段階には八月一日では参
つておらないのでございます。
以上のようなことが、この表を御覧頂きます際の要点と申しますか、さようなことでございます。
それから九頁につきまして、又この表が非常に複雑でございますから、一、二補足を申上げておきまするというと、九頁の上のほうを御覧頂きますというと、これ又奇々怪々な表が出ております。九頁の一番上の真ん中ほどに書きましたのは、北海道の旭川におきます
気象感応試験におきまして、先ほど怪しげな図で御
説明申上げました通り、それぞれの分蘖、一次分蘖或いは二次分蘖、三次分蘖いろいろ種類がございますが、そうい
つたそれぞれの分けつ別に見た場合の今年の
状況と昨年の
状況を比較しておりまするが、それをそこに表示したつもりでございます。下のほうに一次、三次、三次と書いてございますのは、要は一次分けつ、二次分けつ、三次分けつということでございまして、それから左のほうの縦軸のほうへ二〇、四〇とございますのは、全体の茎の数を一〇〇といたしました際の一次分けつの割合、二次分けつの割合というつもりで、左のほうの縦軸にはパーセントを以て示したのでございます。一次分けつ、二次分けつ、三次分けつと、それぞれにつきまして斜線が入りましたところに、二十八、それからその右のほうへ二十九とございますのは、二十八は二十八年でございまして、右のほうの点々のほうは本年、つまり二十九年のつもりでございます。二十八年の欄を御覧願いますというと、上のほうが少しすき間があ
つて白くな
つておりまして、その下のほうに斜線が入
つておりますが、この斜線の部分はいわゆる穂に
なつた部分でございまして、
従つて残りました白い部分は昨年分けつは見たが、無効分けつに
なつた、つまり穂がつかなか
つた茎を示すのでございます。御覧のように、栄光につきましては、昨年の
状況では一次分けつは殆んど穂にな
つておりますが、二次分けつは数としては一次分けつよりも多く出ましたけれども、穂の数といたしましてはずつと減
つている。三次分けつは極く僅か出ておりますが、而もその中のほんの僅かだけが穂に
なつたという
状況でございます。本年の田植後四十日百の
状況をそこに点々でお示しいたしますると、一次分けつと二次分けつの
状況或いは三次分けつが昨年とどういうふうな
関係にな
つているかということがおわかり頂けるかと存じます。要は本年は田植後四十日の
状況におきましては、田植後四十日と申しまするというと、この表の九頁の右下のほうへ、そういう具体的な目附を書いておきました。田植後四十日の場合は、旭川の場合は七月十一日にそれが当
つておりますが、田植後暫らくの
状況におきましては、三次分けつは出ておらない。三次分けつは出ておる。それから一次分けつは出ておりますが、一次、二次、三次の
関係を御覧願いますというと、一次は少いには少いが、成る
程度出ています。併し二次の出方が昨年に比べて少い。三次は全然出ておらない。こういう分けつの
発生過程を、田植後四十日の
状況において示してお
つたのでございます。その後の
状況をここに表示しておりませんで、甚だ恐縮でございますが、二次の増加というのが相当多いようでございます。
かようにいたしまして、光はどの青葉或いは
草丈等の
調査等から、それぞれ総合いたしまして推定穂数を求めたのでございます。それから又そこに温度とか、或いは
気温、水温、地温というような表を掲げてございますが、これは
気象台の御成績とほぼ傾向は似ておりまするけれども、こうい
つたそれぞれの、どうい
つた程度に穂になるかというような推定をいたしまする際には、もとよりの測候所の成績を取ましても、必ずしもそれがそこの田んぼの
状況を反映しない場合等もございまするので、私のほうではそれぞれの試験地におきまして、固有に
最高気温、或いは最低
気温、その他を調べておりまして、同時に又稲の
生育を判断いまします際には、本田の水温なり、或いは地温というものを承知いたしませんと、稲の推移をよく把握することができない等の
関係がございまするので、本田の水温、地温等を調べているのでございます。この表は北海道の旭川の場合でございますが、これは先ほど
気象台の表でも補足御
説明いたしました通り、例えば
最高気温の中欄の左のほうの平均
最高気温の
状況を御覧頂きますというと、下のほうに
