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1954-05-18 第19回国会 参議院 通商産業委員会 第41号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年五月十八日(火曜日) 午前十時三十四分
開会
—————————————
委員
の異動 五月十七日
委員山縣勝見
君及び
酒井利
雄君辞任につき、その補欠として
高橋
衞君及び
高橋進太郎
君を議長において 指名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
中川 以良君
理事
松平
勇雄
君 加藤 正人君 海野 三朗君
委員
小林 英三君 西川彌平治君
高橋
衛君 岸 良一君 豊田
雅孝
君 西田 隆男君 藤田 進君 武藤 常介君 白川 一雄君
衆議院議員
川島正次郎
君
福田
一君
小笠
公韶君
政府委員
通商産業省通商
局次長
松尾泰一郎
君
通商産業省重工
業局長
徳永 久次君
通商産業省
軽工
業局長
中村辰五郎
君
中小企業庁長官
岡田 秀男君
事務局側
常任委員会専門
員 林 誠一君
常任委員会専門
員
山本友太郎
君
常任委員会専門
員
小田橋貞寿
君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
小型自動車競走法
の一部を
改正
する
法律案
(
衆議院送付
) ○
自転車競技法等
の
臨時特例
に関する
法律案
(
衆議院送付
) ○
中小企業安定法
の一部を
改正
する法
律業
(
衆議院送付
) ○
連合委員会開会
の件 ○
硫安工業合理化
及び
硫安輸出調整臨
時措置法案
(
内閣提出
、
衆議院
送 付) (第十八回
国会継続
) ○
航空機製造法
の一部を
改正
する
法律
案(
内閣送付
)
—————————————
松平勇雄
1
○
理事
(
松平勇雄
君) これより
通商産業委員会
を
開会
いたします。
小型自動車競走法
の一部を
改正
する
法律案
、
自転車競技法等
の
臨時特例
に関する
法律案
、並びに
中小企業安定法
の一部を
改正
する
法律案
を
一括議題
といたします。 先ず
小型自動車競走法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
の
説明
並びに
内容
の
説明
を
発議者衆議院議員川島正次郎
君より聴取することにいたします。
川島正次郎
2
○
衆議院議員
(
川島正次郎
君) 私は
川島正次郎
であります。御
審議
をお願い申上げまする
小型自動車競走法改正案
につきまして、御
説明
を申上げます。 本
改正案
の主要なる点は、
現行
におきますると、
小型自動車
の
競走
は、
都道府県
と五大都市に限られておりまして、
競走場所在地
の
地元市町村
は
施行者
となり得ないのであります。同様の
競技
でありまする
競輪
、
ボート
・
レース
、
競馬
のごときは、いずれも
当該都道府県
のほかに
地元
の
市町村
が
開催権
を持
つて
おりまして、
財政
に寄与をいたしておるのであります。今回御
協賛
を得まして、
小型自動車競技
も
地元市町村
においても
開催
し得るようにして頂きたいということであります。尤もこの点につきましては
現行法
が成立いたしまする当時におきまして、当参議院において
希望条件
として
地元市町村
に対して
売上げ
の百分の二以上を交付するようにということにな
つて法案
が成立いたしたのでありまするけれども、
施行者
でありまする
都道府県
からもらうということになりますると、
都道府県会
の
関係
もありまするし、
地方財政
にも左右されまして、ときには思うように
地元市町村
に
交付金
が行かんという場合も生ずる例もありますので、この際
法律
にはつきり
地元市町村
にも
開催権
を考えまして、
地方財政
に寄与したい、こういう
意味
でありまして、尤もかように申上げましても必ずしも
開催日数
を殖やそうという
意味
ではございません。現在は
通産省
の御指導によりまして、大体年間通じて十二回
開催
をいたしております。そこで本
改正案
が
通り
ましてもこの
日数
を殖やそうという
意味
ではなしに、
都道府県
の
施行回数
と
地元市町村
の
施行回数
とを同じ総数の上で適当に按配いたしまして、大体私どもといたしましては
通産省
御当局とも相談しておるのですが、十二回のうち八回くらいを府県にや
つて
、四回くらいを
地元
にや
つた
らどうかという一応の
試案
もあるのであります。そういう
意味
の
改正案
なのでございます。これが法三条の
改正
の要点でありまして、この
改正
を出しますにつきまして丁度いい
機会
でありますので、
現行法
の不備の点を二点直したいと存じます。 その一点は、第十三条でございまして、
一つ
の車に多数の投票が集まりますると、場合によりましては百円に対して、百円だけたとえ車が当りましても払戻しがないことがあり得るのであります。それは二五%だけを差引いた残額を
勝車
に払戻しますのでありますからして、そういうことがあり得るのでありまするが、今回
改正
いたしまして当
つた車券
に対しては計算上百円にならなくてもそれは元金の百円だけは返すと、こういう
改正
でありまして、これは
競輪
におきましても
競馬
においてもさような
法律
にな
つて
おります。これが一点と、もう
一つ
は
競技場
内における
呑行為
、正式な窓口を通さないで、中でお客からして金を預
つて
、負けたらそれを取つちやう、勝
つた
らば金を払戻してやるといういわゆる
呑行為
というものが
競馬
などに盛んに行われまして、
競馬法
、
競輪法
におきましては厳重な制裁の
規定
がありまするが、
小型自動車競走法
におきましてこれがありませんので、
競輪
、
競馬並み
にこの
規定
をつけたい、かように考えまして三点の
改正案
を
提出
したわけでございまして、本案につきましては
衆議院
におきましても
各派全員一致
で御賛同を願いまして当院に御回付申上げたわけでございます。何とぞ御
審議
の上御
協賛
を願いたいのであります。 なおこの
機会
に極めて簡単に
小型自動車
の
現況
を御参考に申上げておきたいと思うのでありまするが、
小型自動車
は現在五カ所において
施行
しております。
千葉
県の
船橋
、それから
大阪
、山口県の柳井、
埼玉
県の川口、兵庫県の甲子園、この五カ所でありまして、このうち
大阪
だけは
只今
一町的に休止いたしておりますが、あとの四カ所はいずれも大体月一回ずつ
施行
をいたしておるのであります。これがスタートしました初めはオトーバイ、
二輪車
だけでや
つて
おりましたが、途中からして四輪
車競技
もやるようにいたしまして、今日では
二輪車
の
オートバイ
と四輪車の
自動車
と両方の
競技
をや
つて
おります。
通産省方面
からのお話もあるのですが、何としてもこの
法律
ができまして各地で
競技
をするようになりましてから
日本
の
小型自動車
の
技術
は非常に発達したのだと言われておりまするし、現に四輪車の例を申上げますると、初めて
船橋
でや
つたの
ですが、
外国車
に国産四輪車を混ぜまして
競争
をさせる。そこで
日本
の大きな四輪車のメーカーは
日産
と
トヨタ
と
オオタ
と三カ所ありまして、各三カ所とも
競走用
の
自動車
を作
つた
んですが、初めの
レース
のときにどうも
トヨタ
が出す
トヨペツト
がかなわんというので、
自動車
を
作つて競技場
まで持
つて
来ましたけれども、とうとう出さなか
つた
。
日産
と
オオタ
だけが出て
外国車
と
競技
をいたしておりますが、その後
自動車技術
が変りまして、今日では
トヨペツト
がすばらしい
成績
になりまして、それがために
日産
は
競技
にこの一、二回出しておりません。言い換えれば
競技場
でいい
成績
をと
つた
自動車
が売行きがいいと、まあこういうことがはつきりわかるのでありまして、この点は
オートバイ
にも如実に現われています。で
千葉
県の
船橋
の例を申上げると、
船橋
の
競技場
におきましては年に数回
競技
中に
オートバイ
並びに四輪車の
展示会
をやりまして、広く
一般
の人の入場を求めまして
競技
と同時に
オートバイ
並びに
自動車
を並べて宣伝をいたしておりまして、現場で以て
相当
な取引が上るのでありまして、この
法律
の
目的
でありまするところの
自動車工業
に寄与している点は多大であるということを私ども各
方面
から聞かされておるのであります。なおまあこうした
競技
の性質上成るべく
社会性
を持たしたいと、かような
意味
で、
千葉
県並びに
埼玉
県等におきましてはただこの
競技
を
車券
の
対象
にするだけではなしに、見て面白い
レース
、壮快なスポーツ、まあこういう点に
重点
を置きまして、そうした面白味と加えて
車券
的の興味、これをモツトーとして
運営
をいたしておるのであります。現に
