○
説明員(
岡松進次郎君)
監察部長の岡松でございます。御指名によりまして一通り只今の御質疑に対しまして御説明を申上げたいと思います。
第一点の主な
監察の結果という点につきましてはお手許に簡単な摘録を差上げてございますので、これを一番実は後に廻しまして、その他の点につきまして初めに簡単に申上げたいと思います。
行政整理の現在の
進行状況及びその影響でございますが、御承知と存じますが、
行政管理庁監察部は昭和二十七年八月に当時の
行政管理庁監察部と
経済調査庁の
組織が合体いたしまして、全国的な
組織の下に発足して参
つたのでございます。
地方局といたしましては都道府県に四十一の
地方監察局、それから八ブロックに八
管区監察局、それと
中央に
行政管理庁監察部、こういう三段階の
組織で
業務を運営して参
つたのでございます。その後昭和二十七年に二百九十一名の
整理を受けまして又昨年昭和二十八年に三十五名の
整理の
定員減にな
つたのでありますが、本年即ち二十九年度におきまして更に百四十二人の
定員減の
整理を受けたのでございます。現在
既整理数は百三十三名でございまして、今後
整理を要する人員が十九名でございます。この
数はちよつと今申上げました百四十二名に対して十名多く
なつておりますが、これは内部的に
監察部から
行政管理庁の官房のほうに十名
定員を譲る、分けたことになりますので、実質的に
監察部といたしましては百五十二名、百四十二名プラス十名、百五十二名の
整理をするということになります
関係上、百三十二名の
整理に対しましても十九名の更に
整理を要する人員が出て参つたわけであります。併し大体来年の六月末までにおきましてこの
整理をいたしますので、内部的には大体
整理を完了する見込を付けておるわけでございます。この
整理によりまして我々
監察部といたしましては従来も
定員が非常に不足しておりますのに加えましてこういう
定員減になりました
関係上、いろいろと工夫をいたしまして例えば
地方監察局におきます
管理定員を成るべく軽減してこれを実施のほうに移すというような
関係で、今まで
支出官でございました
地方局長を資金前
渡官吏に移して
会計事務の軽減を図る、そういうふうな面にも配慮を加えまして運用して参
つておりますけれども、だんだん
業務が複雑高度化して参りまして
監察の計画もいろいろと専門的に、多角的に見て行かなきやならん
関係上、非常に
定員が、人員が少くて苦労しておる状態でございます。
次に他
官庁における
行政監察の
趣旨徹底とその
理解の現状でございますが、実は
監察を実施いたしましてすでに二年余に
なつておりますが、発足当初におきましては御承知のように
政府部内におきまするこういう第三者的な
監察業務と申しますものは初めての
仕事でございまして、又
監察と申しますのは御承知のように
政府部内の
監察でございますので、これはあとでも申上げたいと存じますけれども、
相手官庁に
協力態勢がありませんとこれは実効を収め得られないのでありまして、いろいろと
改善事項を勧告いたしました結果は、各
官庁が誠意を以てその
勧告事項を納得して頂きまして、それを
改善に移すということでなくては我々のほうの勧告で自動的に
改善をする権限はないのであります。いわゆる
相手官庁の協力ということが非常に大切に
なつて参ります。従いまして
相手官庁に我々の
監察というものの
趣旨をよく
理解して頂くということが我々の
仕事を円満に遂行する非常に重要な鍵になるわけでございます。発足当時におきましては今申上げましたようにいわゆる
監察というものは一体どういう
仕事であるかというようなことが多少
理解が不足でございました。又何かこう
監察というのは非違を摘発する、悪いことをあばき出すのじやないかといつたような、
監察という言葉の、何と申しますか解釈の仕方によりましてそういうふうな誤解を受けた面もございましたのですが、我々の
仕事のやり方、又
監察の行き方等がだんだん
理解を得られまして、最近におきましては非常に各
官庁もよく
理解してくれまして、更に各
官庁、
行政官庁並びに自治体でございますが、非常に協力的に