説明を書いておきました通り、田植をいたしましてから二十日までの
状況では、本年は昨年に比べましてかなり下廻
つておりますが、右のほうの田植後二十一日から四十日までの平均の
状況では昨年を上廻る
状況でございます。これに対しまして最低
気温は、その右のほうのグラフにございますように、田植後三十日までの
状況は勿論下廻
つておりますが、田植後二十一日から四十日までの
状況につきましても昨年と同じというような
状況でございまして、要するに北海道の上川平野或いは札幌方面につきましては、
最高気温は或る
程度いいところに行
つているが、最低
気温は芳ばしくないというような
状況が、北海道の上川平野の本年の
状況ではないかと存ずるのでございます。さような
気温の
関係からいたしまして、下のほうの温度、或いは本田水温、或いは地温等のグラフにつきましてもほぼ似たような傾向が御覧頂けるかと存ずるのでございます。
以上八頁並びに九頁につきまして、表の約束と言いますか、見方等につきまして補足を申上げましたので、以下は別に表のそうい
つた点については御
説明を省略いたしますが、十頁、十一頁は青森県津軽平野の真ん中にございます黒石の成績でございまして、要は真ん中の表の
出穂期におきます穂数等の推定というような欄につきまして御覧頂きますというと、ほぼ昨年
程度には行きはしないかという予測も立
つている次第でございます。
次は十二頁に飛んで頂きますというと、これは青森県の例の太平洋岸にございます藤坂の
状況でございます。藤坂の
状況でございますが、遺憾ながら藤坂におきましては、真ん中の坪当
茎数の表で本年の値が書いてございます。これはいろいろな
方法を講じましたが、八月一日におきましては、まだ穂数の見当をつけることが技術的には全く不可能な結果に相伐
つたのでございまして、これは遺憾ながら本年の穂数見通しが八月一日におきましてはできなか
つたという事情によるのでございます。併し
茎数の増加の
状況は、この田植後二十日までの
状況或いは四十日目の
状況等で、昨年に比べましては非常に低く出ておりまするが、その後の分けつの
状況はかなり旺盛のようでございます。従いまして、こうい
つた田植後四十日におきまする昨年の
茎数に対しまする本年の減収の度合が、そのまま穂数の減収となるということはちよつと考えにくいのじやないか。穂数につきましては或る
程度追いつくのじやないか、もう少し悪さが軽減するのではなかろうかというような感じも持
つております。併し何分にもさような点を実証するには、八月一日は余りにも早や過ぎる段階であ
つたのでございます。
以下御
説明を申上げるのも時間をとるばかりでございますが、先ほど一覧表で御覧頂きましたように、それぞれの
岩手或いは宮城その他東北、北陸等の各県につきまして、その主要な試験地におきまする主要な品種につきまして表示をいたしたのでございます。なおその大要につきましては、先ほども野田部長から御
説明申上げました通りの
状況でございまするので、お暇の折にでも御覧を頂けば甚だ幸いだと存ずるのでございます。
ここでもう一枚実はお配りいたしましたのは、
被害の
状況につきまして薄い
報告書をお手許に差上げているのでございますが、
水稲葉稲熱病
被害状況、その
調査範囲につきましては、先ほど部長から御
説明申上げました通りでございます。その印刷物につきまして一、二補足をいたしますると、第一頁には
調査いたしました結果を一応県別に要約いたしたのでございます。で、作付
面積につきましては、一応参考までに昨年の作付
面積を計上いたしまして、その右のほうに
昭和二十九年八月一日葉
いもち病
被害、それを三段に分けまして、
被害面積、それからその
被害面積が二十八年の作付
面積に対する割合はどうか、それから右のほうに八月一日の
状況から見たその減収は幾らになるだろうかということを表にいたしてあるのでございます。この県別一覧で御覧頂きまするというと、各県或る
程度出ておりまするが、北陸筋が比較的
発生被害の
面積といたしましては多く出ておるのでございます。なおこの
調査をいたしました
方法等につきまして、一、二補足をいたしまするというと、本年の「
いもち」病の
発生状況は、いろいろ農家のほうにおかれましても
