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1954-10-07 第19回国会 参議院 電気通信委員会 閉会後第4号 公式Web版

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  1. 電波行政に関する調査の件 (会議録情報)

    昭和二十九年十月七日(木曜日)    午前十時五十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     島津 忠彦君    理事            久保  等君    委員            左藤 義詮君            津島 壽一君            上林 忠次君            新谷寅三郎君            山田 節男君            三浦 義男君            野村吉三郎君   国務大臣    郵 政 大 臣 塚田十一郎君   説明員    郵政省電波監理    局長      長谷 慎一君    日本電信電話公    社総裁     梶井  剛君   参考人    日本放送協会会    長       古垣 鉄郎君    日本放送協会副    会長      小松  繁君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電波行政に関する調査の件  (無線設備に関する件)  (難聴対策に関する件)   —————————————
  2. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) 只今より委員会を開きます。  電波行政に関する調査を議題といたします。  昨日に引続き質疑を行います。
  3. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 昨日塚田郵政大臣に、長い間懸案になつておりますところの私設無線局吸収ということについて日本電電公社のほうから郵政省当局に或る種の申入れがある、これに対する政府所信塚田郵政大臣にお伺いしたわけでありますが、今日は電電公社総裁もお見えになつておりますから、実は我々この電気通信委員会の席上において、電電公社が、私設無線局による専用線、そういうものの開設がどんどん殖えるということは、公衆通信独占体としての電電公社としても非常に困る点があるだろう、そういう点で政府当局申入れがあつたと思うのですが、我々一個の委員としましては、正式にどういうような申入れで、どういう事情郵政当局にかような申入れをされたのかということがまだ正式につまびらかにされておらない。そこで総裁もお見えになつておることでありまするから、その間の事情、並びにそういう要求をせざるを得ないという事情一つ総裁の口から我々拝聴したいと思います。
  4. 説明員(梶井剛君)(梶井剛)

    説明員梶井剛君) 只今山田委員からお尋ねの私設無線公衆通信マイクロウエーブに関する関係についてお答えいたします。マイクロウエーブ公社がやり始めましたと同時に、民間におきましてもマイクロウエーブ計画されるところが数多くあると我我聞いておつたのであります。併しこれは当然郵政省にその免許出願されるわけでありまして、その際に電波監理局としましては、公衆通信関係考えて我々のほうにもお問合せがあつたのであります。最初のうちは主としてその出願電力会社保安通信施設としてマイクロウエーブ施設したいというのであつたのでありますけれども、漸次その出願が殖えて参りまして、各種各様業務マイクロウエーブを利用しようという傾向が多くなつて来たのであります。ところが私ども五カ年計画におきましては、福岡から札幌までのマイクロウエーブ施設するばかりでなく、更に日本全国に対してマイクロウエーブ施設しようという考えを持つてつたのでありまするから、いきおいこれらの私設無線と我々のほうのマイクロウエーブ計画とが場合によつて重複するのではないだろうか、又場合によつてはその設定する地点お互いに接近して、その間に干渉妨害が起るのではないだろうかという懸念を持つたのであります。そういう意味からしまして、私どもは、電波監理局に今後免許される場合において、若しも我々の計画重複するものがあるならば、むしろ国家経済上から見まして、公社施設するものに含ましてやつたらばいいんじやないだろうか、つまり公社専用通信として民間が利用されたらばどうだろうか、又設置されます区間を見ますると、先ほど申しました通りに、お互い無線局が非常に近いところに設置されなければならんような日本地形でありまして、いきおいお互い干渉が起りやすいのでありまするから、そういうような点につきましても十分の調査を必要とするのではないだろうかということの意味におきまして、電波監理局申入れをしたわけであります。而も現在波長相当まだあるとは思いまするけれどもマイクロウエーブがだんだん利用せられて来ますると、今の電波干渉関係上、いきおい波長利用範囲というものも限定されて参りますし、又マイクロウエーブ性格といたしまして、峰から峰に伝わつて参るわけでありますから、自然その地形が制限せられまして、同一地点に集合して行くというきらいがあるのであります。で、我々がマイクロウエーブ施設した経験から申しますと、機械設備そのものよりも、そこに道路をつけて行く、又そこに局舎を建てるというようなことに相当経費を要するのでありまして、そういう点におきまして、我々はあらゆる面において共用して行くことが賢明な策だと思われたわけであります。勿論私設無線に許される波長と、我々の得ておる波長とは違つておりまするけれども、併し波長が違つておるからといつて、それの高調波の出て来ることは避けられないわけでありますから、干渉も当然起るわけでありまして、我々としましては、むしろこういうマイクロウエーブ傾向につきましては、我々が施設するもの又一般私設無線におきましても、これを郵政省において統合して御考慮頂くことが一番いいのではないかという意味申入れをしたわけであります。
  5. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 現在郵政当局免許の、マイクロウエーブによる専用線無線機開設する申請が多く出ておるわけでありますが、昨日も大臣公衆通信ということにつきましてかなり法的な論争があつたわけです。併し我々立法者立場において見るとき、特にこの法案扱つた者立場においていろいろ各委員からも説明があり所信が述べられたわけでありますが、一体こういつたような問題が起きるということは、今日の電電公社市外通話が非常に能率が悪い。従つてそういつたような無線局開設によつていわゆるマイクロウエーブを利用する専用通信を行いたいと要望が強いのであるということも実は聞いているわけなんです。そこで総裁から御覧になつて現在すでに開設をしているもの、或いはその開設要望しているものの中でこれは当然、今総裁のおつしやつたような立場からのみならず、公社がいわゆる電波法第四条の第二項によつて公衆通信業務を行うことを目的とする無線局は、これは日本電電公社独占的にやるべきものである、こういう法文があるわけです。これについても塚田大臣と我々との論議の間にかなり逕庭があるわけです。そこで公社として、公衆通信として扱うべきものが今日私設無線局で行なつているものがあるかどうか、これは御存じかどうか知りませんが、今日郵政省免許申請をしているものの中にも、これは当然公衆通信業務として扱うべきものがあるのではないかと思うのですが、その点について総裁の御所見を伺いたいと思います。
  6. 説明員(梶井剛君)(梶井剛)

    説明員梶井剛君) 現在出願されてありますものにつきましては、まだ私らは詳しく承知しておりませんが、すでに出願せられて免許せられ、又その一部分はすでに完成しておるのであります。現在免許されております分は、これは監理局調査によりますると二十六区間であります。そのうち完成しているのが一七区間、それぞれの内容を見ますると、大部分電力会社であります。そうしてその保安通信施設として認可されておるものであります。そのほかには国鉄とか或いは国警等でありまして、一般公衆通信に使われると認められるものは今までのところは含まれておらないと思います。但し保安通信施設というものも、解釈が非常にむずかしいのでありまして、送電の確保というような意味で申しますると、発電所変電所との間或いは本社の間というようなことになるのでありますが、そのうちには本社東京支社との間の連絡というようなものにまでマイクロウエーブが使われておるものもありまして、これが公衆通信に使われているかどうか、或いは他人の用に供されているかどうかということにつきましては、我々は何ら知りませんですが、保安通信施設目的という意味から言えば、多少はずれているのではないだろうか。但し日本全国において電力相当不足でありまするから、電力を融通するという意味におきましてそういう必要があるのではないかというような解釈をいたしております。
  7. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 これは今後の公衆通信の何といいますか、専売といいますか、独占企業体をあずかる総裁としての所信を伺いたいのですが、昨日も塚田大臣との質疑応答の中で私感じましたことは、これは我々が国会において有線電気通信法公衆電気通信法という法案を作つたわけであります、政府の提案に基いて。ところが昨日も指摘したのですが、有線電気通信法においてはかなり、かなりでありません、これは完全に近いほど公衆通信というものに対する明確なる法文がありまして、例えば警察であるとか、その他の官庁におきましても有線電話につきましては、電電公社としては相当独占的な企業体としての権限が与えられておる。併し日本法律としましては更に今度電波法というものがあつて電波法の第四条第二項において無線局無線による公衆通信は、日本電電公社がこれを独占すべきものである、他の者は使えないのだということが明記してありますが、昨日の塚田大臣の御回答から感じて、どうも私は政府当局公衆通信に対する殊に有線並びに無線ということの、殊に無線による公衆通信というものの定義がはつきりしていないのじやないか。昨日も私指摘しましたが、例えばアメリカの通信法の第三条一項におきましては、この公衆通信、つまりコモン・キヤリヤというものは、いわゆる有線無線によるキヤリアに従事するものというようにはつきりしてある。ところが日本法律ではこういうように三つの法律に分れて有線電気通信法公衆電気通信法電波法、こういうものに電電公社公衆通信に対する責任と申しますか、権限というものが明文化しているわけなんです。ところが今みたような、今総裁がおつしやつたようなことを政府当局申請要望されなくちやならんということは、有線はよろしゆうございますけれども無線による公衆通信というものの政府当局のはつきりした定義といいますか、そういうものが、ないのではないかということを私は塚田大臣に質問したわけであります。総裁としては、この今問題になつておる無線局吸収要望されるということは、やはり私は法的に考えても無線公衆通信というものに対して十分な保障公社に与えられていないというようにお考えにならんかどうか、その点をお伺いしたい。
  8. 説明員(梶井剛君)(梶井剛)

