○
参考人(野上元君) 私は全
逓信従業員組合並びに全電波
労働組合、それから全国財務
職員労働組合を代表いたしまして
只今から
意見を申上げるのでありまするが、先ず冒頭に、
内閣委員会が極めて重要な
法案を抱えている重大な且つ多忙な時期に、私たちに
意見を申述べる
機会を与えて頂きましたことにつきましては衷心から厚くお礼申上げる次第でございます。更に又我々の事業につきましては、日頃から関心をお持ち下さいまして種々御後援頂いている点につきましても、本席をお借りいたしまして代表いたしまして厚くお礼を申上げる次第でございます。
さて
行政整理の問題につきまして
只今から
意見を申上げるのでありますが、
一般論としての
行政整理につきましては、私たちここでは深く触れたくないと思いますが、ただ一、二点申上げてみたい点がございます。
先ず第一点は、最近における新聞の論調、或いはその他の雑誌等にも現在の
日本の公務員は非常に数が多過ぎる、こういうことがしばしば論ぜられているのであります。特に現在の
日本の公務員は
国民が七人に一人の割合で抱えている、こういうことが言われております。従いましてこれは非常に
国民にも大きな影響を与えているようであります。この点につきまして私たちは常日頃から遺憾に思
つているのでありまするが、この中には国鉄であるとか、或いは又電気通信であるとか、或いは又専売であるとか、我々のような郵政事業であるとか、このようないわゆる料金制度といいますか料金制によ
つて自前で独立採算でや
つている機関が
相当多く含まれているのでございます。而もこれらの数は非常に
ぼう大な数に上
つているのでございます。七人に一人の割合で税金を払
つてこれを抱えているということは、私は当らないというふうに日頃から考えております。この点について非常に遺憾に思
つている次第でございます。
先ほど午前中来、
行政整理賛成の
立場から御
意見の御発表がありました諸先生がたにおかれましても、大体公務員は多過ぎる、こういう漠然とした考え方から賛成せられておつたように考えるのでございますが、こういう点も大きく私たちは影響しているのではないかというふうに考えます。この点については私たちは
機会あるごとに今後
国民に啓もうして行かなければならんというふうに考えておりますが、どうか諸先生がたにおかれましても、そういう点につきましても十分なる御考慮が願いたいと考える次第でございます。
更に又もう一点は、これは田中
参考人の
意見にもございましたように、無計画なる天引
整理は却
つて逆効果を生む、こういうことが論ぜられておつたのでありますが、私全く賛成でございます。このたびの
行政整理の全般を見まするならば、明らかに
行政機構改革と並行いたしまして、そうして合理的なる
整理を行うというのが
政府の方針であつたように聞いておりまするが、最近におけるところの
状況は諸先生がた御案内の
通りであります。
行政機構改革は遂にさたやみになりまして、ただ
行政整理のみが行われる、こういう
状態にあるわけであります。従いまして私はこれは明らかに天引
行政整理であると断じても間違いはないのではないかと考えるのでございまして、無計画なる天引
行政整理こそ、むしろ逆効果を生むものではないかというように考えておるのでございます。更に又、
行政整理と申しますると机上プランでは簡単にできると考えまするけれども、我々現業に従事しておる者にとりましては、やはり自分の生活に
関係する重大な問題でございます。又
国家にとりましても
社会全般の見地からこの問題については周到なる準備の下に行われなければならんというふうに私たちは考えておるのでございまして、そういう点につきましても今回のやり方について私たちは
反対をせざるを得ないのでございますが
一般論につきましては、私は多く触れたくございませんので、我々
現業官庁並びに現業に準ずるところの官庁に勤めておる従業員、或いは又
労働組合の
立場から、これから若干事例を挙げまして御説明申上げたいと考えるのでございます。
先ず郵政事業について申上げたいと考えまするが、この先ず第一点は、我我が
反対しなければならんのは、本席で申上げても仕方がないことでございまするけれども、先ず
定員法というものに私たちは拘束されております。ところが一方私たちと同じような
現業官庁であるところの国鉄、或いは電通、専売等々におきましては、
定員法のわくから外されております。従いまして
定員法とは
関係なく、
労働組合と当局との間の話合においてこの
定員をきめて行く、こういうシステムにな