千葉
県の
船橋
におきましては祭日、休日を除きましては
競技
は一切午後からでなければしない、午前中から
競技
はしない、こういう
方針
をと
つて
おります。この午後から
競技
をするということは、これは
競輪
、モーター・
ボート
、
競馬
には先ずないのでありまするけれども、
船橋
の
競技場
に来るフアンなどの声を聞いて見ますと、少くとも午前中は
仕事
をして午後から来られるので非常にいいのだから是非これは続けてもらいたいというふうな声がありまして、こうした点においてもいろいろ工夫をこらしておるわけであります。ただ
競輪
、
競馬
に比しまして今日ではまだ
売上げ
が十分ではありません。ありませんその根本の
理由
は、初めてこの
競技
をやりました際に進駐軍の意向によりまして一切
ガソリン
は使つ
ちやいかん
、
合成油
を使えということと、新らしい最近できた車体は使つ
ちやいかん
という、こうした
命令
の下にやりましたので、言い換えれば不完全な油で以て十年、二十年前の車を動かして
競技
をしましたために
競技
が非常に面白くなか
つた
。途中でエンストする車が多くなりまして、このスタートが悪か
つた
ために
相当
長い間不振を続けましたが、最近ではこうした制限がすつかりとられまして、
ガソリン
を使う車も殆んど五三年の車を揃えておりまして非常に面白い
競技
ができる。
従つて
最近では
売上げ
が上昇しまして、いずれも黒字であります。
地方財政
に対しても
相当
に貢献をしているのでございまして、大体そういう
現況
でありまして、今後も
相当
伸びると、こういう見込でございます。どうか御
協賛
のほどをお願い申上げまして
説明
といたします。
—————————————
松平勇雄
3
○
理事
(
松平勇雄
君) 次に
衆議院議員大西禎夫
君ほか十六名
提出
の
自転車競技法等
の
臨時特例
に関する
法律案
の
提案理由
の
説明
並びに
内容
の
説明
を聴取することにいたしす。
発議者福田一
君。
福田一
4
○
衆議院議員
(
福田一
君) 私が
福田一
でございます。これより
委員長
の御指名によりまして
提案理由
その他について御
説明
を申上げたいと思います。
只今議題
となりました
自転車競技法
の
臨時特例
に関する
法律案
につきまして、
提案
の
理由
を御
説明
申上げます。
自転車競技法
、
小型自動車競走法
及び
モーターボート競走法
は、それぞれ
自転車
、
自動車
、
モーターボート
各
工業等
の
振興
と
地方財政
の増収を
目的
としていることは、御
承知
の
通り
でございますが、今年度の
予算
の
性格
に鑑みまして、
国庫納付金
が、今年度に限り停止され、これに伴いまして各
産業振興費
が
予算面
から落ちることになりました。併しながら、自転市
競技法等
の
目的
に鑑み、何らかの
方法
により
産業振興費
を支出することは、絶対に必要な事柄でございますので、
関係
各
方面
と慎重に
検討
を行いまして、この
法律案
を
提出
した次第であります。 次に本
法案
の概要を御
説明
申上げます。第一にこの
法律
は、従来の
国庫納付金
に代るべき
納入金
の制度を
臨時
に設けまして、これを財源として
中小機械工業
の
設備
の
近代化
、
生産技術
の
向上
、
機械輸出
の伸長その他
機械工業
の
振興
を図るため必要な
経費
に充てようとするものでございます。第二に、
自転車
、
小型自動車
については、それぞれの
法律
の
目的
に則り、従前とほぼ同様の方向で
産業
の
振興
を図
つて
参るつもりでございます。なお
モーターボート
についても同様の
方法
をとる所存でございます。第三に
振興
の
対象
を
自転車
、
自動車
のほかに
一般機械工業
の
範囲
まで拡大したことでございます。
我が国機械工業
のうち
輸出機械工業部門
、
重要部品製造部門
、
機械工業
の
基礎工業部門
には、
中小企業
が多数存在しておりますが、これらの
企業
の
設備
の
近代化
、
技術
の
向上
は、
我が国
の
機械輸出
の増進、輸入の防遏に大きな影響を有しているのであります。然るにこれらの
企業
の
設備資金
の調達には、諸種の隘路があることに鑑みまして、これらの
企業
の
設備
の
近代化
を促進しようとするものであります。 第四に
納入金
の
受入機関
といたしまして
自転車振興会連合会
、
小型自動車競走会連合会
、
全国モーターボート競走会連合会
を選んだわけでございますが、この
納入金
の
公的性格
に鑑みまして、その
使途
につきましては、一切、
主務大臣
の定める計画及び指示に
従つて
行わせますと共に、
納入金
の一切の
取扱
は、商工組合中央金庫に委託させることとしたのでございます。第五に、この
法律
の
有効期限
を
昭和
三十年三月三十一日までとし、その
期間終了
時における
自転車振興会連合会等
の資産及び負債はこれを国に帰属することとしたのでございます。現に
国会
で御
審議
中の
補助金等
の
臨時特例
に関する
法律案
によりまして、
国庫納付金
の
停止期間
が
昭和
三十年三月三十一日までとな
つて
いることに対応したものでございます。 次に
納入金
の率については、
地方財政
の現状を考えまして、大幅に引下げますと共に、
売上金
の少いものにつきましては
納入金
を免除することといたした次第でございます。 何とぞ、御
審議
の上、速かに御賛成あらんことをお願い申上げるものでございます。 以上が
提案理由
でございますが、もう少し
法案
の
目的
とするところその他について、又この
法律
を作りますについて特に考慮いたしました点を申上げて見ますというと、そもそもこの
法律
の基をなしておりますのは
自転車競技法
及び
小型自動車競走法等
でございますが、
自転車競技法
というのは今から四、五年前に社会党の
議員提案
といたしまして両院を通過いたしまして今日までに及んでおるのでございまして、
昭和
二十八年度におきまするところの
財政
的な
見地
から申上げますというと、約四十億円が
地方財政
に入
つて
おるわけでございます。なお二十億円が
国庫
に納入されてお
つたの
でございますが、そのうちで約六億円が
自転車
の
振興
のための
費用
といたしまして、或いは
輸出促進
ために、或いは又
融資
として
自転車関係
に
融資
されてお
つた
ものでございます。ところが御
承知
のごとく、今回一兆円の
予算
を組むというのが
一つ
の
理由
、もう
一つ
は国といたしましては、大体今回は
競馬
とか或いは又こういうような
競輪
とかいうようなものの
収入
は国に取らないような
方針
をとりまして
予算
を編成されまして、
従つて
今まで
自転車振興
のために出されてお
つた経費等
も全然このままの形で参りますというとなくな
つて
しまうのでありまして、
自転車競技法
を作りましたこの本来の
目的
から見ますというと若干歪められて、
自転車競技
というものが
地方財政
のためにのみ存在するようなことに相成るわけでございます。私たちといたしましては
競輪
というものからあがるまあ平たい言葉で申上げますというと、
寺銭
のようなものは
地方財政
にも寄与して決して悪いというわけではございませんが、併しながらこれはどうしても何か
一つ
有効に使うようにしなければならないというような
観点
も含めまして、今回一応この
競技会
、
自転車振興会
といいますか、或いは又
モーターボート
の
振興会等
に
一定金額
を納入させるようにしてはどうか。その一応の見積りを申上げますというと、大体
競輪関係
で六億二千万円前後でございます。
モーターボート
は一億七百万円、その他を合せまして大体七億五千万円くらいの
収入
が挙るわけでございます。ところが今まではこの率が
相当
多か
つたの
でありますが、今回は六千万円以上の
売上げ
がありまして初めてまあ一分くらいの
収入
をとる、こういうことにいたしまして徴収いたして見ますというと、
競輪関係
では六億二千二百万円、
オート
・
レース関係
では千八百万円、
モーターボート関係
では一億七百万円、その他に雑
収入
が五百万円ほど見込めますので、七億五千二百万円くらいの金があが
つて
来るわけであります。で
オート
・
レース
の
関係
の
費用
はこれはこういう
オートバイ
その他の
費用
に充当するというか、貸付けるというか、そういうまあ
方針
をと
つて
行きたい。又
モーターボート
の
関係
はこれも又
モーターボート関係
に
融資
するというような考えを持
つて
おります。そこで問題になりますのは
競輪関係
の六億二千万円でございますが、二十八年度におきましては六億円が
競輪関係
のために使われてお
つたの
でございますけれども、今回はこの
法律
を御
協賛
を頂きますれば、大体の
試案
といたしましては
競輪関係
には二十八年度の六億円を半分にいたしまして三億円前後、なお二億五千万円ほどは大体
中小機械工業
の古い
機械
を新らしい
機械
に取替えて
輸出
の
振興
