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1954-05-24 第19回国会 参議院 通商産業委員会 第45号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月二十四日(月曜日)    午前十時五十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中川 以良君    委員            井上 知治君            黒川 武雄君            小林 英三君            西川平治君            酒井 利雄君            高橋  衛君            西田 隆男君            藤田  進君            白川 一雄君   衆議院議員            小笠 公韶君            始関 伊平君   政府委員    通商産業省軽工    業局長     中村辰五郎君    中小企業庁長官 岡田 秀男君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       山本友太郎君    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○本委員会の運営に関する件 ○中小企業安定法の一部を改正する法  律案衆議院提出) ○砂利採取法案衆議院送付)   —————————————
  2. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開きます。  最初に皆様に御報告を申上げておきますが、本日の公報に実は案件といたしまして硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案が掲載されておりますが、これは事務当局公報掲載の誤りでありまして、本日は中小企業安定法の一部を改正する法律案審議することに相成つておりますので、この点御訂正を申上げておきます。  それからお配りを申上げておりまする今週中の日程でございまするが、今週はいよいよもう会期も延長することはないと存じますので、ここにございますように、連日一つ審議を願いまして、各法案とも上りまするように是非努めたいと考えております。この日程一つ御承認を頂きたいと存じまするが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中川以良

    委員長中川以良君) それではこの日程従つて審議を進めて参ることに決定をいたします。なお水曜日の午後が明いておりますが、これはかねがね理化学研究所から是非研究所を視察してもらいたい、殊に原子炉問題等がございますので、来てもらいたいということを言つて参つておりますので、水曜日の午後は御希望者を募りまして、二時間ぐらいで以て終るそうでございますから、適当の時間に参りたいと考えております。一応御了承頂きます。   —————————————
  4. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは只今より中小企業安定法の一部を改正する法律案質疑を続行いたします。どうぞ前回に引続き御質疑をお願いいたします。
  5. 西田隆男

    西田隆男君 この前の委員会で、第二十九条の一項命令と二項命令の点について小笠君と通産大臣との両者の答弁を聞いたのですが、提案者代表者答弁を聞くと、通産大臣答弁と実は食違いがあるように聞えたのです。通産大臣は特別な場合、特殊な場合だと、こういうふうな説明をしておつたようでしたね、私はこの法案の性格から見て、アウトサイダー取締るということが目的の非常に重要な一つになつていると思うのですが、そうすれば通産大臣答弁したように、特殊な場合だけ命令によつて取締るということには考えられないのだが、提案者はどう考えられておるか、一つその点御説明して頂きたい。
  6. 小笠公韶

    衆議院議員小笠公韶君) 只今お尋ねでありますが、いわゆる一項命令と二項命令、いずれが原則なりやということにつきましては、愛知通産大臣が御説明した通りであります。それはなぜかと申しますと、改正条文の第二十九条第二項に、「通商産業大臣は、前項規定に該当し、且つ、左の各号に該当する場合において、当該業種に関し同項に規定する事態を除去するための措置として特に必要と認める」云々前項命令に代えて、」と、こう頭を代えてあります。私の説明の中にいずれが原則かというようなことについては、私は余り触れなかつたと思うのでありまするが、考え方基本は、第一項命令原則であるが、第二項の冒頭に規定しておるような諸条件を充足する場合において特に諸条件のほかに所管行政庁認定によつて二項命令を発動したほうがいいというときに、第二項命令を出すということにいたしておるのであります。従いまして愛知通産大臣説明と、私の考えておることとはそう食違いはないと私は思つております。
  7. 西田隆男

    西田隆男君 実際にこの条項を適用する場合に二つに分けて考えられるという場合についての事例を一つ示してもらいたい。
  8. 小笠公韶

    衆議院議員小笠公韶君) お尋ねの実際についていずれを適用するか、こういう問題になりますと、この前も御説明申上げましたように一項命令と二項命令との違いというものは二つある。一つは一項命令の場合には調整組合調整規程内容を斟酌して出す、即ち命令内容調整組合規程の全部又は一部と同じものが出て行かんのであります。いま一つ相違点は、今申上げました結果から来まする考え方当該業種の全体的な立場又他の経済界の諸条件というものを考えて第一項命令は出すのでありますが、いわゆる高度な広い視野に立つて出すという心組があると思うのであります。第二項命令の場合には調整規程の定の全部又は一部を指定してそのままその命令に従えということになつておりますので、当該業界自体立場から見てその必要性を判断するというふうな若干のニユアンスの差がありますので、一つ業界についてどちらの命令を出すかという場合につきましては、今申上げた二点を考慮して所管大臣が出して行くということに私はなろうかと考えておるのであります。
  9. 西田隆男

    西田隆男君 現在の実際の状況調整組合アウトサイダーというものとの均衡関係というか、勢力関係というか、大体私が常識で考えるとアウトサイダーのほうは少いと思うのですがね、そうするとこの調整組合に第一項命令を出す場合業界全体に関係のあるような重大なことでない限り調整命令は出すべきでないというのが本質じやないかと思うのですが、そうするとこの第一項命令と第二項命令と違うように書き分けしてあるけれど、第一項命令が出て、業界全体に関係があるということになると、第二項の命令もやはり出さなければならぬ、これは常識じやないかと思うのですが、そうじやないのですか。
  10. 小笠公韶