つておるのでございまして当然我々の場合におきましても、このような制度が好ましい、このように考えておる次第でございます。従いまして今後我々はそういう方面に向
つて努力いたしますが、諸先生がたにおかれましても、どうかそういう点も御考慮願いたいと考えておる次第でございます。従いまして今度行われました
行政整理は、天引
行政整理でございます。
定員法に基く天引
行政整理であることは申すまでもないのでありまするが、そういう
現業官庁である我々の郵政企業につきましても、やはりこの
首切り、天引の
行政整理が行われておる。こういう極めて無計画なる方策が取られたということについては、心から遺憾の意を表せざるを得ないのであります。では郵政現業がどのような
状態にあるのかという点についてこれから事例を挙げて申上げてみたいと考えるのでございます。
先ず郵政事業の
定員の
状況を申上げまするならば、現在二十五万五千二百五十五名現行
定員がございます。これが今度二十五万二千百十一名ということになりまして三千百四十四名の
整理に相成るわけでありまするが、この二十五万五千二百五十五名のほかに全く
定員と同じような
勤務をしておる者が
常勤労務者と申しますが、これが二千二百名ございます。更にこの
常勤労務者と全く同等のような
勤務をいたしておる者が
定員的配置の
非常勤、こういうような専門的な言葉を使
つておるようでありますが、
定員的な配置を行われておる
非常勤が三千四百名ございます。更に又純然たる季節的な繁忙のための
非常勤、例えば夏季繁忙でありますとか、暑中見舞のときの繁忙でありますとか、或いは又年末時におけるところの繁忙、こういう各繁忙に対処するための
非常勤が大体年間延べ百二十万人程度雇用されておるのでございます。このような
状態で郵政事業というものの歯車が廻
つておるのでございますが、このたび三千百四十四名の
定員が減らされるということになるのでございます。これが先ず郵政事業の
定員の
状況でございます。
そこで
反対の論証を挙げて参りたいと思いまするが、郵便物の増加は非常に最近増高のすう勢をたど
つております。具体的に申上げまするならば、
昭和二十六
年度に
比較いたしまして、
昭和二十八
年度の郵便物増加の
状況を申上げますと、物数等については非常に細かいので省略いたしますが、ただ増加パーセンテージのみ申上げてみたいと思います。第一種郵便物は一〇%増加いたしております。第三種郵便物におきましては一六%の増加でございます。第四種郵便物につきましては六〇%の増加と相成
つております。更に第五種郵便物については六〇%、このように普通郵便がこういうふうな増高のすう勢をたど
つておるのでございます。更に又特殊通常郵便物と申しまして、速達郵便であるとか或いは現金を入れた郵便物であるとか、その他の特殊な通常郵便物でございますが、これは速達が大体一一%増加いたしております。それから現金を封入しておりまする郵便物が五〇〇%増加いたしております。その他が一〇%、こういうふうな増高のすう勢をたど
つております。更に又内国小包郵便物につきまして申上げまするならば、これは普通小包郵便物、普通速達小包郵便物、更に書留小包郵便物という種類に分れておりますが、普通小包郵便物は四〇%増加いたしておるのであります。普通速達は二二〇%、それから書留小包は一四%、いずれもこのように増加いたしております。更に又外国の引受郵便物がございまするが、このすう勢を申上げますると、通常郵便物は一二%、外国引受郵便物のうちの通常郵便物が一二%を増しております。小包郵便物に至りましては四三%増しておる、こういうふうな
状態でございます。これは郵便に一例をとつたのでありますが、貯金、保険等につきましても
ぼう大な増加を来たしております。この点につきましてはのちほど諸先生がたに明確な
数字を以てお手元にお送りしたいと思
つておりまするが、本日の
公述には省略いたします。
このように郵便物の増高のすう勢は明らかにな
つておるのでありまするが、一方
定員は二十四
年度の初頭におきましては二十九万二千八百七十名おつたのでございますが、
数次に亘る
行政整理によりまして、二十八
年度におきましては、
先ほども申上げましたように二十五万五千二百五十五名に減
つておるのでございましてその間三万七千六百十五名の
整理が行われておるのでございます。このようにして郵便物は一方において増加の一途をたど
つておるにもかかわらず、
定員は毎年毎年減らされている、こういうふうな
状態でございます。
而してこのような
定員減を以てこの増高する郵便物に対処するために一体現業はどのような
状況にな