を図ろうという
目的
で
融資
をする、なお五千万円ほどは
技術
の
研究費
に充てるように使いたい、その他
雑費
が二千万ほどかかりますが、等々を合せましてそういうふうな内訳にして
行つて
はどうか、従来は
競輪
だけでございましたが、これを
輸出振興
と
技術
の
向上
という
方面
に持
つて
行つて
、まあ
寺銭
のようなものではあるけれども、何かそれに社会的の有意義な
目的
を追加して行
つた
らどうか、こういうふうに考えておるわけでございます。そこでそういうような
自転車振興会
というようなものに金を入れさせることがいいか悪いかという問題もあるのでございますが、これは一年間の
臨時立法
でありまして、一応金が入
つて
もその金は一年後には当然
国庫
に帰属いたすのでございます。なおこれを使います場合には、
通商産業大臣
が
関係者
の
諮問委員会
を持ちまして、その
諮問委員会
に
諮問
をいたしまして、そうしてどういうふうに
輸出振興
に使
つた
らいいか、或いは貸付をどういうふうにして行
つた
らいいかというようなことを一応
諮問
をいたしまして、その
諮問
によりましてこの
使途
を明瞭に、明らかにし、その
方法
を指示するわけでございます。 そこで、その
自転車振興会
その他に入りました金は、一応
通り
抜けまして、
商工中金
がこれを
事務
を代理いたすわけでございます。で、
商工中金
は本来の
目的
から言いまして、この種のものを扱うかどうかというような問題もあるわけでございますが、まあ一年限りのことでございますので、何とか
一つ商工中金
にこの
仕事
を持
つて
もらうということを交渉をいたしまして、
商工中金
にまあ引受けてもら
つた
ようなわけでございます。 以上のような経緯によりまして金を集め、又これを使うということをや
つて
参るわけでございますが、この金を取りました場合において、
地方財政
とどういう
関係
ができるかを申上げますというと、実は
地方財政
は二十八年度におきましては四十億円入
つて
おる。今回のこの二十九年度では
国庫
に納付されておりました二十億円が全部これが
地方財政
に入りますから、六十億円入るわけであります。併し我々の見たところによりますというと、大体この
歳入総計
というものは国に、このまま
法律
が続いてお
つた
といたしまして計算いたして見ますというと、二十億円が今年は三十六億円くらい入る
予定
に相或るのであります。そこで、そのうちから六億円くらいの金を取
つた
といたしましても、なお
地方財政
は十億円、
予定
よりは十億円オーバーしてその
収入
が挙るわけでありまして、
地方財政
の
見地
から見ますというと、成るべくこういうものを取らないようにという御意見もあるかも知れませんが、それでは
競輪
というものは全く
地方財政
のためにのみ存在するというような形になりまして、こういうことは
競輪
というものの何といいますか、
賭博性
といいますか、余り世間から喜ばれておらない
性格
から見て面白くないのではないかと我々は考えたわけでございまして、そこで今言いましたように、そのうちの若干をこちらのほうへ出してもらいます。そうしてその金を有効適切な
施策
に充当して参りたい。かように考えたわけでございます。 なお、
商工中金
はその
商工中金
の中に
特別会計
を設けまして、受入れました金は全部そこへ入れましてそこで運用をいたして参ります。勿論これについては
雑費等
も要るでありましようが、併しその使い方は先ほど申上げたように
通産大臣
が
諮問委員会
に
諮問
をいたしまして、その
方針
に
則つて
、
商工中金
と言いますか、直接
振興会
を通じてという形にはなりますけれども、
事務
は
商工中金
でや
つて
もらうというわけに相成るのでございます。このような金でございますので、いろいろこういう問題に関連して何か裏に暗い蔭でもあ
つて
は……というようなことにつきましては我々は特に注意をいたしたのでございまして、その
取扱
につきましてはそれぞれ厳重な、まあ何といいますか、監督ができるような
措置
をこの
法律
できめているわけでございまして、よく最近
政界浄化
の問題が出ておりますけれども、そういうことにならないように特に念を入れてこの
法律
を
作つて
いるつもりでございます。 以上のようにいたしまして一年間を経過いたしました後においては、この金は
国庫
に帰属をいたして参ることに相或るのでございまして、将来といたしまして然らばどうしたらいいかということになりまするというと、或いは
特別会計
を
政府
に設けるなり、或いは又公社のようなものを
作つて
これに
運営
をさせるなりというような考え方もあるわけでありますが、いずれにいたしましても、この際はこのまま放
つて
置きますというと全部
地方財政
に入
つて
しまうということは、
競輪法
を作りました当初の精神と余りにもかけ離れて行くことと、先ほど申上げたような
賭博性
の金を何か有意義なものにでも少しでも役立てるように
使つて
はどうかという
見地
からこういうような
法案
を
提案
することにいたした次第でございます。 或いはまだ私の
説明
では十分でないかと存じますが、何とぞ
一つ
十分御
研究
御
検討
を願いまして御賛同あらんことをお願い申上げるものでございます。
松平勇雄
5
○
理事
(
松平勇雄
君) 次に
衆議院議員小笠公韶君
ほか二十四名
提出
の
中小企業安定法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
の
説明
並びに
内容
の
説明
を
発議者小笠公韶君
から聴取いたします。
小笠公韶
6
○
衆議院議員
(
小笠公韶君
) 今回
通商産業委員会
に付託となりました
中小企業安定法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして
提案者
を代表いたしましてその
提案
の
理由
とその大要を申上げます。
我が国経済
に占める
中小企業
の
重要性
及び
我が国
の
中小企業
が現在当面している種々の困難な問題につきましては
皆様
御案内の
通り
でありますが、現在
中小企業
が直面している
不況
の原因の
一つ
は相対的な
設備
過剰に基く、過度の
競争
にあることは論を待たないところであります。
中小企業安定施策
は各
方面
に亘
つて
要請されるところでありますが、
中小企業団体
がみずから団結し、その
組織
の力を以てその
不況
に対処することが最も肝要なことも又論を待たないところであります。
中小企業安定法
がかかる
観点
に立
つて
中小企業安定策
の一環として制定されたものでありますことも
皆様
御
承知
の
通り
であります。
中小企業安法定
の
施行
以来すでに二年近くなりますが、その間
調整組合
も百を超えるに至り、その成果については多くの見るべきものがあるのでありますが、何と申しましても、
中小企業
はその規模が小さく、その数が多く、
全国
に広く分布しておりまして、その
組織化
について未だに多くの問題を残しておるのであります。特に
調整組合
の結成、その
調整事業
の遂行に当りましては常に
アウト
・
サイダー
の問題が存在し、
アウト
・
サイダー
の
規制
につきましては
本法制定
当時から多くの論議を生じたところでありまして、昨年の第十六
国会
におきまず
本法
の
改正
につきましてもこの点に
重点
が置かれましたのであります。
アウト
・
サイダー規制
に関する第二十九条の
通商産業大臣
の
命令
につきましては、爾来
関係方面
で種々
検討
を加えていたのでありますが、戦後の
経済政策
のあり方と関連して、前回の
改正
に際しましても単に第二十九条の
規定
の
範囲
内で
改正
を加えるにとどま
つて
いたのであります。 然るにその後、
政府
において
マツチ製造業
及び
タオル製造業等
について第二十九条
命令
を現実に発動することになるに至りまして、
アウト
・
サイダー規制
の
方法
として新たに
現行
の第二十九条
命令
の
規定
に実質的に
改正
を加える必要が生じて来たのであります。 更に昨年暮から屡次に
亘つて強
化された金融引締政策及び今
国会
で成立した均衡
予算
に基く
財政
政策が、
我が国経済
の再建のために止むを得ないものであり、その狙いが大
企業
を中心とする放漫経営の是正にあるとしてもその結果が
中小企業
に大きな影響を与えることが明らかでありまして、今回の新らしい
経済政策
はこの
中小企業
に対する影響を如何に緩和するかにその成否がかか
つて
いるとも言えるのであります。 このような事態に対処するための
中小企業安定施策
の一環としての
中小企業安定法
の運用について
検討
を加え、
中小企業
自体の自衛策としてその団結を容易にし、
アウト
・
サイダー規制
に関する
関係
規定
を整備し、
調整組合
の機能を強化しようとするのが今回の
改正
の主眼点をなしているのであります。 今回
提出
いたしました
改正
法案
の主なる点の概要を申上げますと、第一に、
アウト
