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1954-11-11 第19回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十九年十一月十一日(木曜日) 午前十時四十九分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
小酒井義男
君 理事 植竹 春彦君
委員
大谷 贇雄君
白波瀬米吉
君 長島
銀藏
君 西田 隆男君 岡田
宗司
君
矢嶋
三義
君 松原 一彦君 堀
眞琴
君 野本
品吉
君
事務局側
常任委員会専門
員
杉田正三郎
君
常任委員会専門
員 藤田 友作君
説明員
内閣官房
副
長官
谷口
寛君
総理府事務官
(
内閣総理大臣
官房審議室統轄
参事官) 田上 辰雄君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
行政機構
の
整備等
に関する
調査
の件 (反
民主主義活動対策協議会
に関す る件) (
公務員制度調査会
に関する件)
—————————————
小酒井義男
1
○
委員長
(
小酒井義男
君)
只今
より
内閣委員会
を開会いたします。本日の
委員会
におきましては、昨日に引続き、
行政機構
の
整備等
に関する
調査
を議題といたします。 本日は反
民主主義活動対策協議会
に関する件、
公務員制度調査会
に関する件、
行政監察
に関する件の三件について
調査
を行います。 先ず本日の
委員会
における第一の問題は、反
民主主義活動対策協議会
に関する件であります。この
協議会
に
関連
して、次の
諸点
について
政府
の御所見を伺
つて
おきたいと存じます。 その第一点は、この
協議会
は本年九月十五日
閣議決定
によ
つて
設けられたと聞いておりますが、
政府
は如何なる
事情
に基いて、このような
行政機関
を急遽
設置
せられるに
至つたの
か、このような
機関
を急遽
設置
せなければならんような内外の
情勢
の上に最近何らかの
変化
があ
つたの
かどうかという点であります。 第二点は、この
協議会
を
設置
するについて、
立法措置
によらず、単なる
閣議決定
によられた理由如何という点であります。従来
政府
は、この反
民主主義活動対策協議会
以外にも
政令諮問委員会
、
公務員制度調査会
のごときものを、
立法措置
によらず、単なる
閣議決定
によ
つて
設けられておることは、明らかに
国家行政組織法
の
立法趣旨違反
であろうと思うのであります。
国会閉会
中にこれらの
審議会
、
協議会
を
設置
する必要のある場合の生ずることは予想せられるのでありますが、それなら
政府
は
国家行政組織法
の
規定
を適当に改正する
方法
をなぜおとりにならないのか、
政府
が重要な問題を審議し
調査
する
機関
を、単なる
閣議決定
によ
つて政府
の任意に
設置
して行かれる態度は、延いては
国会
の
審議権
を軽視するものであると断ぜざるを得ないのでありまして、この点において
政府
の反省を促したいのであります。
政府
は
審議会
、
協議会等
を
設置
する場合、
事情
によ
つて
は
立法措置
によらず、
閣議決定
のみによ
つて
も
法律違反
でないと弁明されると思いますが、仮にその弁明を肯定いたしましても、ここに更に伺いたいことは、
審議会
、
協議会等
を
設置
する場合、
政府
は如何なる場合には
立法措置
により、又如何なる場合には
立法措置
によらず、
閣議決定
のみによられるのか、その点の明瞭な
限界点
をお示し願いたいと思います。 その第三点は、この
協議会
が
設置
されてから今日までの
協議会
は、如何なる問題を
調査
し、協議し来たつたか、この
協議会
はいつまで設けて置かれる
方針
であるのか、この
協議会設置
に要する予算の額と職員の数はどのようであるのか、これらの
諸点
であります。要するにこの
協議会
の
運営
の
状況
について先ず
説明
をお願いいたします。
谷口寛
2
○
説明員
(
谷口寛
君)
只今委員長
から御
質問
のございました点につきまして、私から簡単に御
説明
申上げます。 第一の点は、この反
民主主義活動対策協議会
が九月十五日の
閣議決定
で急遽
設置
せられた、その間の
事情
について
一つ
説明
しろという
趣旨
の御
意見
であつたと考えるのでございます。
只今
の御
意見
の
通り
、この反
民主主義活動対策協議会
は九月十五日の
閣議決定
によりまして
設置
せられたことは御
意見
の
通り
でございまするが、この
協議会
が
設置
せられまするにつきましては、従来から日本の
国内
或いは国際的に、いわゆる反
民主主義
的な
活動
、特に
共産主義
の
活動
を
中心
といたしまして、いろいろと
動き
が行われておりまするので、これらに
関連
いたしまして、
関係
を持たれる
閣僚
の間におかれまして、いわゆる
治安懇談会
というものを事実上持
つて
おられたのでございまするが、更に
政府
といたしましては、直接
治安
に
関係
を持たれる
閣僚
よりも、もう少し
範囲
を拡げまして、反
民主主義活動
に比較的縁の深い
行政事務
を担当しておられる
閣僚
も加えまして、種々の
情報交換連絡
をやるという必要を痛感せられまして、九月十五日に反
民主主義活動対策協議会
が
設置
せられたような
事情
にあるのでございます。その間、特別に九月十五日を選んで特段にこれを作らなければならなかつたというような、急激な
事情
の
変化
というものは特別に認められませんが、従来の
治安閣僚懇談会
よりももう少し
範囲
を
拡め
て、反
民主主義活動
についての
関係閣僚
の
連絡協議会
を持ちたいという
構想
で進んで参りましたものが、九月十五日に至りまして
閣議決定
で確定した、かような
経緯
と承知をいたしておるのでございます。 それから第二の問題につきましては、かような
対策協議会
を
設置
することにつきまして、特に
立法措置
をとらないで、事実上の
閣議決定
でこれをや
つたの
は、
行政組織法
の
立法精神
の少くとも
違反
ではないか、単なる
閣議決定
でかようなものをやるのは、
立法審議権
の侵害ではないかというような御
趣旨
の御
質問
と承わ
つたの
でございまするが、この点につきましては
政府
といたしまして、いやしくも
立法権
を侵害する、尊重しないというような
考え方
は、勿論毛頭持
つて
いないのでございまして、
立法権
につきましては飽くまでこれを尊重して参るという
考え方
で終始いたしておりますることは、御了承頂けると思うのでございます。この反
民主主義活動対策協議会
といいますものは、
協議会
という名前はつけておりまするけれども、第一の点について御
説明
申上げましたように、単に
治安
に直接
関係
し、或いは
関連
の深い
関係閣僚
の間で、種々
情報交換
をやり、
連絡
を緊密にして、更に必要のある場合においては、総合的な
対策
を考究して行こうという、
閣僚
間の事実上の
連絡
の
組織
に過ぎませんので、いわゆる
行政組織
の
一つ
の
単位
、場合によりまして、委任の
範囲
内においては独自に
国家意思
を決定できるというような性質を持つたものではないのでございまして、単に
関係閣僚
において
事務連絡打合せ
をやるという、事実上の
組織
に過ぎないものと考えておりまするので、又その後の
運用
、今後の
運用等
におきましても、その
限度
におきまして又その
精神
におきまして緊密な
連絡
、
打合せ
を続けて行くということで終始いたす
性格
と
理解
をいたしておりまするので、これを
閣議決定
の
方法
によりまして、事実上の
機関
として
設置
をいたした次第でございます。今更形式的な
法律論
を申すまでもないのでございまするけれども、
国家行政組織法
におきまする
協議会等
は、
国家行政
の
一つ
の
単位
として、
法令
の
範囲
内において
活動
する、場合によりまして、その
法令
の
範囲
内において独自の
国家意思
をその
限度
においては決定できるというような
性格
を持つものと
理解
をいたしておるのでございまするが、この
対策協議会
は、繰返し申上げまするような
意味合い
において、
関係閣僚
の
事務連絡
の
機関
と、かように考えておりまするので、
閣議決定
を以ちまして
運用
いたしておる次第でございまして、繰返しますが、
立法権
を尊重しないというような大それた
考え方
は毛頭持
つて
おりませんので、どうぞよろしく御了承を頂きたいと思うのでございます。それらに
関連
いたしまして、然らば事実上の
閣議決定
でやる
機関
と
立法措置等
を以てやる
機関
との
限界
を、どこに置くかという
意味
の御
質問
もあつたように考えるのでございまするが、この点は
只今
反
民主主義活動協議会
は、事実上
閣議決定
でや
つて
おると御
説明
申上げました
通り
、
行政組織
の
一つ
の独立の部分として、場合によりましては
法令
の許された
範囲
において独自の
意思決定
ができるというような
組織
を考えなければならない場合においては、飽くまで
国家行政組織法
に基きました
措置
を考えて行かなければなりませんが、然らざる単なるそれぞれの
行政部門
或いは国務
大臣
として国政について
責任
を持
つて
おりまする
関係大臣
が、
所管事項等
に
関連
をいたしまして、より緊密なる
連絡
を図
つて
行くというような、
事務連絡
の事実上の
組織
につきましては、
閣議決定
を以て
設置
をいたして参りましても、
運用
上その
限度
を十分に尊重いたしまする限りにおいて、誤りがないのじやないかと、かような
考え方
でおりまするので、併せまして申上げる次第でございます。 第三の御
質疑
の点は、然らば九月十五日から今日までの間に大体どういうふうに
運営
をして来たか。又その
運営
について如何なる
経費
、如何なる
人員
を以てや
つて
参つたかというような御
質問
であつたと心得るのでございます。
運用
の概況でございまするが、大体九月十五日の
設置
以後、これらの今後の
運用方針等
につきまして、寄り寄り内部におきましても
相談
をいたしておりましたので、第一回の
会合
は十月の十五日に開いたのでございます。で、
協議会
の
決定内容
に従いまして
幹事
の任命をいたすことにな
つて
おりまするが、この
幹事
の選定をやり、又その
機会
に
公安調査庁長官等
から、たまたまその前後に中
ソ共同声明
の
発表等
もございましたので、これらに
関連
いたしまして最近の
国内
、国際の反
民主主義活動
の
情勢
について
報告
があるという程度で第一回の
会合
を終りました。第二回は十月の十九日、第三回は十月の二十六日、第四回は十一月の二日、五回目が去る十一月の九日、以上五回
会合
を開いておりまして、主としてこの
協議会
の使命でございまする反
民主主義活動
に
関連
する
情報
の
交換
というものを
中心
にいたしまして今日までの
会合
を続けて参り、その
情報
の
交換
を通じまして、反
民主主義活動
に関する
情勢判断
の統一、と申せば表現が少し片寄るのでございますが、各
協議会
の
委員
のかたがたにおいて反
民主主義活動
に対する
情勢判断
の最大公約数を見つけるというような作業がございまして、第四回の
会合
のあとでその
情勢判断
とでも申すべきものを外部にも発表いたしておるような次第でございます。なお第五回におきましてはそれらの
情勢判断
を肚の底に置きまして、反
民主主義対策
についての
具体性
のある
方策
を、逐次
協議会
として
研究
をいたして行くという段階、かように各
協議会
の
委員
においては思考せられまして、数項目の
具体的方策等
についてもその場合に討論せられたのでございまするが、それらの結論といたしまして、反
民主主義活動
に対する
対策
は飽くまで正しい
民主主義
の
自覚
を国民の各階、各層に十分に浸透させる、それを通じて反
民主主義活動
、なかんずく
共産主義活動
を孤立せしめるのが一番大事な
狙い
であるからして、そのような
観点
から、でき得る限り
共産主義活動
の本質、又それの
実情
というものについて、いろいろな手段、
方法
を以ていわゆる
広報宣伝
、
広報活動
というものを徹底して行くのが、当面一番大事な問題であろう。但し
広報宣伝活動
と申上げましても、それが官制的な
言論
の
統制
になり或いは指導になるというようなことは、
先ほど
申述べました、真に正しい
民主主義理念
の
自覚
という
意味合
と
却つて撞着
をいたしまするので、飽くまで
政府機関
においてそれぞれ持ちました
情報
は、これを自由に各
報道機関等
において御取捨選択を頂く。そのための
資料
として自由にお使いを願うというような気持を
中心
にいたしまして、
広報宣伝等
につきましても、いやしくも
言論統制
の線に進まないということを、深く各
協議会委員
として肚に置きまして、
広報宣伝
の
方策
について、
研究
をいたして行こうというようなお話合いがせられた次第でございます。 これらの問題に
関連
いたしまして、今申しました筋から大体御了承頂きまするように、