つておるかと申上げまするならば、労働基準法できま
つておりまするが、我々の
労働条件といたしまして、一年間に二十日間の年次休暇というものが付与されることに相成
つておりますが、この年次休暇が現在全然とれないというのが郵便局の
実態でございます。そうしてこれは毎年その二十日は重な
つて、累計してとれることにな
つておりますが、現在郵便局におきましてどれくらいたま
つておるかと申しますと、一人平均大体五十日の年次休暇を保有しておるのでございます。従いましてここ二、三年来、一日も一人もとれない、こういう現状が出て参
つておるのでございます。このような
状態で郵便の操作が行われて、郵便局の事務が運行されているのでございまして、これは極めて
他省には見られないところの特殊条件であると考えるのでございます。そうしてこの五十日の保有されている年次休暇が、然らば買上げられるかというと、買上制度というものは全くないのでございます。従いまして従業員もこの買上制度がないということを
承知しておりながら、而もなお且つ自分らの休暇の権利を行使できないで五十日を保有している。こういうような
実態にあるのでございまして、この一点をついて見ましても明らかに一万名以上の私たちは
増員をしなければ、この年次休暇は到底解決できないというように考えられるのでございます。この点につきましては当局としばしば私たち折衝して参りました。当局の申すのには、その点については非常に残念であるけれども、よくなることを期待して一つ待
つてもらいたい、こういう答弁が再三繰返されておるのが
実態でございます。然らばいついい解決される時期が来るのだということについては、全く五里霧中でございまして、むしろ現在のところでは殆ど望み得ないというふうな実情にあるのでございます。更に又週休というのがございましてこれは我々一般の
勤務者は一週間に一度の日曜日がございます。ところが例えば郵便を配達いたしまする外務者につきましては日曜を休むということは確定的にはきま
つておりません。一週間に一度だけは休めるのだ、こういうことが規定されておりますが、この一週間に一度休むという、これこそ我々の
労働条件については誠に当然なものでありますけれども、これさえもとれないというのが実情でございます。これは全部とれないとは申上げませんが、これがしばしばこの週休も返上して同僚に代
つて配達におもむく、こういうような
実態が随所に而も
相当多く見られるのが実情でございます。このような
状態でございまして、更に又超過
勤務というのがございますが、これは大体各省とも同じと思いまするが、一カ月に一人平均五時間の超過
勤務というものが
予算上計上されているのでございますが、この五時間では到底まかない切れないのが
実態でございます。私たちが調べたところによりますと、一日一人平均二、三時間の超過
勤務が行われておるということがはつきりといたしております。これは我々がみずから調査いたしたのでありますが、そのような
状態でございまして、従いまして
予算は一カ月五時間でございますから、あと数十時間の超過
勤務というのは我々みずからが奉仕しておるというのが実情であるのでございます。このような
実態にあるのでございます。更に又郵便局は非常に庁舎の悪いところもございますし、そのようなまあ過酷な
労働条件で現在郵政事業を守
つておりまするけれども、非常に病人が出て参ります。最近における
統計は、これは
本省が出した
統計でございますが、結核患者が二十八年の六月には六千一百十三名、同年九月には六千四百五十二名、同年十二月には六千三百九十五名、こういうふうな長期結核患者が出ておるのでございます。これはいずれも長期欠勤をいたしまして、現在療養に努めておるのでございますが、その他健康管理によ
つて発見されました
要注意者の数は実に二十七
年度末におきまして一万九千三十一名を数えておるのでございます。而もこの死亡率は薬品のほうの改良によりまして最近とみに低減して参りましたけれども、患者の数は依然として増高の一途をたど
つておる、こういうふうな
実態にあるのでございます。
このような
状態を見まするならば、明らかに我々の
定員をこれ以上
削減することは、到底不可能ではないかというふうに私たちは考えるのでございます。この点につきまして
本省側におきましてもそういう点については十分に了解いたしまして、二十九
年度予算の
要求に当りましては、一万八千名の
増員要求をみずから行
なつた事実を私たちは知
つておるのでございます。郵政省みずからが一万八千名の
増員をしなければ、
先ほど申上げました点の解決はおろか、現在の郵政事業を円滑に守
