○
説明員(
村田八千穂君)
只今の
地方自治功労者の
栄典制度確立に関する
陳情を拝見いたしますと、この第一段に現在
地方自治功労者としての栄典
制度が確立されてないということを謳
つてございます。これはこの
通りでございますが、その
実情を先ず少しく申述べさして頂きたいと思います。
終戦後栄典
制度につきましては占領下にある
実情に鑑みまして、活用しないという方針をきめました。もう少し細かく申上げますと、一応死んだかたには従来の
制度を運用して行くが生きているかたの功労者については待
つて頂く、こういう
考えで来ております。そこで勲章とか位とかいう
制度は生きているかたには原則として差上げておりません。従いまして自治功労者だけでなく各方面の功労者に対する栄典授与という
制度が十分に運用されてないということになります。ただ勲章のほかに褒章という
制度がございます。これけ勲章と別系統のもので、従来の実績は全く民間人にだけ授与して来たもので、官吏には授与されていない特殊のものでありまするので、この褒章だけは終戦後もずつと運用しております。その褒章の一種に地方自治の功労者に授与するというのがございまして非常に厳選されて、僅かではございますがその褒章を
地方自治功労者の一部には授与されております。
次にこれに対する対策として今どういうふうに
考えておるかという問題でございまするが、この点につきましては独立回復後早速従来の栄典
制度を
検討いたしまして、これを新たにして
国会の御承認を受けてその上で十分な運用をいたしたい。こういうふうに
考えまして一昨年法案を準備して御
審議願
つたのでございますが、
審議未了になりまして現在に至
つておるわけでございます。現在も引続き研究いたしまして大体の成案を得ておりまするので、いずれ又近く御
審議をお願いいたすかと存じております。現在は大体のところしかきま
つておりませんが、そのきま
つておる点で申しますと、この
陳情に「叙位勲叙の途を開く等適切なるとありますので、それと
関連いたしますので一言申上げさせて頂きまするが、現在
考えておりますのは一応勲章の
関係においてはこの際御承認を受ければ大いに活用したい、こういうふうに
考えておりますが、位についてはなお十分
検討の上というふうに
考えておりまして、位の活用ということについては差当りまだ決定していないような
実情にございます。
それから
地方自治功労者だけについて特別な立法を今急いでやるかという問題については、私のほうで
地方自治功労者だけを対象に取上げてほかのほうの功労者をなおざりにするというわけには行かないのではないかと
考えております。
それからなお諸外国には自治功労者に特別の勲章とか褒章というような
制度を持
つておる国もございまして、この
陳情は必ずしもそれを狙
つておるわけではないとは思いますが、そういうものを
考えておるかという問題につきましては、現在のところそういう地方自治の功労者だけに特別の勲章というようなものを作ることは
考えておりません。大体以上でございます。