    衆議院議員小笠公韶君) お話前段のこの二十九条の第一項乃至第二項の命令が簡単に出すべきでないということはお説の通りだと私は思います。諸条件を充足して他に手がないというふうな状態の場合において考えられるというふうになろうかと思うのであります。お話の第二段の一項命令が出た場合に二項命令を出すということは私はない、いずれか択一だと考えております。
  11. 西田隆男

    西田隆男君 併しいずれか一つしか出さないという場合が実際問題としてどういう場合にそういうことになるのか、実例を一つ説明を願いたいと思のです。
  12. 小笠公韶

    衆議院議員小笠公韶君) 御承知の通りに現在現行規定による二十九条命令が出ておるのはタオルマツチ二つであります。タオルマツチの場合を考えて見まするときに改正案のような二項命令が適当か、或いは一項命令が適当かというふうなことを考えますと、タオル或いはマツチのごとく殆んど大部分業者組合に加入しておる、で極く僅かな工場がアウトサイダーに残つておる、而も業界一定地点に主として集中しておるというような場合は第二項命令に切替えても私は差支えないと実は思うのであります。逆に全国に非常に拡がつておる、而も企業の数が非常に多いというふうな場合におきましては、又その他の諸条件が今申上げましたタオル或いはマツチのような事態と違うというような場合におきましては第一項命令のほうが適当ではないかと私は考えておるのでございます。
  13. 西田隆男

    西田隆男君 それだけじやなかなかわかりかねるのだが、なぜ今のような第一項命令、第二項命令とが、集約されておる場合は第二項命令とし、全国に散らばつておる場合は第一項命令でなければならないという論拠はこれをもう少し一つ説明して頂きたい。私は今の説明じやちよつとわかりかねる。
  14. 小笠公韶

    衆議院議員小笠公韶君) 問題は発動する、先ほど申上げましたように二十九条の二つ命令を発動することはできるだけ避けて行かなければならない。そういう諸条件が充足した場合に限らなければならんということはこれは先ほど申上げた通りでありますが、その場合においてどちらを発動するかということにつきましては第一項が原則であり、第二項が先ほど申上げましたような事態として例外的な事態というふうにして発動するということに私はなろうかと思うのであります。具体的に、例えば特定業種を挙げていずれの命令を発動するほうがより適当であるかということになりますと、その特定業種の置かれた諸条件を十分に私は考えて決定されるものと考えるのであります。現在例えば特定業種を挙げてこの場合はこれだ、この場合はこちらであるというふうにはつきり具体的に申上げる私は準備を実は持つておらんのでありますが、大体以上のような観点から所管大臣本法を運用すべきものと私は考えております。
  15. 西田隆男

    西田隆男君 よくわからんのですが、あなたの前段説明ではマツチタオルのような業種が或る一調整区画に狭く分布しておるというか集約されておる、そしてアウトサイダーが少くて調整組合に入つておるものが大部分だというような場合はこの第二項命令で行くんだけれども、全国的に業者が広く分布されておる、これにはアウトサイダーが多いとか少いとかいうことは説明されなかつたのだが、そういう場合は一項命令が適当と思うと言われるので、それについて私はなかなか納得しかねるが、第一項命令と第二項命令ちよつとこの命令が単一で出されるのだというのは、基本的な考え方からすれば、もう少し説明を聞かないとわかりかねるのだが、頭が悪いのかどうか知らんがわかりかねるのだが、私は結局は全国的に調整組合に入つている産業が分布されておるとかおらんということよりも、むしろアウトサイダーの力が強いか、調整組合に加入しているほうの力が強いかという、これによつて一項命令と二項命令が出されるのがせめて違えば違うのじやないかというふうに考えているのですが、もう少し一つわかりやすく説明願えませんでしようかな。
  16. 小笠公韶

    衆議院議員小笠公韶君) 私は新たに加えるものを持たんのでありますが、力の関係だけでは私はむずかしいと考えるのであります。力が、アウトサイダーの力が強い、その力が強い場合においては先ず問題になるのは、二十九条の命令を発動すべきかどうかということに問題が帰着すると思うのであります。インサイダーの場合は、力が強い場合にこの命令を出すということは私は適当でないと実は考えるのであります。従つて力関係から言えばアウトサイダーのほうがどつちにしても弱い、いわゆるその生産能力におきましても、或いは数におきましてもインサイダーに比較して少いという場合が前提に私はなると思うのであります。従いましてその差というよりも一つ観点は先ほど申上げましたような二つの点、即ち命令を出すときの頭の置き方と命令の出し方ということをどちらが業界不況切抜策臨時措置としてそういう手を打つのが適当であるかということから私は判断して行くというほかないのじやないかと実は考えておるのであります。大体そんなことが中心で第一項と第二項命令を具体的な場合においていずれを適用するかということをきめて行く、きめるべきものだと私は考えております。
  17. 西田隆男