    説明員梶井剛君) 郵政省は直接我我を監督しておられますのでありますから、法律で規定せられておるところの保障は当然郵政大臣から我々に与えられているものと信じております。ただ先ほど申入れをいたしましたのは、法律上の問題ではなくて、投資が二重になるということが、国家的に不経済ではないだろうか。又一面において将来起るかも知れないような通信上の妨害、そういうようなことを極力避けるという意味において我々は申入れたのでありまして、保障が与えられておらないからという意味で申上げたのではないのであります。我々のほうは電波監理局から我々に必要なところの波長は大体において得ております。而も将来の計画に対する分も一応得ております。そういう意味におきましては、我我自身業務を遂行する上におきましては何ら支障はないのでありますが、法律公衆通信性格を持つておるものをやりはしないかということにつきましては、これは政府のほうですべて措置されるわけでありますから、我々自身責任にはなつておらぬと思います。
  9. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 これは我々としましては、一面においては立法府の立場からいわゆる法的解釈ということが明確にされてないと、これは我々として国会を通過して法制化したというものが、必要によつていろいろに解釈されるということは、これは非常に危険を感ずるわけです。でありますから、この法律の問題と実際の政策の問題とは、勿論これは分けて考えたいのでありますが、併し当面している、これは後ほどちよつと触れますが、それがしがかなり大じかけなマイクロウエーブ施設をしたいというような要望があり、政府に対しても働きかけが行われているということについて、昨日いろいろ論議が交されたわけでありますが、そういうようなことから考えて、経済的或いは電波政策という立場から考えても、これは当然主管大臣国家国民のために誠実にやるべきものであつて、私は当面の責任者である塚田大臣に対して絶対的な信頼を置くべきだ、かように考えておるわけであります。それで重ねてお伺いいたしますが、今おつしやつたように、公社立場から言えば、そういうように施設重複して電波干渉が起る、或いは経済的に非常に浪費である、これは一応わかるのでありますが、今の公社から政府申入れをされました事情、並びに最近我々が耳にしまするそれがしがかなり長距離マイクロウエーブステーシヨン開設要望していること、これからのことを聞くと、今梶井総裁がおつしやつたような意向は我々全く賛成せざるを得ない。得ないが併し、先ほどの私設無線開設は、電電公社市外通話能率が低いから、我々としてこういう開設を急がざるを得ないのだ、ということも重要な口実になつておるように我々は伺つております。そこで電電公社としまして、こういう私設無線開設申請がたくさんあるという事情に当面されまして、電電公社マイクロウエーブ開設に対しまして計画を発表していらつしやいますが、昭和で申しますと二十八年から三十四年ぐらいでもつて、大体全国の主要な部分にはマイクロウエーブリレー・ステーシヨンができる。少くとも札幌——福岡間のマイクロウエーブ施設を完了することは、昭和三十年を大体の目じるしとしておられるように伺うのであります。只今のようにいろいろ私設無線局開設申請が殖える。又幹線とも申すべきかなり長距離中継を、電電公社の規模にも負けないようなものを、私設において作りたいという要望があるということになれば、総裁のおつしやるように、経済的に考えても、施設重複ということから考えても、私はマイクロウエーブステーシヨン施設を完了する時期を早められる必要があるのではないか。そうすれば今市外通話能率が非常に低いから私設無線局開設したいのだ、或いは更に大じかけにマイクロウエーブ中継線を新設するというようなことはおのずから減るのではないかと思いますが、これはいろいろ資金上の問題がやはり重要でありますが、公社として、この年次計画というものをもう少し早めるということは、これは技術的或いは経済的にできるものかどうか。又そういう御意向をお持ちになつておるかどうかということを一つお伺いしたい。
  10. 説明員(梶井剛君)(梶井剛)

    説明員梶井剛君) 福岡から札幌までの四千メガのマイクロウエーブにつきましては、今お話通りに二十八、二十九、三十の三カ年間に完成する計画の下に着々と現在工事中であります。そのほかの地域に対しましては、この幹線路ができましたらすぐ着手いたしまして、重要な区間に対してマイクロウエーブをみな施設しよう。この目的は現在の市外通話の輻輳を救済するばかりでなく、暴風雨その他の場合におきましても、絶対に通話が確保されるという意味をもつて計画を進めておるわけであります。何分にも予算の制約というものがありまして、一度に全部をやるというわけには参らないのであります。そういう意味におきまして、この幹線路を先ず優先的にやつて、続いてあとの区間に対してやるというわけであります。又現在許されておりますこの保安通信施設のものは、区間割合に短かく且つ発電所のような地点からマイクロウエーブ通信を利用するのでありますから、山の中であります。一般公衆通信の通過する地域大分違つているのであります。そういう意味におきまして、この重複施設になるのが割合に少いのであります。併しその他の業務におきましては、重複施設になる分も依然生じて来るわけであります。我々は電波監理局と打合せしまして、そういう要望のあるものに対して、我々のほうはできるだけそれができますように計画を持つて来るというふうに打合せをしております。勿論全国亘つてそういうものが出て来るわけでありませんからして、我々としましては、そういう要望のある区間に対しては、経費差しくつてでもできるだけ早く実施して行きたいという考えを持つております。
  11. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 塚田大臣ちよつとお伺いしますが、昨日いろいろこの施設無線局開設申請のことをどうするか、それからそれがしの計画しているやに伺うかなり大きなマイクロウエーブステーシヨン建設、これは先ほど、今は非常に法律的な論議に終始しましたが、当面の企業体責任者である梶井総裁が言われたように、法的には勿論、経済的或いは技術的な困難を伴うようなこの施設開設申請に対しては、これはもう当然大臣としてお考えになるべきことだということは、これは昨日も私は重ねて申上げているはずなんです。そこでこの公衆通信、殊に電電公社市外通話能率化ということは、マイクロウエーブ開設によること、殊に災害の場合においては、有線より無線がいいということになれば、保安的な立場からいつてもこういうことは、郵政省としては、当然これの促進に対しての政府当局の援助は、これはあるべきだと思うのです。で、これはまあ主として資金上の問題ということに帰一するのじやないかと思いますが、併し一面テレビジヨンNHKによつて今日東京——大阪間に放送開始しているわけなんです。で、放送法の建前から申しますと、これはラジオと同じくテレビジヨンもあまねく普及さす、速急に公共放送でやるということは、これはNHKの重要な立場だと思う。そこで今日マイクロウエーブリレー・ステーシヨン施設が、速度によつてこのマイクロウエーブの、テレビジヨン放送カバレージといいますか、エリヤも変つて来るわけだ、そこに私は放送法によつて義務づけられているNHKテレビジヨン放送カバレージ全国拡めることは緊急を要するのであります。こういう点から考えて私はいろいろな意味から言いまして、今電電公社計画している少くとも主要幹線マイクロウエーブリレー・ステーシヨンだけは、国家的に考えましても、非常な私は緊急の度を加えているのじやないかと思う。この点に対してこれはどういうふうにお考えになりますか。若し万一これが電電公社資金上において十分これを促進し得ない、まあ現在の計画については着々とそれに準じてやつているというふうな総裁の御報告でありますが、大臣としては、そういつたような資金を或る程度まで融通することを応援しても、このマイクロウエーブリレー・ステーシヨンを、電電公社をして一日も早く完成せしめるということが大臣の身辺にいろいろな働きかけのある私設無線局開設というものについても、私はおのずからこうした問題が解消するのじやないかと思う。この点に対して、郵政大臣としてはどういうふうなお考えを持つておられますか。
  12. 国務大臣(塚田十一郎君)(塚田十一郎)

    国務大臣塚田十一郎君) 考え方としては、山田委員と全く同じ考え方をいたしております。やはり一番いいことは、公社の手でもつて成るべく早く主要な幹線ぐらいは少くとも完成して頂きたいという考え方でいるわけであります。従つてどももこの公社のいろいろな通信施設整備拡充計画には最大限の協力をいたしているわけでありますが、現在の五カ年計画資金程度では、当初の計画通り必ずしも行かないというようないろいろな国家的な財政、金融上の制約がありまして、非常に私どもも遺憾に思つているわけであります。気持としてはもう少し資金が十分あつて、そうして他の計画も併せて、今度のマイクロウエーブ計画も成るべく早急に実現できるようにという考え方であります。
  13. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 私はこれで一応質問を打切りますが、最後にNHKのほうにお伺いしますが、イギリスBBCテレビジヨン開設、開始しましたときも、やはりロンドンを中心として、ロンドンの周辺のみがテレビジヨンをエンジヨイすることは、これはもう非常な強い批判がありまして、そうして、やはり年次計画を作りまして、御承知のような関係で、かなり早く、たしか五つも……、北アイルランドを入れて六つぐらいのリレー・ステーシヨンに分かれております。このBBCとしては、かなり短期間にテレビジヨンのネット・ワークというものを完成しておるわけです。先ほど申上げましたように、NHKラジオと同じくテレビジヨンを開始したからには、これをできるだけ早く普及させることは当然の任務です。我々が全国各地を廻りましても、東北のほうに行きましても、このテレビジヨン放送というものを一日千秋の思いで待つているわけです。積立金をしてまで、月掛貯金までして待つておるという状況です。そういうような実情に鑑みて、今電電公社、或いは塚田大臣からも御発言があつたのですが、NHKとしては、テレビジヨン普及に、電電公社マイクロウエーブ施設完成を待つということになれば、これは少くとも全国的に言えば昭和三十四、五年まで待たなければならない。少くとも完成においては三十二年にならないと実験放送ができないと思うのですが、イギリスにおきまするBBCあたりでやつた経験から見て、NHK当局としては、テレビジヨン普及対策ということについて、具体的には今どういうことをお考えになつておりますか。若し我々がこの十九国会で聞いたあのテレビジヨン計画で行くということであれば、ここで御発言する必要はありません。今日はいろいろな事態が変つて来ておるわけです。でありますから、若しこれに対しての新しい計画をお待ちならばお伺いしておきたいと思います。
  14. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) ちよつとお待ち下さい。本日、日本放送協会側からも御出席になつておりますので、日本放送協会当局者の方を参考人に一応決定いたして、委員質疑に対して、必要に応じまして御説明を願うことにいたしたいと存じます。この点御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) それでは御異議ないようでありまするのでさよう決定いたします。
  16. 参考人(古垣鉄郎君)(古垣鉄郎)