仕事をや
つて頂くことに
なつて参りまして、我々としまして細かい例を挙げまするといろいろございますけれども、総体的に申しまして我々といたしましては非常に
理解も深め、
仕事もやりよく
なつて行くという状態に立至
つているのであります。例えば細かい例でございますが、あとで申上げます
食糧行政で現在
輸入食糧の
港湾荷役の
関係を
調査いたしておりますが、我々の
監察部の権限といたしましては、いわゆる
民間団体、
輸入商社、その下請の
荷役業者というものに対する
調査というものの
調査権はないわけでございまして、協力を求めることができるということに
なつておりますが、まあ拒否されればできないわけでございます。従いましてそういうもののいろいろな
領収書その他の帳簿の提出を求める場合におきまして、
食糧事務所におきましては権限上そういうことができるわけでございます。従いまして
食糧事務所としましては我々の
監察の
趣旨を非常に
理解して頂きまして間接的に
食糧事務所の尽力によりましてそういう業者から自発的に
資料を出して頂くというふうな処置を現在と
つて頂きまして非常に支障なく
監察ができるというふうなことは、やはり
官庁が我々の
監察の
趣旨をよく
理解して下さ
つて、又我々のその
監察の
趣旨が各
官庁から業者にも伝わ
つて、単に非違を摘発するというふうなものではないということの
理解の下に、喜んで出して頂くというふうな結果に
なつております。そういうふうに我々のほうも持
つて行きたいというふうに考えておるわけでございます。
次にこの
事務処理上特に
改善を要望する事項というのでございますが、これはまあ我々言わして頂くと非常にたくさんございますのですが、特にここで申上げたいことが二、三点ございまして御
理解を得たいと存ずるのであります。御承知のように
監察部はまああとでも申上げたいと存じますが、
監察をやりますためには
旅費というものがこれが我々の役所としましては
一つの
事業費に当
つているわけでございます。まあ
人件費と
旅費ででき上
つているような役所でございまして、この
旅費がないと我々はいわゆる実証的な
資料を現地について
調査をすることができないわけでございます。我々の
仕事は実地について、現地について実証的な
資料を集めて、それを積み上げた実証的な
監察資料を作るということに実は特色を持
つているつもりであるのでありまして、ただ単に机上の
調査、或いは文書の照複によ
つて資料を得るということでは正確な、又
相手官庁に納得の行く
資料ができないのでございます。従いまして
旅費というものがどうしても必要に
なつて来るわけでございますが、残念ながらこの
旅費が非常に僅少でございまして、例えば例を申上げますと、
中央におきまして、
中央は全国的に指導、監督に出かけるのでございますが、月にいたしまして千九百円、
管区監察局は少い所は三つの
地方局、まあ四国のような所、或いは東京のごときは五、六
地方局を持
つております。その指導、監督、並びに
管区は地元の
地方局がございませんので、東京で申しますれば東京都の
仕事は
地方局と同様な
仕事をやるわけでございます。その
管区において千六百円、
府県段階におきまして、
地方局におきましては大体千円
程度の
旅費しかないのでございます。従いましてこれは御想像ができると思いますが、月に一遍宿泊で出ますと、それも足が出るという
程度でございます。従いましてこれは余り我々としましては望まないことでございますが、
監察計画によります或る対象を選びます例えば
危険校舎の改築のために補助が出ておりますが、その学校を
監察いたします場合におきましても、つまり
旅費と勘案いたしまして手近な所しか選べない。これはやはり
監察の結果は何と申しますか、普遍的に
山間僻地も入れ、或いは
平坦地、ものによりましては或いは大
都会地、小
都会地というような普遍的な
資料を得ることが大切でございますが、やむにやまれず近い所を選ぶということに
なつて参りまして、これが極端に申しますといろいろな
監察項目によりましても同じような所にたびたび行くというふうな結果になりかねないのであります。その点につきましては来年度大体十分とは申しませんが、我々としましてはこの
