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説明員(靭勉君) 非常に暑い際に、
東北及び
四国におきまして、
電信、
電話の
実情調査をされまして、いろいろ御
意見なり御
要望等拝聴いたしまして有難く存ずる次第であります。
只今監理官から大体についてお答え申されましたので、私は具体的に若干
只今御
報告のありました点につきましてお答え申上げたいと思います。
先ず第一に、五カ年
計画と、或いは都市
重点の問題、又
デフレ政策から五カ年
計画は遂行できるかというような問題でございますが、五カ年
計画といたしましては、大体必ずしも都市
重点に考えたわけではないのでありまして、それは設備の行詰り、或いは又
需要に対する
状況というものを考慮いたしまして、そこに各大都市或いは中都市或いは村落というような点を按配いたしまして
計画いたしたものでありまして、徒らに都市
重点をとつた
計画では絶対にございません。従いまして五カ年
計画完成の上におきまして、非常にアンバランスを生ずるような
計画にはな
つていないのでありまして、その点はすでに前に五カ年
計画を御説明申上げました際に御説明いたしている次第でありますけれども、やはり
地方におきまして、私も衆議院のほうの
委員の方と九州方面に出張いたしましたときに、やはり
地方といたしましては、非常に大都市
重点主義ではないかという声が高かつたのであります。なお私ども今後第三年度、第四年度、第五年度の際におきまして、よく
地方全般の御
要望、事情等も参酌いたしまして、皆さん方のできるだけ御
要望に応ずるような
計画をいたして行きたい、こういう考えでおります。
四国及び
東北につきまして、非常に
普及率が悪いというお示しでございますが、確かに全体の
全国平均から見まして悪い
状況にあります。大体
加入者数で申しますと、
全国平均は、本年度末になりましても二・〇九
程度あたりの
普及率であります。それに対しまして九州が一番悪いのでありまして、一・二四、その次が
東北の一・三九、
四国が一・四八、こういう二十九年度の
計画を考えている次第であります。その次に悪いのは、実は関東全体でございまして、これが一・五二に過ぎないのであります。
東京、大阪は、まあ
東京都市、それから大阪都市、これだけ見ますと、
東京が四・九二にな
つておりますし、大阪は四・二八ということで非常に高位にな
つておりますが、全体としましてはそういうような
状況であります。
需要からの按分から見ますと、必ずしも
地方のはうが充足されて大都市が充足されてない、或る一局において四千、五千という
電話がつかないというような局所が
相当あるわけであります。そういうような事態にな
つているような次第であります。なお
デフレ政策で、今年度私ども公債を発行予定した額も四十億弱のものが一応差押えられているという形にな
つておりますが、これはなお私ども
関係御当局にお願いしまして、できるだけこの圧縮を避けたい、のみならず弾力条項を全部発動いたしまして、何とか第二年度の五カ年
計画の実行をいたしたいということで、すでに
計画を作成いたしまして、実施に移
つているような
状況でありますが、先ほど御指摘がありました三〇%減、即ち七〇%
程度であるということに対しましては、全体としましてはやはり二五%
程度の前年度より縮小にな
つております。と申しますのは、前年度におきましては、御承知のように二十七年度の繰越が百億もありましたので、非常に二十八年度の
実施計画というのは厖大なものになり、それに対しまして本年度は勿論四百六十一億の、一応の基準的な枠を五百三十一億に定めまして、それから更に弾力条項による額を加えるという形にな
つておりますので、予算面から見ますと決して減
つているわけではないのであります。弾力条項の
関係或いは前年度の繰越というような形から、高低の面におきまして、あたかも第二年度に来て忽ち減つたという感じを与えているかも知れませんが、五カ年
計画の幅としては、必ずしも絶対的な、致命的な打撃を受けているのではないのでありまして、殊に五カ年
計画におきましては、弾力条項というものを計算に入れないで計算いたしておりますから、実際におきまして加入者の数にいたしましても、市外回線の
増加にいたしましても、五カ年
計画で予定した以上に二十八年度におきましてもや
つておりますし、二十九年度におきましてもその覚悟で現在や
つておるような次第であります。それが拡張
計画に対する一つの問題でございます。