協議会
は
関係閣僚
の
打合せ
、
情報交換
の事実上の
機関
でございますから、これに
関連
いたしまして特別な
経費
を今日まで要求したり支出したこともございません。又
人員
につきましても、
協議会
独自といたしまして、特別の
人員
を持つというような
構想
で進んで参つたこともございませんし、現在も特別の
人員
を持
つて
や
つて
はおりません。
協議会
の規程の中に書いてございまするように、
庶務
は
内閣
の
官房審議室
においてこれを掌るということに
規定
をせられておりまして、
内閣
の
官房審議室
は、申すまでもなく
組織令
によりまして
各省
の
行政施策
の
総合調整
というような
役割
も持
つて
おりますので、その
役割
と
関連
いたしまして、
各省
間の
情報連絡
をやる。
庶務役
を
審議室
をしてやらしめているというような
事情
でございまして、
人員
につきましても、特別な
協議会自体
の
人員
というものを持
つて
おりません。併せまして御
報告
を申上げます。 以上甚だ雑駁でございまするが、更に御
質疑
によりまして
お答え
申上げたいと思います。
小酒井義男
3
○
委員長
(
小酒井義男
君)
只今
の
説明
の中に、実は私からお尋ねした
協議会
をいつまで設けておかれる
方針
であるかということについて御回答がなか
つたの
ですが、一般伝えられているように
吉田首相
の
外遊
と同時にこういう
協議会
ができたような印象を与えているのですが、
首相
が帰
つて
来られると、こういう
協議会
はなくなるのか。その以後もやはり続けてや
つて
行かれるのか。そういう点についてはどうですか。
谷口寛
4
○
説明員
(
谷口寛
君)
委員長
の御
質疑
の中に入
つて
おりました点でございますが、御
答弁
を失念いたしまして甚だ恐縮をいたすのでございますが、その点につきまして
お答え
を申上げます。
先ほど
も申上げた
通り
、九月十五日にこれができたということにつきましては、特別の
事情
はございません。従来からいろいろ考えられてお
つた点
が、九月十五日に
閣議
として決定せられた。こういうことでございますが、
只今委員長
も申されましたように、たまたま
首相
の
外遊
と相当接近した時期にきまつたというようなことから、それと
関連
があるのじやないかというようなことも世間の一部で言われておりますが、
政府
といたしましては、さような
関連性
について全然特別な考慮をいたしたものではございません。従いまして又
首相
がお帰りになれば、この
協議会
はもうそれで
自然消滅
、或いはふわふわしてもう消えて
行つて
しまうというような
性格
のものでもございません。繰返し申上げた
通り
、最近におきまする
国内
、国外の反
民主主義活動
、特に
共産主義活動
が非常に執拗に且つ大規模に、或いは
積極面
において、或いは
消極面
において、或いは暴力的な形において、場合によ
つて
は
平和攻勢
の形において、或いは
公然面
において、或いは非
公然面
においていろいろと
活動
が続けられておりまするので、これらに
関連
いたしまする
情報
を直接
治安
の
責任
としてや
つて
おりまする
行政部
の
大臣
、更に直接
治安
の問題として
責任
を持
つて
おられなくても、その持たれる
行政施策
として、この反
民主主義活動
と非常に密接な
関連
があり、反
民主主義活動
に対する
考え方
或いはそれの行き方というようなものについての大きな
判断
が、その
行政施策
の
運用
の上に非常に影響が現われるというような縁の深い
大臣
を
中心
にして、
情報交換
を緊密にし、更に進んではそれらに
関連
する
総合対策
の
相談
をや
つて
参りたいという
趣旨
からでき上
つて
いるものでございまするからして、この
協議会
の
役割
から考えまする場合においては、今後相当長期的にこの
協議会
が続けられて行かねばならない、又行くべきものであろうと、かように考えております、以上。
小酒井義男
5
○
委員長
(
小酒井義男
君) それでは御
質疑
をお願いいたします。
矢嶋三義
6
○
矢嶋三義
君 この問題の
質疑
をするに当
つて
、会長である副
総理
が出席していないことを非常に遺憾に思います。副
官房長官
がお見えにな
つて
いますから、若干副
官房長官
としてのあなたへもお伺いいたしたいと思
つて
おります。根本的なことを伺うにはどうも副
総理
においで頂かないというと満足できない感じがするのでございますが、一応伺いたいと思います。 先ず私は
質問
する前に、第一番に伺いたい点は、この
国家行政組織法
の第三条に基いて設けられてある
委員会等
の数、それから同法第八条に基いて設けられている
協議会
、
審議会等
の数並びにこのいずれにもよらないところの
協議会
或いはこれに類似する
名称
を付してある会の数を一応承わりたいと思います。
谷口寛
7
○
説明員
(
谷口寛
君)
只今
の御
質問
の点につきましては、
只今
正確な
資料
をここに持合せて参
つて
おりませんので、直ちに
調査
をいたしまして御
報告
を申上げたいと思
つて
おります。
矢嶋三義
8
○
矢嶋三義
君 後刻承ることにしまして
質問
を続けますが、私今の
説明
を聞いておりまして、絶対こういうものを今設けなければならない
必要性
というものが認められるかどうかという点に私は疑問を持つ。ということは、私今その
角度
から伺つたわけですが、余りにもこういうものが雨後の筍のごとくできて、実際はその
運営
というものは行われていない。政治的な
狙い
からのみこういうものが作られて
行つて
、そうして行
政府
の
機構
は複雑になり、非常に非
能率化
をもたらしておるという点、私はつねづね痛感していますので
只今
そういう数を伺つたわけであります。 続いて伺いますが、例えば
治山治水対策協議会
というものもこれに類した形で設けられましたね。それから最近
北海道等
の
災害
に
伴つて災害対策連絡協議会
というようなものも設けられた。これらの会というものは設けられただけて
運営
というものはなされていない。又
各省
の
事務当局
ではこういうものが実際できることは迷惑が
つて
おる。このたびの反
民主主義活動対策協議会
にいたしましても、
情報
その他の
収集等
については主管される
責任官庁
というものがあるはずです。それは一体どこかということですね。改めて承りましよう。そうして現在の
情勢
というものが、
先ほど
からの
説明
でもわかりますように、是非とも今設けなければならないという我々の納得できるような
説明
がないにもかかわらず、何が故にこういうようなものを今設けなければならないかという点について重ねて私納得できるような
説明
を承りたい。
谷口寛
9
○
説明員
(
谷口寛
君)
只今
の
矢嶋委員
の御
質問
に対して
お答え
を申上げます。各種の
委員会
或いは事実上の
協議会
その他が非常に多過ぎるという点につきましては、相当事実上そういうものがあるようにも私考えておりまするので御同感でございまするが、それぞれの
委員会
、
協議会
にはそれぞれの成立の
経緯等
もあろうと思いまするので、それらの具体的な
事情
につきましては、私としてどうこうということは申上げかねるのでございまするが、問題の
中心
になるこの反
民主主義活動対策協議会
にのみ限定をして
お答え
を申上げることをお許しを頂きまするならば、これは
先ほど
申述べましたような
事情
によ
つて
でき
上つた協議会
でございまして、我々といたしましては急に九月の十五日にな
つて
作られたというような
事情
については特別な他意はないという点を
先ほど
申述べたのでございまして、このような
協議会
が必要であるという
考え方
につきましては非常に我々としては必要だと考えるのでございます。その点は
先ほど
も若干触れましたように、最近におきまする反
民主主義活動
、なかんずく
共産主義活動
の
実情
をつぶさに考えまする場合においては、どうしても
関係閣僚
間において、より緊密な
情報
を
交換
し合うということは正しい
民主主義
、秩序の
維持
という
観点
から見まして必要欠くべからざるものと、かように我々は
認識
をいたしておる次第でございます。そういう反
民主主義活動等
に関する
情報収集
の
所管
の
機関
があるではないかという
意味
の御
質疑
は正に御
意見
の
通り
でございまして、この点は或いは
先ほど
の御
説明
では不十分であつたかと思いまするけれども、この
対策協議会
それ
自体
は、決して反
民主主義活動
或いは
共産主義活動等
に関する
情報収集
を受持つ
機関
とは毛頭考えていないのでございます。又事実そのようなことは将来ともやることを考えてはいないのでございます。繰返し御
説明
申上げまする
通り
、この
協議会
は、それらに関する
情報
を
交換
し合う、
意見
を
交換
し合う
機関
であり、その
意見交換
の結果、反
民主義活動
に対する
対策等
について、
関係閣僚
間によりよい智恵が出まするならば、それを
相談
し合
つて
行こうという
会合
でございまして、
情報収集そのもの
を扱うのは、御
指摘
の
通り
それぞれの
所管
の
官庁
があるのでございます。具体的に申上げまするならば、法務省の
公安調査庁
というものは
公安調査
、或いは諸般の、あの
所管
いたします
破壊活動防止法等
に
関連
いたしまして、団体の
規制等
をやりまするその
基礎
の
資料
としての
情報
を収集いたすのでございます。又
警察
はいわゆる
治安維持
の面からいたしまして、
犯罪
の
予防
或いは
検挙
というものを主たる
役割
にいたしますので、それらに
関連
いたしまして、必要な限りにおいては、いわゆる
情報
を収集いたすのでございまするし、これも従来的な
意味
における特高
警察
というような
意味合い
でなくして、飽くまで
犯罪
の
予防
、
検挙
というようなことの
基礎
の
事情
をつまびらかにする
意味
から、
情報
を収集いたしておるのでございます。又
外務省等
もこれは国際的ないろいろな海外の
動き
、
外務省
の
行政施策
に役立てるという
意味合い
から
情報
が収集せられる、或いは収集するという場合もあろうと思いますが、これらのうちにも反
民主主義活動
の
情報
として役に立ち得るような
情報
もあり得ると思うのでございます。それらはそれぞれの
所管官庁
が、それぞれの
権限
、それぞれの仕事の
範囲
におきましてやるのでございまするが、これを国の
総合施策
として役に立てて行きまする場合において、
事柄
が極めて理想的に進みまするならば、現在の
行政機構
がそれぞれの
権限
でやつた
情報
を、それぞれに役に立たせるということで十分でございますけれども、実際問題といたしましては、それを更に
関係閣僚等
において緊密に
連絡
、
交換
し合うということが、反
民主主義活動
に対する
対策
を前進いたしまする場合において、より役に立つというこの事実につきましても、我々といたしましては無視するわけには参らないのでございます。従いまして、これに
関連
しまして、
事柄
が重要でありまするだけに、
情報交換
の
機会
を持ちたいというような
意味合い
から、この
協議会
を作り上げた次第でございまして、繰返しますが、
協議会自体
が
情報
を収集するわけではございません。それにつきましては御
指摘
の
通り
、それぞれの
所管
の
官庁
が
所管
の
権限
に基きまして
情報
を収集いたしておる、かような
状況
でございます。
矢嶋三義
10
○
矢嶋三義
君 わざわざここに反
民主主義活動対策協議会
、こういう
名称
の下に、緊密なる
連絡機関
としての
協議会
を設けられたということは、現在の
行政機構
のみでは十分な
対策
が講ぜられない、即ち今の
情勢
というものは、反
民主主義活動
というものが非常に活発にな
つて
来てこの
必要性
が生じて来たと、こういう立場をとられているわけですか。
谷口寛
11
○
説明員
(
谷口寛
君)
お答え
いたします。今の御
質疑
にぴつたり私の御
答弁
が一致するかどうか懸念いたすのでございますが、各反
民主主義活動等
に関する
情報
を収集する
機関
はございます。ございまするが、それを更に
関係閣僚
として、その
情報
を持ち
寄つて
、
意見
を
交換
することを通じて、それぞれの
所管行政
の推進に役に立つ場合もございまするし、或いは
警察
は
警察
の
角度
から反
民主主義
的の
情報
を持
つて
おる、
公安調査庁
は
公安調査庁
の
役割
からこの
情報
を持
つて
おる、それらをこの
協議会
で
意見
、
情報交換
をしますことを通じて、直接
情報収集
には当りませんけれども、反
民主主義活動
に対する正しい
理解
、正しい
認識
というものをつけるならば、それぞれの
所管行政
が
民主主義
の確保という
観点
から
言つて
、より前進するというようなものも随分あるわけでございます。そういうような
役割
に役立たせるためにこの
協議会
を活用して参る、こういう
考え方
でいる次第でございます。
矢嶋三義
12
○
矢嶋三義
君 私の伺
つて
いる点は、ここに
吉田
さんの
外遊