    参考人(古垣鉄郎君) 只今山田委員お話通りNHKにおきましては、テレビジヨン全国普及ということを非常に熱望いたし、それを方針といたして計画を進めております。御承知通り現在名古屋、大阪においてもテレビジヨンを実施いたしておりますし、これも電電公社マイクロウエーブを現在は使用させて頂いておりますけれども、この電電公社マイクロウエーブができます前に、すでにHNK研究によつて実施を始めましたことは御承知通りでございます。先ほど電電公社総裁並びに郵政大臣がお述べになりました御方針を私どもも体しまして、それを基礎にして、今後のNHKテレビジヨン全国普及ということを考えております。五カ年計画ということを当初から持つて、現在着々進めておりますが、その根幹は、先ほどお話がありました電電公社による幹線完成ということに基礎を置いて、そうしてできるだけ早く福岡札幌方面にまでNHKテレビ網普及させ更にそれから先の放送についても、ただ単に電電公社に依存するというのでなくて、電電公社計画基礎を置きつつ、それに先ず甘んじないで、みずからの研究、試作によつて更にそれを全国普及に持つて行く、それが五カ年計画でございますが、大体それによつて全国の六〇%以上をカバーするという計画を進めているのが現状でございます。
  17. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 今古垣参考人の御発言を伺うと、要するにNHKテレビ網の拡張は、電電公社マイクロウエーブリレー・ステーシヨン建設基礎するものである。従つて電電公社マイクロウエーブ完成するスピードにもうマツチしているのだと、こいうような御意味だろうと思うのですが、これは私は経済的に考えれば、施設重複という点で無駄な話である。かるが故に、東京——大阪間のNHKマイクロウエーブが、電電公社マイクロウエーブ完成されると、これは撤去される。これは私は非常に賢明な措置であつたと思うのです。先ほど申上げましたように、大阪、名古屋、福岡札幌間のいわゆる日本マイクロウエーブリレー・ステーシヨンの東海道線というものが開設される。これは人口六〇%、成るほどこの点は数字的にもこれはわかるのでありますが、併し、少くともああしてNHKが特殊法人として公社に近い性格を持つておる。而も放送法の大原則によつて、これは公社と同じような国家代行機関としてのですね、いわゆるラジオテレビジヨン普及というものに対するこれは絶対的な一つの課題を担つておるわけです。そこで一応この札幌福岡間のマイクロウエーブは、電電公社完成を待つて、ネツト・ワークの拡張もそれにマツチさせたいという御意見でありますが、先ほど申上げましたように、この幹線以外の地域においても、これは非常なテレビジヨンに対する一つの熱望を持つております。我々もこれを十分知るものであります。そこで電電公社の支線へのマイクロウエーブ開設に対する計画もここで持つておられます。併し、これは先ほど申上げましたように昭年三十四年、三十五年、少くとも三十五年にならないと、主要幹線というものも或る程度完成を見ないのじやないか、その点いわゆるNHKの持つていらつしやるマイクロウエーブ普及の五カ年計画というものがどこまで一致しているのかどうか。又それを一致させることによつて国民全般の要望テレビジヨン放送、視聴の可及的速かに実現してもらいたいというこの要望とを勘案しますと、そこに幾分か時期的な私は一つのズレを生ずるのじやないか、この点について電電公社施設重複しない範囲において、或いは無人中継開設であるとか或いは東京——大阪間のNHKマイクロウエーブ電電公社マイクロウエーブと同じような、一つ撤去するのじやなくてこれを将来電電公社が肩代りするというような意味においても、NHKのできる範囲において、これは私は現行法においてはNHKがそうすることはできないかも知れませんけれども、やはりイギリスBBCがやりましたように、場合によつては今日ラジオの聴取料による徴収額の二割を限度としてテレビジヨンのほうに使つてもよいと、こういうような特別な措置をとつているわけです。日本の今日の現行法においてテレビジヨンラジオとの関係は、これは厳に区別すべしということは、特に本委員会においてやかましく審議されてああいうようなことになつているのです。併しこれは若しそれができなければ、郵政省と或いは電電公社との、放送法による絶対的な使命に鑑みて何かこれを促進する方法というものが考えられるのではないかと思うのですが、この点については何ら具体的な方針をまだお持ちにならない、かように承わつてよろしいのでありますか。
  18. 参考人(古垣鉄郎君)(古垣鉄郎)

    参考人(古垣鉄郎君) その点についてもすでに検討中でありまして、先ほど申上げましたことが、御説明が不足したかと思いますが、私どもこの札幌——福岡間の電電公社幹線完成が三十年、三十一年にかけてできる、それに伴つてできるだけ速かに実現したいという計画を進めております。それからそれ以外の支線等については、国民の要望ということもございますし、又我我の使命からも考えて是非早急にいたしたいということで電電公社のほう、又郵政省等とも密接に連絡いたしまして、決して人手にだけ依存することなく曾つて名古屋、大阪等において自分の力で施設いたしました通り、又その当時の施設を今大事に保存いたしましてそして利用可能の状態にいたしておりますから、そういう方途も考えております。併し何と申しましても、大きな国民的な、国家的な事業でございますから、電電公社等と密接な連絡をとりつつ、その実現が遅れる場合にこれをテレビジヨンにおいて遅れさせない工夫、或いは電電公社のほうの計画の実現を早くして頂く方法をいろいろ進めて参つております。
  19. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 これで打切りますが、電電公社梶井総裁ちよつとお伺いしておきたいと思うのですが、電電公社マイクロウエーブリレー・ステーシヨン開設大阪——東京間は大体国産でおやりになつているのです。大阪から福岡間はイギリスの、英国から何かそういう施設の設備を買われるというように私お聞きしているのですが、大阪——東京間の今お使いになつている二十三チヤンネルのマイクロウエーブというのは相当私は成績がいいのじやないかと思う。そういたしますとイギリス施設を購入されたということは、これは又日本にできないから、或いはパテントの関係でお買いになつたのか、この点はわかりませんが、私総裁に一応技術的に確めておきたいことは、こういう将来非常に進歩いたしますマイクロウエーブリレー・ステーシヨン開設のためにすべての機械、施設というものは今日以後においては十分国産で間に合うという自信を持ち得るものかどうか、この点を一つ総裁から伺いたい。今までお使いになつている国産の機械、それから今日の国際的な水準から見て、マイクロウエーブ施設に要するすべての機械等の製造は日本においてなし得るという十分の御自信がおありになるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  20. 説明員(梶井剛君)(梶井剛)

    説明員梶井剛君) 当初東京——大阪間の四千メガのマイクロウエーブにつきましては国産でやりました。然るに大阪——福岡間のマイクロウエーブは英国から買うという理由につきましては、我々当初一応研究を進めて参つたのでありまするけれども、アメリカやイギリスにおけるような多重のマイクロウエーブ日本で可能なりや否やということは、その当時はまだ確信がありませんでした。加うるに欧米の実況を見ますると、非常に不便な山上に皆中継ステーシヨンを置かなければならないのでありまして、ここに相当のアテンダントを置きますことは経費相当必要なのであります。究極におきまして我々はかような中継ステーシヨンというものはできるならば、アテンダントのいない自動的に動くところの中継所にしなければ、長い間においては非常に不経済になるということを考えておつたのであります。従つて最初国産でやりましたものはまだ十分の確信を持つておらなかつたために、すべてのステーシヨンに現在相当の人数を置いて行かなければならぬのであります。而も労働基準法によりまして八時間労働になつておりまするから、三交代というわけでありまするから、相当の人数になるのでありまして、こういう点におきまして我々は英国の機械を買うことによつて、もつと多重にマイクロウエーブを利用できるのではないか。又全く人のいない中継ステーシヨンを作るという技術を日本に導入して、そうして現在のものを更に完成したいという考えの下にやつたのであります。その後漸次研究が進んで参りまして、現在におきましては、公社が扱つております四千メガについては、国産でもうできるという確信を持ちましたので、東京から札幌に至ります四千メガについては国産でやる考えでおります。而も中継所のアテンダントで行くという考えでやつております。なお日本通信工業の産業として見て参りますと、確かに大戦中におきまして非常に日本の技術は遅れておりました。従つてこのマイクロウエーブばかりでなく、あらゆる面において遅れておつたために、外国の技術の導入は或る程度必要だというふうに考えるのであります。併しその後各製造会社におきましても技術を導入したり、又自己の研究によつたりしまして、今日においては殆んど国産でできるようになつて参りつつあります。殊にマイクロウエーブにつきましては、現在我々は四千メガのFMの方式を使つております。併し民間では主として所要のチャンネル数が少いものですから、皆PMの方式をとつておる、使つておるのであります。PMの方式はFMの方式よりも非常に簡単であり、チヤンネルが大体二十五チヤンネル以下でありますから、簡単でありますので、早くからこの技術導入が行われておりまして、現在日本でも数社PMの方式のものを生産しております。現在、先ほど申上げました電力会社などが使つておるのは皆国産によつておるのでありまして、海外から輸入したのではありません。そういう次第でありまするから、今後マイクロウエーブの技術につきましては新たに又進歩すれば別問題として、現状におきましては国産で全部できるということを申上げていいと思います。
  21. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 電電公社のほうに伺いたいのですが、大体私も山田委員が述べられたと同じような考えを持つております。この点は重複して質疑することを避けますが、一、二点伺いたいと思いますのは、どうもマイクロウエーブのみならず、有線無線を通じまして最近非常に専用通信申請が多いという理由の一つとして、私細かいことはまだ調べておりませんが、専用通信の料金があれは二百回を基本にしておりましたか、何かそういうことでむしろ建設費を入れても結局において専用通信を持つたほうが経済的には利益になるのだというような考えを持つて申請をするものが殖えて来ておるというような話を聞くのですが、若しそうであるとすれば、郵政大臣公衆通信というものに対する考え方についても、私たち非常に疑義を持つておりますが、そういう経済的な理由も含めて考えると、郵政省のほうもどんどん許して行くというような方針になるのも、経済的だけから見るとやむを得ないというようなことも考えられるのですが、その点は経済比較といいますか、そういうデータをとつてお調べになつたことがありましようか。又若し仮に経済的に専用通信料金というのは相当高過ぎるということであれば、これは電電公社が料金改訂を或る程度考えられればそれで問題は解決して行く部分相当多いかと思われる。その点についてこれは総裁からでなくても結構です。局長からでも結構ですが、お伺いしたいと思います。  もう一つは、マイクロウエーブに関しまして私は技術的には何もわかりませんが、こういうデータを頂きたいと思うのですが、今一部の人によつて言われておりまするようなマイクロウエーブのアメリカの或る方式、そういうものと現在電電公社が国産でやつておられるというマイクロウエーブの方式、それから今度イギリスから導入しようというマイクロウエーブの方式、それらを比較いたしまして、技術的に見て一体性能関係でどういうふうな利害得失があるのか、それから経済的に見まして、或いは保守の方面から見て建設費、それから保守費等を見てどういうふうな利害得失があるのか。私は大体において似たりよつたりのもので、そう大きな開きはないんじやないかと考えられるのですが、何かそういう方面での基礎的なお調べが若しあれば資料として頂けないだろうかと思うのですが、この二つの点をお伺いしたいと思います。
  22. 説明員(梶井剛君)(梶井剛)

