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竹下豐次君 私は本案に賛成いたします。ただ二つだけこの際
希望を当局に申述べておきたいと思つております。
一つは先ほど
植竹委員から御
質問になりました点と同様でありまするが、私など今日の林野
行政機構を見ております場合、
営林局の分布、その管轄地域等におきましても現在の状態が決して理想的でないと思つております。この問題につきましては、第十三回国会であつたと思いまするが、
政府当局から機構の改正案が出されたのであります。その際いろて、ないきさつで参議院の当
委員会におきましてそれが通過を見ることができずに今日まで経過しているのであります。それがまだ寅行できないうちに今度
長野の分だけを切離して提案されたということに
なつております。いずれ
只今林野庁長官からの御答弁を伺つておりますし、できるだけ早い機会に又その機構の改革について提案されるというお気持であろうと思つておりますが、私な
ども、特にそれをお急ぎになる必要がある、かように考えておりますので、その点を
希望申上げておきたいと思います。
それからもう
一つは今度
福島にありますのを
長野に移転されるということになりますので、地元
福島町を初めとしましてその附近の
人たちは非常に落胆することであろうと思つております。
経済的に考えてもとよりそうでありますし、又感情的に考えてみましてもよほどの打撃を受けることだろうというふうに私は想像しておるわけであります。
自分のことを申上げまして甚だ失礼でありますけれ
ども、私は塁は曾て
長野県で警察部長をいたしておつたことがあります。その際に大仕掛けの警察署の整理をいたしましてそしてそのために暴動を起されたことがあるのであります。郡役所と警察署と両方一緒に廃止されたので三カ町が一緒になりまして暴動を起したことを私はよく今でも記憶いたしております。そのときに私は地元の者の立場を非常にその当時から同情いたしたのであります。今でもその当時どれくらい
地方の者が力を落したかという気持はよく私の頭に残つております。なおそれから
あとで私、旅順で関東州の長官をいたしております際に、日本に
なつてからずつと続いて旅順にありました関東州の州庁を大連に移転いたしたのでありますが、そのときも又旅順の人の力の落し方、これはまあ大変なことでありました。今度
福島から引払われるということになりましたらその
地方の人はやはり曾て私が
長野で経験した三カ町、それから旅順の
人たちと同じような気持を持つだろうと、これはもう私の想像が決して当らないと思つておりません。つきましてはやはりそういう点は
政府のはうでもよくお考え下さいまして、何らか
営林局に切替るほどの、いろいろな大きな施設というものは望まれないことでございますが、できるだけ
地方の者の
希望もお入れになりまして、そうして
政府のほうでできるだけ、適当な施設のできることでありますならばできるだけたくさん残して頂けることが望ましいと思います。先ほど次官への
質問のときも遠慮しておりましたがお作りになります御予定ということでありました。これもやはりそういう点を御考慮下すつてのことで置土産であろうかと思うのでありますが、なおそのほかにも何か適当なものがありましたらそれも今後
一つ加えてやつて頂きたいと、かように考えておる次第であります。自分のことを申上げまして甚だ何でありますけれ
ども、その問題で
相当に悩んだ経験がございますので、特に深く私はそれを感じておりますから
希望を申上げておきます。