○
久保等君 今
大臣の
答弁せられるように、確かに
大臣一人の発言そのものによ
つて、私はああいう問題が直接的に起きて来たとは思わないのです。併しただいろいろ
料金値上げの問題について、特に与党の内部でも
意見が非常に賛否両論に分れた形で、いろいろ
意見が活溌に出されている。而もその出されている
意見で、特に
聴取料値上げの問題について、反対的な立場におられる方は、又符節を合して丁度
大臣の言われるような
言葉を、やはり
相当大きな
一つの理由にしているかのような報道もなされているわけです。だから私はそういう意味では、
大臣の言
つた範囲内のその
言葉そのものが、直接的に責任問題云々というような形にまでは発展していなか
つたにしても、少くとも
相当、直接監督の立場にあられる
大臣の
言葉であるだけに、記者会見で言われた問題というものは非常に大きな、私は
大臣の
意思如何にかかわらず、
影響を及ぼしたことは事実だと思うし、それから又仮に当の
放送協会そのものが
大臣の言われたことによ
つて別に心理的な
影響も受けなければ、何らそういうことは眼中においておらなか
つたと言われても、私は客観的に見た場合に、
聴取者或いは国民全体の受けた印象というものは、少くも非常にこう不明朗なものを感じたと思うのです。これは具体的に言
つたとか言わんとかいう問題よりも、私は
一つのやはり立場が立場であるだけに、
郵政大臣の
相当な責任という問題を、私は少なくともまあ痛感させられるわけなんです。
従つて先ほど石黒委員の御発言にもありましたが、
放送協会がとにかくしつかりしてさえいれば問題ないことなんだと言われれば、それだけの話なんです。これは毅然としてやれば、外部的にどんな話があ
つたつて、特に
大臣が言われたことはとかくの問題にされるほどの問題ではないんだと言われればそれきりなんですが、併し何と言
つても、これは現実の問題として
考えた場合に、いわば
政府という
一つの権力といいますか、少くとも監督という特殊な立場にある
関係ですね、これは指示だとか命令だとかいう
関係とは別にしましても、やはり言われたことそのものが非常に大きな
影響を持つと思いますし、而も時期
自体が非常に、時と場合によ
つて、平常であれば何でもないことが、或いは又時と場合によ
つては何でもないことがある。而も又特定の時期に言われるということになると、非常に大きな
影響力を持つということになると思いますし、私はそういう点で
放送協会に毅然たる態度を要望すると同時に、特に監督の立場にある者としての態度というものはよほど慎重にして行かなければ、本当の
公共放送の自由或いは
放送番組の自由というような問題、こうい
つたものが政治的な立場で公平ということは、何といいますか、期待できないのじやないかというふうに
考えるわけです。それでなお先般の問題と
大臣の
答弁では直接な
関係はないと言われますが、現実に
放送番組の変更等もあ
つたわけですが、この
事情については、
先ほども会長から一応
お話は承わ
つたわけですが、なお私
自体といたしましても十分に納得できない点もありますし、こうい
つた点については更に
関係者に出席を願
つて、
事情をお伺いしたいと
考えておるわけですが、いずれにしても特に
放送番組の自由の確保の問題については、監督の立場にある
郵政当局、特に
郵政大臣の立場というものは非常に私は重大なものではないかと
考えるわけです。今回の
収支予算の出されました
経過等についてもなお後日機会を改めて十分にいろいろお伺いもしたいし、
内容についても
検討いたしたいと思いますが、一応今度の
収支予算が出されるに当
つて、先般大阪へ行かれたときの記者会見で言われた
内容についても、私は誠にその点遺憾に思
つておるわけですが、勿論
放送番組の
内容についての批判等は、これは
放送協会としても十分に考慮して行かなければならん問題だと思いますが、併しそれは飽くまでもやはり時と所と手段というものを
考えて、
放送番組の本当の公平な而も自由な実現ということを努力して行かなければならんと
考えるわけですが、先般もこの
予算がこうい
つた具体的な月六十七円の
値上げという形で出て参りまする
経過についても、私は
大臣が果してああいう
経過で
国会に出されて参るのが適当であるというふうに
考えておられるのかどうか、この点もついでに
一つお伺いしておきたいと思うのですが、ということはどういうことかと申しますと、まあ今日のこの
放送法の建前から行きまするならば、非常に
放送協会の
自主性というものが極めて強く認められておると思うのです。ところが実際出されて参りました
経過を見ておりますると、
大臣の先般の
委員会での発言等から推察いたしますると、できるだけいわば無用の煩項を避ける意味で、事前に打合せながら
郵政省としての
考え方を
放送協会に伝えたということだと私は思うのですが、併し事実問題は、その
範囲を遥かに
通り越して、ただ単に
郵政当局、
郵政大臣のこの
予算に対する
意見を付して出すという本来のあり方を逸脱してしま
つて、全くどちらかと言えば、圧力を加えた形或いは
放送協会の
意思如何にかかわらず、具体的な結論が出されて、
国会にここに
提案されて参
つておるというような
経過にな
つておるんじやないかと
考えるわけですが、こうい
つたことは
放送法の本来の建前からい
つて極めて好ましくない私はやり方じやないかと思うわけですが、当然こうい
つた日時の差迫
つた状態で出して参るというよりは、事前にもう少し生のままの
協会での
考え方というものが
国会に出されて、これに対して十分な
審議がなされて、これが結論としてきま
つて行くという姿がこの
放送法のあり方として正しいのじやないか。言い換えれば、例えば具体的に申上げますと、よほど
審議期間を置いて、
国会での
審議の
経過というものによ
つて、若しどうしても
国会としては了解できないという
内容であるならば、これが更にもう一遍
考え直されて
国会に出されて来るという、飽くまでも正規の姿で論議されて行くへきじやないか。これが
国会で私
どもが
質問すれば、恐らくやはり形式的な一応型にはま
つた答弁しかなされないと思う。どういう
経過で六十七円にな
つたのか、七十五円案というもの、七十円案というもの、それが六十七円という形にな
つた、これらの七十五円或いは七十円という問題は、少くともこの
国会の今回の席上においては私は簡単な
経過としては報告されるかも知れないが、そういう
考え方を強く
郵政当局が持
つてお
つた意見或いは又
放送協会がこう
考えてお
つたのだというような
意見は、少くともこうい
つた機会には余り率直な
経過としてはお聞きできないと思う。それだけにもう少し私は
国会における
審議というものを重視し、
国会における
審議権というものを尊重する建前から行くならば、やはりこの
放送法に
規定せられた
手続によ
つて、それぞれの所で十分に
審議されるということであるならば問題ないと思うのですが、事前に何かしら特に与党内部での強さ
意向等によ
つて、この原案というものが歪曲されるようなことがあ
つてはならないと思う。又それによ
つて国会で
審議さるべき
審議期間が制約を受けることがあ
つては遺憾である。こういうような今回の
収支予算の出し方について
大臣はどう
考えられておるか、お
考えを承わ
つておきたいと思います。