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竹下豐次君 この後も続いてその方向でお進めになるということでありまして誠に結構だと思
つております。自由党の本部においてごの
行政機構改革に関する
委員ができていろいろ審査されたというような
お話でありまして、そのことも私なども承知しておりまして、そのときに私の頭に浮びましたのは、これは恐らく
政府が
機構改革を断行される上にはいい点もあるであろうけれども、むしろ手足をお伸ばしになるのに都合が悪いというようなことが相当に起
つて来るのではないかという疑いを持
つたものであります。それぞれの議員の立場とかいろいろな点などで、甚だ悪い想像でありますが、私の頭に浮びましたものを
考え合せてみると
政府がこれをやろうとされる場合、むしろマイナイの部分が多くなるのではないかというふうの疑いを実は持
つておるわけであります。なお私はこれを今批評したいとは思いません。そして又政党が政務調査をおやりになる、そういう問題を研究されるということは当然なされるはずのことでありますから、それを悪いと言うことは我々が言うべき筋合のものではございませんので、その問題については私は触れたくありませんが、ただ私が
一つ了解できませんことは先ほど
お話のありましたように
臨時行政機構改革本部というものが
政府でできまして、そうしてこの問題をお取扱いに
なつた、それが私の
一つの疑問なのであります。これも併しお作りになることそれ自体を私などがかれこれ非難してもしかたのないことであるとも思いますけれども、私の
考えまするところでは、この問題の全
責任者は
行政管理庁の
長官であるはずだ、その上に
総理がおられる、こういうことにな
つております。
行政管理庁の
設置法を見ましてもこれはよく御存じのはずでありますから詳しく言う必要もありませんけれども、認識を一層新たにしてもらうために私は条文を読み上げてみたいのでありますが、「
行政管理庁の所掌
事務の範囲は、左の
通りとし、その権限の行使は、その範囲内で
法律(
法律に基く命令を含む。)に
従つてなされければならない。一
行政制度一般に関する
基本的事項を企画すること。二
行政機関の
機構、定員及び運営の総合調査を行うこと。三
行政機関の
機構、定員及び運営に関する調査、企画、立案及び勧告を行うこと。四 各
行政機関の
機構の新設、改正及び廃止並びに定員の設置、増減及び廃止に関する審査を行うこと。」こういうふうに
行政管理庁の
長官の権限というものははつきり
設置法できめてあるわけであります。
長官の全
責任でこれをやらなければならないということにな
つておるのでありまするが、この上に特別の臨時
機関というものをお作りに
なつた、これも
行政管理庁長官の
仕事を援助されるという意味であ
つたかと思
つておりまするが、ただ私が不思議に思いましたのは、その本部長に
緒方大臣がおなりになりまして、この
設置法で定められた当面の
責任者である
長官が副部長ということにな
つている。それから官房
長官、文部
大臣、これもやはり副部長にな
つておられる、一人の本部長の下に副部長を三人お作りに
なつたということはどういうことであるかというと、
法律で与えられた権限を、現在で申しまするならば塚田
長官が自由に行使されるに非常に都合が悪いような組織になるのじやないか。まあ副
総理でありまするから、常識的に
考えますると、それでよさそうなふうにも一応
考えられないわけでもありませんけれども、併し副
総理というのは
総理大臣が事故のある場合に臨時に代
つておやりになる
仕事でありまして、普通の
大臣よりも格が高い
大臣であるというようなことは我々としては
考えられないわけで、
総理の代理をされる場合だけが格が高いということに
考えたいのであります。私などから見ますれば、同格の
国務大臣、而もそれが管理庁の
長官でなくて、ほかの
大臣がその本部長にな
つて主たる
責任者の
管理庁長官がその下におつきになるということでは、本当に
責任を持
つて仕事を塚田
長官がやられるのに御不自由はありはしないか。又世間でもせつかく
法律で与えられた権限を行使される
大臣がどれほど
責任を感じて
おいでであろうかというようなことを、これは疑うということにな
つて行くと私は思うのであります。どうしてもこの
機関が必要であるというのならば、塚田
長官を本部長にして、そうしてほかの
大臣で有力なおかたが外部から援助するというような形をおとりにならなければ筋道が立たないのじやないか。こういうふうに私はこの
法律と
関係いたしまして
考えておるわけであります。なお私といたしましてもこれは恐らく
政府のほうでは今のような組織にしたほうが、殊に全般を見ておられる
緒方さんでありまするから、これを本部長にされたほうが都合がいい、
行政長官の
仕事がしやすくなるだろうといういい結果を狙
つてこういうことになす
つたのだろうということは、ものより想像しておる次第でありますけれども、今日の結果から見ましてその本部の働きというものがちつとも現れておりません。のみならず世間の或る者はこういう組織があるがために却
つてうしろから
長官が引張り落されたというようなことがあるような非難さえ一部では実は起
つておるわけであります。やはり
責任のある
大臣が本当に正面に立
つて、それが中心にな
つて仕事を進めて行くようになさるのが、
内閣としての当然の
仕事じやないだろうか。強く申しますと、
内閣自身が
設置法の
趣旨を妨げておるというようなことになるのじやないか、こういう疑いを実は持つわけであります。私の気持としてはその点どういうふうになるか、この後私といたしましてはおやめになるなり或いはおやめにならないならば今申したような方法で組織替えして頂かなければ
長官としても非常に
仕事がしにくいのじやないかというふうに想像されるわけであります。これは併し私の想像が当
つてないので、実際はこれがために大変助か
つたのだけれども、今日のような結果にな
つてしま
つたのだということになるのかも知れませんけれども、
責任をはつきりしてもらいたいという意味におきましても是非今の
機構を何とか改めて頂きたい。かように私としては
考えておるわけであります。
政府のお
考えを承わりたいと思います。