    説明員梶井剛君) 最初に専用料金についてお答えいたします。確かに新谷委員の御指摘の通りに専用料金は二百通話ということになつております。従つてこの料金が高いのではないかという懸念は相当あるようであります。殊にこのマイクロウエーブができましてから、郵政の場合と違いまして、比較的面倒なく施設ができる。例えば土地の占用とかいろいろな問題がないものでありますから、簡単にできるからというので、自分が施設したいという希望が出て来ておるのであります。その際にお話通りに、若し公社専用通信を使うと非常に経費がかかる。だからして自分でやつたほうが遥かに経済的だということを言われておるのでありますが、併しその算出の根拠を仔細に検討いたしますると、極めてその点は信頼性が少いのであります。殊にそういうようなことに対しては事実施設される方は殆んど経験がないのでありまして、多くはそういう機械を製造する会社の人が想像によつて経費の算出をしております。でありまするからして、実際我々と同じように確実な通信を持つという意味においてやりますると、その経費の算出は極めて内輪になつておりまして、必ずしも期待せられるような経費でもつて運用ができるとは我々は思つておりません。併し一面において最近のマイクロウエーブの発達に鑑みまして、我々はマイクロウエーブによつて施設する場合においては、できるだけ料金を安くすることによつて国家経済を図つて行きたいという考えの下に料金の問題を研究しております。只今のところ料金制度というものは原価主義でできておらないのであります。従つて或る意味においては政策料金になつておりまして、或る区間においては非常に利益がある、或る区間においては非常に赤字になる。それを全体として見てペイするという料金が算定されておるわけでありまするから、今の二百通信という料金もいわば原価主義で出た料金ではないのであります。今回マイクロウエーブによる施設専用料金を作る場合においては、できるだけ原価主義でやつたらどうだろうかという観点の下に計数を出しておるのであります。先般NHK東京——大阪間のテレビジヨン中継をなさるときに、やはり現在我々が使つておりますようなFM方式じやないだろうと思うのですが、中継間隔も我々が五十キロに対して、向うは百キロでもつてつております。そういう意味におきましてNHK公社中継を使うために著しく経費の負担が多くなるということではテレビジヨン普及上非常にまずいんじやないだろうかという意味におきまして、NHKとよく協議いたしまして、できるだけ実費主義によつてその料金を算出したのであります。従つて今後我々はマイクロウエーブによる専用通信に対しましては、同じようにできるだけ実費主義に近い、つまり原価によつての料金によつて算出して行きたい、そうすれば今のような苦情はできるだけ防げるんじやないだろうかという感じを持つております。  それからいろいろな方式を使つておるが、その間のクオリテイーはどうかという御質問でありますが、これは我我本来が公衆通信をやるという任務を持つております。従つていつ如何なる場合においても完全に通信を確保して行こうという意味におきまして、一般私設通信よりはかなり堅固にできているだろうと我々は思うのであります。そういう意味におきましては、我我その通信しておる最中の通話のクオリテイーということについては多少の差異があると思いますが、そう著しい差異はないのでありますけれども通信の確保という点におきましてかなり相違が起るのではないだろうかという感じを持つております。
  23. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 今お話を伺つておると大体においてわかるのでありますが、ついでに料金問題で気がついたことを申上げますと、電電公社が発足してからまだ日が浅いのですが、少くとも幹線は職員も非常に増強されるし、通話もよくなり、通信の質がよくなつたということは感じておるわけです。ところがこれを経済的に考えて行きますと、非常に多くの建設費を出して、そうして今まで特急でないとなかなか通じなかつたのを、今度は即時通話、例えば東京——大阪間のごとき即時通話と殆んど同じようになり、サービスの向上は非常に結構ですが、その半面、今度は特急料金が取れなくなつて、料金算定は政策的にきめておるのだと言われますけれども、他の方面と比較いたしますと私は非常に不均衡になつておるのではないか。今大都市とその近郊にある小都市との間の通話のごときはまだ改善されておらない部分がたくさんある。今までは三倍の特急料金を出して電話をかけておつたのが、今度は即時通話で、而も普通料金で行つておる。もつと区間が短かくても、近い所であつても設備が十分でないためにやはり特急でかけなければならん。高い料金を払つて、而も時間が非常に長くかかるということで、料金政策としては、いわば設備をどんどんして行つたけれどもその半面には建設費に見合うような料金が得られないで収入が減つて来ておる。一方幹線でない所は依然として高い料金を払わないと通話ができないというように、これはまあ経過的なものかも知れませんが、料金制度としては私は一考を要するところじやないかと考えるのです。で、これも五カ年計画、更に第二次五カ年計画等によつて完成はされて行くと思いますけれども、少なくとも現在の状況を見ていると、非常に料金に不均衡がある。でありますから、私は必ずしも料金を汽車のように、今度は急行ができたのだから急行料金を取りなさいということを一概に申上げるわけではないのですが、料金をもう少し均衡を得させるためには、全体的に料金制度を検討される必要が生じて来たんじやないかというような気がするのでございます。この点どういうふうなお考えでいらつしやいますか。
  24. 説明員(梶井剛君)(梶井剛)

    説明員梶井剛君) 只今の料金問題につきましては、おつしやる通りであります。私らも公社になりましてから現在の料金は非常に不合理である。従つて料金の問題を根本的に解決するように研究しなければならないという考えの下に調査を進めて参つております。又今おつしやられる通りに非常に不均衡じやないか、東京——大阪間のごときは即時通話で行つておる。然るに例えば東京——立川のごときは即時通話でなくて待合いで行く。而もそれは極めて近距離である。そういう所こそ早くやつたらいいじやないかというお話でありますが、私としましては、通信性格から見ましていわゆる最も経済的に重要な所から解決しないと、一度に全部を解決するということは困難でございまして、従つて重要都市を先ず第一に解決して行こう、その次に重要都市の周囲にあるところの中都市、それを解決して行こうというふうに現在やりつつあるのであります。殊に技術上の問題でありまするが、長距離になれば回線を多重に使うところの方法がかなり発達しておりまして経済的にやれるのでありまするが、近距離になりまするとやはり一回線は二本ずつ線を引かなければならんというような、非常に不経済施設になつておるのであります。この問題を根本的に解決しないと、やはり中小都市の問題は解決つかないというので、先般欧米へ参りましたときにも、その点を注意して各国の事情を調べたのであります。日本はまだその点における研究が十分でなかつたというので、目下その研究を進めておりまして、極めて短距離の所でも回線を多重に経済的に使える方法はないかということを考えて視察して参りました。大分そういう意味におきまして従来よりも短距離でも搬送方式が使えるということがわかりましたので、今後その方式を利用することによつて近距離の分も漸次解決をつけて行きたい。なお東京のごとき大都市になりますると、同じ都市内においてやはり市外通話になつている所が現在でもあるのであります。そういうのを同一通話区域内に皆入れて行くということになりますと、非常に料金収入の上に影響して参るのでありまして、東京のごときでは一種のゾーンにいたしまして、ロンドンとかニユーヨークと同じように二段階或いは三段階の料金制度にしませんと、徒らに区域を拡げて、便益は増して来ますけれども、事業の合理性という点から見ますと非常に矛盾が生じて来るのであります。そういう点も併せて我々は研究すると同時に、これに合う経済的な施設を発達させるという方法をとるつもりであります。
  25. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 成るべく早く料金制度の改訂をされることを希望しておきます。  それから時間がありませんので、もう一つ伺いたいのですが、簡単に申上げますと、昨日郵政大臣やら電波監理局長に御説明を聞いたのですが、私はこの前の国会で、特に難聴地域をなくするために日本放送協会に対しましては相当強く要望しておいたんです。ところがその後いろいろ自分でも検討して見ましたが、郵政省でお作りになつたいわゆるチヤンネル・プランというものでは難聴地域は解消できないということを感じましたので昨日質問をしたのですが、昨日NHKのほうからはお見えにならなかつたので、そういう事情があつたということを申上げたんですが、これは郵政大臣NHKの両方にお聞きしたいと思うのです。難聴地域を解消いたしますためには、NHKのほうでも全国的にどういうような中継所乃至放送所を置くかというような御計画は、机上では一応あるはずであります。ただ年度計画が出てないということです。で、今年の国会であのくらい問題になつておることでありますから、今日では恐らく全国的にそういう御計画もほぼでき上つておるのじやないかと思いますが、仮にできておるとして考えました場合に、今のチヤンネル・プランでは中継所乃至放送局に割当てる電波というものは一体どういうことになるのか、恐らくこの間おきめになつ郵政省のチヤンネル・プランでは入つていないような局乃至中継所というのがたくさんあるのじやないかという気がするのであります。私もNHKにも、電波の使用について無駄な電波が……無駄とは言いませんが、多少賛沢な電波の使用の仕方をしておるということを昨日も申上げたのですが、併しこれは郵便局や電信などと同じように、全国普及するという以上は、どんなにサービス・エリアは小さくても、やはりそこには電波の届くような施設をして頂く必要があると思う。そのためにはそれに応ずる電波というものを用意しておかなければならんということを考えておるわけなんですが、そこで昨日はNHKの十分な計画が出ないので、計画のしようがないのだという意味の御答弁があつたのですが、今日大体そういう計画がほぼかたまつて来ておるとすれば、周波数の割当ての点に関してNHKはどういう考えを持つておるか。それから郵政省としてそれに対してどういうような措置をとるかということを両方からお聞きしたいと思います。その点について簡単で結構ですから、お答え願います。
  26. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人(小松繁君) 二十八年度の継続になつております放送局設置計画、それから二十九年度の計画、これは只今資料をお配りいたしたはずでありますので、この内容の説明は省略させて頂きまして、これの実施のほかに現在考えておりますことは、札幌福岡の大電力増力を初めといたしまして、そのほかに三局の増局をいたしまして、そのほかに小さい小局四つくらいを作りますことによりまして、一応全国の各地におきまして聴取が可能になる状態になるというふうに現在は大体の見通しをつけております。これは公式に協会におきまして方針を決定いたしました段階にまで至つておりませんので、まだ公式に提出する段階になつておりませんが、大体只今まで検討いたしました結果は、そういう見通しでおります。これらの局はいずれもチヤンネル・プランに現在載つております。従いまして単に感度が微弱であり、或いは雑音にうち勝つだけの強さのある放送電波を出すという見地からいたしますならば、現在のチヤンネル・プランに載つておりますものを実行することによりまして、大体難聴は解消するというふうに考えております。但し、現在各地からの要望の非常に大きなものは、地域放送を更にもう少し拡充してほしい。それから第二放送のない所においては、第二放送を設置してほしいという要望がございます。で、この問題に関しましては、これを難聴と考えるかどうかということにつきましては、いろいろな見方もございます。又これを実行いたしますにつきましては、周囲の状況、日本経済事情、そういうようなものも勘案しなければなりませんが、第二放送を成るべくならば第一放送のある所にも併せて併置したい。これは経済的に見ましても大した金額になりませんが、これも併せて大体考えましても、現在のチヤンネル・プランで一応できるというふうに考えております。これを実行いたしますには、大体三年くらいの間にこれを進めたいという感じを持つておりますが、これらは基本的に最終決定に至つておりませんので、今直ちにこの発表という段階にはなつておりませんが、見通しから言いまして、大体今申上げたような見通しで進めたいと希望を現在持つているわけであります。
  27. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 電波監理局からの答弁を聞きたいと思います。
  28. 説明員(長谷慎一君)(長谷慎一)

