○
政府委員(岡部史郎君) これは実は、
人員整理の手段といたしましていろいろなことを考えなければならんわけであります。例えば制度の
改正、即ち事務の
整理。それから
機構の
改正によ
つて人員が出て参る場合もございます。その一例は警察に関する部分でありますが、実は警察官というようなものは、従来の
整理におきましては殆んど
整理にひつかか
つてなか
つたのでございます。ところがこのたびは自治警、国警を統合する。これを都道府県警察と申しますか、そういうような制度を変えることによりまして、現在十六万五千あります警察
職員の中から三万人合理的にこれを
整理することができる。というのは、まさに
一つの制度の
改正によ
つて相当
人員を生み出し得る
一つの方法だろうと思います。
それから、先ほど申上げました
通り。例えば国営競馬というものを廃止いたすという事務の
整理のやり方をとりますと、それに伴いまして
機構も改廃できる。それによ
つて現在五百四十人いる
職員はこれを大巾に減らし得るというようなことが考えられるわけであります。
その他特定の行政事務を民間に移すということになりまするならば、又それに伴
つて確固たる
人員が出て参ります。
それから先ほど
八木先生から御
質問もございました、法令についている人間につきまして、その法令の改廃
整理によりまして、何人を生み出すかというようなことも、これも或る
程度までは可能なんであります。この前の
定員法の
改正で御
審議頂きましたのを例に引きますと、金管理法の
改正によりまして、大蔵省、厚生省、通産省を通じまして金管理に従事している
職員八人をはじき出したというようなことも、これも数は僅かでございますが合理的なやり方だろうと思います。そういうやり方と同時に又現在の事務の能率を上げて行く、或いは事務のやり方を改善して行く、或いは事務処理手続を簡素化して行く。或いは官庁の内部におきましては事務の繁閑がいろいろありまするから、その繁閑を調整することによ
つて又事務能率の向上を図る。そういうようなことをや
つて人員を生み出して行く余地がかなりあるわけであります。で、そういうような後に申上げたようないろいろなやり方で
人員を出す場合においてどうするかと申しますと、これは或る
程度まで職種について具体的に考えて行かなければならないわけであります。こういう場合におきまして問題になりますのは、例えば機械にくつついている人間、機械一台について一人いるとか、或いは郵政省の特定郵便局その他の郵便局の集配人、これは一日八時間、八貫目の郵便袋を担いで二十四キロ歩くというようなものについては、一体どれだけその人が要るとかいうようなことは機械的に出て参ります。そういう機械的な職種。或いは病院の医者でございますとベツド幾つについて何人要るという基準がございます。そういう現業
関係でありますとか施設についている
職員につきましては、私が先ほど申上げましたような基準によ
つて減らし得る余地というものは非常に少いだろうと考えられます。で、そういうような職種につきましては、併しできるだけそういう職種についても方法を講じて頂くならば、これはやはり一%とか二%、即ち百人について一人とか二人とか減らし得る余地はなかろうか。又学校の先生についてもそういうようなことはいろいろ考えられると思いますが、そういうような方法が考えられる、或いは少し情勢が緩和いたしまして、今度は税務署の
職員についても、これもやはりいろいろ税務の徴収事務を行うことについては、それは特定郵便局の集配人と仕事のやり方は同じかも知れないけれども、少し余裕があるから、特定郵便局の
職員が一%か二%、或いはこれは三%か四%を減らし得る余地もあろうかも知れない。そうすると、今度は我々のような役所の企画事務に従事しているような者、これは少し役所でや
つて、足りなければ家に帰
つても仕事ができるのだから、そういうような意味で、もつと弾力性があるから、こういうものは一〇%でも二〇%でも減らす余地があろうというような考え方が成り立つと思うのです。要するにその事務能率だとか事務のやり方、或いは執務能率の向上、事務の簡素化というような点について、それぞれ一律じやなしに、弾力性のあるなしによ
つて考えて行くと、或る職種は二%、或る職種は一〇%というような差異をつけて原案を作
つて行くのが、まあ比較的合理的なやり方ではなかろうか。勿論これを十分に行いますのにはいろいろ
資料も要りますし、人手も要りますし、時間も要りますが、私ども不十分な能力で、できるだけの範囲におきまして、こんなような形で
各省の
人員の
整理について一応の原案を作り、その足りないところは、又
各省とも
折衝し、足りないところは附け足すというようなやり方を一応の原案の形といたしまして、そんな職種ごとに差をつけて計算をしたということはございますが、それは飽くまで
最後の結果に至ります作業の過程でありまして、公にこの職種を何%とはつきりきめたわけではございません。ただ作業の材料としてそういうような過程を経て作業をや
つて行つた、こういうようなわけなんであります。その点は
一つ御了承頂きたいと思います。