・
サイダー規制
に関する
通商産業大臣
の調整
命令
の発動形式として、新たに
現行
のもののほかに、一定の条件の下に、当該業種に属する事業を営む者のすべてに対して、
調整組合
の調整規程の全部又は一部に従うべきことを命ずることができる制度を設けたことであります。 調整
命令
の
内容
として、製品の生産数量、出荷数量、販売価格、販売
方法
、生産
設備
の制限等があるのでありますが、
現行法
の
政府
の直接統制方式によりましては、現在の行政機構及び行政機能を以てしては外くの問題が存するのでありまして、今後の
中小企業
行政を考えるとき、
調整組合
の機構及び機能を活用することが適切であり、又望ましいあり方であると考えるのであります。ただ
アウト
・
サイダー規制
は現在の考え方を以てすれば、国家的要請に基く一種の統制でありまして、戦後の民主化政策の考え方からすれば、このような制度は国家の直接統制に対するいわば例外的な
措置
でありますのでその発動は一定の期間を限
つて
行い、必要があれば更に延長するという考え方をと
つて
いるのでありますし、又、
調整組合
自体がこのような制度に適した構成を持
つて
いる場合及び
アウト
・
サイダー
が少数の場合に限定しているのであります。 更にこの新らしい制度につきましては、この制度の本質に鑑みまして、種種の
関係
規定
を設けております。その一は、この
命令
を——この
命令
につきましては
説明
の便宜上二項
命令
と呼び、
現行
の
命令
を一項
命令
と呼ぶことにいたします——この二項
命令
をするに当りまして、
アウト
・
サイダー
の意見を聞く
機会
を与えている点であります。その二は、
調整組合
及び連合会に一種の調整権とも言うべき権限を与えているために、調整の公正な運用を期するため、
調整組合
及び連合会に対する
通商産業大臣
の監督
措置
を整備したことであります。その三は、
調整組合
又は連合会のした処分に対して不服のある者に対し
通商産業大臣
に対する不服の中立を認めたこと等であります。 主なる
改正
点の第二は、
現行
の第二十九条第一項の
通商産業大臣
の
命令
に関する
規定
の
改正
であります。二項
命令
の制度が新たに設けられまして、調整規程に従うべきことを命じ得るようにしたので、一項
命令
はいわば多少高度の
観点
に立つ直接統制となりますので、その
命令
は
本法
の
性格
上、調整規程又は統合調整計画を参酌して決定はしますが、国家的
観点
に立
つて
決定し得るようにいたしたのであります。 その他、一項
命令
、二項
命令
のあ
つた
場合にいずれもその実施の確保を図るために組合の検査員をして必要な補助をさせることができるものとして、行政機能の補完を図り、第二十九条の二の
規定
による生産
設備
の新設制限に関する
命令
について第二十九条
命令
と同時に発動できるように改め、更にその他の
関係
条項を整備しているのであります。 以上を以て本
改正
法案
の
提案
の
理由
につきまして概要を述べたのでありますが、何とぞ速かに御
審議
頂きまして、御賛同を得ますようお願い申上げる次第であります。
松平勇雄
7
○
理事
(
松平勇雄
君)
只今
説明
のありました三
法案
に対する本審査は次回に譲りたいと存じますが、時間も多少あるようでございますから、御質疑のおありのかたは御発言願います。なお
川島正次郎
君は
衆議院
における
委員
会の
関係
で御退席になりましたから、
小型自動車
法
関係
については、
政府
側から御
説明
申上げます。
海野三朗
8
○海野三朗君 この
自転車競技法
の制定は、私が
衆議院
におりましたときに、私どもも議員の一人として
提案
したのでありますが、今日この
競技
法の現状を見ますると非常に穴だらけであ
つて
、こういうふうなあり方を私どもは期待してお
つたの
ではなか
つたの
でありますが、非常に横這いといいますか、妙な方向に進みつつあるように思うのであります。この点についてその欠点、この
自転車競技法
の欠点をどういうふにお考えにな
つて
いらつしやるか、又それに対する対策もどういうふうにお考えにな
つて
いらつしやるか、そういう点をお伺いいたしたいのが先ず第一点。 それから今日までのこの
競技
法によ
つて
得たところのお金がどういう方向に使われておるか、その大体の結果を総括して伺いたいと思うのであります。
福田一
9
○
衆議院議員
(
福田一
君) お答えを申上げます。
自転車競技法
制定の当初におきましてはこれほど
競輪
が盛んになるというような、又これほどたくさん
財政
収入
が挙るものであるというようなふうには考えられておられなか
つた
ように
提案理由
その他でも
承知
をいたしておるのであります。ところがその後戦後の何といいまするか、一種の社会的な風潮によりまして非常に
競輪
がはやるようになりました。むしろ地方
競馬
等を食
つて
、最近は地方
競馬
などよりは
競輪
のほうがうんと
売上げ
が多くなり、当初は二十億乃至三十億円くらいの
売上げ
があるような
意味
でたしか
法案
を制定されてお
つた
と存じます。勿論これはその当時の何と言いまするか、貨幣価値と今と比べまして、大分今は貨幣価値が下落をいたしておりますのでそのくらいに見込んだわけでございますが、ところがその約三十倍ぐらい、今は六百億円以上の
売上げ
があるようにな
つて
参りました。そういう
意味
では
一つ
の大きな、
地方財政
にと
つて
も国の
財政
にと
つて
も
一つ
の
収入
を挙げるようになりました。一面におきましてこれはいろいろの社会的な問題を孕んでおるようでございます。従いまして私はこういうようなものによ
つて
地方財政
の歳入を上げるのがいいかどうか、今回は
地方財政
に全部、大体歳入の大部分を譲ることに相成
つて
おりまするが、こういうものを続けていいのかどうかというような問題は当然考えられて然るべきものであろうと存じてはおりますが、併し私たちといたしましては、それだからこそ何かこういう
収入
によ
つて
挙げられたこの資金というものを国家的な
目的
に適切有効に使う手段を考える、まあ何といいますか、罪ほろぼしというような
意味
でも、何か
一つ
いいことに
使つて
行かなければいけないのじやないかというような考え方を以ちましてこの
法案
を
提案
いたした次第でございます。 なお従来どのように使われてお
つた
かにつきましては、
政府委員
より答弁してもらうことといたします。
徳永久次
10
○
政府委員
(徳永久次君)
競輪
の従来の
売上げ
の中から御
承知
のように七五%はいわゆる
車券
といいますか
車券
を買
つた
人に帰るわけであります。二五%のうちから実際の
施行
に要します
経費
を除きました残りのものの一部が国へ、一部が地方へ行くということでございまして、その概数で申上げますと、先ほど
提案理由
の
説明
の中にございましたように、従来は
国庫
に一年に約二十億、それから地方に約四十億というものが
地方財政
に寄与してお
つた
ということでございます。その
地方財政
の年々の約四十億につきましては、主として住宅建設及び学校建設というものに各
施行者
の都市なり府県なりの
経費
に使われてお
つた
ということでございます。これはいわばこの事業そのものが戦災復興というものが
一つ
のスタートの当初に考えられてお
つたの
でありまするが、戦災によります住宅、或いは学校等の復旧というものに
重点
が置かれてお
つた
ということでございます。それから
国庫
に納まりました年年約二十億というもののうち、その三分の一は
産業
振興
、
自転車
を中心にした
産業
振興
に使わなければならないということにな
つて
おりまして、前年度で申しますと六億円程度でございますが、その六億円の
使途
につきましては二億を
輸出振興
関係
、それから四億を
自転車
産業
の合理化のための
融資
ということに使われてお
つた
わけでありまして、その結果
自転車
産業
がそれだけの恩典を受けました結果、どのように進展して参
つた
かということでございますが、これは
輸出
及び内需、いずれの点におきましても非常な
振興
をいたしておると私どもは考えておるわけであります。それを具体的に申上げますと、生産におきまして二十八年度におきましては
昭和
十二年が戦前の生産の最高でございますが、その二五%増の二百八十万台というものを生産するようにな
つたの
であります。その量が殖えましたばかりでなしに、品質及び価格の点におきましても進歩したわけでございまして、と申しますのは
自転車
産業
に対しまする
融資
等によりまして
自転車
産業
の
設備
合理化、
近代化
というものがこれは他の
産業
に比べまして一番恩恵を受けましただけに一番進んでおりまして、その反映かと思うのでございますが、
自転車
の品質が
向上
いたしまして、耐用年数その他もずつと延びましたばかりでなしに、価格においても他の
一般
物価の生産財、消費財の値上り状況に比べまして
自転車
は
相当
格安な地位にありながら、需要供給されており、これは品質のよくな
