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国務大臣(
木村篤太郎君) 御承知の
通り、今度の
防衛庁設置法案、
自衛隊法案によりますると、陸上
自衛隊、海上
自衛隊、航空
自衛隊、こういう三つを創設することにな
つておるのであります。そこで、これらの部隊の行動につきましては、それぞれ
責任者があります。併しこれを如何に動かすかということにつきましては、最高指揮官でありまする
総理大臣は、
保安庁長官、内局、これらに対して十分統制をと
つて行くつもりであります。
そこで、これをどういう……、形は整
つておるのでありまするから、その内容をどうするかということにつきましては、これは今後残された大きな問題であろうと思います。で、
只今のところでは、主として陸上の方面が重きを置かれておるという状態であります。併しながら御承知の
通り、我が国の海岸線九千マイルになんなんとしておるのであります。これを警備するということは、相当力を持たなくちやならんと
考えております。現在持
つております船舶では、到底これは海岸の警備は全きを期することはできません。この方面について相当力を注がなくちやならんことと
考えます。申すまでもなく、警備隊、いわゆる今度の海上
自衛隊は、いわゆる人命救助にまで関与するわけであります。従いまして、或いは最近に起りました北海道のああいう遭難についてもこれは動くわけでありますから、そのためには相当の船が要りまするから、この方面に力を延ばしたいと
考えております。併し御承知の
通り、船を造るということについては非常に金がかかるということ、もう
一つは、船を動かすのに乗員の
訓練、これが一番重要問題であります。船ができても、これを十分に動かすところの人がなければ役に立たないのであります。その乗員の養成については相当年月はかかります。一
通り訓練……、完全なものを養成するのには五カ年かかると見ております。我々は三年でやりたいと思
つておりまするが、先ず五カ年かかると見なけりやなりません。これは今から着々と手をつけておいても、本当に動くということは相当先のことであろうと思います。申すまでもなく、
日本では、今十分なる船が財政上許すことはできませんから、
アメリカのほうからこの艦船の
供与を得たい、こう
考えております。現に交渉しております。この方面に力を相当注ぎたい。
それから空の話であります。御承知の
通り空のほうについては、今、力は何もありません。率直に申しまして実に貧弱なものであります。これは相当整備するについても、非常な金と人が要るのであります。併し我々は今のような程度ではいかんと思
つております。現に海上の警備にいたしましても、飛行機でやることはできないのであります。現在北海道におけるあの遭難にいたしましても、我々のほうで飛行機を持
つておれば、もつと手取り早く遭難船を発見することができただろうと思います。残念ながら持
つておりません。この方面においても相当力を注ぎたいと
考えておる次第であります。これは二十九年度におきましても大したことにはならんということは、誠に私は
日本として残念に思
つております。この方面にも、財政力その他から勘案して、許す限りはこれは増加して行かなければならんと
考えておる次第であります。併し
三軍方式とい
つて十分にバランスのとれたものを作るというこは、私は今の程度においてはどうしてもできかねると思います。本当にバランスのとれたものを作るということは……。それに対してどう処置すべきかということについては、我々は非常に今研究しておるわけでありまして、まだ結論には到達しておりません。