    説明員(長谷慎一君) 新谷委員からの御質問に対して私からも御説明を申上げます。只今放送協会のほうから難聴地域救済についての計画についてお話がありましたので、御了承願つたことと存じますが、昨年全国的なラジオ放送についてのいわゆる置局計画と申しましようか、周波数、電力等も考慮に入れたチヤンネル・プランを作りますときには、日本放送協会の将来計画というものも提出願いまして、それを考慮のうちに入れて作つたのでございます。併しその当時は放送協会として年次計画は持つておられなかつたのでございますけれども、将来放送協会として全国あまねく聴けるようにするためには、これだけの局を設けたい、或いはこれこれのものは増力したいというような計画がございまして、私どもといたしまして、それを考慮のうちに入れてチヤンネル・プランを作りましたから、その後放送協会として、只今申上げました、当時提出された計画に変更がなければ、チヤンネル・プランで十分行ける、そういうふうに思つております。従いまして只今協会の副会長からお話になりましたように、難聴地域を取りあえず救済するために、その年次計画を如何ように持つて行くかは別問題といたしまして、チヤンネル・プランでできることになつております。ただ協会の副会長からも附言されましたように、最近地域放送と申しますか、府県別放送を是非したい、こういう要望相当あられて、そういう考え方で若しも計画を附加されますというと、チヤンネル・プランはそこまでは考えておらないのでございます。なお若しもチヤンネル・フランに全国的な難聴地域を救済することが何らかの理由でどうしてもできないというようなことがあれば、昨年からの免許の期限は、一応そのものに問題はあるものといたしましても、三年間でございますから、次期の三年目のときには多少の調節はできると思いますが、重ねて申上げますが、只今のところではその必要もないのではないかと見られているのであります。
  29. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 希望を言つておきますがね、私はそうなつておればそれで結構なんです。たださつき放送協会のほうでちよつと御注意があつたように、一体難聴地域とは何だという問題ですが、私は放送法に規定してありますように、とにかく第一放送でも、第二放送でも、何かによつて全国的なネツト・ワークの電波がそこに届けば、一応それで満足すべきだ。これ以上第二放送、或いはローカル放送等を望んで行くことはこれは非常にむずかしいのじやないかと思うのですが、その意味考えましても、今度は非常にあまりに小さいサービス・エリアになると、これはもう無視してもいいのではないかというような議論も、これは常識的に起るのもやむを得ないと思うのですが、そこで各地を見ますると、今放送協会のお述べになつたような程度で、果して難聴地域と常識的に考えられるところがカバーできるかどうかということについては、私は常識的には非常に疑問を持つのです。併しこれはやつてみないと、結果が出て来ませんから、それまで待つておりますが、あなたのほうで御検討になる場合に、日本放送協会がこう言つて来たからこうしようというのじやなく、郵政省としては、果してそれであなた方が常識的に難聴地域とお考えになる地点がカバーできるかどうかということを考えて、それで若しカバーできぬところがあれば、それはどうすべきだというアドヴアイスをされて、その上で初めてチヤンネル・プランで行けるかどうかということの結論を出して頂きたい。私は放送協会の言われることを信頼しないわけじやないのですが、常識的に考えると非常に懸念が多いものですからね。特にこの機会に郵政省のほうにそのことをお願いしておきます。
  30. 説明員(長谷慎一君)(長谷慎一)

    説明員(長谷慎一君) お答え申上げます。只今新谷委員からのお話のあつたこと、一々御尤もでございまして、私どももそういう観点から、放送協会から提出された実施計画等につきましても、検討して行きたいと思つております。協会もその点は十分御承知でございますから、その線に沿つて計画が出て来られるものと思つておりますが、十分その意も体して善処したいと思います。
  31. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 今の新谷委員の難聴地域の問題に関連して、このNHKの提出された資料によりますと、この国内電波の混信による難聴地区として、三重県の津のラジオ三重、それから九州の久留米の九州朝日とあります。で、これはラジオ三重と、問題になつているのは名古屋の中央放送局の第二放送とが混信して聞えない。これはこういうことはしばしば陳情も受けたわけでありますが、聞くところによりますと、名古屋が八百六十キロ・サイクルですか、それから三重が九百十キロ・サイクル、五十キロ・サイクルの差で以て三重の地方で名古屋のNHKの第二放送が難聴だ。この僅か五十キロ・サイクルの差の混信による難聴地区ができておる。恐らく九州の場合もそうじやないかと思いますが、これは電波監理局として、地方の名古屋の電波監理局もあり、電波監視所もあるので、この電波を発射する商業放送なり、NHKですね、これが技術的に厳格にこれを八百六十キロ・サイクル、九百十キロ・サイクルというものを守つておれば、そういつたような技術的なモニターというものを厳格にやれば、そういう事態は起さないのじやないか。これは私極めて素人としての考えであります。それから先ほど長谷局長は、NHKが出したこの五カ年の計画ですか、難聴地区の計画によつてチヤンネル・プランを示されていますが、それによつて大体アジアストして行つている、こういうようにおつしやるが、現実に今九州なり、三重においてこういう混信地区、難聴地域というものが発生しているということは、事実我々はこれは報告もあり、或いは陳情も受けているわけであります。こういうものの難聴対策というものは、勿論これは当事者が、今申上げたように技術的にきめられたキロ・サイクルの電波の発射を、これは厳重にやる、サイクルに従うという意味の消極的な規制も私はあるのじやないか。と同時に、こういつたような混信による難聴地区というものも、これはほかにもあるように私は伺うのでありますが、こういう点における難聴地区の対策ですね、例えばどうしても技術的に第二放送と名古屋の放送局との混信が避け得ないとすれば、この周波数を変える、それこそこれは郵政省ができる、一つの机上においてできるこの周波数の割当ての変更、そこに昨日来言つておる、一体この郵政省として……これはまあ中波でありますけれども、中波にしても、VHFにしても、UHFにしても、一つのチヤンネル・プランをはつきりしなくちやならない。それからNHK、或いはその他の用に供すべき中波のチヤンネルをどうすべきだというバンド、いわゆるスペクトルの方針がはつきり確立しておらないところに、こういうものが私は現われるのじやないかと思う。ですから現在の状況においても、こういつた要因における難聴は、これは技術者がやると同時に、電波監理局が、郵政省がこれをきめなきやならん、こういうことが可能であるか、どうか。技術的に見て、今の二つの部面が技術的に可能であるかどうか、お伺いしたい。
  32. 説明員(長谷慎一君)(長谷慎一)