を前に偶然時期が一致したのかも知れませんが、わざわざこう反
民主主義活動
云々、こういう
名称
をつけて設けられた以上は、最近反
民主主義活動
というものが従来よりは活発にな
つて
来たから、何とかこの
対策
を講じなければならない、こういう
情勢
分析の下に立たれているのでございますかどうですかということを伺
つて
いるのです。
谷口寛
13
○
説明員
(
谷口寛
君) 先ず反
民主主義活動
というような表現になりました点につきましては、これは
先ほど
来私が申上げますように、反
民主主義活動
、これは
民主主義
秩序を暴力或いは非合法手段を以てしても乱そうというような
考え方
を以て行動する
活動
と
理解
いたしておるのでございまして、そのためには
考え方
といたしまして極右の
活動
等も
考え方
の中に入り得るとかように考えております。併しながら現在の段階の
対策
の
中心
は
共産主義活動
を
中心
にしたものであるというので、私は反
民主主義活動
、なかんずく
共産主義活動
というような表現をいたしておるのでございます。今の御
質疑
のポイントは、特に九月十五日にな
つて
、そういうような点が非常に急激に
対策
を講じなければならないような
情勢
に来たのかどうか、こういう点の御
質疑
でございまするが、我々といたしましては、九月十五日前後に急速遽これをきめなければならないというような
観点
から言えば、反
民主主義活動
がその前後に特別な
事情
があるというようには考えておりません。併しながら反
民主主義活動
、なかんずく
共産主義活動
につきましては、この数年来いろいろな
動き
が執拗に繰返されておりますることはお互いの
認識
をいたすところでありまして、これらの問題に
関連
いたしまして、
先ほど
も述べましたように純粋の
治安
というものだけを取扱いました
関係閣僚
の
相談
会はあ
つたの
でございまするが、これをもう少し広いものにするという
考え方
でいろいろ
研究
をいたしてお
つたの
が、九月十五日に一応
閣議
として成立をいたした、かように考えておるのでございます。
矢嶋三義
14
○
矢嶋三義
君
先ほど
からの
答弁
を承わ
つて
いますと、緊密なる
連絡機関
としての事実上の
協議会
として設けたので、
国家行政組織法
の法的根拠を持
つて
の
協議会
とする考えはない、こういうように承わ
つたの
でありますが、将来もその
方針
は変りませんね。念のために伺
つて
おきます。
谷口寛
15
○
説明員
(
谷口寛
君)
お答え
申上げます。将来におきましても、この
協議会
を
行政組織法
に基く
協議会
にするというような
考え方
は現在のところ持
つて
おりません。この点は私から申上げても如何かと思いまするけれども、我々といたしましては、これは飽くまで
情報交換
、それを通じて
総合施策
に関する
関係閣僚
のいい智恵をしぼり合
つて
行く、それの
相談
をする
会合
、かように
理解
をいたしておりまするので、将来これを
行政組織法
上の
組織
に切替えるということは考えておりません。
矢嶋三義
16
○
矢嶋三義
君 私は現在我が国においては
民主主義
というものを本当に我がものにするということは非常に大事だと思うのです。この
民主主義
の理念についても、又実践についても、まだ足らざるところはたくさんありますので、
民主主義
を
理解
し、又これを実践できるようになるということは非常に私は大事だと思う。これはあなたと全く同感です。ただ問題は反
民主主義活動
とは何ぞや、この認定ですね、この
限界
というものが非常にやはり重要にな
つて
来ると思う。私は今の
吉田
内閣
の施策の
状況
、又
情勢
から考えて、この反
民主主義活動対策協議会
というものは、反
民主主義活動
とは何ぞやという認定とも
関係
があるわけでありますが、労働
関係
諸法の改正或いは改悪、これらの伏線というものがここに出て来ているのではないか。こういう感じを私は持
つて
いるわけでございますが、その点如何でありますか、御所見を承わりたいと思います。
谷口寛
17
○
説明員
(
谷口寛
君) 反
民主主義活動
という表現或いは文字は、それ
自体
として厳密な実現とは我々考えておりませんが、むしろ
矢嶋委員
も御
指摘
になりましたように、いやしくも
民主主義
国において、而も
民主主義
を理念にいたしまして現在の国家秩序の根本法が立てられており、お互いの政治生活或いは社会生活一切が正しい
民主主義
を基盤にして打立てられておるものでありまする以上、この正しい
民主主義
の下に国家の
運営
を前進せしめたいとしてお互いに努力をいたしておりまする限り、
民主主義活動
として
理解
されるものにはおのずから良識を以てする
一つ
の
限界
があり得るわけでありまして反
民主主義
の名において、反
民主主義
の名に隠れて、時の
政府
が或いは時の権力者が或る種の野望を達するというようなことがありまするならば、これこそ反
民主主義活動
であろうと私自身が考えるのでございます。飽くまでこれは正しい
民主主義理念
をむしろ推進し、浸透せしめるために、
共産主義活動
を孤立化せしめるということを当面の
狙い
にいたしまして、その点から正しい
情報
を
交換
し合い、又その正しい
情報
の
認識
の下に施策を推進して行くというのがマキシマムでありミニマムでもあろうと私は考えているのでございまして、決して私はこの問題を通じまして、いろいろと特殊な政治的な
意味合
を附加して行くというような
考え方
は毛頭
政府
としても持
つて
おられるとは考えていないのでございます。それらの問題に
関連
いたしまして、具体例の
一つ
として、労働
関係
法規の改正、改悪の伏兵的なものではないかという御
質疑
もあ
つたの
でございまするが、その点につきましても、今私の申上げました点から申上げまして、率直にそういうものの伏兵ではない。ただこの問題につきまして何を労働法規の改正、改悪というかというような問題につきましては、いろいろと御
意見
の分れるところがあろうかと思います。併し飽くまでいわゆる議会主義の原則に基いて解決すべき労働法の改正を、その線を突発ねて或る改正の意図を達するためにこの
協議会
を大いに活用するというような、そういう妙な
考え方
は毛頭持
つて
おりません。労働法改正、改悪というものをお互いにどう考え合うかということについては、大いに
民主主義
的に検討する余地もあろうかと思いまするけれども、これがその問題の伏兵であるというような政治的な意図は、この
協議会
の
運用
については毛頭考えておりませんので、どうかその点の御了承を頂きたい。
矢嶋三義
18
○
矢嶋三義
君 副
長官
のお言葉は誠に立派なお言葉でありますが、併し私は院内では野党に議席を持
つて
いるものでありますが、今の
政府
のやられていることは必らずしも全部私は間違
つて
いるとは申しませんが、相当片面だけを見、又片面だけを行な
つて
おるという面は相当あると思うんです。例えば外交政策についても一面だけを眺めて、他の世界の一面というものはあまりよく見ない、重視して行かないというような片面外交をや
つて
いるとも私は考えるわけですが、そこで私ちよつと
角度
を変えて伺いますが、国民の立場に立つた場合、
民主主義
を守らなくちやならないという立場から、反
民主主義活動
があるならば、それの
対策
を講じなくちやならないということを、国民は希望すると同時に、又国民は、他の面から考えればこれとも
関連
があるわけですが、先般
国会
では汚職疑獄というような問題が随分論ぜられたわけですが、こういうときに
国家行政組織法
に基かなくても、今の
政府
のあらゆる事実上の
協議会
の
設置
の
方針
からいうならば、如何にして行
政府
部内の綱紀粛正を図るかというような立場から、汚職疑獄
対策協議会
というようなものを真先に設けて、率先して国民に
政府
みずから範を垂れるというような私は行き方が当然行われるべきだと思うんですが、そういうものは一切行われなかつた。これは国民の立場から考えるとどうも私は納得できない点で、どうも自分の考えと合わない団体、或いは個人の思想なり、或いは言動というものを抑えて行こう、抑えて行こうというような進み方というものは、私は国民の立場に立つた場合、納得ができないと思うんですが、汚職疑獄
対策協議会
というようなものは、どうして当時
内閣
に設けて積極的にやらなかつたんですか。そういう点は如何ように国民に対して
答弁
いたしますか、
お答え
願いたい。
谷口寛
19
○
説明員
(
谷口寛
君)
矢嶋委員
の御
質問
は私の
お答え
できる
範囲
よりも少し広大と申しますか、広い御
質問
でございまして、私としてはその問題にじかに
お答え
をすることは控えたいと思うのでございまするが、この反
民主主義活動対策協議会
というものを設けまして、
情報
を現在
交換
しつつあり、将来も相当長期に亙
つて
この
協議会
を
運用
いたして行きたいということは、
先ほど
来縷々申上げた気持でございまするので、それによりまして甚だ間接的な御
答弁
でございまするが、御
質疑
に対する御
答弁
とさして頂きたいと思います。
矢嶋三義
20
○
矢嶋三義
君 それでは私も副
総理
がおいでにならんと因るんですが、まあそれは無理でしようから、もう
一つ
伺いましよう。それは私冒頭に申上げましたように、ともかく
民主主義
を守
つて
行く、反
民主主義
的な
動き
というものは封鎖して行かなければならんということは非常に大事だと思うんですね。その立場から私は決して一方的に考えてならんと思うんです。それで更に伺うんですが、具体的に
一つ
の例を挙げましよう。自由党という政党、
一つ
の団体でありますが、これは
民主主義
的な団体でございますか。どういうようにお考えにな
つて
いますか、(笑声)念のために……。
谷口寛
21
○
説明員
(
谷口寛
君) 現在の憲法、法律秩序の下におきまして成立いたしておりまする合法政党という限りにおきまして堂々たる
民主主義
的政党であります。(笑声)
矢嶋三義
22
○
矢嶋三義
君 重ねて若干伺いますが、例えば最近石橋さんとか岸さん等、一部の行動、ああいう行動は
民主主義活動
という立場から考えたらどういうようにお考えになりますか。
谷口寛
23
○
説明員
(
谷口寛
君) 反
民主主義活動
て、それが反
民主主義
的であるとか或
対策協議会
において
情報交換
をすべき対象では、ございません。(笑声)
矢嶋三義
24
○
矢嶋三義
君 反
民主主義活動対策協議会
の対象云々ということとは
関係
ないと。 私が目頭で申上げているように、とにかく我が国は
民主主義
を守り、反
民主主義活動
は抑えて行かなくちやならんということは勿論大事だと思う。これは国民一人々々に影響が大きいわけです。従
つて政府
は反
民主主義活動対策協議会
というものを設けられて御善処をなさるという点には、私はある
意味
で敬意を表するわけなのです。そういう立場から視野を広めて、自由党は堂々たる
民主主義
団体だ。そうなると自由党というのは政権を持
つて
、国民の生活というものを
責任
を以て預
つて
いるわけです。この与党における最近の私が例を挙げたような行動、これは
民主主義
という立場からそれに即応した
動き
とお考えにな
つて
いらつしやるか、或いはこれに反する
動き
とお考えにな
つて
いらつしやるかということを伺
つて
おるわけです。あなたの御見解を伺いたい。
谷口寛
25
○
説明員
(
谷口寛
君) 最近の政治上のいろいろな
動き
に
関連
いたしまして、具体的にその問題がどうこうということは私としては申上げることは差控えるべきだと思うのでありますが、いやしくも
民主主義
の下におきまする法律秩序の下において、それぞれ政治信念或いは行動の自由その他があるのは
民主主義
の建前で当然でございまするので、そういう
意味合い
からそれぞれの政治的な感覚でお
動き
になるということにつきましては、私といたしまして、それが反
民主主義
的であるとか或いは
民主主義
的であるとかということを御
答弁
する筋合いのものではないと、かように考えております。
矢嶋三義
26
○
矢嶋三義
君 この問題について割切つた
答弁
をあなたに要求することは無理だし、又私はあなたが割切つた
答弁
をなさろうとも予想していないのですが、問題は私はこういうところに
関連
して来ると思うのです。これはあなたはさつきから盛んに暴力々々というけれども、私はああいうかたがたの行動の是非はともかくとして、
民主主義
的な行動という
観点
から眺めたならば、あなたはさつき暴力と
言つて
いましたが、目に見えない反
民主主義
的な
動き
だと、こういうように私は認定されるのじやないかと思います。だからこそ天下の公党である自由党は除名したのじやないですか。こういう
政府
与党が、
民主主義
を守
つて
行くという立場からすつきりした行動がとられていないということは、国民に対する影響は大きいですよ。私はそういう
民主主義
的な行動というものを
政府
みずから模範的に、
政府
与党が国民に模範的にこれを示されるということが私は非常に大事なことだと思うのです。そういう点についてはみずから何らなすべき努力も、又力もなくて、あたかも進歩的な団体の
動き
を必要以上に神経質に配慮されて、そして延いてはこれは思想の自由或いは