程度で我慢するという
程度の
旅費の増額を要求しているのでございます。大体まあ三倍
程度になれば何とか我々の考えている
監察ができるんじやないかという
旅費を来年度要求している次第でございます。
もう
一つは研修ということでございます。これもおわかりと存じますけれども、こういうふうな
監察というような特殊な
仕事に従事しております者には常に新らしい知識を必要とするのであります。その
監察の
仕方等につきましても理事、幹部或いは中堅の者、第一線に従う者というようなふうに研修をして、常に練磨しておく必要がありまして、又
相手行政官庁は専門的な
仕事に従事しておりますので、そこに行きまして
監察する場合において見劣りのしない知識を持
つているということが必要であるわけであります。こういうような特殊な
業務に従事している、特殊と申しますと語弊がありますが、そういう
業務に従事しております
官庁におきましては、例えば法務省におきましても或いは
大蔵省その他郵政省、各
官庁におきまして研修の
組織というものがございまして、或る
程度の研修の
予算を持
つておるわけでございますが、私のほうの役所はそういうふうな
予算が、毎年要求はしておりますけれども、どうも残念ながら認められておりません。現在
予算上に諸謝金というのがございまして、これは実に微々たるものでございますが、これは講師の
謝礼金に充てているわけでございます。これは例をとりますと、
中央で年に二万四千円しかございませんので、
四半期に分けますと六千円
程度でございます。本当に講師の
謝礼金にも当りません。従いまして名目的な講習しか行えない。
地方におきましても全
管区で七万二千円しかございません。それでは全然或いは
地方から
中央に集めて講習をする。或いは管内の
地方局の職員を
管区に集めて講習するというようなことが殆んど不可能に
なつておるわけでございます。これも殆んど講師の謝礼というようなのは大したことはございませんので、やはり集めます
滞在旅費というもの、つまり
旅費が根本になるわけでございますので、或る
程度の研修の
予算といたしましてやはりこれも二千万円かと思いましたが、来年度
大蔵省に一応要求いたしておるのでございます。我々としましては
旅費の増額と
研修費用を認められるということが、ほかにもいろいろございますけれども、一番重点的に、
予算的にも
大蔵省に増額、或いは新設を要求しておる状態でございます。
それからもう
一つは、これもいろいろお耳に入
つておることでございますので、一言申上げておきたいのは、
監察が重複するというようなことがたびたびあるわけでございます。現在
政府部内におきまする
監察と申しますのは、各
官庁にいわゆる
自体監察と申しますか、
自分自身が内部の
監察をする
組織を持
つているのでございます。最近いろいろと我々の
監察なり、或いは
会計検査院の監査の結果、各省もいわゆる
自分自身の
監察、
自体監察を強化するというような方向にも進んでおるのでありまして、大分その点の、
自体監察の機関の充実ということが進んでおるのでございます。もう
一つは
大蔵省の
財務部がや
つております
会計法上の四十六条の監査でございます。これを俗に四六監査と申しておりますが、勿論この
趣旨は、御承知のように
予算執行の適正を期する見地からする
財務監査ということでございますけれども、
行政には必ず
予算を伴います
関係上、当庁が行いますいわゆる
行政監察と多少そこにダブる面もできて来るわけでございます。従いましてその点につきましては同じ
行政部内における
行政監察機構といたしましては、今後これをどういうふうにマッチさせて行くか、
相手機関に重複の感を与えないようにどういうふうにや
つて行くかというふうな問題もあるわけでございます。現在
大蔵省の
財務部と私のほうといたしましては、こういう点を努めてダブらないように、或いはでき得れば時期等も重複しないようにというようなことで調整はいたしておりますけれども、実際問題といたしましていろいろ
旅費制約も
大蔵省のほうとしてもあると思いますから、そう