    西田隆男君 今力関係の問題でインサイダーの力が弱かつた場合には、命令は出さん、出しても仕方がないというように聞えたのだが、そんなものですか。
  18. 小笠公韶

    衆議院議員小笠公韶君) 私は力という問題をどう解釈するかとか、経済上の問題でありますから、いわゆる生産能力というようなものを中心に考えるという場合において、アウトサイダーのほうが大きいのだという場合は出すべきでないと私は考えるのであります。
  19. 西田隆男

    西田隆男君 そうすると今の実情からいつてアウトサイダーの力のほうが力関係といつてはおかしいのだが、大きいというような業種もありますか。
  20. 小笠公韶

    衆議院議員小笠公韶君) 調整組合の場合第二条でありまするか、第三条に調整組合成立要件として員数に最低限制限設備能力最低限制限が実はあるわけであります。従いましてそこでもうすでに調整組合を作つたときに頭数と設備能力において過半数を占める最低限の場合ということに実はなつておるのであります。従いましていわゆる力というものを生産能力というようなことに解釈いたしますれば、アウトサイダー生産能力が多いという場合は調整組合自体が作れないことに一応なるのじやないかと私は考えております。
  21. 西田隆男

    西田隆男君 過半数を占めるということは、これは極端な例ですが、五割一分も過半数であるし、八割も過半数であるし、五割一分、四割一分といえば調整組合アウトサイダーのほうの数からいつたらインサイダーのほうが力が強いことになる。実際問題としては必ずしも調整組合のほうが一分多いから調整組合のほうが力が強いという認定に基いていろいろな命令を出すということについては、日本経済自体からして考えられないと思うのですが、その場合はどうなんです。やはり数の一分でも多い調整組合を作つた場合において必ず一分でも多いのだという前提に立つてこの命令は自由に出せると、こう考えていいのですか。
  22. 小笠公韶

    衆議院議員小笠公韶君) 私が今申上げましたのは、法第二条の最低限規定であります。それは調整組合組成最低要件でありまして、最低要件を充足した組合ができる、組合ができて、組合原則的な本法考え方調整組合自主的体制といいますか、調整というものを基本においている。従いましてアウトサイダーの設立当初において、アウトサイダーがいわゆる若干相当数ありましても、できるだけ先ずインサイダーたらしめるような努力をするということは、私は調整組合の当然の任務だと思うのであります。で相当その努力によつて極く僅かな連中がなおアウトサイダーに残る、そうしてそういう事態において本法規定しておるような諸条件を充足しておる場合において、どうしてもアウトサイダーの存在によつて調整の実効が確保できないと、こういう事態になつて二十九条の問題が登場して来ると思うのであります。従いまして、その問題が登場して来たときに、一項命令か、二項命令かという問題がお話のように出て来ると私は思うのであります。従いまして、法第二条に規定する最小限の要件を備えておる場合に、二十九条の発動という問題は、実はその段階においてはまだ問題にならんと考えておるのであります。
  23. 西田隆男

    西田隆男君 概念的なあなたの言つておられることが私は間違いだというのじやないのですよ。が併し、必ずしも調整組合ができたからといつて調整組合が九割九分までがインサイダーになつておるかどうかということについては、実際問題について聞かなければ納得が行かない。六割持つておれば調整組合ができるのだから、四割アウトサイダーということも考えられることなんです。四割というものがアウトサイダーでおるような場合があつた場合に、第一項命令、第二項命令ということが問題になつて来る。従つて、私があなたにお伺いしておるのは、今の日本実情で、調整組合ができておる業種で、そのアウトサイダーが非常に強い力を持つておるような業種があるのか、こう実は一応聞いたのだけれども、答弁する用意がないとのお答えなので、私も観念的にはあなたの言うことは間違いではないと思うのですが、そういうことがあり得るということもこれは又理論的に考え得ることで、その場合に、一項命令、二項命令というものがどつちか単一でなければならないというあなたの解釈からして、問題に一応なると思うのです。実際の日本実情はつきりわからないから、私たちはいわゆる理窟になるのですがね、それを調査されて一つもう少しわかりやすく、もう一編御説明願いたいと思います。
  24. 小笠公韶

    衆議院議員小笠公韶君) お手許に資料として調整組合組織状況制限率が配付してあるそうです。これによりましていわゆるインサイダーの数とアウトサイダーの比率が出ております。で、このいわゆるアウトサイダーの数がこれだけであるから二十九条命令の発動問題にすぐ入るかどうかということになると、ほかの諸条件を実は検討してからきめるべきじやないかと私は考えております。
  25. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  26. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記を始めて下さい。  それでは本日は中小企業安定法の一部を改正する法律案はこの程度にいたしておきたいと存じまするが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  28. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは砂利採取法案を議題といたします。提案者じきに参りまするから、暫く懇談に移りたいと思います。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕    〔委員長退席西川平治君着席〕
  29. 西川彌平治

