○
説明員(秋草篤二君) 私
どもの、
只今久保委員からの御質問の臨時
公共企業体合理化審議会については、
梶井総裁が
委員として終始出席いたしました。私も事務を担当する幹事でございました関係から、ほんの概略でございますが、簡単なものを御
説明申上げたいと思います。
この設置の趣旨については、お手許にございます冊子の一番後ろのほうに、閣議決定の要旨、それから内閣総理大臣のこの
合理化審議会の原会長に宛てての諮問第一号というものがございまして、設置の理由或いは
審議のやり方、目的というものが謳
つてございます。併しながらこれにつきましては、極めて内容は漠としておりまして、税制改革
審議会とか、或いは財産評価
審議会とか、まあそうした具体的な大筋を目標にして結論を取上げて行くという
ような
審議会と違いますので、現在運行しております
公共企業体についてのあらゆる点、角度からの経営内容でも、或いは制度的の問題でもかまわずに、検討して結論を出せという要望であつた
ように記憶しております。約七カ月に亙りまして誠に熱心な
審議会でございまして、私
ども事務当局が批判するのは大変おこがましゆうございますが、稀にみる熱心な
審議会であつたと私は
考えるのであります。毎週一回ございましたが、一遍だけやめた週がございますが、あとは全部欠さず毎週必ず水曜日に行われており、殆ど
委員の方々も欠席なく
審議されまして、私
ども公共企業体に身を置くものにと
つては、この
審議の経過というものがむしろ非常に参考にもなり、啓発されたという
ように感じます。
答申の結論は、お手許の冊子の一番先に出ておる
ような次第でございまして、これを概括的に、批判がましくなりますが申上げますと、さしてめざましいあつという
ような改革案という
ようなものはございません。併しながら現在の仕事をやる上において、いろいろな示唆を受ける点もございます。又
公社側から言いますと、日頃郵政省、
大蔵省、行政管理庁、会計検査院或いは国会と、いろいろな官庁なり、角度から監督を受けておりますので、こうした方々にも率直に
公社の実情も知
つて頂き、或いは時には
公社の要望なり、
公社の機能も知
つて頂くという非常にいい機会であ
つたのではないかと思うのであります。
一番先に経営形態という
ような非常に大きな問題が掲げてございますが、
電信電話公社につきましては、一応民営論という
ようなものの検討もや
つてみる必要があるというので、検討が行われましたけれ
ども、現在の
公共企業体というものが一番よろしいという結論でございます。
それから三番目になりまして、経営機関は、大体経営
委員会の問題について触れている
ようであります。その前に申上げたいことは、この三
公社を通じまして、この答申書の内容を私が申上げるのは非常に変な話でございますが、国鉄、専売、電電と三
公社についての批判なり、いろいろな結論という
ようなものは、今一番
電電公社に対していいものの見方と申しますか、批判というものをしておる
ように受取られるのであります。これは
一つ御覧にな
つて頂けばおわかりと思います。
これは少し話が前後いたしましたが、そこで経営
委員会につきましても、
電電公社につきましては、現在の経営
委員会がまあ一応執行
委員会……、議決機関と執行機関との間の関係が多少不明解な点があるけれ
ども、
現状のやり方もうまく行
つて差支えないじやないかという
ようなことでございました。
それからこの問題の要点を概括的に言えば、やはり財務会計制度と人事、給与という
ような問題に集約できると思うのであります。たくさんの項目がございますが、やはり日子を費やしたのも財務制度の問題と労働関係、給与関係の問題に大部分の議論を集中いたしたのであります。私
ども公社が最も強く要望したものは
予算制度に関してでありまして、これは終始私
どもは純計
予算制度と申しますか、基準
予算制度でない現在の
予算制度は不適当であるということを強く総裁から述べて頂きました。三
公社はそれぞれその主張にニユーアンスはありますが、大体において同じ
ような主張でございましたが、各電電部会、国鉄部会、専売部会の答申には、又それぞれの強さがありまして、私
どもの電電部会で四人の又
委員が小部会を作りましたが、これは殆んど
電電公社の基準
予算制度は正しいという