違つた対象を必らず選ぶというふうなことにも行き兼ねる面もあるかと思います。又そういうような
監察と申しますのはいわゆるタイムリーな、時期にマツチした項目を選ばなければならんというような要請もございまして、時期的にも或いは同じときにやらなければならんというようなことにもなりかねない。今後この点をどういうふうに調整して参りますかという点について、我々もいろいろと考慮をいたしておるわけでございます。この点一言申上げておきます。
次に本年度やりました
監察報告でございますが、当
監察部で
行なつております
監察計画と申しますのは、先ほど申しました
地方管区、
中央が一体となりまして
監察を
行なつておるのでございますが、その
監察計画は大体原則といたしまして
中央におきましてこれを立てて、全国的にこれを流して一律に
調査しておるのが原則でございます。これは御承知のように全国的な
調査表と申しますが、
監察資料を普遍的に集めてそれを積み上げた
一つの結果、報告に基いて
相手官庁に勧告をする。一部的な
資料によ
つて一方的な判断により、又主観的な判断によ
つて結論をきめるのでないという建前の下に
行なつているのでございまして、現在までに
監察をやりましたのは大体一昨年から六十三項目につきまして
監察を
行なつておるのでございます。併しこれは原則でございまして
地方的に特殊な事情がありますような事項につきましては特にその
地方に
限り監察を実施するというようなことも
行なつております。
局地的監察と
言つてもいいかと存じます。例えば西日本の
風水害というような九州一円の
風水害、或いは
和歌山県の特に
風水害というような場合の災害の
復旧事業につきましては、九州の
管区におきまして、或いは
和歌山の
地方局こおきまして、そういうふうな
監察を
行なつておる。その他冷害の問題につきましては全国的の
調査表ではございますけれども、特に東北の
冷害対策というものの結果はどうであるかというようなことで
仙台管区が各東北の
府県一体に
監察をや
つておるというふうな方法をと
つておるわけでございます。それでこれは二十九年度における
監察業務実施状況というのをお手許に差上げておるものと存じますが、大体御承じのように
監察は
行政運営の
改善を図るということが大きな柱に
なつておりますけれども、我々内部的には便宜上これを大体四つぐらいの観点に分けておるのでございまして、
一つは
公共事業の
効率化と申しますか、例えば林道の
補助事業とか或いは
土地改良補助事業、
災害監察というようなものもこれに入るとして一応入れておるのであります。
一つは
行政運営の
適正化、勿論項目にすべて合致するわけでもございませんので、いろいろと重複する面もございますけれども、一応分けてみますとこれは主として
生活保護行政の
監察或いは
通運行政とか
失業対策の
監察といつたようなところのものを一応こういう分類に入れてや
つておるわけであります。
もう
一つは国費の
効率的使用、これはすべて国費の
効率的使用にはなるわけでございますが、特に国費の
効率的使用として
監察をや
つているというふうな建前からとりますと、これは
大蔵省の
管財局の
財産管理状況とか、或いは
国民健康保険の
監察、或いは
食糧管理行政の
監察、その他
郵便物運送事業の
監察というふうな分類でございます。もう
一つは
公共企業体の
監督行政の
監察でございまして、これは専売、電々及び国鉄の三公社に対する
監督行政の
監察をや
つておるのでございます。こういうふうな分類によりまして現在まで大体六十三項目に及びます
監察を実施したのでございますが、
監察も一昨年始めましてから初めての
仕事でございまして、従事する職員も不馴れな点もありまして、我々としましては決して十分な成果を収めたとは自慢できないのでございますが、その後
ニカ年有余の間に、大体先ほど申しました各
相手官庁も非常に
理解を深めて参りました。我々も
監察につきまして漸次手馴れて参りましたので、漸次効果を挙げつつあると確信している次第でございます。
大体今までにやりました
監察項目で国費に寄与した額とい