つて行くわけには行かないという結論を出して
要求したものと考えるのでございます。この点については、私たちの交渉の席上しばしば言明しておるところでございます。そのようにして
本省自体もやはり
増員の
要求をしなければならない、こういうふうな
状態にあるのでございます。以上の点を考えてみまするならば、明らかに今日の
行政整理は我々郵政事業に従事する者にと
つては、誠に冷酷無情なものと言わざるを得ないのでございまして、この点については諸先生がたの格段の御配慮を
お願いしたいところでございます。
更に又事業の
実態を若干述べてみたいと思いまするが、現在
先ほど郵便物の物数等について申上げましたが、
実態はどうかと申上げますると、私たちみずからの手によ
つて調べたここに調査がございまするが、東京都内の国分寺という郵便局を調べたのでございますが、これは郵便配達について調べてみますと、大体郵便配達の
勤務時間というのは一日七時間と五十分にな
つております。一日七時間五十分がこれが
勤務時間にな
つておるのでございます。そこで外勤はその特殊性から見まして朝午前七時に出勤をいたします。そうして大体一号便というのを午前十時半に終了いたします。そうしてその間三時間というものは休息いたしまして、午後一時三十分から再出発をいたします。そうしてこれは早く帰
つて来なければならんのでありまするが、
実態は午後の八時三十分までもや
つておるというのが現在の
状態でございます。これは単に国分寺のみでなく私たちが十数個所によ
つて調べましたが、殆んどこのような
状態にあるのでございまして、これをはつきり
数字を以て申上げますると、延十三時間と三十分を
勤務いたしておるということに相成
つておるのであります。勿論この中には三時間の休憩時間がございます。併しながら現在の住宅の
状態から行きまして、三時間休憩するといたしましても、これは家に帰
つていいことにな
つておりますけれども、到底家に帰
つて又出て来るというようなわざはできないのでございまして、やはり郵便局の外勤者のたまり場所にたむろして次の第二号便の出発を待つ、こういうふうな
実態にあるのでございまして、明らかにオーバー・タイムが
相当行われておるというのが実情でございます。これを何とかして救わなければならんというふうに考えておりまするが、現在の
定員ではどうすることもできないのが実情でございます。更に又簡易保険、生命保険を我々のほうでや
つていまするけれども、この保険の現在緊縮財政に貢献するところが極めて大きく期待されておりまする
関係上、
相当ぼう大な額を割当てられまして、これに向
つて我々は努力いたします。
国家の財政
経済安定のために努力いたしておりまするが、これらの問題につきましても、保険の募集というものは極めて困難な事業でございます。普通の日に行
つてもそこの主人がいないので、遂にとれないという場合が多いのでございまして、どうしても土曜日の午後を利用するとか或いは日曜日を利用しなければならん、こういうふうな
状態にあるのでございます。私もこの前の日曜を休んでおりましたら保険の募集人がや
つて来まして募集をされたのでありまするけれども、そういうような
状態でございます。それで募集人に聞いてみますると、やはりその日曜日にやつた超過労働については全然補償されておらないというのが彼らの偽わらざる話であつたのでございます。このような
状態が全国一斉に行われているというのが今郵政事業の
実態でございます。これは貯金の部面におきましても、保険同様重大な財政資金の根源となる貯金事業におきましても、同様のことを申上げることができるのでございます。更に又郵政
委員会におきましていろいろ論ぜられたのでありまするが、確かに都市の郵便局においてはもはや
削減の余地はない、こういう結論を出しておられます。むしろ
増員してやらなければかあいそうだというふうなことを異口同音に各
委員、先方がたが申されておつたのでありまするが、いなかはどうかと申上げますと、いなかも依然としてやはり
増員しなければならないというのが
実態でございます。例えば全国一万三千に近い特定郵便局というのがございます。昔請負制度であつたのであります。現在は
政府の直轄で行な
つておりますが、大体小さな局が一万三千ほど全国にばらまかれておるのでございまするが、この局には全部宿直要員というのが配置はないのでございます。従いまして宿直は全然やらなくてもいい、こういうことにな
つております。併しながら、郵便局の
公共事業を守るという
立場から、やはり我々としては率先してこの宿直を引受けなければならん、こういう