    委員長代理西川平治君) 速記を始めて下さい。  砂利採取法案発議者始関衆議院議員がお見えになつておりますから、砂利採取法案質疑をこれから行いますから、御発言を願いたいと思います。
  30. 西田隆男

    西田隆男君 第五条の「採取管理者を選任しなければならない。」となつておるのですが、その採取管理者資格といいますか、適格条件、これはどういうふうにお考えになつておりますか。
  31. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) この砂利採取管理者は、鉱山保安責任者とは違いまして、それほどやかましい資格条件を付ける意向はございません。ただ現場におきまして誰がその責任者であるかということがはつきりいたしておることがこの河川管理上必要でございますので、はつきりいたしておりさえすれば、資格条件につきましてはそれほどのやかましい条件を付ける必要はなかろうかというふうに考えております。
  32. 西田隆男

    西田隆男君 これは砂利というのは、山から取るのではなくて、大体川から取るのだから、河川法その他をよく知つて、こういうところは仮に砂利があつてもこの程度で取つちやいかんとか何とか、そういう専門知識といえば余り厳格過ぎるかも知れんが、一応河川に対する砂利採取に際しての危険というか、そういうことがあらかじめ常識的にわかる程度の……、ただ砂利採取業をやつているという意味管理者であれば私は意味がないと思うのですがね。
  33. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 只今御指摘の通りでありまして、採取業者の代理的な立場に立ち得るものであるということと、それから砂利知識、或いは河川知識が相当なければいかんということは勿論でございますが、それを法律上の資格条件としてそうやかましく言いませんでも、実際問題として只今西田さんがお述べになりましたような者が選ばれて来るであろうという、ふうに考えておる次第でございます。
  34. 西田隆男

    西田隆男君 それは又非常に甘い考え方で、砂利採取業なんかやつている人たちは、失礼な言分かも知れんけれども、そう河川に対する深い認識を持つておる人だけがやつておるとは、私たちは現状から見て考えておらないので、少くともこの法律条文で「採取管理者」というような非常に厳格な名前を付けておくということになれば、やはり或る一定適格をきめて、少くともその適格合つた者でない限りはできないというくらいの規定が設けられなければ、内規というか、そんなものだけはおきめになつておかないと、今始関さんが言われるような誰でもいいのだということでは、ちよつと私は不十分ではないかと思うのですがね。
  35. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 只今の御意見は大変御尤もでございまして、実はそれほどやかましく言いませんでも、只今お述べになりましたような資格を持つた者が出て来るであろう、その意味におきまして鉱山保安責任者ほどのやかましい規定は必要はなかろうというふうに存じておつたのでありますが、只今の御意見は大変適切な御意見でございますので、これはいずれ省令その他の制定の際に、御趣旨に副つた考慮と研究とを十分にいたしたいと考えております。
  36. 西田隆男

    西田隆男君 通産省としては砂利を取りさえすればよいのだから問題ないと思うのですが、農林省のほうには相当これは議論があつたのではないですか。
  37. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 農林省のほうにも意見がございましたし、それから建設省のほうにもいろいろ意見がございました。それで、ここにございますようなことで、一面におきましては砂利採取業者に或る程度の権利と申しますか、地位を保障してやると同時に、河川なんかを荒さないように、従来は現場において、誰が責任者かわからない、いわば烏合の衆のような恰好で、誰を相手にして話をしてよいかわからんというような実情では困りますので、砂利採取業者は同時に河川を荒さないことに協力するという事柄をはつきりいたしますために、採取管理者というものを置くことにいたした次第でございまして、そういう点で建設省などとの話合いができたわけであります。
  38. 西田隆男

    西田隆男君 管理者職務は大体きめてあるようですが、これに対する罰則は何もないのですか。
  39. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 罰則は一応規定いたしておりません。
  40. 西田隆男

    西田隆男君 それでは、職務規定してあるのに、職務規定してあるようなことをやらなかつた場合にはどういうことになるのですか。
  41. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 採取管理者責任を果さないという場合におきましては、恐らく実際上の問題といたしまして、河川の場合で申しますと、河川の場合における砂利採取許可附帯森として、いろいろ府県から付けられました条件に違反するというようなことになりますので、採取管理者の交替を実際土勧奨するとか、或いはその許可の取消というような手段がとり得ることになりますので、罰則はございませんでも実際上は相当有効にこの制度が活用できるだろう、このような考え方罰則は一応入れていないのでございます。
  42. 西田隆男