つて、あまり……寄与した額といたしまして、お手許の
資料の終りにつけてございますと思いますが、大体現在までにこの数字では九十二億、ほかに現在や
つておりまして、まだ結論の出ませんものがたくさんございますので、一応百億の国費の節減をしたということが言えると思います。ただこれは我々としましては非常に内輪に確信的に言える数字を挙げてございます。例えば九州の災害におきまして
補助金を返還さした、相手の
補助金であ
つたのを返還さしたといつたような額、その他
相手官庁がこれを納得して処置を約束した額というものが主としてここに載
つているわけでありまして、勧告の結果、今後いわゆる施策を
改善されて行くにおきましては、勿論今後におきまして非常にこれに数倍する国費の節減が予想されるということは言えると存じます。
では最後に、本年度に行いました
監察業務につきましてお話し申上げるのでございますが、本年度におきます
業務といたしましても、ここに例挙いたしました相当多数の項目がございます。但し言い忘れましたけれども、私のほうの
監察の計画は、大体
四半期ごとに
監察計画を立てまして、これを各
管区並びに
地方局に流して
監察をや
つているわけでございます。従いましてその一
四半期でございます四月から六月までを第一
四半期と申しますが、第一
四半期に行います計画、それによ
つて地方並びに
管区から
監察結果
報告書というものが参りまして、これが
中央に集まりまして、
中央で全国的の
監察結果をとりまとめまして、そうして一応各省とも下折衝をいたします。これはいわゆる独断的な結論というものを避けるということと、あまりに理想に走
つた改善に役立たないようないわゆる
研究論文に
なつても意味がない。いわゆる
改善に役立つような結論を出すために折衝をいたしまして、結論を得て
相手官庁に勧告をするわけであります。従いまして相当そのためには日時を要します
関係上、現在や
つております事項は勿論のこと、例えば六月に終りました
監察結果におきましても現在結果を取まとめ中でありましてまだ
相手官庁に勧告に至らないというような事項が相当この中に含まれておることを御承知おき願いたいと思います。大体やりました中で二、三申上げますと、
一つは
保安庁の
調達業務に関するものでありますが、細部に亙りますものは非常に煩わしくなりますし、又御質問ありますれば、
担当監察官も参
つておりますし、私からもお答え申上げたいと思います。一応の進み方だけを申上げておきたいと思います。大体目的は、現在は
自衛隊に
なつておりますけれども、
保安庁というものがいろいろ世論にも問題に
なつたと存じますが、いわゆる
会計上のいろいろな不始末があるじやないかというようなことは世論のあれでございますけれども、我我のやりました
監察は、
保安庁組織が急に厖大な
組織に
なつていろいろの多額な物品を調達しておる。それに応ずるような
会計上のいわゆる
組織というものは確立しておるかどうかという点に非常にまずい点があるんじやないかということで
行なつたわけであります。その結果はここにも書いてございますように、いわゆる
保安庁が急に厖大な
組織に
なつたためにいろいろな
会計上の理想的な
組織を考えておるけれども、その運営が非常にまずいと申しますか、又
会計上の知識と申しますか、いわゆる
会計上の
経験者の質が余りよくないために見積りその他
会計上の手続きについて非常にへまをや
つておる。又買う品物は、兵器というようなものは米国のいわゆる兵器を真似て業者に造らしたような兵器のために
原価計算その他について非常に業者任せのような点がある。こういうような結果、非常に高い品物を買
つている。又
予算を消化しなければならん
関係上、急に年度末近くに
なつて大量のものを買
つておる。例えば乾電池のごとく時日を経過すれば使用に堪えないような、つまり分割購入しなければならんようなものも急に年度末近くにな
つて繰越を避けるために大量に買
つておる。それがやはり時日の経過と共に使用に堪えなく
なつてしまう。こういうようなことのために非常に国損をしておる。或いは
ジープというものも
輸入価格等の勘案が非常にまずか