言論
結社の自由とも私は
関連
して来ると思うのです。それは無言の威圧、抑圧というものを国民大衆は受けると思うのです。そういう反
民主主義活動対策協議会
というものを麗々しく看板を掲げてやられるということについては、私は非常に国民の立場に立つた場合には一方的だ、もう小しさつき言つたような汚職、疑獄の
対策協議会
とか、それから
政府
与党内にみずから
民主主義
の基本的な原理に即応した言動がとられるように、先ずそれから努力さるべきじやないか、そういう点を私は非常に遺憾に考えるわけですが、あなたの御所見は如何でございますか。
谷口寛
27
○
説明員
(
谷口寛
君) 大分
矢嶋委員
の私に対する御
質問
の何と申しますか、本当のポイントというものが非常に私自身にも明らかにな
つて
参
つたの
でございまして、
先ほど
来も申上げまするように、反
民主主義活動
として、我々が又
協議会
の各
委員
が
認識
いたしておりまするものは反
民主主義活動
、言い換えれば暴力或いは非合法の手段を以てしても正しい
民主主義
秩序を乱そうとする或いは破壊しようとする、もつと具体的にいうならば、場合によりまして現在の
民主主義
憲法も否定する或いは
民主主義
の法的秩序として存在する議会制度その他についてもこれを覆すというようなことを終局の目標にいたしましていろいろ
活動
する
動き
を、我々としては反
民主主義活動
と
理解
をいたしておりまするが、この
意味
の
中心
は、現在といたしましては
共産主義
の
活動
であると
理解
をいたしておるのでございます。その
観点
から申述べまして、今御
質疑
のお言葉の中にもありましたが、いわゆる進歩的な御議論をなさるかたがた、或いはそういう立場において政治的な行動をなされるかたがた、或いは正しい
意味
で、純真な
意味
で平和主義を唱えられるかたがた、そういうかたがたが反
民主主義
の名においてむしろ何と申しまするか、
共産主義
的な陣営のほうへ追いやられるというような
動き
をすることは、これはむしろ反
民主主義活動
の真の、
先ほど
矢嶋委員
もおつしやり、私も申上げましたように、正しい
民主主義
を擁護するという
意味
からい
つて
は、これは利害
関係
からい
つて
も得策ではございません。
考え方
それ自身としてもそういうものを反
民主主義活動
の中において弾圧するというような
考え方
は毛頭持
つて
おりませんので、むしろそこをはつきりいたしたいというような気持からも反
民主主義活動
を通じての
情報交換
或いは
情報
判断
というものを
一つ
はつきりつけたいというような
意味
も含めまして、
先ほど
申述べましたような
情報
判断
等も甚だ抽象という御非難も招くでございましようし、或いはこれでは舌足らずじやないかという御非難も確かに一部にあるように考えておりまするけれども、現在の段階として
基礎
情勢判断
をああいうようなところにおいておくのだという気持でや
つて
おりますので、単にこれをある種の政治的な意図を以て簡単に進歩的な思想或いは
言論
を弾圧する、そういうふうな意図のものでは毛頭ございませんので、その点は十分に
一つ
御了承頂きたいと思います。
矢嶋三義
28
○
矢嶋三義
君
只今
のあなたの御所見は承わ
つて
おきます。 率直に申しまして
吉田
さんが洋行される前に皆さんがたに下駄を預けて行かれた。
吉田
さんはこれを鞄に入れて持
つて
行かれて、残つた下駄を履かれたあなたとしては持て余していられるのが
実情
ではないのですか。従
つて
これは
吉田
総理
が
外遊
からお帰りになると、
治山治水対策協議会
その他の
協議会
と同じように雲散霧消する、それは私は非常に結構だと思うのです。そういうふうに期待してよろしいのじやないかと思いますが、如何でしようか。
谷口寛
29
○
説明員
(
谷口寛
君) 我々
幹事
の一員といたしまして、正しい
認識
を推進する
観点
からこの
協議会
というものを十分に前進せしめて行くということについては
責任
も感じ、又我々としても、そういう
意味
の情熱と言いますか、気持を十分に持
つて
おります。従いまして今御
質疑
のようなことと
関連
いたしまして、これが雲散霧消するというようなものは、少くとも
幹事
の
役割
をいたしておりまする私或いは我々といたしましては、そういう程度では、反
民主主義活動
に対する本当の
対策
は出て来ないという工合に考えております。
矢嶋三義
30
○
矢嶋三義
君 それじやもう
一つ
承わ
つて
おきましよう。
先ほど
来数回
協議会
を開かれたようでありますが、その
情勢判断
の最大公約数を出すべく努力されたということをさつき申されておりましたが、どういう最大公約数が今のところ出ておりますか。又出んとしておりますか。その辺のところを承わ
つて
おきたいと思います。
谷口寛
31
○
説明員
(
谷口寛
君) この点はすでに発表をいたしておりまするので、若しこの
委員会
におきまして御必要がございまするならば印刷にせられたものを後刻お届け申上げて差支えないとかように考えておりまするが、要は、この
共産主義
の
活動
の本質というものは、最終的には暴力の手段を以てしても革命を成就したいという本質を持
つて
おるという点、それから、それの具体的な手段
方法
としては相当な変遷があり得る。時の
情勢
によ
つて
その意図が暴力的な行動として現われる場合があるし、或いは表面
平和攻勢
のような形で現われて来るものもあるが、本質としては暴力革命を意図しておるものだという
考え方
のようであります。それから日本共産党というものは結局国際共産党に従属する
性格
を持
つて
おる。日本共産党の
活動
の根本は、国際共産党と
関連
して、その国際
関連性
、率直に申せば従属性の下に動いておるのだ、そういう
認識
をはつきりさせる必要がある。それから現在の具体的な
方策
としては、アジアにおいては特に日本を重点にして各種の施策を集中しておる。まあ甚だ簡単でありまするけれども、それら三点をやや敷衍をいたしましたような
情勢判断
、こういうことに相成
つて
おります。
矢嶋三義
32
○
矢嶋三義
君 その程度の
情勢判断
において、当面どういう
対策
を講じなければならないだろうというような大よその
意見
が出ておりますか。その辺
一つ
。
谷口寛
33
○
説明員
(
谷口寛
君)
先ほど
も申述べた
通り
、これは
民主主義
対
共産主義
の長い戦いであり、又その
意味
の対決であるわけでありまするから、じつくり構えてや
つて
行くこと、そのためには先ず
広報宣伝活動
を
中心
にとり上げなければならない、こういうことであります。
矢嶋三義
34
○
矢嶋三義
君 共産党非合法化ですね、こういう方向に進みつつあるのではないかと、こういう予感が私はいたすのでありますが、その辺のところは如何でありますか。
谷口寛
35
○
説明員
(
谷口寛
君)
協議会
の
会合
を五回重ねておりまするが、今御
意見
に出ましたような問題は議題に出たこともございませんし、又従
つて
意見
の
交換
をせられたこともございません。私自身の個人の
判断
といたしましても、そういう予感があるというような感じは毛頭いたしておりません。
矢嶋三義
36
○
矢嶋三義
君 最近のこの労働組合に対する
政府
の出方ですね。具体的に申上げまして、ピケ・ラインに対する
政府
の見解発表、それから具体的な事件における例えば兜町における証券争議の際における
警察
官等の行動、こういう一連の流れを考えますとき、相当に労働組合に対する強圧政策というものが予感されるわけです。そういう表面に実際的に現われた問題を考えるときに、私はあなたの
説明
による反
民主主義活動対策協議会
の協議、審議対象外であるにもかかわらず、そういう問題はこの
対策協議会
の懇談会その他を通じて、その結論としてああいう
政府
の
対策
というものが現われて来たのではないかと、今後又現われるのではないかとこういうふうに考えられる節があるのでありますが、その点は如何でございますか。
谷口寛
37
○
説明員
(
谷口寛
君) 証券ストの際に、これに引続いて労働
大臣
がピケ・ラインの合法性、或いは第三者に対する
関係
、第三者の加わつたピケ等の問題に
関連
しまして御
意見
を発表せられたことは御承知の
通り
でございます。併しこれは今
矢嶋委員
の御
指摘
になりました
協議会
においていろいろ
意見
を
交換
せられてそれの推進、プッシュによ
つて
現われたというような
性格
のものではございません。労働行政を担当せられる労働
大臣
として現在の金融ストの
実情
を十分に
判断
をせられました結果、現行の労働組合法の解釈について明確なる行政解釈をお示しに
なつ
たということでございまして、これらとの
関係
について特別な御想像をされるという
経緯
はないように考えておるのでございます。
矢嶋三義
38
○
矢嶋三義
君 私はこういうことを伺
つて
いるわけは、警官が多かつたら、或いは必要ではあろうけれども、法律が随分とたくさんある国家、社会というものは、私は重苦しい感じがして明るい人生を楽しむことはできないと思うのです。非常に善良な国民にしても、あらゆる場合の法律が網の目を張つたようにたくさんある。それから警官その他取締るお役人が多いと、たとえ不正をやらない善良な国民にしても、何か小さな枠の中に押込められた感じがするわけで、そういう私は国家とか社会とかいうものは決して住みよい明るいものじやないと思うのです。従
つて
反
民主主義活動対策協議会
、こういうものも是非必要ならば設けなくちやならないだろうし、又あなたがた必要とお認めにな
つて
設けられたわけですが、設けた場合に、この
協議会
の
運用
ですね、これはよほど心してもらわなければ私は国民の権利、義務の遂行上からい
つて
も、又憲法に保障されている思想、
言論
、結社の自由等も私は目に見えない圧力によ
つて
抑制されて行く、こういう虞れがあると思うんです。従
つて
今後私はこの
対策協議会
の
運営
その他については重大な関心と監視を続けて行くつもりでありますが、
先ほど
から副
長官
の
答弁
に現われた言葉に関する限り、まあ御尤もな、慎重な御発言をなされているようでありますが、十分この
対策協議会
の設立の
趣旨
を国民に浸透させると同時に、この
運営
に対しては注意して頂きたい。で、私は重大な関心と監視を払
つて
お
つて
、若しあなたの
先ほど
の
答弁
に反するような事態が生じた場合には改めて追及いたしますから、その点お含み願いたいと思います。これだけ要望いたしまして私の
質問
を終ります。
小酒井義男
39
○
委員長
(
小酒井義男
君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
小酒井義男
40
○
委員長
(
小酒井義男
君) 速記を起して下さい。 それではまだ御
質疑
が残
つて
いるようでございますが、午後続行いたすことにいたしまして、暫時休憩いたします。 午後零時五分休憩 —————・————— 午後二時一分開会
小酒井義男
41
○
委員長
(
小酒井義男
君) それでは
只今
より
委員会
を再開いたします。 午前中に引続きまして、反
民主主義活動対策協議会
に関する件について
質疑
を続行いたします。
堀眞琴
42
○堀
眞琴
君 午前中の
政府
側の
説明
並びに
矢嶋
君との
質疑
応答によ
つて
、反
民主主義活動対策協議会
の
性格
なり或いはその仕事の大体の様子は一応わか
つたの
でありますが、併しなお私腑に落ちない二、三の点がありまするので、重ねて
質問
を申上げたいと思います。 先ず第一に
設置
された
事情
でありますが、午前中の御
説明
では特別に九月十五日の
閣議
によ
つて
決定されたというのではなくて、従来の
治安閣僚懇談会
をもつと
範囲
を拡げて、そして寄り寄り
相談
の結果九月十五日の
閣議決定
に
なつ
た、こういうお話である。併しこの九月十五日というと
矢嶋
君も
指摘
しておりましたように、
吉田首相
の
外遊
のいわばすぐ前の日であり、何らかそこに
関係
があるだろうということは、これは誰でもが予想することなんです。而も
吉田首相
がアメリカへ行かれまして、そして新聞記者との会談や或いは又その他の談話を通じてみましても、どうやらアメリカとの
関連
ということが我々としては予想されるわけなんです。従
つて
あなたの御
説明
は一応は表面の御
説明
にはな
つて
おると思いますけれども、併しもつとそこを掘り下げて参りますというと、やはりここで早急に
共産主義
に対する
対策
を立てなければならん。
対策
というよりも、そういうような
機関
を作るということが当面必要なんだというような見解から、こういう
措置
がとられたんではないかという感じが私にはするわけです。その点について
吉田首相
のアメリカにおけるところの声明、或いは新聞記者との会談でのお話等を総合して、この九月十五日の
閣議決定
に至つたその間の
事情
をもう少し詳しく御
説明
をお願いしたいと思います。
谷口寛
43
○
説明員
(
谷口寛
君) 反
民主主義活動対策協議会
が九月十五日に
閣議
で
設置
を決定せられました
事情