    西田隆男君 第五条から第六条、第七条、第八条とずつと条文を読んで見ますと、採取管理者というのは相当この法律の中では重要視されておるように私には受取れるのですが、第五条で「選任しなければならない」ということから、第八条では「採取管理者が旅行、疾病その他の事故によつてその職務を行うことができない場合に、その職務を行わせるため」云々とあつて代理者の選任というような非常に厳重な規定がきめてあるようですが、これから見ると相当に砂利採取に対する採取管理者職務というものは重く見てあるわけなんですね。今あなたの御説明なつたことは結果論としてそういうことになるであろうということで、この法律の中に規定は何にもありませんな。第九条に「必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。」ということが書いてあるだけのようですが。
  43. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 只今の御意見御尤もでございますが、実は砂利採取地域は大きく分けますと河川河川以外の地域とがございまして、河川の場合におきましては河川法規定建設省府県というルートでこれが採取許可附帯条件でいろいろな河川の安全のための必要な条件が指示されておるわけでございまして、それを受けて業者がそれに協力するという建前から採取管理者というものが置かれておるわけであります。でありますから、この規定だけを見ますと不十分な感もございますが、一方におきしまして河川法に基くいろいろな附帯条件として付けられた命令がここにあるのだということをお考え合せ願いたいと思います。  それから河川以外の場合におきましては従来はこれはまるつきりうつちやつてあつたわけでございますが、河川法等規定がございませんので、河川以外の場合につきましては第九条の公益命令というものを通産局長に与えまして、これが河川以外の場合につきましては採取管理者を実際上指導いたしましたり、又取締る、こういう関係に相成つておるのでございます。
  44. 西田隆男

    西田隆男君 今の問題は私は条文を読んだだけだからなかなかはつきりしませんのであとで聞きますが、第十五条の規定ですがね。「通商産業大臣及び通商産業局長は、この法律の施行に必要な限度において、」云々、「採取場若しくは事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿書類を検査させることができる。」という規定があるが、これはどういう必要に基いてこういう条文を掲げておるのですか。
  45. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) これは例えばこの報告徴収なり立入検査をなし得る限度でございますが、これはこの法律の施行に必要な限度ということでございまして、この限度を申上げますとどういう必要があるかということのお答えになると思います。この法律の施行に必要な限度と申しますか、必要な場合と申しますのは次のような場合が考えられるのでございます。  第一に砂利採取業者の実態の把握のための報告でございますが、これは報告命令がございますが、報告して来ない場合にはこういう事柄によつて特別に報告を徴収するというような必要が出て参るわけでございます。  それから第二に第九条、只今申上げました公益保護のための通産局長の公益保護命令がございますが、この公益保護命令を発動するや否やの判断をいたす必要からいたしまして現地調査をするという必要の起る場合がございます。  第三に第十条、これは鉱業権と砂利採取とがぶつかる場合がございますが、この場合に鉱業権者と砂利採取業者とが協議をしろという規定がございまして、若し協議が整わない場合には通産局長がその協議が整つたものとみなされるような決定ができることになつておるわけでございますが、そういう決定をするに先立ちまして各般の調査をいたす必要があるという場合が一つございます。  それから第五に、第十八条に異議の申立の規定がございますが、この異議の申立の規定に基く決定をいたすための各般の調査が必要でございます。  第六の場合といたしまして、附則の第二項に採石権の設定なり譲受の決定の申請がございますが、それに関連した各般の調査が又必要になつて来る、こういつたようなこの法律の各条項に基きまして政府としていろいろの手続なり或いは決定をいたさなければならない場合がいろいろございますので、それの準備、その前提としていろいろな調査をする必要がございますので、第十五条の報告徴収、それから立入検査の権限を当局に与える、このような考え方になつておる次第でございます。
  46. 西田隆男

    西田隆男君 会の始関さんの御説明では帳簿の検査なんかする必要は毛頭ないように考えられるのですが、これには立入検査、業務の状況に関する報告、今言われたのは業務の状況が大部分ですが、「若しくは帳簿書類を検査させることができる。」というのは非常に窮屈な規定ですね。帳簿の検査はどういうわけで必要なんですか。帳簿に記載される事項は大体きまつたものなんですから、今あなたがおつしやつたことでは帳簿を検査することは入つていない。帳簿を検査するというのはどういうわけですか。
  47. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) まあ、例えばこの法律の一番大事な条項の一つは第十一条の規定がございまして、これによつて砂利採取業者河川管理の建前から支障がない場合にはできるだけ合理的な経営が維持できるように考慮してもらいたいというようなこともございますが、そういつたような点に関連いたしましてもここに掲げてありますような程度のいろいろな検査権、或いは報告徴収権が必要であろう、こういう考え方をいたした次第でございます。
  48. 西田隆男

    西田隆男君 非常に重要な問題で、十一条は僕は今までの法律を大概見たのだが、「砂利採取業者砂利採取業の合理的な経営を維持できるように考慮して許可するものとする。」許可する場合に合理的な経営ができるかできんかまで通産局長が考えて許可をするというようなことは今までの法律にはどの法律も私見たことはないのだが、これは大変重要な条文と思うのですが、これと関連しての今の第十五条の帳簿の検査ということが考えられるとすれば、ちよつと始関さんの説明では納得は行かないのですが、これは非常に重要な関連性を持つたものだと思う。これと第五条の採取管理ですね、この三つの問題は皆関連性を持つておるので特殊な条文の表現の仕方がしてあるのだが、これをわかりやすくなぜこういう条文を作つたかということをお話願えませんか。
  49. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 実は第十五条につきましてはこういつたような種類の立法に普通ございます程度にこういう権限を認めておるのでございますが、只今いろいろお尋ねがございまして、それに対する答弁が不十分であると思いますので、後ほど一つ改めて答弁する機会を持ちたいと思います。
  50. 西田隆男