防除活動をいたされました等の
関係もございますし、又
気象の
状況等も関連いたしまして道路或いは畦畔等から一見いたしました際には、「
いもち」病の発見と申しまするか、「
いもち」病かどうかというような点の判定がやや不完全になる虞がございます。従いまして、私らといたしましては非常に重大関心を払われておりまする「
いもち」病の
被害状況調査でございますので、
調査いたしまする田んぼを標本的に抽出いたしまして、その田んぼにつきましては、更に株を任意抽出いたしまして、その一つ一つの株につきましてそれぞれの葉つぱに現われておりまする病斑の
状況を
調査いたしましたのでございます。而もその病斑を全体の葉の
面積に対する割合によ
つて集計表示いたしまして、それからこれは
被害と考えるべきであろう、或いはこれは非常に軽微であるから、
発生面積ではあるけれども
被害面積とは考えなくてもよかろうというように、個々の現場で判断いたしまして
被害面積を確定し、病斑の密度、それから病斑の出ております葉つばの位置、病斑の進行或いは形態等の
状況からいたしまして減収見込量を見込んだのでございます。さような
方法によりまして
調査いたしましたことを御記憶預ければ幸いでございます。なお二頁以下につきましては、それぞれの県内の
地方ごとにどういう
状況に相成
つておるかということを示したのでございます。三頁、につきましては、御承知のように、私のほうの統計
調査、事務所が北海道は札幌、北見、函館、帯広という四つの事務所に分れておりますので、便宜上さような区分によりまして、一番左に書きました。その中を札幌につきましては、石狩
地方とか、空知
地方とかというように、大体その中を地域によ
つて区分いたしたわけでございます。三頁以下は別にそういう統計
調査事務所は県で二つに分れているということもございませんので、青森、
岩手、宮城、秋田というようにずつと県の順序を追
つておりますが、その中を更に青森でございまするというと、津幡と
南部地方というように分けたのでございます。なおこの表から御覧頂きまするというと、一森の場合は右から二枚目の
被害面積率を御覧頂きまするというと、
南部のほうが青森、津軽に対しまして倍くらい出ておる。それから
岩手の場合でございましても、北部山間でございますとか、東部山間のほうが
被害面積レートが高い。それから以下北陸に参りましても、さような傾向がずつと御覧頂けるかと存ずるのでございます。要約いたしますると、先ほど部長が申上げましたように、山間地或いは山添い
地方というところに葉
いもち病の
被害が現われているという
状況でございます。それに対しまして平坦部等は比較的それよりは少いというのが稲熱病の
被害の
状況でございます。以下五頁までさような表が相続いております。六頁以下につきましては、これはほんの御参考の意味で先ほど申上げましたように、田んぼを抽出し、それからその中から更に株を任意抽出いたしまして、それぞれの葉つぱに現われました稲熱病の病斑を調べたのでございますが、それがその中の一部の成績でございますが、そういう
状況を御参考までにそこに掲げたのでございます。この表につきましては、ちよつとややこしくな
つておりますが、一歩上のほうに「
昭和二十九年八月一日現在葉稲熱病病斑密度別分布頻度」と書いてございまして、その中を一一%以上とか三―一〇%、〇、六―二%、こういうふうに分けてございまして、
最後に〇%があ
つて計がございますが、これは
只今も申上げましたように、葉つぱの全
面積を一〇〇といたしました場合の稲熱病の出ておりまする病斑の占める
面積、
従つてこのパーセントが高いほど病斑の密度が高いということになるわけでございます。さような目でこれを御覧頂ければと思
つているのでございます。〇%というのは棄つば別に見ましても現われておらなか
つたということでございますが、さようなブレードによ
つて示しますると、全体としてはかような病斑密度の分布を示しているというのが、先ほど申上げましたと同じような、地域別につきまして以下七頁、八頁、九頁、十頁に
亘つて書いたのでございます。これはほんの御参考までに掲示いたしたのでございます。
大変どうも端折
つて申上げましたが、野田部長の
説明を補足いたしまして以上申上げた次第でございます。