につきましては、私といたしまして承知いたす限りにおいて、午前中に詳細申述べたつもりでございます。繰返しの言葉に相成りまするが、反
民主主義活動
に対して、いやしくも
民主主義
秩序を正しく守り通そうという
考え方
を持つものといたしましては、絶えずこれに関心を持つと共に、それに対して適切な
対策
を考えて行くことが必要でありまして、
政府
といたしましても、午前中申上げた
通り
、各
関係
官庁
が反
民主主義活動
に関する
情報
の収集をなすと共に、その
対策
につきましても、
治安閣僚懇談会
等を通じまして、かねがねこの問題に注意を払
つて
参つたわけでありまするが、内外における反
民主主義活動
の
実情
が、更に
治安
関係
の
閣僚
のみならず、この問題と諸般の
行政施策
との間に密接な
関連
を持つと思われる他の
閣僚
をも加えて、
情報交換
の
組織
を作るほうがより施策の推進のために適切であろうという
考え方
から、かねがね
研究
をいたしておりましたところが、九月の十五日に至
つて
、それが正式に決定を見たと、こういうことでありまして、それ以外に特別な
事情
はないと考えておるのであります。なおアメリカ等におかれまして、反
民主主義対策
協議会等
の話が出ておりますかどうかという点につきましても、私新聞紙上の報道以上のものを私自身としては承知をいたさないのでございまするけれども、この問題につきましても、いやしくも自由主義陣営に属する諸国とせられて、
民主主義
堅持の建前から、又
民主主義
の前進の建前から、
共産主義活動
に対してそれぞれの自由主義陣営の諸国家が大いにインタレストを持つと又その
対策
について努力をするということはこれは当然のことでありまするからして、そのような
意味合
からそのような
趣旨
の話合いがあるということも当然にこれは期待できることと私自身考えておるのであります。いずれにいたしましても
首相
の
外遊
と結び付けまして特段にそういうものをその
機会
に作り上げるというような意図的なものではなく、飽くまで地道に反
民主主義対策
というものを推進して行くためにこの
協議会
が必要だということで
設置
せられたものと、かように考えておる次第でございます。
堀眞琴
44
○堀
眞琴
君 私がアメリカにおける
吉田首相
の新聞記者との会談であるとか、或いは声明等を申上げましたのは、実はこの反
民主主義活動対策協議会
のできる前から一部にはアメリカの非米
活動
委員会
、あれをまあいわば模倣したようなものを
内閣
のほうでは考えているらしいというような噂さが巷間に伝えられておつたわけです。それらが非日
活動
委員会
という形で出すのはちよつとまずいのじやないか、そこでもつと幅を広くして、反
民主主義
というようなことを謳
つて
、そういう
機関
を作るというようなことが考えられたんじやないかと思います。これは私の想像でありますが、その点についてたまたま九月の下旬には
吉田首相
がアメリカへ訪問のために渡られる、こういう
事情
にもありましたので、やはりそれらを従来考えておつたと思われるような
観点
からこういうような
対策協議会
というようなものを推進発足せしめるということに
なつ
たんではないかと思うのですが、その点について御
質問
を申上げたいのと、それからもう
一つ
は今の御
説明
ですと、従来の
治安閣僚懇談会
があるが、併しもつと
行政施策
の上に反
民主主義
的な
対策
をそれぞれ
閣僚
間に打立てるためのいわば
情報交換
の必要があ
つたの
でここに設けたと、こういうお話でありますが、
閣議
はそもそも
閣僚
のそういうような
意見
を調整しそしてその上に立
つて
施策を打立てるというような
役割
をしているのだと思うのです。
閣議
の上に改めてこういうような
協議会
を作るということは、これは殆んど
意味
がない、若しもあなたのおつしやるようなものとすれば、私は大した
意味
はないのじやないか、下部にはすでに
公安調査庁
もできておりますし
警察
機構
だ
つて
やはり
共産主義
対策
で或る程度その方面からの
情報
を取ることができる、或いはあなたの御
説明
によれば国際
共産主義
等については
外務省
のそれぞれ
関係
局或いは課においてそれぞれの
調査
をや
つて
おられるので、それらをそれぞれの
閣僚
が
閣議
の席上においてそれに関する
意見
を述べるとか或いは
情報
を
交換
するというようなことは十分できるはずだと思うのですが、それを何故こういうような
協議会
を作
つたの
か、そういう点の
説明
が必ずしも十分になされていないので、若しなんでしたならばそれを御
説明
願いたい。
谷口寛
45
○
説明員
(
谷口寛
君) 今回の反
民主主義活動対策協議会
とアメリカにおける非米
活動
委員会
との
関係
というような問題は、勿論
関係
がないわけでございます。アメリカの非米
活動
委員会
というものは
国会
に
設置
せられておる
機関
でありまして、これらに
関連
するいろいろな
資料
等の検討等はそれぞれの
機関
において
研究
もいたされておるようでございますけれども、反
民主主義活動対策協議会
と非米
活動
委員会
との
構想
の間においては、
先ほど
来縷々申上げまするような
事情
において成立をしたのでありまして、直接の
関係
は持たないものと考えるのでございます。なお、私の
説明
にありましたような
意味
において、直接
治安
に直結する
関係
各省
以外に、その資格において
治安
情報
を緊密に
交換
連絡
するほうが、施策に大いに役に立つと考えられるような
関係
の深い
閣僚
をも加えまして、この
協議会
を
設置
したという
趣旨
のことを申上げましたに対して、然らばそういうことは
閣議
において討論すれば十分じやないか、こういうものは屋上屋を重ねるじやないかというような御
趣旨
の重ねての御
質問
であるわけでございまするが、その点は一応御尤もでございまするけれども、申すまでもなく
閣議
それ
自体
は、諸般の
行政施策
に
関係
いたしまして行政権の行使をいたしまする
政府
といたしまして、
閣議
を通じまして直接国の意思を決定する
組織
に相成
つて
おるわけでございます。その
意味
から、
閣議
におきましてはその都度国の意思を決定するような案件が
閣議決定
をせられて参
つて
おります。勿論そのような席において
治安
に
関連
する
情報
が
交換
せられますことは毫も差支えないわけでありまして、事実上
閣議
の席を通じて反
民主主義活動等
に
関連
する
情報
が
交換
せられるという場合もあるわけであります。併しながら本来
閣議
それ
自体
というものは、諸般の行政権の行使に
関連
する
国家意思
を決定する
機関
でございまして、それらをむしろ定例的に週二回は必ず行い、更に必要があるならば臨時にそれを行う。そうして
関係
各省
におきまする
行政事務
その他の事務に
関連
いたしまして、その都度正式の
国家意思
としてこれを決定いたして行くわけでございます。で反
民主主義活動
に
関連
いたしましては、午前来いろいろ申上げますように、むしろそれだけを取上げまして緊密に
情報交換
をやるということが現在の反
民主主義活動
の
実情
に照しまして非常に必要であるという
考え方
から、
閣議
とは別に、
関係
の深い
閣僚
で事実上の
協議会
を設けまして、もつぱら反
民主主義
の
情報
を
中心
にいたしまして
意見
を
交換
し合うということのほうがこの
事柄
の重要性に鑑みまして非常に大事である、こういうような
観点
からその
協議会
を設けておる次第でございまして、繰返し申す
通り
、
閣議
でそういう問題が討論せらるることを拒否する根拠もございませんし、事実上そういう
意見
が
交換
せられることもございます。併しながら、もつぱらそれを
中心
にして懇談をするという
機会
を別に設けるということも
事柄
の重要性から見て必要である、こういうような
意味合
から設けた次第でございまするから、その間の
事情
を御了承頂きたいと思います。
堀眞琴
46
○堀
眞琴
君 どうもまだ納得できないのですが、その反
民主主義
という言葉、
先ほど
の御
説明
では大体反
民主主義
という場合には、一応の良識に従
つて
反
民主主義
だと考えられるものについてこれが
情報
を
交換
するのだ、こういうお話であります。極めてその
限界
は厳密にはしにくいというお話がありました。で、私は反
民主主義
の前に
民主主義
というものをどういう工合に……、まあ制度としての
民主主義
というものをどのような工合に
政府
当局では考えていられるのか。従
つて
反
民主主義
というのはそれに反するものとしてどのようなものを一応考えていられるのか、それをちよつと御
説明
願いたいと思います。
谷口寛
47
○
説明員
(
谷口寛
君) 反
民主主義
というものに
関連
いたしまする定義というようなものが、がつちりと反
民主主義
とはかくかくのものであるというように定立をせられたものは特別にないという
意味
において、私は良識という言葉を用いたのでございまするが、それは午前中の御
質問
に
関連
いたしまして、反
民主主義
の名において、むしろ正しい
民主主義
の推進からはそれを保持し助長しなければならないようなものまでも、これを弾圧するというような感覚に出ずるのではないかという御
趣旨
の御
質問
に対して、私はその
意味
を申上げたのでございます。むしろ私の申上げたい点は、反
民主主義活動
というもの、その中において当面具体的に目標といたすべきものは
共産主義活動
で、それに対する
対策
であるということを、これは繰返し申上げたつもりでございまして、さような
意味合
から言えば、少くとも非合法或いは暴力を以てしても
民主主義
秩序を破壊しようとする
活動
というものにまず少くとも限定されるということは一応言えようかと思います。その場合に、その定義に当てはまるものといたしましては、極右
活動
につきましても、それが暴力を以て
民主主義
秩序を破壊することを意図するものである限りにおいては、当然に観念的には対象になります。併しながら当面の具体的対象といたしましては、主として
共産主義活動
が対象になる、かような
意味
で申上げたのでございます。単に反
民主主義活動
というものは良識を以て解する以外に手のない、あいまい模糊としたものである。従
つて
使いようによ
つて
はどうにもなるのだというような
意味
において、これがあいまい模糊或いは良識という言葉を使
つたの
ではございませんから、その点は繰返しの言葉になりますけれども、誤解のないように
一つ
お願い申上げたいと思います。なおそれらのことと
関連
いたしまして、然らばお前は
民主主義
というものをいかに解しているかという御
質問
でございますから、それらに
関連
いたしまして申上げますと、
民主主義
と申すのは、根本において人権の尊重、個人の尊厳というものを
中心
にいたしまして、政治、経済、社会の
組織
を打立てる原理であろうかと考えているのでございまして、現在の日本国の憲法に基く大
精神
も
民主主義
であり、それらを
中心
にした国家
行政組織
の根本が、いわゆる民衆によ
つて
選ばれました
国会
議員による議院
内閣
制度をと
つて
いるというような点も
民主主義
制度の現われでありましよう。その他行政、経済、文化、あらゆる面において根本の人間の自由、その個人の尊厳というものを尊重してかかるという立場に基いて組立てられた制度、それを尊重してかかるということが
民主主義
の
考え方
の、甚だ素朴ではありますが、根源的な
考え方
ではないか、かように
理解
している次第でございます。
堀眞琴
48
○堀
眞琴
君
只今
の御
説明
で、
民主主義
というのは基本的人権或いは個人の尊重を土台として、その上に社会の政治、経済等の秩序が打立てられ、それが
運営
される、これが
民主主義
だ、こういうお話であります。確かに私もその
通り
だと思います。そこであなたのおつしやる
共産主義
と
民主主義
の区別ですね、
共産主義
は反
民主主義
であるとおつしやる、その反
民主主義
だという点を同じように御
説明
願いたい。
谷口寛
49
○
説明員
(
谷口寛
君) それは今まで申上げた点で、我々の
理解
しております点は大体解明いたしていると考えるのでございますが、暴力或いは
民主主義
秩序の制度において定立されている法律秩序を無視しても、そういう後者の段階を端的に申せば非合法と言えるかと思うのでありますが、そういう暴力若しくは非合法を以てしても
民主主義
の秩序を破壊するということを究極の目標にするような諸
活動
、かように一応考えているのでございます。
堀眞琴
50
○堀
眞琴
君 私は何も
共産主義
をここで擁護しようとか或いは共産党の
活動
が民主的だということを言うつもりでこれからお話しするのではないのです。ただ私がお尋ねしたいのは、それでは
共産主義
の制度の下においては、果して基本的な人権であるとか、個人の尊厳というものが全然認められていないかということをお尋ねしたいわけなんです。で、それを率直に
お答え
を願えば、
民主主義
というものと
共産主義
というものとの
関係
もそこではつきりして来るんじやないかと、こう思いますので、その基本的人権であるとか、個人の尊厳であるとかいうような点について、
共産主義