つたので高い
ジープを
買つて輸入業者に非常に儲けさしておる。その結果不当の利益というようなものを得さしておるということが主たる
監察の結果に
なつておるわけでございます。この結果ここにも載せてありますように、大体二億三千万円
程度の節減ができるんじやないかというふうに考えております。併し
保安庁といたしましては現在
自衛隊に切替えて更にこういう
会計上の
組織というものを非常に充実し、慎重にやる体制に
なつておるわけでございますが、我々の
監察の途上におきましてもこのほかいろいろとここに列挙いたします
勧告事項につきましては非常に誠意を以て
改善に当
つてくれております。何せ非常に厖大に拡張いたしました
関係上、事実
会計上の
組織、その
運営等につきましてその気持はあ
つてもそれが間に合わないというような点は認めざるを得ないのでありまして、今後
自衛隊になりまして後の
運営等につきましても、今後我々としましても機会があればその後の
改善状況等につきまして
監察をや
つて行きたいというふうに考えております。
それからまあたくさんございますが、
生活保護行政監察、これは一次、二次とございますが、第一次は特に
生活保護行政の
予算の運用面と申しますか、特に医療扶助というような面につきまして
監察をや
つたのでございますが、これは非常に時局的にもいろいろと……御承知のように医療扶助のうち結核患者が殆んどその大半を占めておる
関係上、非常に世論的にも問題になりました項目でございまして、これは厚生省もいわゆる目体
監察として、これは時期的にはやはりそういうような
関係上同じ時期に
自体監察を
行なつておる。又
大蔵省の
財務部も先ほど申しましたように広い
監察の立場から行な
つたのでございますが、我々も又独自の観点からこれを行な
つたのでありまして、その結果ここに列挙します
勧告事項のごとき結果を厚生省に勧告したのでありますが、最近厚生省といたしまして回答を寄越しまして、殆んど全面的に我々の意見に同意いたしまして極力今後の
改善に資するというふうな回答に
なつておるわけでございます。申し遅れましたけれども、我々勧告をいたしまして回答を得まして、それを以て十分とは考えておりません。勧告のしつ放しということは決して
改善の効果を挙げることではないのでありましてその後その
改善が末端に滲透して行われておるかどうかということを、我々の言葉でトレイスと
言つておりますが、推進という言葉を使
つております。推進をするという処置をと
つておるのでありまして、今後
地方局、
管区を動員いたしましてこの勧告の回答の
趣旨が末端に行われておるかどうか、
改善が行上れておるかどうかということの跡付けをする。そうして
改善が実際に行われるように督促をするという処置をと
つて初めてこの勧告の効果が現われたと、これは小さいことでありましても積み重なりますと非常に大きな問題に
なつて来るわけであります。決して勧告のしつ放しで満足しておるものではないということを御了承願います。こういうような
行政につきましては末端の
改善を見守る必要が非常にあるというふうに考えておるわけであります。この二次はこれに関連いたします各生活保護の機関或いは養老その他のいわゆる保護施設の運営状況がどういうふうに行われておるかということにつきまして
監察を実施したのであります。例えば養老施設、厚生施設、救護施設、医療施設、授産、宿舎提供という六種類の施設がございます、これがいわゆる法の
趣旨のようにうまく運営されているかどうかというような点につきまして、又府県の監督或いは
中央の厚生省の監督というような監督指導というものはどういうふうに行なわれているか、どういう点に
改善すべき点があるかという点を、現在
監察いたしまして、大体結論をまとめ中でございます。
次は
食糧管理行政でございます。これはここにありますように、一次、二次、三次とございますがこれはその目的はいわゆる食糧費の中間マージンというものが実際にマッチしているかどうかという点に主力をおきまして、いろいろな観点からこれは検討して行くという建前をとりまして、第一次は政府所有の食糧の保管、売却操作というような点について、いわゆる保管料というようなものが無駄に