次に、関連いたしまして、
町村合併に対する
対策が各方面から
公社に対しまして直接の御
要望が強いのであります。大体この七月一日現在におきまして同一の市町村内に二局以上の交換局を持
つている市町村が
全国に八百八十一あります。従いまして
改善を要するその中の局数といたしますと、千六百局にな
つておりまして、これは大体二千局近くになるものと、今後の
増加を見て考えておる次第であります。これを一挙に
解決することは到底困難でありまするしいたしますが、私どもこの問題は
相当重要な問題でございますし、殊に新たに
発足いたしました市町村の非常な強い御
要望もありまして、これに対する
対策を目下設定いたしておりますが、大体の観念といたしまして、比較的近距離の局はこれは合併してしまう、その場合にどうしても新たな局を建てなければならん。或いはその際に
磁石式を共電乃至
自動式に
改式しなければならぬ、こういうような一つの問題があります。
それから行政区画によりまして、非常に現在の或る局が片隅にな
つておりまして、ここにこの同行政区画内にある数局を合併することが
相当の遠距離に亘るものがございます。これらにつきましてはその
中心局の従局というような形で、全く市内通話と同じような
サービスを与えるというようなことを考えて、必ずしも一個にする、一局にするという考えをこれらに適用するのは適当でないというふうに考えております。更にその際におきまして、私どもとしましてはできるだけ
小局の自動化ということを図りまして、そういうところは無人局にする。市内通話も無人局で親局に繋がるような形をとりたい。本年度から来年度にかけまして
相当これにつきましては実験、実施いたしまして、五カ年
計画の後期から、第二次五カ年
計画におきましてはできるだけそういう方法をとりたい。すでに欧洲各国のルーラル・テレフオンというものにつきましては、殆んど無人局でや
つておるという
状況もありますので、私どもは
経済的比較も行いまして、そういうような
サービスを提供いたしたいと考えておる次第でございます。なおこれはそう申しましても、この二つは必ずしも急速に実施できないということでございますので、取りあえずは市外回線を
相当増設するということによりまして、同一の行政区画内におきまして、自転車に乗
つて行つたほうが早いというようなことは絶対にないようにいたしたいと存じます。現在の小さな局におきましては二局、或いは三局中継して行くというようなことのために非常に時間をかけている。これをできるだけ
需要に応じまして直通化いたしますれば、極めて短時間に通信ができるというようなことになると思います。
そこで私ども、来年度
計画としましては、比較的そういう問題はそう
経費もかかりませんで
解決できると考えますので、全面的に実施したいという考えでおりますが、先ほど来申上げました或いはこの第二次五カ年
計画まで
検討いたしますれば、三百億か四百億
程度の金はかかります。併しこれはいろいろな理想態勢を考えたことでございまして、来年度以降、
相当これにつきましては予算も割当てまして
改善の実績を上げて行きたいというような考えを持
つておるような次第であります。
なお関連いたしまして、
四国の御
視察の方から島嶼で二百人以上の人口があるにかかわらず
電話がないというような島が、まだ
四国管内におきましても三十局余りあるというような御指摘でございますが、これに対しましても、五カ年
計画で一応考えておりますのは、八十八カ所につきまして連絡所を作り
電話を設置するという
計画にな
つております。併しそれは先ず第一次としましては四百から六百くらいの人口のところを先ず
解決する。それから三百から四百の間、三十二年度におきまして三百人以下の島嶼につきましても実行いたしたい、こういうような
計画にな
つております。併しながらこういうような所におきましては全然通信連絡がないということは大きな問題でありますので、更に予算の
状況等を見まして、これと緊急度に応じまして、これらにつきましても御指摘によりまして再
検討いたす考えでおります。
なお
デフレ対策についてでございますが、
皆様方の御
調査の当時におきましては、
本社としましても統一的な
デフレの
対策を示しておりませんでございましたが、これはやはり四月、五月、六月、七月という具体的実績を
検討して立てなければならぬというような情勢もありましたので、その点
全国から速報をとりまして
状況を観取したわけでございますが、大体最小に見積りまして三十億