状態にあるのでございます。そうして女の子を宿直室へ一人泊めて問題に
なつたという実例もございます。このような
状態で宿直が行われておるのでございまするが、極めて危険なことであると申さねばなりませんし、このような
状態をいつまでも放置するわけには行かない、こういうふうに私たちは考えておるのでございます。従
つていなかの問題におきましても、そのような
状態も出ております。更に又電報配達というのが、いなかの局では行われております。この特定郵便局においては行われておりまするが、この電報配達も、従来は配達の要員が
定員の中にありました。ところが二十四年の
行政整理におきまして全国三千八百局に亘りまして
定員が一斉に落されたのでございます。その基準は大体一カ月に百五十通以下の電報配達がない局においては
定員は要らないということで
定員が落されてしまいました。従いまして我々としてはやむを得ずその日その日の請負を頼んでその電報配達をやる、こういうことにな
つておりまするが、この電報請負配達人に対する補償金といいますか、給付が非常に低いのでございまして、大体一カ月千五百円から二千円くらいしか
給与できないので、全然この請負に応ずる者がない、こういう実情でございます。更に又請負を実施いたしましても、これはいなかのおじさんが自転車に乗
つて電報配達する、こういうふうな
状態に、百姓の手間でやる、こういうふうなことになるのでございまして、信書の秘密を犯すという意味においても重大な関心を払わなければなりませんし、更に又
政府事業の威信も失ついすること甚だしいものがあると言わなければなりません。大体制服を着た者がこれを配達することにな
つておりまするが、麦わら帽をかぶつたいなかのおじさんがこれを配達しなければならん、こういうふうな実情が出ておるのでございます。そういう請負者がいるところは先ずいいといたしましても、おらないところはやはり
職員が夜又一晩とま
つて電報配達をやらなければならん、こういうふうな実情にあるのでございます。これらについても依然として超過
勤務が支払われておらない、こういうふうな実情にございます。
以上郵政事業の全体につきましてかいつまんで申上げたのでございますが、これらの点につきましてどうか諸先生方におかれましては、これ以上郵便事業を
削減するということについては重大なる関心をお払い下さるよう
お願い申上げたいのでございます。私たちは先般日曜の郵便配達を廃止するかどうかという問題で郵政当局と論争いたしました。郵政当局におきましては郵便物の日曜配達をやめよう、こういう計画を一応立案いたしたのでございまするが、私たち組合といたしましては今
日本の
社会情勢、或いは
経済情勢、政治情勢から見て日曜の配達を廃止するということは重大なる影響を与える革命的な変更であるので、これは軽々に行うべきことでないということで当局に迫りまして、遂に田村郵政大臣のときでございましたが田村大臣も了とされまして、ではもう一度考え直してみようということにな
つて日曜の配達は依然として行われておるのでございますが、このようにして
定員がどしどしと
削減され一方郵便物がどしどしとふえて来るというような
状況を切り抜けるためには、私たちはサービスの低下もどうしてもやらざるを得ないではないかというふうなことを当局と話合
つておりまするが、当局の中にもそのような考え方を持つ人が出て参
つておるように聞いておるのでございます。例えば日曜の配達を廃止するとか一或いはその他いろいろございますが、そのようなサービスの低下もやらざるを得ない
状態に追い込まれるのではないか、こういうことで実は非常に私たちは深憂いたしておるのでございます。併しながら我々としてはあくまでもこの
定員削減をできるだけ食いとめて、従来
通りのサービスを
国民にこころよく提供して、そうして
日本経済の
再建のためにも私たちは微力を尽したいというふうに考えておるのでございます。この点につきましてはどうか諸先生方におかれましてもそういう万般の情勢を十分御勘案下さいまして、
現業官庁におけるところの
行政整理については特段の御配慮を切に希望いたしまして私の全逓に関する陳述は一応これで打切りたいと考えます。
続きまして郵政省の中に電波監理局というのがございます。この電波監理局もやはり現在
行政整理を行わんといたしております。で、これについても我々は
反対の
理由を開陳申上げる次第でありますが、どのようにな
つておるかと申し上げますると、二十四
年度におきましては施設数といいまして局が大体四千八百五十五局あつたのでございます。当時
予算定員は三千九百七十七名でこの四千八百五十五局に