はどのように考えているとお考えにな
つて
いるか、そのお考えをお述べを願いたいと思います。
谷口寛
51
○
説明員
(
谷口寛
君) 私の知り得る限りにおきましては、
共産主義
秩序の下におきましては、真の個人の尊厳或いは自由の尊重というものが確保せられていないと考えております。
堀眞琴
52
○堀
眞琴
君 例えばですね、
民主主義
の社会だと言われるアメリカの社会ですね、そういう所で果してその個人の権利或いは個人の尊厳というようなものが、おつしやるように完全に行われているだろうかということを私は疑うのです。
先ほど
申しました例えば非米
活動
委員会
であるとか、或いはマツカーシーのああいうような
考え方
に伴う
活動
ですね、ああいうもの、或いは又人種等に対する偏見等を見まして、私どもは果してアメリカが完全な
民主主義
の国であろうかということを疑わざるを得ない。その点についてはどのようにお考えになりますか。
谷口寛
53
○
説明員
(
谷口寛
君)
民主主義
の相当発達したと言われておりますアメリカにおきましても、御
指摘
のような
民主主義
に少くとも反すると申しますか、そういうような現実的な現象面もあり得るということは私も了承できるのであります。
民主主義
が行われるからとい
つて
、直ちにそれが一〇〇%完全な形において行われるものではありません。お互いに
民主主義
に対する信念を固めつつ、その
民主主義
の
趣旨
に副うように前進して行くというのが政治の進歩でもあり、或いは文化の向上でもあるわけでありまして、そのような
意味合い
から
民主主義
の理念なり、
民主主義
の理想と相遠ざかるものがあるならば、それを
民主主義
的な原理と
民主主義
的な
方法
を以て逐次改善をして行くというのが
民主主義
の姿であろうかと、かように考えておるのであります。
堀眞琴
54
○堀
眞琴
君 私は例えばという形でアメリカの場合を出したのですが、例えば又西ヨーロツパの場合についても、私は同様のことが
指摘
されると思います。で、総括的に申しますと、
民主主義
の社会といわれている社会において、事実は基本的な人権が必ずしも十全に尊重されないばかりか、むしろ場合によ
つて
はその基本的人権に対しても抑圧を加えるというような場合がしばしばあり得るわけですね。それと、それから今度は
共産主義
のほうの場合では、これも例えばソヴイエトの場合に、果しておつしやるような個人の尊厳であるとか基本的人権というものが尊重されていないのか、こういうようなことも現実にソヴイエトの政治或いは経済の制度の中で我々は考えることができるだろうか、私は実際にこの七月ですが、ソヴイエトに一カ月ほど参
つたの
です。そして私自身も見て参
つたの
ですが、とにかくソヴイエトにおいても、少くともスターリン憲法以後に、ゾヴイエトの制度の中においては基本的人権が尊重されているし、又その基本的人権の
範囲
も、少くともいわゆる資本主義国家におけるそれに比べるというと、ずつと幅が広くな
つて
いるということが言えると思うのです。極端に申せば、例えばワイマール憲法というものは、恐らく資本主義制度の下においての一番僕は典型的な人権尊重の憲法だつたと思います。併しそのワイマール憲法よりも遥かにもつと広汎な基本的人権が尊重されているということを私どもは認めることができると思うのです。そうなりますると、あなたのおつしやる
民主主義
と
共産主義
との区別ということは、どつちが本当に基本的人権を尊重するかというような点で疑問が起きて来ると思うのです。その点についてもう一度御
説明
を願いたい。
谷口寛
55
○
説明員
(
谷口寛
君)
民主主義
の原理、
考え方
、或いは
共産主義
の原理、
考え方
に対する理論闘争のような
意味合い
で御
質疑
が出ておりまするようにも拝聴いたしまするので、そのような点について理論的に或いは御納得を頂けるような十分な御
説明
は、私としてもいたしかねるのでございまするが、要するに我々の
考え方
といたしましては、正しい
意味
の
民主主義
秩序の下において、初めて真の人権或いは個人の自由というものが確保できるという
考え方
を持
つて
おるのでございまして、ソヴイエトが現実にどういう状態にあるかということにつきましては、私は直接には寡聞にして承知をいたしておりませんので、
民主主義
の正しい推進の下において初めて正しい自由が確保できるのだというのが、我々
民主主義
を正しく推進しようと考える者の
考え方
でございまするので、それだけを申上げておく次第でございます。
堀眞琴
56
○堀
眞琴
君 私も何も理論闘争をするつもりはないのです。私の言い方がそういうような印象を与えたとすれば大変私も残念だと思います。私はもつと率直に申しますと、例えば日本の場合では、
民主主義
を尊重するという
政府
当局側が、例えば最近の幾つかの法律や施策を通して、例えば
矢嶋
君が午前中に
質問
したような、労働者の権利に対する抑圧が徐々に強ま
つて
来るとか、或いは憲法では軍備を認めないのに、いわば再軍備をすでに始めておるとかというようなことが、果して
民主主義
を口にする
政府
側として、これを
民主主義
だと言い得るだろうか。むしろ反
民主主義
として指弾さるべきものは、現在の
政府
当局ではないだろうかというような印象を一般国民も持
つて
おりますし、我々自身もそういうような考えを持
つて
いるわけです。それからもう
一つ
私はあなたに、それに
関連
してのことなんですが、例えば
民主主義
制度の一番何と言いますか、政治制度の
運営
の
方法
として、例えば多数決とか或いはその他の
方法
が
民主主義
の制度においては認められております。これは当然私は
民主主義
的な
一つ
の大きな決定手段として
意味
を持
つて
いると思います。そういうようなことも併せ考えますと、現在のと
つて
いるような
政府
の態度というものは、むしろ反
民主主義
的な方向をすらと
つて
いるんじやないか、そういうような、
政府
が反
民主主義活動対策協議会
というような名前で
共産主義
に対する
情報
を
交換
し、それに対する施策を打出すということになるというと、反
民主主義
の名前において、
民主主義
的なものすら非常に抑圧されるような結果を招来しやしないか。
先ほど
あなたは全然そういうことではありませんと、こうおつしや
つて
おりますが、やろうとする
政府
当局の側が、あなたのおつしやるところとは、むしろあべこべだと申上げてもいいような態度をと
つて
いるんじやないか、このように考えるわけであります。従
つて
私どもは反
民主主義活動
に対する
対策
を立てるんだという名目において、むしろ
民主主義
的な傾向をすら抑圧するようになりはせんかということを皆虞れているのであります。それで私はそういうことをお尋ねするわけであります。その点についてもう少し御
説明
を願いたい。
谷口寛
57
○
説明員
(
谷口寛
君) これはいろいろな御
意見
の立て方、或いは見方等によ
つて
いろいろと御
意見
の立て方も出て参ろうと思うのでございまするけれども、我々といたしましては、むしろ御
意見
にあります
通り
、反
民主主義活動対策協議会
の名において民主的なものを抑圧する、或いは弾圧するというように相なりますことを、我々自身としても非常に虞れ、且つ警戒をして、そういう誤解がありませんように努力をいたしたい、かように根本的に考えておるわけでございます。午前中にも若干触れましたように、
共産主義
的
活動
に対して対処するために、正しい
意味
の平和主義者、或いは単に進歩的議論を述べたというような人を抑圧するというような方向であ
つて
は、真の
意味
の
共産主義
の孤立化という問題も、却
つて
損なわれるというふうに考えておるのであります。その点は我々も同じく反
民主主義活動
の名において、正しき
民主主義
が蝕まれるということを虞れておるわけでありまして、そういうことにならないように飽くまで考えて行くという気持で、この
情報交換
もや
つて
参る。それに基く施策についても推進して参りたいと、かように念願をいたし、又その気持を強く持
つて
おるのであります。なおこれは議論に亙りまするから、これ以上は控えたいと思いまするけれども、例えば労働運動に
関連
しまして、午前中も
質問
が出ましたが、証券ストの場合に労働
大臣
がああいつたなにをやつたというのが弾圧ではないかというような御議論の立てかたも、御議論の立場としてはあり得る、そういう立場をとられる人もあろうかと思いまするが、これは広い
意味
の
民主主義
治下の
一つ
の労働政策といたしまして、現在の労働法規の正しい
運用
のために、従来あいまいであ
つた点
をはつきりさせる。そうして労働者も資本家も、或いは民衆もすべて
関連
いたしまして正しい
民主主義
秩序の上に前進をいたして行くという
観点
から、労働法規に
関連
しまする解釈を明瞭にしたということに過ぎません。それに
関連
していろいろな議論の立てかたはあろうと思いまするけれども、そういう
考え方
と気持の下にや
つて
おるわけでございまするから、決してこの反
民主主義対策
協議会
において正しい
民主主義
が弾圧せられるというようなことは毛頭考えておりません。同じことを繰返しておりますが、その間の
事情
につきましては十分御了承を頂きたいと思うのであります。
堀眞琴
58
○堀
眞琴
君 こういうような
機関
の発案者は非常に善意で以て
民主主義
を発達させようというようなお考えで出発されるのだろうと思います。併しその
機関
ができまして、そうしてそれが
運用
されて行く段になりますと、得てしてそれが拡張解釈されて、そうしてその結果はゆがめられたものにな
つて
来るということは、これまで我々は幾度か見ておるわけであります。例えば
先ほど
出しました非米
活動
委員会
の
活動
にしてもそうです。反国家的な、反米的な思想を取締る、或いは行動についても十分これは慎重に対処しなければならんというようなところから出発して来ておるわけです。あれも勿論
共産主義
に対する
対策
を主として考えて出されたのだと思うが、併し実際には非米
活動
委員会
によ
つて
なされたあとを見ますると、あなたのおつしやる正しい
民主主義
の思想
自体
が非米
活動
であるというので、その対象にな
つて
おるわけです。そういうことを考えますと、私どもは如何に善意にあなたたちがこれを作られて、そうしてそれを
運用
されるとしましても、決してその善意がそのまま貫かれて行くとは思えない。それだけに非常に不安にも思うし、第一
共産主義
と
民主主義
との区別が非常に私どもには納得ができない。従
つて
絶対そういうことのないようにしますという
お答え
しか得られないと思いますが、併しそれではそうかとい
つて
信用するわけにも行かんわけで、この点については是非とも明確に、こういう行動は反
民主主義
なんだ、
共産主義
は反
民主主義
なんだという
説明
でこれを貫かれるであろうと思いますが、その
共産主義
に対する
考え方
が私は非常に間違
つて
おるのではないかというふうにも考えます。これは理論闘争をするわけじやないのですから、もう
共産主義
の内容について私はここであなたの御
意見
を問おうとは思いませんが、併し少くとも基本的な人権や或いは個人を尊重するという建前に立
つて
、そうして政治を或いは経済を
運営
するということなら、むしろこういうようなものは作らんで、そうしてむしろ
民主主義
を促進するというような
意味
での
閣僚
の懇談会でもお作りに
なつ
たほうが却
つて
積極的であり、そうして又日本の今後の方向をもそれに即して持
つて
行くことができるわけですから、そのほうが望ましいのではないかとすら考えるわけなんです。その点についての御見解をお尋ねしたい。
谷口寛
59
○
説明員
(
谷口寛
君) 繰返し御注意を頂きまして非常に恐縮いたすわけでありまするが、御
意見
の
通り
或るものを考える或いは立案するというものの意図或いは善意というものが、
運用
の場合にはゆがめられるというようなことも実際問題として門々ありがちのものでございまするが、この反
民主主義活動対策協議会
の
運用
につきましては、十分そういう御
意見
等も反省の材料にいたしまして、飽くまで
政府
の作りました善意が善意として推進できますように及ばずながら努力を続けたい、かように考えておるのでございます。又そのためにこそ
民主主義
的ないろいろな立場からの御批判が公正になされるということについても我々は聞くべきものは謙虚に聞くべきじやないかという気持を持
つて
おる次第でございます。 なおそれらに
関連
してむしろこういう
協議会
を作るよりも、
民主主義
それ
自体
の推進の
協議会
を作つたほうがいいじやないかという御
意見
もあ
つたの
でございまするが、勿論反
民主主義対策
協議会
の施策等がいろいろと将来考え合される場合におきまして、積極的に正しい
民主主義
を推進するための施策というものも併せて考えられなければなりませんが、現在世界を通じて又
国内
におきましても、
民主主義活動
を
中心
にした諸般の施策が行われる一面において、それを究極的に否定しようとする反
民主主義
的な或いは
共産主義
的な
活動
或いは
動き
も熾烈に行われておる現状でありまするから、正しき
民主主義