    説明員(長谷慎一君) お答え申上げます。只今御引用になりました三重県及び久留米方面におきまして、多少NHK放送とその土地にあります民間放送との間の混信問題が起つていることは、私ども承知いたしておりまして、そのことがわかりましてから、直ちに関係者とともどもに、その救済策を講じて来ておるのでございます。三重県の場合には、御指摘のように、五十キロ・サイクルの差があるために、或る受信機については混信が起るのでありますが、御承知のように、日本の聴取者が用いております受信機は、いわゆる並四球という極めて旧式なものから、高周波一段、及びスーパーの受信機のような性能の高いものまで、非常にバラエティにとんでおるものでございますから、特に性能の悪い旧式の受信機を持つておられるところでは、普通では五十キロ・サイクルの周波数の間隔があれば混信問題は全然起らないのが普通でございますけれども、そのように性能の悪いものでは混信問題が起ることがあるのでございます。従いまして、三重県の場合には、津の町の附近で、その三重県の民間放送局のすぐ近傍で、受信機の性能の悪いものについては、NHKの第二放送が聞きづらくなつた、こういう現象が起きましたので、関係者が一々その問題の起つた受信機につきまして、技術的な処置をいたしまして、殆んど現在では問題が解決いたしております。結論的に申上げますというと、この混信関係の問題は、電波の割当てそのものが不適当であつた場合に起る場合と、受信機の受信状態におきまして起る場合と、まあ二通りあるわけでございますが、受信機のほうの場合は、数が相当多いのでございますけれども、適当な指導によつて従来大概の場合が解決がついております。今後もそういう問題が、日本国中の受信機が性能のいいものは全部変るまでの間は、絶えず起るだろうと存じますが、これは官民関係者全部共同して改善に努めて行きたい。こういうことで、実は各地方ごとに受信障害対策協議会というものを設けまして、具体的に処置をいたしておる次第でございます。  又電波の割当て上の問題から混信問題が起る場合には、実態調査を十分いたしまして、結論を得ましたならば、周波数の変動もやらなきやいかん。実は過般、今年の春に或る程度の措置をいたして参つておりまして、現在は一応周波数の割当ての上から、程度のひどい混信妨害が起つているものについては措置をいたして来ておる次第でございます。
  33. 津島壽一君(津島壽一)

    ○津島壽一君 この日本放送協会の御提出になつ難聴対策昭和二十九年度の実行計画ちよつとこの資料について質問したい。第一番に、昭和二十九年度の計画、第二番目が二十八年度計画のうち、今年度継続のものと二つになつているわけです。それでこの二十八年度の計画のうちで、本年度に継続のものと、こういうのは、二十九年度の収支予算事業計画の中に、すでに計上されておつたもの、こう了解していいのですか。つまり継続事業として、当然二十九年度の予算にこういう計画経費は計上されておる、こう了解していいか。それから二十九年度の計画として、一のほう、第一項、これは二十九年度のここで審議した収支予算事業計画の中には、こういつた費目としては載つていなかつたが、国会の附帯決議等によつてほかの予算を差しくつて、こういうものを新しく計画した、こういうふうな意味ですか、ちよつと御説明願いたい。
  34. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人(小松繁君) 二十九年度計画は、只今御指摘のように、今年度の事業計画並びに予算には載つておらない分でございます。従つて国会の附帯決議の方針に基きまして、私のほうでこれだけのものは是非本年度やりたい、これによつて相当地域が、難聴地域が解消するという具体的の計画を立てまして、これの経済的の措置につきましては、明確に新設局に対しての措置としては謳われておりませんが、放送施設の改善というものに廻し得るという精神を生かし得るものという前提の下に、協会の冗費の節約とか、或いは経営の合理化とか、或いは又ラジオ、テレビジョンの普及、テレビジョンは入りませんが、ラジオ普及の促進によりまして増収がありました場合、それらの費目からこれに流動して行きたい、こういうつもりでございます。
  35. 津島壽一君(津島壽一)

    ○津島壽一君 それでよくわかりましたが、それではもう一回、二十九年度の計画で、所要の経費が三千万円要ると、これはこの計画が二十九年度で完成するのか、又はこれは三千万円は二十九年度の所要経費で、実行上差しくつてやるので、三十年度に継続支出を必要とする金額もあるのか。又二十九年度に三千万円で全部完成するか、継続的なものになるのかどうか。こういう意味です。その点如何でしよう。
  36. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人(小松繁君) この計画に必要な全所要経費でございます。従いまして大体完成目標は、今年度末までには成るべく完成させたいと考えております。従いましてこれは一応は二十九年度内、而もそれが総額でございます。
  37. 津島壽一君(津島壽一)

    ○津島壽一君 念のために申上げますが、三十年度になつて完成するものもその一項の計画の中には含んでいるのですか。二十九年度で完成するものだけを挙げた、こういう意味じやないのですか。
  38. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人(小松繁君) そうじやございません。これは二十九年度に完成させたい……。
  39. 津島壽一君(津島壽一)

    ○津島壽一君 全部二十九年度……。
  40. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人(小松繁君) そうです。
  41. 津島壽一君(津島壽一)

    ○津島壽一君 そこの点なんですが、この表の三項を見ますと、大体第一放送は、この計画を実行すれば九八%余というものがみな聴取地域にかわる、あとはもう二%が……第一放送ですね、まあ二十九年度の計画全体で十二万一千世帯が第一放送が聴けるようになる。残りが、大体めのこで三十三万世帯残るんじやないかというめのこ算なんです。二%としてですね、そうすると、新谷委員の言われたように、まあ難聴地域というけれども、いろんなものを全部聴けるというのでなくても、どこか聞えれば一応の難聴地域という言葉はまあ解消した、こういう意味から言うと、残り三十万世帯くらいに第一放送が聴けるようになれば一応申訳が立つと、こういうふうに思うのです。そこで長期計画を考案しているんだ、検討しているとお書きになつているが、長期計画というのの年数、五年も十年も長期ですが、そういつた方針でものを考えると、三十万余の残りが聴えるようになればいいということであれば、まあこの二十九年度までの計画で、一年間に十二万余の世帯が聴けるようになつたとすれば、まあもう少しふんぱつすれば二年くらいで少くとも第一放送というものが聴けるのじやないか。殊にこの第二項の二十八年度の継続の中では、第二放送だけの増設というものがあるのですね、第一は聞えるところでも、三つの局にこれだけの施設をするのと、全然聞えない地方に対しては第一放送だけに集中してやれば、ここ二年くらいで一応この目的を達するんじやなかろうか、これはどういう計画をお立てになるか、それをまあ聞きたかつたのですが、方針の問題ですから、取りあえずNHKとしては全国で百パーセント少くとも第一放送を聴かすように早期にやるというふうなことであれば、経費関係ちよつとこれはまあ計算しなければわかりませんから、経費の都合が、第二放送を増設するというのが安いというふうな意味もあるのかもわかりませんが、そういうふうな意味において、これは希望になりますが、長期計画というものをお立てになるとすれば、第二放送も含め、いろんな放送を含んでの計画は、これはあつてもいいのです。併し問題の焦点である第一放送を百パーセント聴かすという計画は短期計画としてやれないものか。これは経費の都合を知らないで言つたらなんですから、そこでまあ次の三十年度の収支予算ですね、事業計画とか、これがもう各省では来年度の予算は概算作つて大蔵省に出しているわけですね、NHKの予算は、今年の春のはいろいろの事情もあつて、まあこの委員会にも三月十何日かに来て、慌てて通過したくらいで、これはほかの特殊の事情があつたからですが、各省並みの予算を仮にNHKが作られるとすれば、来年度の、もうこの頃は計画はちやんとできているわけですね、大蔵省へもう出しているわけですが、それでまあそれをこれからお作りになる、まあ作りつつあるといたしまして、これは私の希望ですが、第一放送だけについてあとの二%を一つ盛り込むような短期計画をお立てになつて、一方長期計画は第二放送とか、県別放送とかというところにやられて行くのがよくはないかと、その意味においていろいろな計画を今後お立てになる場合に、私の気持としては、今のスピードで行けば、これは大体第一、第二両方で十八万六千の世帯を増したわけですね、二年でやれる、このスピードでも……というようなことは考えられないものか。これは希望ですけれども、若し何か御意見があれば、私一つこの際お伺いしたいと思います。
  42. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人(小松繁君) 先ほど新谷委員からの御質問に対して大体申上げたことが、少し言葉が不十分であつたために十分御了解頂けなかつたかと思いますが、大体津島委員からおつしやいましたその精神をそのまま我々感じておりまして、そういう気持で進めて行きたいという大体の具体的の気持を申上げたわけでございます。従いまして電波が必ずしも余裕がございませんし、むしろ混信問題の解決にも十分の電波を充ててほしいという感じさえいたしておりまするので、電波を有効に使うという意味からは現在の施設を増力する、つまりチャンネル・プランに増局というものは一応認られているものでございますから、そういうものによりまして第一放送を優先的に考えまして、難聴地域の解消をとにかく図つて行きたいというのが先ほど申上げました計画でございます。で、それは大体我々の見通しから言いまして、協会の財政、日本経済事情から見まして、大体三年ぐらいでその計画を進めて行きたいというふうに考えております。従いまして恐らく来年度の計画あたりにはその一端がどうしても出て来なければならんのじやないかというふうに考えております。
  43. 久保等君(久保等)

    ○久保等君 公社総裁のほうへお伺いしたいのですが、手許へ頂いております資料のマイクロウエーブの問題なんですが、福岡——札幌間の問題は今日まあすでに工事も始められ、一部は開通しているわけですし、はつきり計画もしているのですが、残余の太平洋岸と日本海岸の方と結ぶマイクロウエーブ或いは裏日本だとか、それから中国、四国、九州、北海道等のいわばローカル回線等の計画については、いろいろと準備も進められていると思うのですが、どの程度年次計画、或いは年次計画とまで行かなければ、何年計画ぐらいで完成したいということでお考えになつているのか。このプリントで一応の建設予定図等も載つているのですが、大体の計画を御説明願いたいと思う。  それから更にこの説明資料の中でも言われておりますが、駐留軍の関係によつてマイクロウエーブ施設公社において工事をしているという御説明もあつたのですが、内容を具体的に一つ説明願いたいと思います。
  44. 説明員(梶井剛君)(梶井剛)