    西田隆男君 結構です。
  51. 白川一雄

    ○白川一雄君 ちよつとお尋ねしたいのですが、砂利採取する企業体には大小いろいろあると思うのですが、極く小さいのはいわゆる入会権に相当したような先祖代々その地方々々でやつておるものがたくさんあると思うのですが、そういう人がこの法律が出たためにどういう窮屈を感ずることになるか、その点御説明願いたいと思います。
  52. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) その村に住んでおります者がその村の中を流れております川から入会権的な意味砂利採取するというような場合がしばしばあるということは承知をいたしております。その場合にこの法案との関係でございますが、この法案砂利採取を事業とする、営業とする者に対しまして一定の地位を保障をいたしますと共に、一方において取締をいたすことを考えておるのでございますが、只今お話のような場合はこれは営業というふうには考えられないと思いますので、この法律の適用はないのだというふうに考える次第でございます。  それからもう一つ只今お話関係のありそうな点は、第十一条でございまして、第十一条では先ほど西田さんの御質問の際にも申上げたのでございますが、砂利採取業者河川砂利を取る許可を受けましても許可の期間が余り短い、或いは面積が余り狭いというようなことでは困るので、成るべく合理的な経営ができるような程度に期間をきめる、又採取の区域をきめてもらいたい、こういう規定でございますが、そういうことで権利が一つ確定いたしますと、そのために入会権の行使がうまく行かないというような意味合いにおきましても問題が出て参ると存じます。そういつたような問題につきましては、この法律の運用の問題になりまするので、衆議院のほうではそういつたような場合に支障を来たさないように附帯決議を付けたらどうかというような御意向もあるようでありますが、附帯決議が付けられるかどうかということは別問題といたしまして第十一条の運用の実際に関する問題といたしまして恐らく通産省が建設省と相談をいたしまして、いろいろなことを府県に通知でも出すようなことになると思いますので、只今お話のような場合に支障を来たさないように、又窮屈にならないように十分に注意をいたすように取計らいたいと考えておる次第でございます。
  53. 白川一雄

    ○白川一雄君 入会権に相当するような砂利を採収する人は必ずしも自己消費のためのものではなくして極めて小さく、例えば山で薪を拾つて来る、自分のところで使うだけでなしにやはり外へそれを売つて自分の生活の助けにするのと同じようなケースが、砂利の、極めて小さい地方色をおのおの持つておりますので、あると思うのですが、そういうものがこの法律が出て、そういう人はどちらかというと教育の程度も余り高くないでしようし、官庁その他との交渉というような事柄も心得ておりませんでしようし、実際問題としてだんだん抹殺されてしまうのではないかということになるとやはり一つの社会問題が起るのじやないか、こういう意味から極く零細な砂利採取業採取していささか自分の個人営業にしておる者がどういうふうにこの法律の出た結果落ちつくかという点も一応線を考えておかないといけないのじやないか、こういうようにこの法案を拝見して感ずるのであります。その点のお見込というものを一応承わつておきたいと思います。
  54. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 只今の御意見は誠に御尤もでございまして、この法案砂利採取を相当な規模で機械や何かを以ちまして営業するものに対してはその営業が合理的にできるようにしてもらいたいということが一方にございますが、只今のような小規模でやる場合でありますとか、例えば土建業者が一週間か十日臨時にやるというような場合について拒否するということではございませんので、第十一条の運用の問題といたしましては先ほど申上げましたようなことをこの法律案に関連いたしまして府県などに徹底するようにいたしたいと存じます。もう1つ、この法律ではいろいろな届出義務等がございますが、今御指摘のような小業者にそういう義務を課することも如何かと思いますので、この四条に届出義務がございますが、その但書におきまして非常に小さい規模の業者はその届出の義務を免除するということにいたしてございまして、不当な負担をかけないようにいたしたいというような考慮をいたしておる次第でございます。
  55. 白川一雄

    ○白川一雄君 その場合に大企業者と競合する面が生じて来ると、小事業者はおのずから事実問題として抹殺されて行くのでないかというふうに思うのでございますが、御当局がこれを実施する場合に、そういう小さい地方々々で先祖代々やつておるというようなものは一応届出さして、その人間の一応権利を確保してやる、保護してやるというような考慮が必要じやないかと思いますのですが、そういう点は如何でございますか。
  56. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 中小の業者と言いましてもいろいろ段階があるわけでございまして、先ほどお話の入会権というような意味採取をいたしておりましたものは、この法律では一応極めて小規模な業者といたしまして届出は免除いたしておりますが、これは従来の慣行等によつてそういう権利を持つておるのでございますから、そういうものの立場が又実際上抹殺される、只今白川さんのお話のようなことでは困りますので、そういう点がないようにこれは行政の実際の運用上で十分注意をいたして参りたいと存じております。届出をさしたほうが却つていいのではないかという御意見でございますが、この点は実はいろいろ検討いたしました結果、そういう小業者或いは極めて短期間にやるものにつきしましては届出は一応免除する。勿論業者であります以上、この法律全般の適用はあるのでございまして、基本的にはこの法律による保護も受け得るわけでございますが、届出だけは免除したい、このように考えておる次第でございます。
  57. 白川一雄

