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溝口三郎君 私先ほど申しましたように、
借款の問題は今進行中なんで、そうして
原則的に私は成立することを
希望しているのですが、公にされないうちに、
世界銀行と折衝をしているうちにそれが既成事実にな
つてしまうう。そして
あとで
国内で予算をやる場合なり、法律をこしらえる場合に、それが引つかかりになるとこれは非常に因る問題が出て来る。だから私は疑点のある点は率直に今のうちに
政府もはつきりしておかんと禍根を残すようなことにな
つては困るから一応
質問をいたしたいと考えているのであります。そこで
北海道の問題については、まだ
官房長の
お話では納得が行かないのでございますが、
北海道の点については、これは
資料が配付にな
つていないからわかりませんが、新聞にも詳しく出ていたのです。そうしてそれは石狩川水域の
開発帝業公社を設立してやるのだ。もう
一つ一番重要な問題なのですが、
開発公社が事業を行い、
借款をし、それから償還をするのだ。
愛知用水についてもこれは非常に問題がある。機械は
世界銀行から貸してくれるかも知れんが、
あとの百済金をどうするかという問題なんです。大蔵省や財界の方面では、余剰農産物から来る見込みが非常に少いと、
内地の
食糧増産の費用から削
つてでもそつちに廻すような口振りもある。
農林省ではそれは困るから、若し余剰農産物でいけないなら別枠にしてもらいたいということを強硬に
言つているというのが、これは通るか通らないかわからない。私
どもは
内地の
食糧増産の枠を削
つてまで、
愛知用水一事業
地区のためには、これは是非とも成立するようにしたいのですが、ほかの全体の
地区を削
つてやるというようなことまでは私はまだ
結論はつけるべきじやないと思う。そこでそういう
あとの償還の問題が非常に今問題にな
つているところである。それと
北海道についても問題がある。
北海道は公社を立てて、そうして事業は公社がやり、
借款の主体にもなるが返還も同様に公社がやる。返還する場合に、先ほ
ども申しましたように、四百三十億の
借款の事業費のうち、
借款は
北海道で百八十億だそうです。そうしてそれを六カ年で事業をや
つて四分五厘で二十年賦にすると、毎年払うのが十六億一千五百万円、電気と
農業とアロケーシヨンをや
つて、電気のほうは毎年六億二千八百万円払う、約四割、
あとの六割は
農業が負担するということにな
つていますが、
農業の負担の九億八千七百万円の中で受益
農民が一億五千七百万円出す、
あとの八億三千万円は国が毎年二十年間負担するということになるので、やり方は
愛知用水と同じだと思いますが、その金をどこから国が出すんだということに問題がある。二十年間毎年
北海道の
開発公社は、国から八億三千万円徴収してアメリカに返す、その八億三千万円は、九十四万石の米麦の
増産ができるから、その
輸入価格の補給金が十三億万円毎年浮くんだ、それを必ず供米するその分だけは減らすんだ、そうして補給金が十二億九千万円浮いて来るから、それを見返りにして国は毎年六億二千八百万円を返して行くんだ、私はこの点がこの間新聞に出ておりましたから、先日の農林
委員会で
食糧庁の
長官にお伺いしたのであります。昔から
食糧増産をや
つているのは、
農林省の政策として、私は
食糧庁と、そうして農地の
土地改良をやる、両方でできるだけ連絡をした
農業政策としての
食糧増産をや
つて行く必要があることを痛感しているが、今まで少しもできない。
食糧増産をや
つた部分の一
部分でもいいから、必ず供出に
計画的に組入れて、そうして、その分は食管の会計から幾分でも奨励金のような意味で出すような
方法を私はやるなら、ばいいんじやないか、それが今度の
借款について、いいか悪いか知らんが、
北海道はそういう
方針にや
つているように新聞に詳しく出ているから、私がお伺いしたら、前谷
長官は全然知らないと言うから、だから私はこの農地改革の四
地区は一体
農林省の省議できめたのか、
政府できめたのか、そうして農地の
開発の
食糧増産の点は
農林省は責任を負
つているかというと、明確でないんです。個々の問題については、これは各省で連絡しているというような公社を立
つて、そうして
北海道の
開発については
北海道が公社を立
つてやるんだ、
愛知用水は
愛知用水でやるんだ、そういう条件が
借款についてはあるから、将来やるならば、ここに公社ができるんだ、先ほど
お話があ
つたが、私はそこまで言うつもりはなか
つたんだが、この
計画概要の事業資金からいうと、これは特別会計みたいなことにな
つている。先ほど
お話があ
つたように、総裁とか、副総裁とか、それから職員というようなものの給与はどこから出るか、そういう事務費系統はまだここには上
つていないから、公社を立てれば
愛知用水についても約三十億くらい余分に費用がかかる。そういうことは付いてない。だから公社で特別会計をやる場合には、これは特別会計のようなやり方だ。公社をやる場合にはこれでは足らない。どこからそういう資金を出すか。この償還のやつを見ると、毎年
農業でも十二は九千万円払うのが十九億四千万円しか財源がないということなんだ。そういうものを含めて来れば困るのじやないかということもある。それよりかもつと根本問題は、
内地については
愛知用水の返還の場合でも、
食糧増産の枠を削
つても払
つて行くようなことを大蔵省でな考えているようなことを
言つている。それを押し切
つて別枠で行けるかどうか。非常に困
つているときに食管の補給金の節約を見返りにしてこの
借款の返還をや
つて行くのだというようなことを英訳にして
世界銀行にすでに私は出したのだと思う。そういうような不統一なことで現在ブロック行政のようなことが話題に出ている。そうして国土総合
開発についても、利根川の総合
開発をやるとか、北上川の総合
開発をやるときに、利根川にも公社を立てる、北上川にも公社を立てるというような問題があ
つて、そのときにはそういう水系ごとの
開発の公社を立てるよりか、一応国土総合
開発法をこしらえて、特別地域をこしらえようというような
経過があ
つたのでございますが、今度
借款によ
つてはアメリカから強要されて各
地区ごとに公社を立てるのだ。そして
愛知用水は公社を立てる。公社をやるとこれは能率はいいかも知らんが、この事業費はこの
計画よりか又三、四十億上
つて行く。
北海道も公社を立てるのだ。そしてその返還の財源は外米の
輸入補給金の節約を見返りにするのだという根本間遠を決定してしま
つて、これを元に私は交渉しているのじやないか。
世界銀行の
調査団も続いて
北海道に行くというが、
北海道は恐らく誰が
説明するか知らんが、そういう
説明を私はしたときに、これは金を貸すほうから言えば償還は一番楽だと思う。ちやんと国がはつきり出すのだ、又食管から出すのだというところまではつきりしているのでありますから、そういう既成事実が、若し
世界銀行ではそれを信用して、こういうことならば
北海道へ金を貸してやる、
内地のほうはまだ返還財源がわからないのだというようなことになることも考えられる。こういう根本問題について
農林省はどういうふうにお考えになるか、お伺いしたいと思います。