を推進するという面と相即応して、反
民主主義活動
に対する実態を把握して施策を立てて行くということも同じように大事なものとかように考えておる次第であります。
堀眞琴
60
○堀
眞琴
君 それにもう
一つ
関連
して申上げたいと思いますが、曾
つて
非米
活動
委員会
が発足した頃であります。有名な新聞記者でウオルター・リツプマンという人がアメリカにおりますが、この人が外交政策とも
関連
してアメリカの政策の方向について批判したことがあります。その内容は
民主主義
を擁護するとか或いは反
民主主義
的な
活動
を禁止するとかいうような名目で以て内外の政治をや
つて
いるが、現在や
つて
いる
政府
のその施策はむしろ現状
維持
的な或いは保守的な或いは場合によ
つて
は反動的なものをすら、それだけを主として擁護しようとしているのであ
つて
、歴史の進展に少しも沿うものではないという批判をしたことがあるのです。これは新聞記者の批評だからいろいろ立論の仕方もあるのだという
お答え
になるかと思いますけれども、併しやはりそういうような
意見
というものはアメリカでも良識のある人々は相当聞いていると思います。 日本の場合でもやはり同様でありまして、反
民主主義活動
を取締るという名目で実は反動的な或いは保守的な傾向を助長する。そして歴史の進展に沿うどころか、むしろこれを逆転しようというような傾向すらが見えるのであります。現に新しい
意味
でのフアシズムがすでに抬頭しつつあるというような批判をする人もあるのであります。私どもとしてはそういうような反
民主主義活動対策協議会
であ
つて
は、全くウオルター・リツプマンの批評するところと同じ結果になりはしないかということを虞れるのであります。その点をやはり
政府
当局としても十分考えられる必要があるのではないかという工合に考えられるわけであります。今のは
お答え
はともかくとしても、もう
一つ
私は最後にこの
協議会
の仕事のことでお尋ねしたいわけであります。
先ほど
の御
説明
では、
広報宣伝活動
が
中心
であるというお話で、そしてこの広報等を各
報道機関等
に自由に使用させる、何ら
言論
の自由を束縛する意思はない。こういうお話がありました。その
通り
ですか。
谷口寛
61
○
説明員
(
谷口寛
君) 大体お説の
通り
と考えております。
堀眞琴
62
○堀
眞琴
君
広報宣伝
の
活動
が
中心
であり、これは各
報道機関等
に使用せしめるというのですが、これは各報道
機関
とは何を指すのですか。
谷口寛
63
○
説明員
(
谷口寛
君) 大体お説の
通り
と考えておるのでございますが、
広報宣伝活動
が
中心
であるという表現をせられまする限りにおいては、それでも結構我々考えておりますが、私の申上げたのは、たしか先ず
広報宣伝活動
を重点として取上げるという気持で、段階的な
意味合い
で申上げておりまするから、似たようなものでございますが、その点をもう一度申上げておきます。 それから
広報宣伝
に
関連
いたしましては、いろいろと
共産主義活動
の反民主的な実態を解明できるような、而もそれが現実のデータ等に基きました正直な
資料
を、でき得る限り簡明に作り上げまして、そしてそれを新聞その他の報道
機関
に自由に取捨選択をして頂く。お分かちをして、お取上げ頂くも結構、お取上げ頂かなくも結構というような気持でや
つて
行きたい、こういう気持であります。
堀眞琴
64
○堀
眞琴
君 何日か前の読売新聞に、反
民主主義活動対策協議会
に出された国際
共産主義
に関する
情報
というのが出ておつた。私は今その
資料
を持
つて
参りませんので、詳しく申上げることができないのですが、あの新聞に出ておりました
情報
を実は読んだときの印象では、こんなものが反
民主主義活動対策協議会
に提出され、そうして
閣僚
たちがこれを
共産主義
の内容だと考えて話合われたのだとすれば、非常にちやちなものじやないかということを感じたことと、それから
広報宣伝等
の
活動
を、どういう形で発表されるのか。ああいう工合に発表されるのか、それとも特定の何かの
機関
のほうにそれを流すのか、そのことについてお尋ねしたいと思います。
谷口寛
65
○
説明員
(
谷口寛
君) 読売紙上に出ましたそういうことに
関連
する
資料
と申しまするのはも私の記憶する限りでは毛沢東の世界革命戦略の要旨という文を御
指摘
にな
つたの
か或いは午前中申上げました
情報
判断
の要約というような点を御
指摘
になるのか、この二つくらいであつたと私自身は記憶しております。
先ほど
申上げました
通り
、一応我々といたしましては、あの
資料
は自由な立場で御取捨選択をして頂いて結構という
意味
で御配付をいたしたのでございます。それに
関連
しまして、今堀先生の御批判になるような御批判も出ることも甚だ
民主主義
的な立場から結構だ。又あれがああいうものという批判をせられることも結構だ。そういう
意味
において、自由にそういう問題について
意見
を
交換
し、或いは批判が出て参るということでいいのじやないか、こういうふうに考えておるのでございます。なおああいう形で将来やるのか、何か特定の形で流すのかという点でございますが、大体現在考えております
範囲
におきましては、ああいうような形を今後もと
つて
行くのでありまして、そのために特定のものを作
つて
流して行くというようなことにつきましては、現在何らの
構想
も持
つて
おりません。
堀眞琴
66
○堀
眞琴
君 実は前々からやはり巷間には緒方
構想
とか或いは又それに類したようなものが伝わ
つて
いるわけです。何らかの
調査
機関
を作るとか、或いは又現にある
調査
機関
と連携をと
つて
、その方面から
広報宣伝等
を促がしめるというようなことなんですが、例えば中央
調査
社というものができつつあります。ああいうものとの
関連
などが相当巷間で噂されているのですが、その辺の内容はどんなものでしようか。
谷口寛
67
○
説明員
(
谷口寛
君) 私も今堀
委員
の御
指摘
になりましたように、いろいろな
広報宣伝等
に
関連
して、緒方
構想
等が世上取沙汰せられておるという事実につきましては承知をいたしております。併しそのことそれ自身は、恐らく緒方副
総理
も甚だ御迷惑に考えておられることだと考えておるのでございまして、繰返し今申上げましたように、
広報宣伝
に
関連
いたしまして、特殊な、特別な
機関
を考慮して、それに特定の
政府
資料
を流して行くというようなことは、緒方副
総理
自身も全然お考えにな
つて
いないことでもございまするし、我々
協議会
の
幹事
役をやりますものにいたしましても、さような
構想
を持ち出したことも、又持ち出そうとする意思もございませんことをこの
機会
にはつきりと申上げておきます。なお中央
調査
社ということのお話がございましたが、中央
調査
社の問題につきましては、私副
長官
就任前の問題でございまするので、つまびらかにもいたしておりませんが、これと反
民主主義活動協議会
との
関係
について、今御
指摘
のような相互
関係
があるものとは毛頭考えておりません。あれは単に民間の時事通信等の
一つ
の
情報
網、それから国立の世論
調査
所というものがなくなりまして、それの
情報
関係
に従事しておつた職員たちが、合体して純粋の民間
組織
を作られたというに過ぎませんので、
政府
とは何らの
関係
のないものでございます。できましたのは私就任前のことでございますが、内容それ
自体
についてははつきりと私さように
理解
をいたしております。
堀眞琴
68
○堀
眞琴
君 もう一点だけお尋ねしますが、ともかく今のお話ですと、特定の
調査
機関
等を作ることはない。又中央
調査
社というようなものは、全然
関係
のない
機関
だ、飽くまでも仕事は各新聞社に発表するという形で以て、それを利用するしないは新聞社の自由に任せるというお話も非常に結構ずくめなんです。おつしやる
通り
ならば、何も心配する必要はないのですが、併し
先ほど
もちよつと
指摘
されましたように、これがいよいよまだ五回ぐらいしか
会合
をや
つて
おらんようですから、今のところは大したことはないと思いますが、これがいよいよ回を重ね、そして又それに対する予算等も出るような段階にな
つて
参りますと、そうするとやはり
言論統制
の
一つ
の
機関
に変
つて
行く可能性がある。而も今の
内閣
のやり方から見ますと、残念ながら既成事実を
一つ
一つ
作り上げて
行つて
、そうしてもうこういうものができているのだから、止むを得ないのだという形で、何でもかんでも今まででつち上げて来てしま
つて
いるのです。そういうことを私どもはたびたび見ている。従
つて
こういうような
機関
が反
民主主義
というようなことで極めて広汎な、あなたのおつしやる良識で
判断
するというような形での
限界
しか持たない思想並びにその
活動
に対する
対策
を立てる。そこからそれが幾らでも拡張解釈される危険もあり、従
つて
言論
の自由等もそれによ
つて
かなり損われる面も出て来るんじやないかということを国民も心配している。我々も勿論それを心配している。だから若しそういうものならば初めから、まだそういうような既成事実が積み上げられて何かの
一つ
の方向をと
つて
言論
に対する圧力を与えるに至らん前に、これを何とか芽のうちに潰しておいたほうがいいんじやないかというような気がするわけなんです。それで私はくどくどと申上げたわけなんですけれども、最後にこの
運営
について、例えば予算等の
措置
を今後とるつもりかそうでないのか。
先ほど
は
運営
や
経費
、
人員
等において、現在のところは別に特別のものを持つ考えはないというお話だ
つたの
ですが、いつの場合でも
政府
の言うことを聞いておりますと、現在のところでは、そういう意思はありませんというようなことで、次の段階になるというとすぐ予算が請求されて、そしてどんどん事を運んでしまうわけなんです。あなたに対してお尋ねするのはちよつと筋違いかと思いますけれども、併しもう年度末にも近くな
つて
来て、予算の問題等も恐らく
内閣官房
のほうでもいろいろお話合いをされているのだと思いますが、これに対する予算等は、三十年度の予算には予算を請求されるつもりなんですか。それともそうでないのですか。それを最後にお尋ねしたいと思います。
谷口寛
69
○
説明員
(
谷口寛
君) 反
民主主義活動対策協議会
自体
として
人員
を持ち或いは予算を持つという
考え方
はないということにつきましては、午前中も明瞭に申上げた
通り
でございます。御
質問
に対しまして重ねてその点ははつきりと申上げておくのでございます。ただこういう問題につきまして、いろいろと率直に申上げますと、ただ一部的な
説明
或いは一部的な開き方から御批判が出る場合もあり、又そういう
意味
で報道等も出ている場合もございまするので、誤解のない
意味
から、余計なことかもわかりませんが、広報
関係
の問題につきまして予算との結び付きで若干御
説明
を申上げまするならば、
先ほど
来申上げまするような
意味合い
において、いろいろと
共産主義活動
の実態を卑近且つ平易にでき得る限りこれを浸透せしめて行くというための
広報活動
は、それぞれの所属
機関
を通じて
協議会
でテーマ等を
研究
し、そしてそれによ
つて
でき上つた
資料
を
各省
等を通じまして今のような
方法
で各報道
機関
に自由に取捨選択してもらうということは、これは
先ほど
来申上げるようにむしろや
つて
行きたいと、こういうふうに考えておりまするので、そういう
意味合い
からの
各省
の
広報活動
の予算というものについては、当然に昭和三十年度の予算にも要求いたしております。又今後の予算折衝の段階でございまするから、そういう
広報活動
の
経費
につきましては努力もいたしたいと考えておりまするけれども、繰返しますが、
協議会自体
といたしまして独自の
組織
を持ち、独自の予算を持
つて
何かや
つて
行くというようなことについては毛頭考えておりませんので、その点がちやんぽんになりまして、広報の予算があ
つて
そう言うたのじやないかと、こういうふうになりますと、却
つて
我我のほうも迷惑いたしまするので率直に
事情
を申述べた次第であります。
堀眞琴
70
○堀
眞琴
君 そうしますと何ですか、
協議会
自身には予算がないが、
広報活動
を行うために
各省
、それぞれ
関係
する省の中にそういう広報のための予算を計上するつもりだと、こういうお話ですか。
谷口寛
71
○
説明員
(
谷口寛
君) 計上するつもりと言わんよりも、
各省
広報
関係
についていろいろ現在予算を組んでおります。これは折衝中の予算ですね。
協議会自体
といたしまして
広報宣伝
をやる、
協議会自体
として人間を持
つて
や
つて
行くというようなことを考えていないと、こういうので、ございまして、例えば
協議会
の
幹事
のメンバーを見て頂くとわかりますように、
各省
からの建前で、
内閣
から
内閣
審議室
、
内閣
調査
室というものが現在入
つて
おります。それからそれ以外に
外務省
としては
情報
文化局が入
つて
いる。法務省としては
公安調査庁
が入
つて
いる、こういうふうな
関係
に相成りますので、それらの問題の
情報