つた
点と値段が安くな
つた
点ということ、両方考えまして、この
競輪
によりまする
設備
の
近代化
の進んだこと、これが大いに影響しておるというふうに私どもは考えておるわけであります。
輸出
におきましても二十八年度におきましては一両年前の最高から若干低下いたしましたけれども、その
輸出
の総金額というものは戦前におきます
自転車
全体の総額に回復いたしておるわけでありまして、
日本
の
輸出
産業
全体を平均的に見ますると、三、四割程度しか回復の程度を示していない環境におきまして、而も又
自転車
の戦前におきまする大きな市場でございました大陸
方面
の需要も全然喪失したような事情にありながら、又インド市場というような大きな市場も喪失したような悪条件にありながらその金額は戦前の最高レベルまで回復しておるということは取りも直さず
自転車
が他のものに比べて著しく
輸出
の伸長力が大きいということに理解できると思うわけであります。両三年に中華民国の輸入がありました際には前年度より遥かに多い数字を示したのでありますが、私どもはこれだけ
競輪
から得まする恩恵というものが及んだというだけの効果というものは生産及び
輸出
の面にあ
つた
ということも考えておるわけであります。又
輸出
につきましても、例えば
競輪
から上りまする収益の中から
自転車
産業
に使いまする
輸出振興
費といたしまして市場調査なり或いは
日本
の
自転車
の紹介宣伝のためのカタログの領布等もや
つて
おりまするが、これらの地道な手のかかる
仕事
にほかの
産業
、ほかの
機械工業
に比べまして金が多く使えたということが、市場を丹念に調査することができましたことも大きな原因とな
つて
おると考えるわけでございます。又カタログ等もほかの
機械工業
、
機械
製品に比べまして手の届いたものができ上
つて
おりまする
関係
上、
日本
の
自転車
の
輸出
におきましてはそのカタログが取引台帳といいますか、そのカタログに掲げられておるナンバーいうものが
日本
の
輸出
取引の基礎ナンバーに使われておるというような工合に
相当
の裨益するところはこれまでにおいてあ
つた
というふうに私ども考えておるわけであります。
海野三朗
11
○海野三朗君 今の
技術
の
向上
といたしましては
技術
の
研究
の
方面
にもやはり金を支出しておられたのでありますが、品質の
向上
、それに対してどれくらいお金を出しなさ
つたの
であるか、又出しなさる
方法
はどういうふうにしてお出しにな
つたの
か承わりたいと思うのです。
徳永久次
12
○
政府委員
(徳永久次君)
輸出振興
と一口に申上げましたが、
自転車
の
輸出振興
のうち前年度で申しますと、年間で二億円
輸出振興
全体がございますが、そのうち
技術
振興
関係
が二十八年度で申しますると約一億二千万円が
技術
振興
関係
に
使つて
おるわけであります。これは地方庁或いは国の
研究
所、試験
研究
所を使いましたり、或いは民間の試験
研究
所を使いましたりいたしまして材質から機構に至りますまでのいろいろな
技術
関係
の進歩と、外国から見本を取寄せてそれの分析
検討
をや
つて
見たり、いろいろなことをや
つて
参
つた
わけであります。そういうことが基礎的に
日本
の
自転車
産業
の
技術
振興
に役立ち、それが
融資
金によりましてその基礎的な
研究
が
融資
が楽であるということによりまして
自転車
産業
自身のほうの
設備
の
近代化
が他の
産業
に比べてより多くできたというようなことが大いに裨益したゆえんだと考えておるわけであります。
海野三朗
13
○海野三朗君 例えばそういう際に、
技術
の
振興
に関してお金を出すというときにはどういう
方法
で今までおやりにな
つて
いたんでしようか、
通産省
のほうから……。
徳永久次
14
○
政府委員
(徳永久次君) 従来はすべて先ほど申上げました六億円というものにつきましても三億円は
融資
でございまして、
融資
のほうは前年度で申上げますと前年度は
中小企業
金融公庫が大本でございまして、そこから市中の銀行を通じまして
自転車
のメーカー及び取引
関係
の業界に
融資
されてお
つた
わけであります。二億円の直接的な
輸出振興
関係
の金につきましては
予算
と同じ費目の扱いでございまして、どういう団体に市場調査を担当してもらい、それにその
費用
をどう出すとか、或いは先ほど申しました
技術
振興
でございますれば国の
研究
所、或いは地方の
研究
所、或いは民間の
研究
所等に対しまする
研究
テーマをどう選択し、それに対して幾ら出すかということは丁度
予算
と同じように国が直接どこにどういう項目のために幾ら出すというようなことをきめて出して、
予算
から支出して出してお
つた
わけであります。
海野三朗
15
○海野三朗君 もう
一つ
お伺いいたしたいのは、そういうふうにして、つまりその業務の
振興
を図る、そのお金は国民金融公庫とかそういう
方面
に入れてそうして業者のほうに融通されるということでございますか。儲けたその純益、それはつまり事業の発展に対して貸付をする、こういう
方面
に今まで働いておられたわけですか。
徳永久次
16
○
政府委員
(徳永久次君) 先ほど申上げましたように、前年度で申上げますると六億円が
自転車
産業
中心に使われたわけでございますけれども、そのうちの四億円が
融資
でございます。これは先ほど言いましたように、四億円が大本が
中小企業
金融公庫から出まして市銀を
通り
ましてその
自転車
のメーカー及び販売業者の
設備
合理化資金、或いは運転資金という形で市中銀行から
融資
されてお
つた
わけであります。二億円の直接
輸出振興
関係
のものが海外市場調査なり、或いは紹介宣伝のパンフレツトの製作なり、或いは
技術
研究
のための補助金なり、或いは海外見本市に対する補助金になりましたり、さような形におきましてこれは
予算
と同様な手続によりまして丁度通商局の
輸出振興
予算
のようなふうに、用途をきめまして
予算
の項目を計上され、
予算
支出の形で
輸出振興
及
技術
振興
の費目に
使つて
おるということでございます。
海野三朗
17
○海野三朗君
提案者
にお伺いいたしますが、大体この
法案
が
通り
ましたときにどれぐらいの利益が挙るというお見通しでございますか。
福田一
18
○
衆議院議員
(
福田一
君) 大体
競輪
の
関係
で六億二千二百万円、それから
オート
・
レース
の
関係
の
納入金
が千八百万円、それからモーター・
ボート
の
関係
の
納入金
が一億七百万円、雑
収入
が五百万円、合せまして七億五千二百万円くらい上る
予定
に考えておる次第でございます。
海野三朗
19
○海野三朗君 有難うございました。
松平勇雄
20
○
理事
(
松平勇雄
君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
松平勇雄
21
○
理事
(
松平勇雄
君) 速記を始めて。 これにて休憩いたします。午後一時から再開いたします。 午前十一時四十二分休憩 —————・————— 午後一時四十七分
開会
中川以良
22
○
委員長
(中川以良君) 休憩前に引続き再開いたします。 最初にお諮りいたしますが、労働
委員長
から石炭の重大危機打開について当
委員
会に連合
委員
会の申入れがございました。殊に日にちを五月二十日にお願いしたいということを申入れて来ております。若しも当日不可能なときには
通産大臣
を労働
委員
会に出席をせられるようにしてもらいたい、こういう
意味
でございます。そこで当
委員
会はもう会期末でございますので、日程がもう全部組んでございますので、二十日に連合
委員
会を充てるわけには参りませんので、これはお断りを申しまして、
通産大臣
が
一つ
向うに出席をして頂くようにいたしたいと存じますが、如何でございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
23
○
委員長
(中川以良君) それではさように決定をいたします。 それからもう
一つ
は、地方行政
委員
会から
自転車競技法等
の
臨時特例
に関する
法律案
につきまして同じく連合
委員
会を申入れられて来ております。これは今お話したよう日程が組んでございますので、一応お断りを申したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
24
○
委員長
(中川以良君) それではさようにいたします。
—————————————
中川以良
25
○
委員長
(中川以良君) それから硫安に関する
法律案
につきまして、農林
委員
会にかか
つて
おりまする
臨時
硫安需給安定
法案
につきましては、先般の
委員
会において農林
委員
会との連合
委員
会をいたすことに定めたのでございまするが、大体当
委員
会において先般来この問題は
審議
をしておりまするので、もう連合
委員
会を申入れる必要がないと存じまするので、