なつていはしないかという点、ここの二十九ページの(三)の
監察結果にありますように、卸売業者に売却いたします際に、オーダーの発行日と引取日というものが月の十五日の両方に跨がりますと、保管料というものが、つまり一カ月分払わなければならない、それをよほど気をつけて前半なり後半なりにオーダーと引取をしてしまえば保管料というものが半分で済むというような点でいわゆる
食糧事務所として非常に気をつけているところもありますが、それをただ単に事情に任せきりというようなこと、そういうような点を非常に気をつけて行けば、いわゆる保管料というものが非常に節約となるというようなことでございます。そういうような意味において、食糧費の中間マージン、経費というものが無駄に
なつていないかどうかという点、その他不適米の米麦の処理がうまく行
つておるかどうか、或いは災害備蓄用の食糧に対する生産、保管、売却というようなものが、実際生産、保管されておりますけれども、実際には災害に余り利用されていないのじやないかといつたような面等につきまして、第一次は
監察いたしたのであります。ここに列挙いたしますような一応の
監察結果をとりまとめておりますが、これは二次、三次と関連いたします
関係上、これをとりまとめまして、
一つの結論を得まして勧告する手配に
なつておりまして、未だに食糧庁には正式には勧告はいたしておりません。
第二次は、
食糧行政の適正を図るために、日通の元請運賃の支払
業務、政府が日通に食糧の輸送その他を委託しておりますが、その保管料、いろいろな料金があるのでありますが、これが市場実勢と比べて或いはいろいろな観点から非常に甘いのじやないか、もつと政府のマージンが節約できるのではないかというような点を見て来たわけであります。
三次はそれに関連をいたしまして、
輸入食糧の
港湾荷役の
関係、いわゆる輸入業者が外国から米を輸入いたしております。その経費を政府として支払
つておるわけでございますが、輸入業者が不当な経費を請求していはしないかというような点につきまして調べておるわけでございます。これが先ほど申しましたように、輸入会社が
港湾荷役との
関係上必要以上のぴんはねをや
つているのじやないかというようなことをよく言われておりますが、そういうような
関係上、その帳簿並びにいろいろな
資料を調べる必要があるわけでございますが、我々の権限といたしましては、これはただ協力を求めることができるということに
なつておりまして、強制的にそこへ行
つて調べるわけに参りませんが、納得すれば差支えございません。そういう
関係でこれは
食糧事務所を通じまして
資料の提供を慫慂して頂きまして、そうして出してもら
つていることを申上げたわけでございます。
それから
公共企業体の監査につきましては、国有鉄道と電々と専売でございますが、国有鉄道につきましてはここに載せてございますのは第二次監査でございますが、第一次には、これは国会の御要望もあつたと存じますが、当時いわゆる鉄道会館問題に端を発しまして国鉄の経理というものが問題になりました。その際にいわゆる私のほうといたしましては財産の貸付が適正に行われているかどうか、それから外郭団体の
組織がどういう状態であ
つて、それと契約が非常に特殊的ないろいろな関連があるのじやないかというような面につきまして
監察をや
つたのでございますが、元来
監督行政の
監察、いわゆる
公共企業体といたしましては努めて公共的な観念に徹して、何と申しますか、できるだけ経費を節約し、能率を上げて、そうして最後には国鉄で言いますれば運賃の増額ということになるわけでありまして、安易に運賃の増額ということに走ることは企業体としての行くべき筋ではない。自分で極力節約し、能率を上げて、それでも成り立たん場合にまあ運賃の値上ということに行くべきであるというような観点から、国鉄のいわゆる企業体としての運用面というものがいろいろ
改善の余地がないかという点に関連いたしまして
監察をや
つているわけでございますが、御承知のように厖大な国鉄の