    ○白川一雄君 具体的に申上げることは避けたいのでございますけれども、河川関係業者取締実情というものは必ずしも我々感心すべきものでないものを多く経験しておるのでございますが、若し競合いたしますと小さい業者が必ず大きく砂利採取をしておるところの地域に又乗り込むことがあると思うのです。そういう場合に最初は入会権式になつておりましても、日がたつにつれて泥棒扱いにされるというようなことも考え得るとすれば、この法律のスタートにおいてよほどそこをはつきりしておいてやらないとかわいそうな目を見る人間がたくさん出て来るのじやないかという点がお尋ねする趣旨なんでございます。
  58. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 御尤もでございます。そのような見地から衆議院の通産委員会におきましても附帯決議などの形で只今御指摘のような小業者立場が悪くならないようにということに十分の注意を払うべきであるというふうな意見が出ておるのでございまして、なおその趣旨は実際の取扱をいたします府県その他この法律の適用を受けまする大業者に属する者にもよくわかるように周知徹底を図つて参りたいと存ずる次第でございます。
  59. 白川一雄

    ○白川一雄君 次にお尋ねいたしたいのは、この土地使用の問題でございます。まあ今日或る産業の目的を達成するためには昔の土地収用令のようなものが実際並行しないと効果を発揮しないものであるということはよく承知しておるのでございますが、併しこの砂利採取に、これはまあ一応土地を使用すると申しましても収用になるような恰好になつておりますが、果して現実の問題としてこういうケースが起つた場合に当局が積極的に権力発動でその効果を発揮する意気込みであるのか、それとも協議さしてそのまとまつたところを採用しようとするのか、この辺の強さを承わりたいと思うのであります。
  60. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) この土地の使用の問題は今回のこの法案の中で一番問題の多い点だと存じます。でこれは砂利採取業者と、それから土地の所有者とが常識の上に立ちまして話合いをいたしましてできるだけ円満にその当事者間の話合いできめさして参りたいというふうに考える次第でございます。ただ土地の関係者が仮に十人おる、その中で八人までは賛成、土地の使用を認めたが、あとの二人がどうしても言うことをきかない、まあ言い分も比較的乏しいといつたような場合もあると思いますので、そういうような場合にはこの条項を適用して参りたいと存ずるのでございまして、積極的にこの条項を振廻して行くという考え方ではございませんで、むしろ控え目に運用いたして参りたい、まあ言葉が悪いかも知れませんが、この条項を一つの背景にいたしまして当事者間において円満な話合いの進むことを期待いたしたい、かような考え方をいたしておるわけであります。
  61. 白川一雄

    ○白川一雄君 私そういう考え方だと極めて不徹底で効果的なものにならんのではないかと社会の今日の実情を見まして痛切に感ずるので、少くも法律として出る限りならば結果の挙がる途をあらかじめきめておかれないと、御承知の通り内灘の問題でもあのくらい厄介なことになる実情なので、この砂利採取というのが公的性格に使われる砂利であるとかいうことであればはつきりする線も出ると思いますが、そうでないとするとそこに非常に必ず大きなトラブルが起つて事々に至る所でこの問題が起つて来るのじやないか。この法律を見ますと、権力発動するかのごとくしないかのごとく、するかも知れんぞという匂いだけ出したような感じがするので、実際仕事をやるものとすれば理論よりも現実でなければものは運びませんので、そういう立場から考えると果してこれでトラブルがセットルできるかどうかということが非常に大きな問題だろうというようにこの法案を拝見いたしまして感ずるわけなんです。まあその点については遺憾なく御準備だろうと思いますので、一応この法案を見た私の感じとして申上げておきたいと思います。  もう一つ、今西田委員からお尋ねになりました管理者の問題でございますが、いろいろな各種の法案をこの委員会等で見まして、常にどういう事柄でも必ず管理人とかいう傾向のものを置きたがる法律が非常に多いのでございますが、先ほど西田委員お話になつたように、砂利採取する人は円満なる常識を備えておるという程度の教育を受けない人が多いので、そういうことを考えて見ますと、むしろ当局はこの河川ならこの河川はどの範囲にどういう方法において採取すべきものであるという一つの方程式をこしらえて差し示せば、管理人まで置かなくても、その方程式に反しておればそれを責めるというような方法で行くのが実質的でないか。形だけ整えたような管理者を置きましても、先ほど誰が責任者かわからんがというようなお話がありましたが、それは届出したり許可をとつた名義人が即責任者であるはずなんでありますから、一定河川法その他から割出してこの河川に対してはこういう範囲、こういう地域採取すべきものであるという一つの方程式を作つておけば、そう一々管理者を置かなくてもできるのでないだろうかという、まあ失礼な言い方ですけれども、私どもは法案を見ておつていつの御当局の考え方というのも、強い良識による行政指導で幾らでもできることをちよちよろと横へ逃げ道のようなことをこしらえてある感じを非常に受けるのでありますが、これは管理者というものは置いても実際上私は余り効果がないのでないか、むしろ御当局のほうがこういうふうにやるのだぞということを示すほうが一番指導力があるのでないか、こういう感じがいたしておるのでありますが、その点提案者の御意向を承わつておきたい。
  62. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 只今お話の点でございますが、河川におきましては府県採取許可をいたします場合に、採取を認める場所、面積なり或いは期間というものをきめるわけでございまして、又その面積の中でのどの程度の厚さまでとつてよろしい、こういうようなこともきめるわけでございますが、実際問題としてはそれが必ずしもそうなつておらないという場合が多いのでございまして、或いは堤防のすぐ下を掘るとか、或いは橋桁の下を掘るとか、又農業用水の取入口の所を掘るとか、いろいろな弊害が出ておるのが実情のようでございます。そこで誰がこの府県命令に対しまして責任を負うかという問題につきましては、只今白川さんのお説の通り許可を受けました砂利業者責任者であるということはこれは勿論でございますが、これは必ずしも現場にはおらないのでございまして、現場責任を持つ者をはつきりさしておく必要があると考えるのでございます。これに一番近い適切な例は私は炭鉱や鉱山保安責任者の制度があると思うのでございまして、保安の最高責任者企業の最高責任者である社長でございますが、これがどの坑内では誰、又別の坑内では誰というふうに現場責任を持ちまする者が法律上置かれることになつておることは御承知の通りでございまして、この場合におきましてもそれに近い重要性がございますので、現場で、この現場ではAという者が責任を持つんだ、又同じ会社の他の現場ではBという者が責任を持つんだということをはつきりいたしますことが、それから今類似の例がたくさんおありだというお話がございましたが、少くともこの場合につきましては極めて適切でございましてこれが上からの監督と相呼応いたしまして企業の内部での責任を持つということがまあ少くともこの場合では非常に必要だし又効果が挙がるものというふうに考えまする次第でございます。
  63. 白川一雄