皆様
方の御同意を得まするならば、
一つ
文書を以て農林
委員長
に申入れをいたしまして、連合
委員
会はいたさないことにいたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
26
○
委員長
(中川以良君) それではさように決定をいたします。 つきましては申入れをいたしまする件につきまして、ここに案文がございまするので、これを朗読いたします。
昭和
二十九年五月十八日 通商
産業
委 員会
委員長
中川 以良 農林
委員
会
委員長
片柳 眞吉殿
臨時
硫安需給安定
法案
に関する 申入れの件
臨時
硫安需給安定
法案
に関する衆 議院の修正中、保管団体の資格を農 業者団体に限定する点(送付案第六 条第二項)及び肥料
審議
会
委員
中、 肥料販売業者の代表者を減員する点 (送付案第十七条第二項第二号)は 商業者に対し不当な差別と好ましか らざる影響を与える結果となり立法 政策上の
見地
からするも穏当でない から
政府
原案に戻すよう再修正せら るるよう
委員
会の決議を以て要望す る。 以上でございまするが、御異議ございませんでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
27
○
委員長
(中川以良君) それでは当
委員
会の決議といたしまして農林
委員長
に今のような次第を申入れることにいたします。
—————————————
中川以良
28
○
委員長
(中川以良君) それでは先ず本日は硫安の二
法案
を議題といたします。前回に引続き御質疑をお願いいたします。
豊田雅孝
29
○豊田
雅孝
君 今回の
法案
によりますると、硫安、今回は
改正
の結果肥料の
輸出振興
を図るために
輸出
調整会社を設立するというのでありますが、一方
輸出
入取引法によ
つて
輸出
組合制度があるわけでありまして、この
輸出
組合制度によるならば一手買取
輸出
もできるということにな
つて
おるのでありますから、かような
輸出
組合制度を活用することによ
つて
特に
輸出
調整会社まで作る必要はないのではないかという感じが出て来ると思うのであります。ひとりこれは肥料
関係
のみならず、今回かような特別の会社を設立しなければ
輸出
の
振興
が図り得ないということになりますと、これが前例とな
つて
今後
輸出振興
を図ろうとするためには一一
輸出
会社を作らなければならんということになると思います。そういう面において折角
輸出
入取引法で
輸出
組合制度が設けられ、而も
相当
先般同
法案
審議
の際に
政府
側の答弁によりますと、
内容
も充実せられたるように
説明
を聞いておるのでありまして、この
輸出
組合制度で何故に足らないのかという点を明らかにしておきたいのでありますが、その点……。
中村辰五郎
30
○
政府委員
(
中村辰五郎
君) 御質問にお答えいたします。硫安の
輸出
につきまして、
輸出
取引法に基かずして特別の立法をいたしまして、
輸出
会社を必要といたしました
理由
につきまして、従来の経緯並びに組合法との
関係
を申上げたいと思います。硫安の
輸出
が問題になりましたのは、一昨年の秋でございましたか、
相当
国内の販売価格を下廻わります
輸出
価格で対印
輸出
をいたしたのでございます。この問題を契機といたしまして、硫安メーカーは海外に安売をして、国内の価格にこれをしわ寄せして、農民に対して割高の肥料を買わせているのではないか、こういうような問題でありまして、勿論肥料は農民にとりまして非常に現金支出等からしましても重要な資材でありますので、そうい
つた
問題の起りますことは止むを得ない当然のことであると考えます。そういう問題の解決の途といたしまして、勿論海外に
輸出
します数量を減産するということでありますならば、それだけ国内に売ります価格も割高にな
つて
来る、こういうような前提がございまするので、私たちとしては操業度を維持しつつ、国内にも適正な価格で販売いたしたい
方針
の下に、
政府
は一昨年の十二月に肥料対策
委員
会というものを作りまして、
関係
業界、或いは学識経験者を集めてこれが根本対策を
審議
いたしました。その際
一つ
のめどとしてきめられましたことは、操短はいかん、この
輸出
におきます赤字を国内に転嫁しない、こういう制度を必要とするということでございます。この方式としまして、メーカーはその赤字を自主的に処理するという一項がございまして、これらの点を彼此勘案いたしまして、
輸出
によります赤字をメーカー自身が処理するという建前でございますので、これが処理の方式としましては、
相当
期間、これが棚上げをしまして、合理化その他による黒字を出すことによ
つて
赤字を解消して行くという方式をとる必要が起
つたの
であります。この
見地
から申しますと、
輸出
組合が
法律
にもございますようにこれは
輸出
業者ということを
法律
的な要素といたしまして設立するものでございます。
輸出
組合で参りますと、
輸出
業者というものの団体でございますので、勿論メーカーの直
輸出
というものがございますれば、これは勿論参加いたし得るのでありますが、
只今
申しましたような生
産業
者の自主的な赤字処理ということの建前からいたしますと、
輸出
業者の参加いたします団体で処理いたしますことは不適当でございます。その
見地
からメーカーだけの
組織
を作りまして、これに対処する機関といたす必要がありますので、
輸出
組合方式をとらずにメーカーの
組織
いたします特別の一会社というものを作りまして、今申しましたような
方針
、趣旨で実際に運用いたす
組織
にいたしたのでございます。
輸出
組合におきましては、御
承知
のように、任意、自由加盟でございまして、そうい
つた
点から申しますと、
只今
申しましたような趣旨に副いかねる
組織
であると、こういう工合に考えたのでございます。
豊田雅孝
31
○豊田
雅孝
君 メーカーでや
つて
も直
輸出
をやる場合には、
輸出
組合の構成
委員
になれるという当時
政府委員
からは答弁があ
つたの
であります。
従つて
今回の主要メーカーでも
輸出
をする意図のあるもの、又その能力のあるものならばこれが寄
つて
輸出
組合を結成することによ
つて
目的
は達成できると思うのであります。なお赤字が出て来たような場合には、今回の会社で行
つた
場合でも、結局出資者たる
輸出
メーカーの負担にな
つて
来るのでありますから、その点においては
輸出
組合を結成した場合に、組合員たる
輸出
メーカーにその損失は負担せしめるということで行けば事は足りると思うのであ
つて
、何故に
輸出
組合制度ではいかんか、足りないかという点はそれだけでは明らかにならんと思う。その点で何故に
輸出
組合制度ではいけないのかどうかということをはつきり、或いはこれは通商局のほうから聞くのが適当なのかも知れませんが、その辺はどちらでもいいのですがはつきり……。
中村辰五郎
32
○
政府委員
(
中村辰五郎
君) 通商局の担当
政府委員
は出ておりませんので、私から便宜補足的になりますが、
只今
申上げた点に更に我々の
技術
的に問題にしております点を二、三申上げたいと思います。
輸出
組合の場合には三十人以上ということに相成
つて
おります。硫安は十四社でございまして、当然
輸出
業者を入れなければ法定から見ました組合員数を得られません。
只今
申しましたようにメーカーの自主的に赤字を解消せしむるという
組織
でございまするので、純粋の
輸出
業者というものを加えて処理いたしますよりも、メーカーの団体といたしまして、
輸出
業者に対してはその外で純粋な
輸出
業務ということに携わらしむることが適当である、こういう工合に考えたのでございます。
輸出
組合は勿論自由加入でございまするので、希望するものを拒否するわけに参りません。ただ硫安のこの
輸出
機構は繰返し申すようでありまするが、硫安の赤字に
輸出
のそれを積み上げて、適当な
機会
にこれが合理化等による利益によ
つて
減らして参るというような特殊な
仕事
をいたします建前から見まして、
輸出
組合によりますことが不適当だ、こういう工合に考えたのであります。
豊田雅孝
33
○豊田
雅孝
君
輸出
組合は言うまでもなくカルテルでありまして、この
輸出
組合を本格的に活用しようということになれば、殆んど会社と違わないような運用も私はできると思うのであります。又
輸出
組合は任意加入であると言いますが、今回できる硫安
輸出
会社にしましても、参加したくないものを強制するということもこれはできないのだということでありまして、その点もやはり組合制度と同じだろうと思います。ただ先ほど御答弁のありました同業者が三十人以上の場合でなければ
輸出
組合は作れんということにな
つて
いるからという点は尤もかと思うのでありますが、それならば
輸出
入取引法を
改正
せられて、そうして必ずしも三十人以上のメンバーでなければ
輸出
組合が作れんというような制限をしないようにするならば、私は
輸出
組合制度で十分
目的