組織におきまして、なかなか全般的にこれと取組むというようなことは非常に不可能なことでございまして、従いまして二次といたしましては資材の管理、現場の機関が持
つております資材がどういうふうに回転して有用に使えるか、そうして有用な資材がまだ利用されずに保管されているといつたような不経済な面、こういう面について
改善の余地があるのではないかという点に着目いたしまして第二次の
監察をやつたわけでございます。これは非常に詳細な数字を挙げた
監察をいたしたわけでありまして、国鉄といたしましても非常にこの点は自分のほうとしてもやりたい
資料であるということで、国鉄といたしましてはこれに刺戟されましてこの
資料の整備と申しますか、そういつたような運動を起しまして我々に非常に協力をいたすと申しますか、我々の
趣旨をとり入れまして部内におきまするそういう運動を起しまして
改善の実を挙げているわけであります。この点は各
地方局の推進
監察の報告を見ましても、非常に我々の
趣旨の通り
改善をしているという点がほうほうから報告がありまして、我々の
監察の効果が如実に国鉄部内に浸潤した
一つの例証と我々は考えておるわけでございます。
第三次はこれはここにもありますように工場におきまする資材の管理状況というのを
監察項目として取上げております。もう
一つは日本国有鉄道用炭の荷役契約の実態
調査、これは四十四ページに出てございますが、これは外郭団体の
調査に一応ヒントを得まして、国鉄用炭を日本海陸運輸株式会社というものと契約いたしまして、昭和二十八年度に七億二千三百万円の荷役料金を用品経費で支払
つておるのであります。これはいわゆる国鉄のまあ一応外郭団体と見られる会社でございます。ただこれの国鉄との契約がここにも載せてありますように非常に甘いという観点から、この契約を或る
程度シヴイアにやれば相当な経費が節減になるのじやないかという点の一応の結論を得たのであります。それから第三に函館港におきます石炭の輸送荷役につきましても或る
程度の考え方を変えて行けば相当な節約になるのじやないかというようなことから、ここにも節約案として一億二千万円
程度の節約になるのじやないかというふうな結論を得ておるわけでございますが、まだこれを正式に勧告するまでには至
つておりません。
それから現在や
つております
監察といたしまして、この第三
四半期といたしましては五十五ページにございます失業保険
行政監察、それから戻りますけれども三十五ページの開拓建設事業
監察というものを重要
監察項目といたしまして、その他国の
出先機関の支分部局の
調査その他二、三ございますけれども、主たる
監察項目として現在実施中でございます失業保険は、現在の状態におきまして非常に問題になる情勢でございますので、その実情を把握して
改善の効果を挙げて行きたいという意味でございますし、開拓建設、開墾干拓でございますが、これは巨額な国費を計上して開拓並びに開墾をや
つておるわけでありますが、これが果して目的のような効果を挙げ、実績が上りつつあるかどうか、非常に無駄な金を場所によ
つては投じておるのじやないかというような意味におきまして、これも全国的な対象を選びまして、まあ県によりまして三つか四つくらいの対象を選びまして、能力を許す範囲で現在
調査をや
つておるわけでございます。大体二、三摘出いたしまして御説明申上げたのでありますが、実は少し口幅つたいことになりますが、我々
監察をやる上におきまして一番重要なことは綱紀の粛正ということでございます。これはややもすればやはりこういうような
仕事に従事いたします
関係上常にこれを身に体しておりませんといろいろと弊害が起るのでありますが、この点につきましては発足以来殆んど非難を受けたことは私はないと存じます。又今後におきましても我々の役所が地味ではございますけれども、まじめな縁の下の力持ち的な気持で皆従事しております。非常に地味な庁風ができたと私は信じておりまして、この点につきましては神経質過ぎるくらい職員の頭に滲み込んでお
つて仕事をや
つておるのでございまして、その点は
一つ御安心願いたいというふうに考えております。非常に簡単でございましておわかりにくいと存じますが、又御質問によりましてお答え申上げます。