    説明員梶井剛君) 私ども計画は五ヵ年計画までは大体確定しているのであります。従つてこの図面に出ておりますのは五ヶ年計画以後の分も含まれておりますので、これは第二次五カ年計画を立てまして更にそれを拡大して行きたい。併し世間の要望等を考えまして、我々どうしてもここに書いた数字くらいの年度において、日本全国主な都市はマイクロウエーブでつなぐということをやりたいと考えております。なお福岡——札幌間は、御承知通りに四千メガの四百八十チャンネルのマイクロウエーブであります。而もそのルートは七つになつておりまして、そうしてそのうち五つは電話に使い、あとの二つがテレビジヨンに使うということになつております。但しテレビジヨンのチャンネルも、必要な場合においては、テレビジヨンが使われぬときにおいては電話に切替えるという装置をするつもりであります。  なおこの表の点線で書いてあります所は、通話数が、回線路が違いまして、かなり少くなつておるのでありまして、従つてトラフイツクに相応した施設をしなくちやならんのでありまして、一応今我々の考えておりますのは、先ほどもちよつと申上げましたFM方式でなくてPM方式で成るべくいたしたい。FM方式とPM方式の利害得失でありまするが、これは経済比較も先ほどちよつとお尋ねでありましたが、十分してございます。従つてそのデータも後ほど差上げるようにいたしたいと思つておりまするが、四百八十チャンネルをとる場合を考えますると、FM方式は建設費においてPM方式の約三分の二であります。そして又年間の経費、年経費で勘定いたしますと、約半分ですむというデータが出ておりますので、従つてトラフィツクの多い所は必然的にFM方式でなければならない。併しこの点線の所は、トラフィツクが少い場合におきましてはPM方式でありますると大体百五、六十チャンネルまでとれます。而もそれは六つのシステムを使つての方式でありまして、従つて周波数をそれだけもらつて重ね重ねて行く方法でありますので、そういう所は、むしろ四百八十なんという余計要らない所ではPM方式のほうが経済だという考えでおります。併し今後の通信の発達状況も考えまして、所によつてはFM方式を使わなくちやならんかも知れませんが、大体そういう方針で目下計画を進めております。  それから駐留軍の関係でありますが、駐留軍につきましては、先年末駐留軍でマイクロウエーブ傾向を持つておるということを聞いておつたのであります。而もこれは合同委員会、つまり外務省に対してその計画についても協議があつたのでありまして、私どもそれを仄聞しておりましたのでありますが、その後駐留軍の通信隊のチーフ・オフイサーに会いまして、その計画について具体的に我々は聞いたのであります。又その際何が故に駐留軍自身専用通信としてマイクロウエーブを持たなくちやならんのかということについても確めたのであります。そのときにチーフ・オフイサーの言いますことには、なかなかうまいことを言つたのでありますが、現在駐留軍は相当の回線を電電公社から割愛さしておる。従つて公衆通信の現在の不自由というものは駐留軍において或る程度責はあると思う。であるから、若し自分らの経費施設ができるならば、公衆通信に迷惑をかけないようにしたいということを以前から考えておつた。ところがまあマイクロウエーブでもつて最近は比較的安く通信施設もできるのであるからして、自分たちとしては、駐留軍専用のマイクロウエーブ施設するつもりであるという話でありました。その際に私といたしましては、若しそういうことをやられるとするならば、できるだけやはり重複施設をやめてもらいたい。つまり道路を一一別な地点に設置するということになりますと、道路自身でも一カ所に数千万を必要とする場合があるのでありまするから、むしろ局舎その他につきましてもできるならば我々の局舎を提供しよう、又できない場合においては、その傍に建設したらどうか、又建設する際においては我々のほうができるだけ力を借そう、又保守の場合においても、できるならば我々のほうに委託してもらいたいということを申して来たのであります。そうしたところが、それに対しては非常に向うは喜びまして、申出は我々としては非常に歓迎する、できるだけ協力をしてもらいたいということで、着々その後打合せをいたしまして、向うでも協力せられるところは全部協力を求めて来ております。工事そのものにつきましても、全面的にこつちに工事を委託しております。ただ無線機器は向うのものを持つて来ておりますので、それについては無線機器のセツチングだけは自分のほうでやる。併し局舎、アンテナ、その他につきましては全部こつちでやつてもらう、又保守につきましても全面的にこつちに委託するということで、細かいことは申上げませんが、その間に協定をちやんと作つて着々やつております。向うは向うから機械を持つて来たものですから非常に早くできるのでありまするが、大体本年内或いは本年度内において東京——大阪間及び東京——札幌間ができます。この方式はやはり回線数が非常に少いものですから、PM方式を使つておりまして、東京から以北はフイルコの製品であります。東京から大阪まではゼネラル・エレクトリツクの製品であります。そうしてこの二区間に対しましては、工事の引受契約等もすでにできております。着々現在工事をしております。こちらのマイクロウエーブステーシヨンと一致しないところでも向うのすでに持つておりますVHFのステーシヨンがございます。これも公社が保守を委託されておるのでありまするが、その場所に向うのマイクロウエーブステーシヨンを置くということになつておりまして、大部分はやはりこちらに委託してあるというふうに、非常に駐留軍は電電公社を信頼しておるわけであります。なお大阪から福岡に対しましては向うで計画を持つておりますけれども、まだ工事契約もできておりません。従つてもう少し先に延びることだと思います。
  45. 久保等君(久保等)

    ○久保等君 それから昨日もいろいろこの委員会論議にもなつたんですが、この前に正力氏のほうから電電公社に対してマイクロウエーブ施設の利用その他についてのいろいろ申入れといいますか、話合いも出た経過があつたようでありますが、最近新聞の報ずるところによりましても、公社施設を使つてもらうという考え方は何か変更して、今度は防衛関係通信について正力氏のほうから防衛庁のほうに話がなされておるやの話も聞くのですが、当然マイクロウエーブの問題等についても、防衛庁としてそういう必要性が出て参れば、これは本来当然公社あたりに話が持出されるのが筋だとも思いますし、まだ防衛庁そのものも発足したばかりですし、特にこういつた通信等の問題については極めて整備せられておらない段階でもあるし、又日本通信の今日の状況等についてもまだ余り知識がないと思うのですが、そういう点で私公社当局に対して、防衛庁の方面から防衛庁の通信、わけてもこのマイクロウエーブの問題等について、何か非公式の申入れなり、又いろいろ実情等について、最近何か公式なり非公式の申入れなり話合い等があつたかどうか、総裁のほうからお伺いしてみたいと思います。
  46. 説明員(梶井剛君)(梶井剛)

    説明員梶井剛君) 防衛庁に対しましては、私どもはやはり将来防衛庁専用の回線が要るものと考えております。従つて、防衛庁に対しまして、かなり前に、若し防衛庁が自己のマイクロウエーブ施設するような場合があるならば、公社としましては協力を措しみませんということを申し出てあります。その当時におきましては、さようなことになるならば是非協力をしてもらいたいというお話でありまして、その際にはまだ計画が確立しておるわけでもなし、又予算がとれているわけでもないのであるから、今すぐどうということはないけれども、できるだけ公社の人々と自分らのほうの幕僚と連絡を密にして始終打合せをしてもらいたいという御趣旨でありまして、その後我々は公社の人々にその情勢を申しまして、絶えず連絡はいたしております。従つて向うの方々から計画の内容についても或る程度お話を伺い、又それに対する経費の算出であるとか、或いはどういうふうなシステムがいいのであるとかいうようなことにつきましては、遠慮なくこちらから申上げておるという状態でありまして、まだ予算そのものは、仄聞するところによりますと、来年度の予算に計上されるということでありまするから、その上において初めて、具体的の問題に入るのではないかと考えております。
  47. 久保等君(久保等)

    ○久保等君 そうすると、まあ具体的には勿論計画等についての申入れはなされる段階にないようなお話ですが、従つて当然それについて、具体的な公社側の態度というようなことも表明しかねると思うのですが、ただ原則的に十分防衛庁関係通信、又当面のマイクロウエーブ等の問題についても協力をして行きたい、又更に防衛庁としても十分に今後お願いをしたいという程度の原則的な話合いができているということですが、当然そうなつて参りますならば、公社当局としても防衛庁からの申入れについては、十分に御希望に副えるような対策といいますか、十分防衛庁の申入れについては、その希望に副つて行けるというお気持なんでしようと思いますが、その点はそのように理解してよろしゆうございますか。
  48. 説明員(梶井剛君)(梶井剛)