を達し得るようになるのじやないか。ということは、若しも
輸出
組合制度が十分に活用せられない、又
輸出
組合制度で
輸出振興
が図れないということになると、一体何のために
輸出
組合制度があるのか。常時徹底した
輸出振興
方策として考えようという場合には一々
輸出
会社を作らなければならんということは、私はこれは大変だと思う。そのたびに特別法を作らなければならんということにもなるのでありまして、恐らく肥料について今回かような
措置
をとり、又それを
国会
で認めるということになると、或いは次には綱鉄についてやる、又あと他の化学製品についてもやるというようなことがあり得るわけなのでありまするので、その点から見て私は
輸出振興
方策というものを
一つ
のカルテルの形で行くということのために組合制度がある以上、それの足らざるところはこれを
改正
して、そうしてその
法律
によ
つて
十分
輸出振興
の実を挙げたらいいというふうに考えるのでありますが、その点についての御意見はどうですか。
中村辰五郎
34
○
政府委員
(
中村辰五郎
君) 硫安にこの制度を認めますその特殊な
理由
と申しましては、先ほども申上げましたように、硫安というものの
性格
が農業の必需重要物資でございまして、これが特別に海外の
輸出
による損失を転嫁されるという
意味
合いにおいての二重価格制と申しますか、これを非常に避けなければならない問題でございまして、これを避ける行き方としまして、
輸出
と国内の販売との経理的な遮断をいたす方式を考慮いたさなければならないというような経済的或いは政治的
理由
を含めましてここに成案をいたしたのでございます。三十人の員数を減らしてはどうかという御意見もございまするが、勿論これは私がそれについてちよつと御意見を申上げる資格と申しますか、立場にないためもございまして、通商局の
政府委員
が参られるそうでありますのでそのほうの御答弁に譲りたいと思います。 なおこうい
つた
性格
の会社を設けることが
輸出振興
上必要であると同時に、そうい
つた
ような必要を認めます場合は
輸出
組合法の存在
理由
というものが非常に薄らぐのではないかという御指摘でございまするが、勿論この硫安の
輸出
について特殊な
性格
を持
つて
おると私は考えるのでありまするが、その他の重要な
輸出
品につきましてこのような制度をとることがいいか悪いかという
通産省
の
一般
基本
方針
につきましては、
衆議院
の通産
委員
会等におきまして
通産大臣
より御答弁申上げている点もございまするので、本日大臣が御出席の際にこれも又大臣より
通産省
の基本
方針
としてお答え願うということに願いたいと思います。先ず私としましては問題の起りから申しまして、農民に
輸出
上の不利を転嫁して農民の犠牲において二重価格制度を維持するということが非常に困難でもあり、不適当でもございまするので、これを避ける
意味
合いで硫安メーカーの自主的な損失処理という建前を強く貫く
方法
としまして、内需、外需の政治的処理の遮断ということをいたしたわけでございます。その
意味
におきましてこのような構想が他の物資にそのまま適用をするべきものかどうかという点については、私は疑問であるというふうに
事務
的には考えております。
豊田雅孝
35
○豊田
雅孝
君 かような行き方を
輸出振興
を徹底して行く場合にはやらなければならんということになりますと、私はひとり肥料
関係
に限る問題ではなく、他の業種、業態につきましても
輸出振興
第一主義というような大きな政策が掲げられる
関係
から見ましても、漸次その方向に向いて行くだろうと思うのです。而も
輸出
会社を作ると、一方国内市場との
関係
で国内市場に対しては又別個に統制法規を必要とするというようなことになる傾向も出て来ると思うのでございまして、そういう面からはこれは非常に将来大きな問題を残して行くと思うのであります。
従つて
今後
輸出振興
第一主義の線に沿
つて
一体全体的な
方針
というものはどういうふうに考え、一方
輸出
入取引法により
輸出
組合制度というものについてどういうふうに総合的に見て行くか、或いは
輸出
組合制度を
改正
する考えがあるのかどうか、これらの問題につきまして
通産大臣
なり、或いは
通産省
当局から改めて意見を聞くことを留保いたします。
加藤正人
36
○加藤正人君 ここに「硫安工業の合理化」という言葉が謳われてありますが「硫安工業の合理化を促進するため必要があると認めるときは、硫安
審議
会の意見を聞いて、硫安の生
産業
者に対し、生産
設備
及び
技術
の
近代化
、
企業
形態の改善その他の
措置
を講ずべき旨を勧告することができる。」そしてその場合に「
政府
は、必要があると認めるときは、硫安の生
産業
者に対し、硫安工業の合理化を促進するため必要な資金について、融通のあつ旋その他適切な
措置
を講ずる」というのがありまして、これは今豊田
委員
が言われたように
輸出振興
の必要な事業はほかにも幾らもある、特にこういう
措置
をおとりにな
つた
ということについて質問されたのですが、こういう合理化を促進すべき必要がある事業はたくさんある。然るにこの点は硫安事業に特にこういう
法律
が出されておるのですが、これは結局国民の食糧に通じている問題であるために重大な扱いをいたしたためにこういう
措置
がとられるのでありましようが、この必要な資金について融通斡旋その他いろいろ便宜を与えるのでありますが、硫安製造会社が単に専門的に硫安だけを
作つて
いるという会社ばかりではないようでございますが、こういう
措置
をとる場合にこれは硫安のデパートだけに確実にこれが資金が使われるのは本来である、そうなくてはならんのでありますが、そういうことについてはつきりした見境いが何によ
つて
つくかという点をお聞きしたいのであります。
中村辰五郎
37
○
政府委員
(
中村辰五郎
君) お答えいたします。今の御質問の
硫安工業合理化
並びに
輸出
調整
臨時
措置
法の第三条及び第四条の趣旨でございますが、本立法に特別にこうい
つた
趣旨のものを
規定
いたしました私たちの
理由
として申上げたいことは、先ほど豊田
委員
の御質問にもお答え申しましたように、硫安の国内価格と
輸出
価格との二重価格制を早急にこれを解消するということが農民経済、或いは操業度維持或いは
輸出
の
振興
、いろいろな
意味
から申して二重価格制度の早急な解決ということが必要でございまするので、その解決の方策としましては海外の、特に西独等の非常にコストの安い硫安工業にできるだけ近付こうという建前から合理化ということをいたす必要がありまして、それが確保のためには資金の融通等を積極的にいたしたい、こういう趣旨を明らかにいたしたものでございます。 次に硫安工業のための合理化資金が総合的にや
つて
おります化学工業会社の他の部門に流用されるかどうかというような問題でございますが、それにつきましては勿論硫安会社の合理化の工事等に対する
内容
を
検討
いたしまして開発銀行等それぞれ必要といたします金融機関に推薦いたすのでありますが、その資金が合理的にその部門に費やされて期待された効果が挙
つて
おるかどうか、こういう問題につきましては農林
委員
会に付託にな
つて
おります
臨時
硫安需給安定
法案
というのがございますが、これの第十一条にございまするが、これは生
産業
者販売価格に関しまする
規定
でございます。通産、農林両大臣が硫安の価格を硫安
審議
会の意見を聞きまして販売最高価格をきめるのでございます。勿論この販売価格をきめます場合に、第一に重要となりますものはコストでございます。コストはその安定法の十三条等に
規定
がございまして、報告徴収は勿論、臨検検査等についても職権を以て調査をいたすことができるという建前にな
つて
おるのでございます。一方合理化のために特別の資金斡旋等をいたします
関係
等もありまして、それの資金効率を現実に農民の利益、或いは
輸出
の
振興
というところが狙いでございまして、これを確保する途として公定価格制度をとります。その公定価格制度は今申しましたような法規的な根拠に基きまして決定いたしまする
関係
がございまして、御指摘のような他の部門に流用されて本来の趣旨を没却したということのないように、こうい
つた
点で監督いたす建前でございますので、御趣旨に副いたいと考えております。
加藤正人
38
○加藤正人君 そういう心配はないということなら結構でございます。なおかような
融資
や何かで便宜を与えたためにだんだん合理化が進められて所期のコスト引下げが成功された暁には
輸出
の価格も国際価格に近寄るようなことになるかもわからんのでありますが、それが国際価格は四十ドル台になるのは何年頃、こういうようなどこかに資料があ
つた
ようですが……。
中村辰五郎
39
○
政府委員
(
中村辰五郎
君) 先般当
委員
会に御配付いたしました
硫安工業合理化
の総合的効果という資料がございますが、それの見通しで参りますると、
昭和
二十八年度を含みまする五カ年計画、三十二年を最終目標にいたしておりまするが、この五カ年計画は当初の三年間に資本投下としては大体集中いたしております。四年目には