勤務いたしております。それから二十九
年度の三月におきましては局が一万一千百六十八局にふえておるのでございます。にもかかわらず
定員は二千九百十六名に落ちておるのでございます。更に又三十
年度におきましては一万四千五十二局の設置が大体計画されております。その計画されておる増設のときに突じよとしてこの
行政整理が行われておるのでございます。これ以上
行政整理を行うということは到底物理的にも不可能ではないか、このように私たちは考えておるのでございます。御
承知のように電波は重要な現在事業と相成
つて参りました。電波の
検査、監視、
相当その事務量は増大されて
業務部門における
人員整理は殆んど不可能にな
つておる、このように考えておるのでございます。更に又
政府はこの
行政整理の対象を官房部門に置いておるのでございます。官房部門と申上げますのは大体五百人でございます。この五百人のうちから二百十七名を
整理する、こういうふうな挙に出ておるのでありまするが、これは到底不可能なことでございます。このようなことにつきましてもどうか十分に御考慮を願いたいと考えるのでございまして、これはもう物理的限界に来ているのではないかというふうにも考えられるのでございます。更に又
政府の説明書によりますると、局所の統廃合をや
つてこれだけの人間が浮くのだ、百六十名の減員ができるようにな
つているのだと、こういうふうに申しておりますが、これも又局所の統廃合は全然行な
つておりませんし、又
業務の
実態から見てこの統廃合は殆んど不可能に近い、こういうことにな
つておるのでございまして、
政府当局もこの点については先の
委員会で
相当究明をされて回答に困つたのでございます。このような
状態でございまして、電波におきましても僅かな人間の中を
相当の
整理をしようというのでありまするので、極めて無理が行われております。我々従業員の
立場から、このような
行政整理を行うことは現在の事務運行を到底守り抜くことはできないという考え方に立
つておるのでございまして、この点につきましても諸先生がたのどうか深い御考慮を切に希望いたす次第でございます。
次に時間がございませんので簡単に申上げまするが、財務局の財務部の
定員の
削減についてでございます。御
承知のようにこの財務部は国税或いは関税を除くところの大蔵省全般
業務の
地方第一線総合
出先機関として
国家財政金融
経済等の根幹をなすところの重要な
業務に従事しておるところの行政機関であることは、先生がたすでに御案内の
通りでございます。特に
予算の編成のための
資料収集或いは又その
予算が適正に使用されておるかどうかという
検査を行うところでありまするが、二十九
年度一兆円緊縮
予算の効果をあらしめる唯一の機関はこの財務部にかか
つてあると言
つても過言ではないのでございまして、先般来保全
経済会等によ
つて若干の不祥事件が起きておりまするが、この財務部のやはり金融機関統制が非常に、金融機関の何と言いますか統制と言うとまずいかも知れませんが、金融機関に対する管理が不十分である。それは一にかか
つて手不足でございます。そういうことでございまして若しも十全な
定員が配置されておるとしまするならば、こういう不祥事も未然に防止できたということは間違いないところでございます。こういうふうなところから、財務局の財務部の事業は極めて重大なものでございまして、これ以上の
定員を
削減することは非常に危険が伴うと考えなければならんのでございます。又この
予算の適正な使用につきましても、財務部は全国の十局五十四部におきまして、全国の
予算使用の
実態を
検査しておるのでございまして、その
検査の結果この
予算使用にでこぼこがあつたり不正が行われたりということについて、十分な監視を行わなければならんのでございまするが、これが現在
定員が少いためにその
業務の五十分の一も満足に果し得ないというふうな実情にあるのでございます。こういう点についてもどうか諸先生がたの御高配を煩わしたいと考えております。にもかかわらずこのたび八、九%の
行政整理が行われるのでございまして、非常に財務部も危たいにひんしておると申さなければならないのでございまして、こういう点につきましてどうか
委員諸先生の御高配を特に切望して、私の三部に亘るところの
意見の
公述を終りたいと考える次第でございます。長々としやべりまして貴重な時間を消費いたしましたことにつきまして深くおわびいたしますると同時に、
最後まで御静聴頂きました諸先生方に深くお礼申上げる次第でございます。以上をも
つて公述を終ります。