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参考人(
岡部重信君) 昨日の石原さんからの御要求の
資料は早急でしたので不足の点もあるかと思いますが、この
資料に基きまして若干
説明さして頂きますと、便宜上どういうところで殖えるかというので取りまとめてみたわけでございます。
一番上の欄が二十八
年度の
予算でございまして、次の(B)欄が
只今御審議を頂いている
予算でございます、そうしますと現在の料金のまま据置いて、来
年度どういうふうになるかということにつきまして、先ず収入の面におきまして、二十九
年度の初頭の
受信者の数と、それから二十九
年度の
受信者の
増加というものをこの
予算の
通りであると仮定しますと、C欄にございます最後の数字の五億四千二百万円ほどの増収があるわけでございます。勿論この平常の、まあ戦前と申しますか、その頃の時代におきましては、この業務量の増というものが大体自然増収に充てられていたというのが普通の
状況でございます。それが御承知の
通り予算の
編成期から
編成期までにおいていろいろの値上りがありました。そういう関係で、仮に増収分をどういうふうに
考えるかと言いますと、これはいろいろ
考え方があると思いますが、業務量の増、いわゆる受信契約者などの
増加というものは当然殖えるわけでございまして、それが四億七千八百、それから借金のやはり利息は払わなければならん、併し借入金はこのまま残すというようにしますと、そこで減価償却がこの計上額の大体五八%
程度という結果に相成るかと存じます。それではそれに対しどういう支障があるか。これもいろいろ見方はあると思いますが、一応御参考までに申上げますと、電話料金は御承知の
通り昨年の
値上げが市外が一八%、市内が四七%の
値上げでございましたが、この必要
経費の措置ができない。結局場合によれば
全国中継
放送というものが維持が不可能と申しますか、切断されるというふうに申上げますか、そういうような立場に相成ると存じます。
それから三番目の加入事務の郵政に委託して集金をお願いしている分は、これは御承知の
郵政省と
協会との契約でございますが、この履行は不能に陥る。それから次に、一般資材費事務
経費、これは建築材料、補修資材及び真空管、そういうようなものの
経費をここに一括したわけでございますが、これらの措置がなければ老朽の局舎なり、スタジオなり、技術
設備なり、現業機器の維持、修理というものが繰延べざるを得なくなると同時に、現在すでに老朽化している諸
設備に対しましても経営的な維持、補修すらできない。そのため或いは荒廃のままということにもなりましようし、機械によ
つては事故を頻発するという最悪の
状態というものが予想されるのではないか。次に、出演者謝金、作品委嘱料等の改訂を行えないということになりますと、現在
協会の謝金が、個人差はありますが、他に比べると二分の一乃至四分の一
程度の少額でございますので、
放送出演者に対して正当な報酬を払
つているとは言えない
状態とも言えると思います。そうしますと優秀な出演者の出演意欲を或いは失い、いい
番組の
編成が困難となるわけでございます。この際謝金の改訂を行いまして、少くとも最小限度は、先般
お話申上げたような水準に近付けて行きたい。そうしなければ優秀な出演者が或いは拒否する、或いは優秀な出演者の出演回数が激減するというようなことになり、従いまして
番組の
内容の低下を来たすということは必然ではなかろうか。
減価償却につきましてはもう昨日も申上げましたので、次に、この表によりますと支払利息という返還金の支払利息等もこれは払えなくな
つて来るという現象、それから次の返還期到来の借入金の返還とか、それから債券の発行、債券の償却、退職手当金というような必要
経費が全く不足とな
つてしまう。それから予備金につきましては企業の性格から見て当然予備金の増額を行うことができませんと、昨年のような不測の災害に対する措置が困難になり、更に言葉は変かも知れませんが、事業の弾力性というものも失われてしまう。
次に国際
放送その他でございますが、ちよつと順序が狂いまして失礼いたしました。政府の命令による国際
放送の二方向の充実、これは今でも少いのが、その充実というものができなくなる。それから無線工学の進歩発達に適応する
研究というもの非常に貧弱なものにな
つてしまう。
受信者の維持開発といいますか、
解消を防ぐために必要な雑音障害防止、受信機の修理相談の
実施が不可能になる。かような次第に相成るのでなないかと私は存ずる次第なんであります。