を持寄りまして、そうして
広報宣伝
に適切だと考えるような
資料
を検討し合うという
役割
は
協議会
でやります。それによ
つて
でき上りました
資料
を
内閣
といたしまして、例えば
官房長官
が新聞に提供なさるとか、或いは私が然るべき
機会
に、取捨選択の自由の建前において、
資料
として新聞記者の各位に提供するということもやりまするし、或いは
外務省
において
情報
文化局長等がそれをやるということもある、そういうための
経費
は現在
各省
において計上して、取れる取れんはこれからの大蔵省との
相談
でございますけれども、そういう
意味
の検討をいたしている次第でございます。
堀眞琴
72
○堀
眞琴
君 もう一度重ねてお尋ねしたいのですが、そうすると予算は、勿論形式の上においては
協議会
は持たないわけですね。併し実質的には
各省
予算の中にそれをそれぞれ
外務省
なら
外務省
、或いは又労働省なら労働省という工合に、それぞれ
各省
に分けた形において実質的にはこの
協議会
の予算を
各省
が補う、こういう形になるのじやないですか。そうすると、結局はやはり
協議会
の予算だ、実質的には
協議会
の予算だということにはならんですか。
谷口寛
73
○
説明員
(
谷口寛
君) その点はそれこそそういう
意味
で誤解が出て参りますといけませんので率直に私が申上げているのでございまして、実質的に
協議会
の予算を
各省
が使うというふうな感覚でなくて、
各省
で
広報宣伝
をやるというのを、反
民主主義活動
に相当
活動
の重点をおいて見る
広報活動
という
意味合
から、
協議会
としてはそれを集約して取まとめて見るというようなことをや
つて
見る場合もございますし、それによ
つて
重点の予算折衝については協力をするというふうな問題もございます。併しながらそれは飽くまで
各省
の実際の
広報宣伝
に
関連
してやるというのでありまして、
協議会自体
が予算を持
つて
やる、こういう
性格
のものではございませんから、その点誤解のないようにお願いいたします。それからもう少し詳しく申上げますれば、そういう
意味合
を持つた
広報宣伝
費は現在までもすでに
各省
にいろいろ持
つて
いるわけであります。それが反
民主主義活動対策協議会
というものを通じまして、一層反
民主主義活動
に対する実態を惨透せしめるという施策は大事なことであるということについては十分に
関係
各省
の
認識
も出て参ります。又
協議会
としてもそれが大事だということを
言つて
いるのであります。この点はちつとも否定は申上げないので、それが大事だというので、そういう
情報交換
と
認識
をつけ合う会議だ、
各省
がお持ちにな
つて
いる
経費
をそういうようなことに使うような目のつけ方をしてもらいたいというような希望はいたします。又そういうような
観点
から予算折衝の場合に側面的な努力もいたします。それが
協議会自体
が陣容を持ち、
協議会自体
が予算を持
つて
、御
質問
にありましたような、何か特別な
組織
でそれを動かして行くというような
考え方
は持
つて
いるものじやないということを申上げたわけでございます。
堀眞琴
74
○堀
眞琴
君 どうもその点納得が行かないのです。勿論
協議会
そのものは
行政組織法
のいわゆる
協議会
ではありません。おつしやる
通り
、独自の
経費
や或いは
人員
を持つことはないでしよう。併しそれがために、独自のものを持たないがために、独自のものを持
つて
いると同じような
活動
をやるために、
各省
にそういう
広報宣伝
の
活動
を行わしめる、こういうことにな
つて
来るんだろうと思う。そうするというと、実質的には
協議会
自身の
経費
であり、或いはその
活動
である、こういうのが当然じやないんですか。あなたのようにおつしやると、結局は
各省
の従来の広報の費用等もあるので、それを利用しながら、而も
協議会
において十分
情報
を
交換
した上で反
民主主義
的な
情報
を流すのだと、こういうお話なんですね。それは成るほど従来の
広報宣伝等
に関する費用を更に増額して、そして
各省
の行政費としてそれを賄うのだろうと思います。使うのだろうと思いますけれども、実質的にはそうじやないじやないですか。飽くまでもやはりこの
協議会
そのものが独自の
組織
、独自の
経費
を持たないがために、ただ便法としてそういう
方法
をと
つて
いるのだということに結論としてはなるのじやないか、こう思いますが、その点はどうなんですか。
谷口寛
75
○
説明員
(
谷口寛
君) その実質的と言われる
意味
が私にはよく
理解
ができないのでございますけれども、反
民主主義活動
に対する
実情
を十分に
民主主義
確保の
観点
から滲透せしめて行くということは、
各省
、各
機関
とも非常に大事なことと考えておるのでありまして、その
意味
から
広報宣伝
を重点的に取上げて行きたいという気持で各
協議会
のメンバーもおられるわけでございます。それを
各省
の
広報宣伝活動
の
経費
として、パンフレツトを作るとか、
資料
を作るとかいうことにしようと、こういうことでありまして、それが実質的に
協議会
だというような点が、更に重ねて御
質問
せられる御真意、又どういう
意味
で私の申上げることと食違
つて
おるのか、そこいらの真意を
一つ
お教え頂くならば、私の御
答弁
もぴつたりして参ると思いますが、実質的に
協議会
だと言われる
意味
は何か特別の
意味
があるのでございましようか。率直に私申上げておるので、そういうことは
協議会
では大事だとメンバーみんなが
言つて
いる。それをやろうとしておる。そのやり方は
各省
でやるのだと、こういうことだけのものなんで、それ以外に何も
意味
がない。それで実質的には
協議会
じやないかということを繰返し御
質問
になるその
意味合
でございますね、それが私に逆に
理解
ができないのです。
堀眞琴
76
○堀
眞琴
君 私が言うのは、
協議会
そのものは
行政組織法
に基く
機関
ではない。全く
情報交換
のいわば
連絡機関
に過ぎない。従
つて
独自の
経費
も
人員
も持
つて
おらん。これは当然なわけですね。併しその
機関
の行う
活動
そのものを実質的にするためには、実はその
機関
そのものがみずから宣伝等の
活動
を、パンフレツトを作つたり何かしてやれば一番まあ現在の
政府
としては望ましいところだろうと思うのです。ところが実際にはそれがまあ法律上の点からもむずかしい、こうなれば、
協議会
としてはそこに出ている
幹事
諸君を通じて、そこでまとまつた
意見
を
各省
をして行わしめる、こういうことになると思うのです。だから私の言うのは、実質的には
協議会
のそのものの
活動
であり、
協議会
そのものの実は費用なんだが、名目的には
各省
に宣伝費として繰り込まれているのだと、こういうことじやないかということを私は
質問
したのです。おわかりですか。
谷口寛
77
○
説明員
(
谷口寛
君) 大体それでは私の申上げている点と同じようなことではありまするけれども、ただお言葉を返すようでございますが、
協議会
の名においてそういう宣伝をするほうが望ましいのだけれども、
行政組織法
上の問題等もあるからやらないで、
各省
にやらせるのだというような
意味
の御
質問
でございましたが、そういう意図的なものは毛頭ございませんし、
協議会
の名を冠しなければ効果がないのだから
協議会
の名を冠するとか、政治的に非常にゼスチユアがいいとか、そういうような
意味
で申上げておるのじやございませんので、本当に反
民主主義
の実態を究明さして行く、それを慘透さして行くことは国として大事なことであるという
意味合い
からそういう
意味
の
情報交換
をよくや
つて
、そして施策についてはどうしたらいいかということを検討し合おうという
協議会
に過ぎませんので、
協議会
でやらなければ効果が挙らんとかいうのじやなくて、そこでいいと考えられたことは
各省
施策の上にも現わして行くことがいいという
考え方
から、当然に
各省
でや
つて
もらうべきであり、又
各省
自身もやる熱意を持たれると、かように考えるのでございまして、
協議会
だから
協議会
でやらねばならんのを、恰好だけそうしていると、そういう
意味
でもございませんので、そこだけはちよつと食い違
つて
おるように思いまするが、実際の
実情
はそんなことろでございますから……。
小酒井義男
78
○
委員長
(
小酒井義男
君) ほかに御
質問
ございませんか。
質問
がないようでございますから、反
民主主義活動対策協議会
に関する
調査
はこれを以て終ります。 ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
小酒井義男
79
○
委員長
(
小酒井義男
君) じや、速記を起して下さい。
—————————————
小酒井義男
80
○
委員長
(
小酒井義男
君) それでは次に本日の第二の
調査
案件であります
公務員制度調査会
に関する件を議題といたします。 この問題に
関連
して
政府
に伺いたい第一点は、
公務員制度調査会
が本年四月
設置
されて以来今日までに回数としては何回ぐらい開かれており、又如何なる問題を
調査
して来ておるかという点であります。第二点は、第十九
国会
におきまして参議院議員八木幸吉君ほか八十二名より国務
大臣
等の私企業等への関与の制限に関する法律案が提出されまして、この法律案の審議の際、国務
大臣
等の私企業への関与の制限に関する問題は、
公務員制度調査会
で他日
調査
の題目とする旨
政府
の言明がありましたが、この問題はすでにこの
調査
会において
調査
に上
つて
おるかどうかという点、次に恩給制度についてこの
調査
会では
調査
の題目としておられるかどうかという点であります。以上の点について
政府
の御所見を明らかにして頂きたいと存じます。
田上辰雄
81
○
説明員
(田上辰雄君) 私から
只今委員長
の御
質問
でありまする三点につきまして
お答え
いたしたいと思います。 第一の
公務員制度調査会
が三月三十日に
閣議決定
になりまして以後、どのような審議の成果があつたかというお尋ねでありますが、実は三月三十日に
閣議決定
を以て
公務員制度調査会
の
設置
についてという議案が決定にな
つたの
でありますが、いろいろな
事情
から設立は遅れたのでございます。そして設立されるのに、或いは
委員
の人選その他でも相当手間をとりまして、第一回の
公務員制度調査会
は六月の二十二日に開催されております。それ以後大体毎週一回という基準で会議を開きまして先日の十一月九日に第十七回の
調査
会を開いておるのでございます。この各
協議会
における審議の経過につきましては、概略を印刷物にいたしまして、先に事務局のほうへお届けしてございますので、それによ
つて
御承知を頂きたいと存ずるのであります。 第二の問題の国務
大臣
の私企業等への関与の制限に関する問題でございますが、先般の
国会
に両院の御発案で、法律案が提案になりました際、
政府
はこれに対しまして、
只今委員長
のおつしやいましたように、
公務員制度調査会
でこれを検討したいということを
お答え
申しておるのであります。これにつきましては、
政府
が申しました
通り
に、その後
公務員制度調査会
におきまして、この問題につきまして
幹事
からの
説明
もいたし、これについて
委員
からのいろいろな
意見
等もございましたが、併し現在のところではまだ
公務員制度調査会
としましては、いろいろな問題につきまして結論を出しておる段階に至
つて
おりません。ただこの問題は
国会
に対するお約束もございますし、又極めて特殊な問題といたしまして
調査
会で取上げておりますことは、この席で申上げられるのであります。 それから第三の恩給制度でございますが、恩給制度につきましては、極めて重要な問題であり、全公務員といたしましても深く関心を持
つて
おる点でございます。御承知でもございましようが、先に昨年の十一月十七日でありましたが、人事院からこの恩給に代るべき退職年金制度につきまして、勧告が
国会
並びに
政府
のほうになされておるのでございます。この退職年金制度につきましても、
公務員制度調査会
におきまして一応
説明
を聴取いたしておるのであります。これにつきましてもなお本格的な審議の段階には至
つて
おらないのであります。率直に
事情
だけ申上げまして、
お答え
といたしたいと思います。
小酒井義男
82
○
委員長
(
小酒井義男
君) 御
質問
ございませんか。ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
小酒井義男
83
○
委員長
(
小酒井義男
君) 速記を始めて。 それでは
公務員制度調査会
の
報告
を受けましたが、まだ具体的な問題の内容等における
調査
が進んでおりませんようですので、御
質問
もないと思いますから、この問題は後日
調査
をいたすことにいたします。 それでは本日の
委員会
における第三の
調査
問題であります
行政監察
に関する件は、これを明日の
委員会
で
調査
することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十五分散会