程度の減収があるのではないか。或いは六十億くらいの減収も考えなければならぬというような
状況にな
つております。これは
電話の
需要が
デフレによ
つて減つたという原因だけではございません。むしろ
サービスがよく
なつたために減収を来たしております。これはすでに五カ年
計画の際、特に料金値上げの際御説明を申上げておきましたが、今まで特急通話でかけておつたものが即時通話で用を足せるということになれば、料金は三分の一に減
つてしまうのであります。その際に通話が三倍に殖えますればとんとんでございますけれども、支出のほうにおきましては
相当これの
経費というものはかかります。でありますから、三倍以上に通話料が殖えなければ大体当時の収入のバランスというものはとれないということは当然の帰結でありまして、私どもは三倍の料金を目当にして、そこで構成されておるような
状態が普通の
状態であるとは決して考えていなかつたのであります。これはやはり普通通話に早く直すことに、当
委員会におきましても、特急通話はいつ廃止するのだというように強い御注文があつたのでございますけれども、私どもできるだけ早くこれを
解消いたしたい。そういうような事態で市外回線が非常に整備して参りまして
市外通話の量は殖えております。併しながら料金収入は減
つて来る、絶対額が減
つて来る、こういうような形にな
つておる次第でございますし、
電話も大都市等に
電話がついて参りますと、一個の
電話を一日二十回も三十回もおかけにな
つておつた方が、そういうような総平均で一加入当り幾ら年間にお使いになるかという計算で予算を立てるわけであります。ところが加入数が現に二十八年度は二十万近く殖えておる。これらの方々が今までと同じような
利用率をお持ちになるはずがないのであります。又そんなに持
つていては話し中がいつにな
つても
解消がつかん。こういう
サービス改善による減収ということは、これはどうしても計算に入れなければならぬ。
それから
デフレの
影響は勿論でございますが、それは
電信のほうに特に顕著に現われております。併し
電信の減収も、場所によりましては
市外線が、或いは
東京、名古屋、大阪のごときは即時通話ができたために
電信が
相当減つた、こういうような実績を示しておるのであります。これは一方におきましては事業の
サービスが非常によく
なつたのであ
つて、減収自体は我々は更にこれに対処しまして、まだ通信の
需要を充たしていない所もありますし、
サービスが悪いために折角の通信も逃げておるような
状態でありまして、公衆
電話にしましても、まだ非常に立
つて待
つて頂くというような
状況でありますから、ここらに具体的な施策をしまして収入を挙げて行くということによりまして、五カ年
計画の本当の姿を実現して行きたい、こういうような考え方を持
つて、むしろ今回の減収というものに対しましては、
公社全員強く今後の
対策につきまして真剣な
検討を加え、
サービスの
改善と
施設の
改善ということには更に推進いたしたい、こういうような考えでおる次第でございます。
以上三つの点につきましてお答えしましたが、なお若干
マイクロ・
ウエーブの問題につきましては、
東京——
仙台間は大体三十年度には実行できるのでございますが、
札幌まで延びるのには三十一年度に入る、こういうようなことで
東北通信局からお答えした
通りであります。
四国につきましても、これは
四国電力等の御
計画も聞いておりますので、私どももこれを総合的にやりたいという考えで目下これにつきましては
検討中でございます。
なお
秋田におきます
電信が
ラジオに
妨害をしておるという点につきましては、早速
調査いたしまして
対策をしたい、こういうつもりでおります。
なお
市外線等につきまして具体的にいろいろ御
要望があり、又自動
改式の問題につきましても、具体的局所についていろいろ御
要望があつたようでございますが、これらにつきましては、勿論でき得る限り早い機会に実施いたしたいという考えでございまして、これらの御
要望はいずれも御尤もな点で、私どもは予算の執行に当りまして、よく
地方の御
要望等も勘案いたしまして、できるだけ早い機会に
解決いたしたいと思いますが、先ほど来申上げます
通りに、五カ年
計画自体でも、決して我が国の
通信事業には十分対応する
計画にはな
つていないのでありまして、更に第二次、第三次の五カ年
計画を必要とする情勢でございますので、この点十分御同情と御了解を得たいと存ずる次第であります。簡単でありますが、以上御説明申上げました。