    説明員梶井剛君) 全面という意味はよく私にはわかりませんけれども、我々としては、我々の力の及ぶ限りは協力いたしますということを申しておるのであります。その意味は、我々の会社において、若し余裕があるならば、防衛庁にいつでもお貸しいたします。又防衛庁が新たに予算をとられて施設をされる場合においては、技術的援助をすべていたしますということを申しておるのであります。又施設される個所等につきましても、できるだけ経済的にやるために我々の方の局舎或いはその他の設備について協力はできる限りはいたします、こういうことを申しておるわけでありまして、何分これは先ほど申しましたように、駐留軍が、アメリカのサービスでありまするから、日本全国亘つて即時通話になつておるわけであります。その所要回線数というものは、非常な大きな数であつたのであります。それと同じように防衛通信というものは、やはり待時通話じやとてもいけないのでありまして、やはりすぐに時間を争つて通信ができるようにしなければならない、そういうことになりますと、かなり完全な通信施設を持たなければならないというので、相当な金額が要るだろうと我々は予想します。従つてそれを我我の与えられたる予算の範囲内で賄うということはとても望めないことでありまして、従つて防衛庁が新たに予算をとつて頂いて、それに対して、我々は協力をするという以外には方法はないと思います。
  49. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 大分時間が遅くなりましたが、一つだけ伺つておきたいと思いますが、通商産業省の電気通信機械を所管する係りの一部に、汚職の問題が伝えられているということは私ども非常に遺憾とするところでございますが、今日は通産当局見えておりませんので、その問題については、立ち入りませんが、新聞の伝えるところによりますと、その間違いの起つた原因は、電気通信機器を輸入をする外貨の割当てにからんだように聞いておるのであります。無論長い戦争中のブランクがありましたが、いろんな事情で昨年公社の方でも福岡——大阪間、やはりイギリスの機械をお使いになるように、テレビ等についても、ブラウン管その他非常に遅れておることはやむを得ないと思いますが、いつまでもそういう状態では困ると思うのです。最近南米、東南アジア、その他にも相当部品などの輸出ができているようですし、中共等にも見込みがございましよう。コロンボ・プランに招請を受けますれば、その方面にも私は出張しなければいけない。いつかも、エレクトロニツクス工業というものが将来非常に大きな力を持つものだ、どうしても私は拡大均衡を叫ばれております日本の自立経済においては、この事業の画期的な発展を図らなければならんと思うのでありますが、こういう禍を転じて福となすというか、外国からの輸入にみんなが飛びつくという、贈賄までしてその割当てを受けようというような情けないことをいつまでも続けないように、関係各方面の非常な努力を要望したいと思うのでありますが、さしずめ、公社においても、或いは協会においても、それぞれ研究所をお持ちになりまして、私どもは拝見しましたが、相当な歴史、又随分立派な人材をお持ちになつて、とても外国のような十分な費用がありませんために、いろいろ困難はあるようでありますが、これに一つ明年度うんと力を入れて、殊に津島委員から予算の編成のお話もございましたが、明年度の予算において、公社なり、協会なりにおいて、技術研究、或いはメーカーの指導、或いは連絡の面においてどういう計画を持ち、どれくらいの、一つ思い切つた予算を考えておられるのでありますか、これは私は非常な努力をお願いしますと共に、若し現在予算の編成期でありますので、腹案がおありでございますれば伺つておきたいと思います。それから郵政大臣にも、両研究所以外に、メーカーにおいても相当研究をやつているわけであります。それに対して研究の補助の予算等も出ているのでありますがややともするというと研究がばらばらになつてしまう。これをそれぞれいろいろな方面の研究を分担させるとか、或いはそれをうまく綜合するとか、或いはお互いに技術を交換をして指導をする、或いはNHK電電公社研究所でやつたことを、ただ単なる研究に終らせずに、メーカーにすぐにそれをうまく生産化させるというようなことについては、私は郵政省としても非常な何か画期的な御計画を立てて頂きたいと思うのでありますが、一応大蔵省に予算の概算をお出しになつていると思いますが、明年度においては我が国の電気工業の将来、電気通信機器というものの一つ思い切つた飛躍をするために、郵政大臣としてどういう方法をお持ちになつているか、明年度予算にどういうふうにそれを具体化する御所信であるのか、こういう点を各当局から伺つておきたいと思います。
  50. 説明員(梶井剛君)(梶井剛)

    説明員梶井剛君) 通信器材の研究につきましては、只今お話のように私どものほうも、手前みそでありますが、立派な研究所を持つております。又従業員も相当数が研究員として、そこにおります。それに対する予算は、大体来年度において八億三千万円くらいであります。又実際問題としまして予算上、ああいう研究をするということはなかなか困難でございます。従つて来年度に対する研究題目を、どういう点に重点をおくかということについて、十分、研究所ばかりでなく公社全体として協議をいたします。そうして我々としてできるだけ近い機会において、必要とする研究を主としてやるというふうな方針はきめております。  又第二の問題として通信器材の生産をする会社とはどういうふうな指導をやつているかというお話でありまするが、これは産業行政ということになりますると、通産省の分野でありまして、私どもが直接やり得る権限を持つておらんわけでありますが、ただこれらの器材を購入する立場におきまして、我々はできるだけ立派な品物を安く購入するということを考えているわけであります。終戦後各社が競つて技術導入をしたり或いは向うの特許を買つたり或いは向うの優秀な機械を買つたりしてだんだん整備して参つておりますので、最近におきましては我々が希望するようなものを生産することはかなり可能になつて参りました。従つて現在公社で買つておりますものは、先ほどマイクロウエーブ以外には殆んど外国の品物を買う必要はないのでありますが、ただ一つ自動交換のクロスバー・システムは、全然日本で生産した経験がありませんので、過般アメリカから購入した次第であります。これが国産化されますのにはなお数年の時日が必要だろうと我々は考えております。併しできるだけ短時日の間に国産化したいという方針の下に、各製造会社に対して指導方針をとつております。  又先ほど通産省においての汚職事件のことのお話がございましたが、過去において我々見ておりますと、各社が競つて同じ特許を買うという傾向が強いのであります。これらのことは非常に日本のためには利益とも考えられません。従つて我々のほうの資材購入の立場から、あらかじめ各主要メーカーに対して、外国と技術提携し、或いは特許を買うという場合においては、事前に話をしてもらいたい。又新しく工場を拡張したり或いは非常な高価な機械を買う場合においては、あらかじめその計画を我々に話してもらいたいということを文書を以て申入れてあります。従つて今後におきましては、そういう場合において、お互い重複した機械を買つたり、つまり生産過剰になるような工場拡張をやつたり、又特許にしましても、できるならば、最も有効にその特許が使えるように各社が協調を保つということに我々は努力をして行きたいというふうに考えております。
  51. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 今文書をもつて各メーカーに申入れたのは非常に結構だと思いますが、その点は通産省の所管当局とも十分連絡はとれておりますかどうか。どうも今度の事件などを見ますと、皆抜けがけをやり、僅かな外貨にみんなが飛びついて、公社の今の御趣旨も結構ですが、どうも通産省のほうにその点が徹底しないように思うのですが、如何でございましよう。
  52. 説明員(梶井剛君)(梶井剛)

    説明員梶井剛君) これは従来外国の特許を買うというような場合においては、通産省から関係のものは公社にお問合せがありまして、その場合においてこちらは意見を言つたのでありますけれども、併し直接関係のないものに対しましては、たとい通信機でありましてもお問合せがない。例えばテレビジヨンについては全然お問合せがありません。又工場拡張についても、各自勝手にやつておるのでありまして、全然我々のほうに様子がわからなかつたというような情勢にあるのでありまして、我々のほうとしましては、通産省からお間合せがある限りできるだけ我我のほうは連絡をとつてやるのであります。
  53. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 只今総裁お話の点は、非常に不備があつたと思うのですが、これは一つ郵政省、特に行政管理庁の長官という意味からもう少し連絡を緊密にするように、今度の通産省の問題について、これもあとから郵政大臣から御意見を伺い、又御善処願いたいと思います。
  54. 国務大臣(塚田十一郎君)(塚田十一郎)

    国務大臣塚田十一郎君) 私のほうにも研究所があるわけでありますが、三十年度の予算におきましては、実は大蔵省がちよつとびつくりするくらい、勿論電波行政全般についてでありますが、予算の要求をいたしておるわけであります。折衝の結果どの程度承認がなされますか、今後私どもの努力によると思つておりますし、一層努力したいと考えております。  それから民間側に研究の補助ということでありますが、これは今の大蔵省の考え方といたしましては、民間側に補助を出すということは非常に嫌いますので、研究委託をするという形でこれ又予算要求をいたしているわけであります。このほうは一層実現が困難ではないかという考え方を持つておりす。併し今後とも努力いたしてみたいと思つております。  それからして、電電公社それから日本放送協会と私どものほうと三つに研究所がある。又恐らく大学等にもあると思うのですが、これらの間の相互研究がうまく連絡がとれてないということは、御指摘の通り、私も行政管理庁の長官としてもそのようにいつも感じております。先般機構改革の機会に、これらの研究所を成るべくどこかに統合することができないかという構想を一つつて検討してみたいこともあるのでありますが、他の面の機構改革と一緒にまだ実現を見ておりません。併しそれが実現しないまでも、過渡的な措置としては、相互の間に十分連絡提携をとらして、お互いに無駄な研究をしないように、お互いにしたものは研究の成果を利用し合う、そうして利用して日本の技術として新しく研究できたものを更に通産省と連絡をし、民間の業者に連絡をして、これを早急に製品化するという努力につきましては、御指摘の通り今後一層やつて参りたいと思つております。なお私のほうとそれから公社と協会の側の研究所におきましては同じ系統に属しておりますので、ときどき寄り合つて意見を交換するという会合は、現在すでに持つているわけであります。
  55. 参考人(古垣鉄郎君)(古垣鉄郎)

    参考人(古垣鉄郎君) NHK研究機関、特に技術研究所の立場、又責任というようなもののほうはますます重大化していることを私どもは痛感いたします。又局外から見ましても、このNHK研究機関、特に技術研究所というものに対するいろいろの要望、又批判というものもございますので、先ほど御指摘のありましたようなお考えと全然同じでございまして、新年度におきましては、従来以上に予算も組み、又最も必要にして適切な研究問題に集中して、お役に立ちたいと考えております。特に御指摘のありました国産化の問題、これはNHKと言わず、技術研究所の一番大きな方針一つでありまして、現在NHK放送事業においてでき得る限り国産品を使うように、又日本の生産界において、産業界において、まだ姿を表わしていないものもどしどしと研究所において工夫し、製作いたしまして、それをひとりNHKで使うばかりでなくて、日本放送事業界で利用しで頂くように考えて参つております。そういうような意味からも、新年度の研究題目を有効に考えて行きたいと思つております。  なお予算等につきましても、今まで事業費だけで予算面上一億の予算でございますが、人件費を含んでおりませんし、又建設費も含んでおりませんから、そういうものを合計いたしますと、数倍する予算を投じて参つております。新年度におきましては、情勢必要というものは更に強化されておりますから、御趣旨を体してでき得る限り、この研究所は有効に働くようにしたいと思つております。
  56. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) お諮りをいたしますが、まだ電気通信関係が残つておりますが、一応本日はこれにて散会いたし、懇談に移りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十九分散会