ような結論でありました。
それからもう
一つ、話が前後いたしますが、
委員会のほかに臨時に経理専門
委員会、労働専門
委員会というものが純然たる学者、部外者から構成されまして、大いに意見を述べて頂いたのでありますが、そうした経理専門
委員会におきましても、
予算制度は基準
予算制度を採用すべきであるという
ような結論でございました。ただ国鉄部会の意見は多少違
つておつた
ようでありますが、最後的にここに出ておるこの姿は、少くとも
電電公社は現在非常に企業的に行われておる、それから
収支の
状況も一応安定しておる、そういう点でここで企業的に伸ばしてやるために、従来の官庁
予算的な性格から脱却して、基準
予算制度にしたらいいじやないかという希望が比較的強く現われておる
ように感ぜられるのであります。細かい点では資産再評価とか減価償却とか災害準備金、退職準備金、原価計算及び益金納付、財産管理という
ようなもの、或いは運賃、料金決定の
方針、運賃、料金決定の原則、こうしたものはかなりテクニカルな問題でありまして、特に私
ども画期的な大きな問題として掲げて要望したものではないのでありますが、かなり熱心にこれも議論され、私
ども日常この事務を今後取扱い、運用する場合にはかなりこれを参考にしていきたいと思
つております。
それからその次に大きな問題として労働関係、給与関係、そうした問題が先ほど申しました
ように、非常にたくさんの時間が費やされたのでありますが、何とい
つてもその中でも給与総額の問題、それから業績賞与の問題が非常に大きな問題でありました。労働
委員会でもこれが議論されたのでありますが、給与総額制度につきましては、私
どもは理論としては、現行給与制度を撤廃してもらいたいということを要望したのでありますが、
現状からいたしまして時期尚早の感があるということに結論はな
つて、暫らくこのままという
ようなことであります。業績賞与についても、現在の業績賞与のやり方というものについては、なかなか明快なものではない点があるのでありますので、こういう点をもう少し明快にすべきである、併し業績賞与そのものは、是非とも
公共企業体においては必要であ
つて、これを活用すべきである、こういうことが結論であります。併しやはり
予算制度と同じ
ように、両者ともさして非常に画期的な
一つの
改善案という意見ではないと思
つております。
それから労働関係、これは停年恩給制度、退職金の制度、それから現在の調停、仲裁の制度、それから多少労働基準法に関する問題という
ような点がございましたが、これも停年、恩給、退職金についてみますと、三
公社のうちでそれぞれ多少の条件が違いますので、それぞれ要望する向きも違
つておりましたが、まあ大体私
どもが
考えている
ような方向には行くべきであるという
ような結論に
考えております。
資金調達も非常に長々しく欠いてございますが、要は
政府も、先ずも
つてこの
公共企業体の本命の金は
政府資金でなければならない、それから外部
資金である電電債とか、そうしたものは、第二義的に
考えるべきではなかろうかという
ようなのが論旨でございます。その間に大分
公社に対する金の使い方に対する警告もございますが、或いは又国鉄の不経済線とか、いわゆる公益性と企業性との調整というものについて、随分いろいろな議論もあつた
ようでございますが、そこはそういう点が、
資金調達という名目にはちよつとおかしいのですが、書いてございます。結論は、
政府は
資金の供給に対してもつと充実を図
つて、
政府資金というものを第一義的に
考えるのが
公社の姿ではなかろうかというのが趣旨でございます。
大体こんなところでございますが、
公社と監督官庁とはおのずから多少の意見も違います。殊に
大蔵省と私
どもの意見とはかなり違う点がある、見解の相違もございますので、この間の議論はかなり活溌に行われるかと思
つております。従いまして結論は、紙に書いた十数頁ございますが、私はこの七カ月の経過によりまして、いろいろ又監督官庁にも知
つて頂く点があつたと思いますし、又監督官庁から私
どもがいろいろ啓発を受けるという点もあつたかと思いますので、今後の仕事の運用、
予算の運用、仕事の
実行という点においては、かなり参考には
なつたというふうに
考えております。