    ○白川一雄君 石炭の比較をされたが、私はこれは非常に違うと思うので、石炭は何千尺という下の切羽のほうまで入つてつて外から見られないのでございまして、特に間髪も入れずに爆発、出水等の危険があるのでございますから、これに保安担当者を置くという事柄と、いわゆるオープンで、露天でやるところの砂利との保安の観察の点においては雲泥の差が私はある、こう思うのでございます。まあこれは我々実際仕事をやる者として理窟よりも実際運ぶことでなければ、この法律その他で仕事を実際やる人間が無駄をしなきやいかん、面倒をしなきやいかんという線はできるだけ避けてやらなきやいけないというような意味お尋ね申上げたわけでございます。私の質問は以上であります。
  64. 酒井利雄

    ○酒井利雄君 音声を痛めておりますので、極く簡単にお伺いいたします。この法案砂利採取業者の保護のために設けられたように感ぜられるのでございますが、又その半面この砂利を消費するところの土建業者あたりはこの法案が通過しますといろいろ手続その他の関係上複雑迷惑を感ずるんじやないかと思うのでありますが、それがために先般建設業協会長と土木工業協会長の名前で陳情書が出ておるはずでございまするが、その陳情書を御覧頂いたのでございましようか、又その陳情書に対して如何なる御見解をお持ちか、一つつておきたいと思います。
  65. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 私といたしましては陳情書を拝見いたしておりませんが、陳情書の内容につきましては大体承知をいたしております。この法律はこれは砂利採収業者の保護と取締とまあ両面あるのでございますが、土建業者が自分で砂利採取するという場合にこの法律の適用についてどういう立場に立つかということが一番大きい関心のある点のように存じます。その点につきましては、転売をいたします場合は勿論でございますが、転売をいたしませんで自分で請負いました工事に砂利を使うという場合におきましても、これは一応営利目的がございますので砂利採取業者であるというふうに一応考える次第でございまして、又いろいろな保護の条項ございますので、それのほうが工合がよろしかろうと考える次第でございます。ただ余り例えば一週間や十日というような程度砂利採取するというような場合まで一々届出をするというような点が非常に困るという御意見のようでございますので、この第四条の但書並びに第八条の第三項の規定を設けましてそういうような場合におきましては届出義務を免除するというような形にいたしまして不当な、或いは不必要な負担をかけないようにということを考えておる次第でございます。
  66. 酒井利雄

    ○酒井利雄君 どうか陳情書を一つ御覧下さいまして、その内容をよく御検討頂きまして、陳情書に副うような一つ改正にして頂きたいと存じます。
  67. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 大体陳情書の趣旨に副つておると考えておりますが、もう一遍よく拝見いたしましてできるだけ御趣旨に副うようにいたしたいと考えます。
  68. 西川彌平治

    委員長代理西川平治君) ほかに御質疑ございませんか。  それでは砂利採取法案は本日はこの程度にいたしまして休憩いたしたいと思います。午後一時半から請願、陳情について会議を開きたいと思います。これで休憩いたします。    午後零時十五分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた〕