相当
効果が現われて参りまするし、最終年度の三十二年度にはこれは完全に現われる。こういう目標にいたしております。硫安工業の合理化で大体ここに二千五百八十五円、操業度の
向上
その他ありまして計として五千五百九十八円、それに石炭鉱業の合理化等の利益を織込んでございまするが、大体十二、三ドルを目標にいたしております。石炭鉱業とかその他関連事業別にいたしまして硫安工業自体だけの合理化で考えますると二千五百八十五円、これは八ドル前後に相成りまするが、これを、大体
只今
申しました
昭和
三十一年度までに大体投下いたしまして、三十二年度には完全に効果の挙るようにというふうに考えております。関連
企業
の合理化につきましては、勿論それぞれの面から別に考えなければなりませんので、私としましては、自分の担当しております硫安工業の合理化という点についての利益を主として考えておる次第であります。 この国際価格の推移ということにつきましては、勿論今後の国際情勢等から判断いたしまして、いろいろ論議もできることと思いまするが、今日の西欧等の国内の販売価格、勿論西独等の硫安コストはどれくらいにな
つて
いるか、これがいろいろ書類その他で調べたいと存じて苦心をいたしましたが、又海外に旅行されます者に工場の視察等からこれが資料を得たいと要求いたしましたが、なかなかコストについては確たる資料を得るようなことができませんで、止むを得ませんので、私といたしましては西独等に行きまして、国内で販売されておる価格を元にしまして、それ以下の生産費はどのくらいかということを想定してこういう
施策
の参考にいたしておるという状況であります。まあその国によ
つて
も
相当
違いがございまするけれども、大体五十五、六ドル、或いは安い場合には国柄によ
つて
四十何ドルという特殊なものもございまするが、五十四、五ドルあたりが現在の販売価格でございます。勿論コストはそれを
相当
下廻る、五十ドルを割るのじやなかろうかという工合に考えるのでございます。そういう
見地
からいたしまして、私のほうの硫安工業の合理化の最終目標としては、五十ドル前後を、或いはそれを下廻るところを狙うのが筋かと考えておるわけでありますが、電源開発に伴う電解法等の操業度の
向上
でございますとか、石炭鉱業の合理化による利益というものを勘案いたしますと、大体五十ドル見当に進み得ると、こういう考えを持
つて
おるのであります。と同時に、なおこれは船運賃の推移に関連いたすことでありますが、船運賃が非常に時代の違いで安くなる場合も勿論ございますが、大体西欧の硫安が、我々が問題にしております韓国、台湾、フイリピン、或いはもう少し南に下りました地域に対する
輸出
仕向地等の
日本
と西欧との運賃上の差というものを考えますと大体四、五ドルくらいの差のあるのが通常だと言われますので、その点を併せ考えますると、特に
日本
の近隣地域に
輸出
いたします場合には十分
日本
の硫安に
輸出
する力があると、こういう工合に考えておる次第でございます。
加藤正人
40
○加藤正人君 幸いにして計画されておるように、五年後には五十ドルそこそこに安く製造できるということになれば結構でありまするが、今承わ
つて
おりますと、石炭鉱業であるとか、電源開発とかという、そのほかの工業の合理化の成果を待
つて
これに依存しておる部分も多いようでございまして、そう行けば結構でありまするが、なかなか計画
通り
も進まんと思いまするし、又仮に進むにしても、これは国際価格との見合いで商売が、貿易ができるのであります。併しながら、
日本
が合理化に努めておる場合にすでに
日本
より国際価格の安いものを要求しておる
競争
相手国はすでに安いのだ。これらが無為に手を拱いて
日本
の合理化を待
つて
いるはずがないのであります。更にこれが又合理化を今日や
つて
おるということになると、そのギヤツプはこのまま……どこか向うの努力次第で、もつと開くかもわからん。かようなことはないとは私は限らんと思う。そこで
政府
の計画
通り
行けばいいですけれども、行かない場合に、その
輸出
会社ができた以上これは
輸出
するのです。そこへ行くと二重価格の弊を矯めようしすれば何か
輸出
をして行かなければならんというと、その場合にこの会社がこうむ
つた
損失、こういうものを永遠に背負
つて
行くことになると思う。この結果は一体どういうことになりますか。
中村辰五郎
41
○
政府委員
(
中村辰五郎
君) 硫安工業の
日本
側におきます合理化の進捗状況、勿論それ以上に盛んに西欧その他の硫安工業の進歩ということが
相当
考えられると思いまするが、まあアンモニア工業というものを取上げて考えますると、硫安工業それ自体に画期的なな
技術
の進歩ということは先ず考えられない。勿論原材料の面におきますコスト上の差異というものが今日
日本
と他の国との差異の
重点
でございまして、アンモニア工業それ自体の
技術
的な優劣ということは、私は御指摘のような違いはないと思うのであります。勿論
技術
的なことでございまするので、進歩をしないというわけではございませんが、私はただ
日本
の化学工業の
技術
が常に西欧に劣
つて
おるんだというようなことは実は考うべき問題ではなくして、今後には勿論十分考うべき
我が国
の
技術
としてむしろ西欧或いはアメリカよりも優れておる、コスト上有利である、こういうものも決してないのではございません。硫安工業の、アンモニアの硫安工業としての問題についてはかようなものはございませんが、特に硫安五カ年合理化計画の中に尿素の生産ということを強く謳
つて
おるのでございます。勿論これは肥料の形態を変えるということでございまするので、硫安工業の合理化ではないではないかという御意見があり得ると思うのでありまするが、勿論尿素の生産におきましては、アンモニア工業の
一つ
の新らしい行き方としまして、特に最近化学工業の重要な新興製品とな
つて
おるのであります。この尿素の生産につきましては、
我が国
の
技術
、特に東洋高圧で発明されました新循環方式によります尿素の生産方式は、国際的にコストの上から他の追随を許さないというほどに
我が国
の尿素のコストを引下げておるいい生産方式でございます。この
技術
につきましては、特に欧州の或る国におきましては、これを導入したいという話を進めておるような状況でございまして、私は
只今
の御指摘につきまして、そうい
つた
一つ
の問題を取上げて答弁することは、勿論答弁としてな
つて
おりませんですが、私は
日本
の尿素工業、特に硫安のアンモニア工業としての多角的な総合化という
観点
からいたしまして、一方においては
只今
申しましたような新
技術
によ
つて
尿素の生産をやる、一方硫安の生産もやる、こういう総合的な発展の方式におきまして間接
経費
、或いは従来捨てておりました例えば尿素の生産に要ります炭酸ガスというものは硫安工業だけの立場からは、これは非効率に使用いたしてお
つた
次第でございます。尿素を総合的にやります新らしいアンモニア総合経営という
観点
からいたしますると、硫安のコストをも引下げる一石二鳥の手として非常に今日農村からの需要もあり、同時に
輸出
においても引合いが
相当
に多い尿素というものを取入れるということによりまして、
只今
の合理化計画の
一つ
の大きな部門として推進しておるわけであります。一例として申上げたのでございますが、そういう角度からいたしまして、私は西欧等のアンモニア工業の
技術
的進歩ということに対して
日本
は決して遅れをとるものではない、こういうふうに考えておる次第でございます。
加藤正人
42
○加藤正人君 まあそういうふうになれば誠に結構でございますが、余り楽観して事に当るということもどうかと思うのであります。そこでまあ仮にそういうことになれは甚だ万歳でありますが、それまでに
輸出
に伴うそういう損失が必ずあると思うのでありますが、その損失の処理をどういうふうにこれからして行こうというのですか。
中村辰五郎
43
○
政府委員
(
中村辰五郎
君) 本
委員
会に御
提出
申しましたこの
法律案
は五カ年間の
臨時
限定法の形をとりまして、御
提案
いたしております。私のほうの、
只今
申しました硫安工業の合理化は、大体五カ年を目標にして立てたものでありまして、この五カ年間の合理化計画が幸いにして完遂できますると
只今
申しましたような硫安工業だけで八ドル、他の関連
企業
の御協力を得れば更に四ドル以上の効果を挙げ得る。併せて海外の船運賃等の有利さということを考えますると、今後に
相当
の量を
輸出
できますと同時に、差当りの損失というものを合理化の効果の挙ります三年目、四年目、五年目あたりでこれを解消して参ろう、こういう見通しでございます。勿論これは見通しでございまするので、どういう結果が出ますか、これはなかなか確定的な見通しはできないのでございますが、私たちの考え方としては、
只今
申したような計画的に処理するという建前にいたすのでありますが、それならば、万が一これらの赤字というものが国際
競争
上或いは海外のダンピング等に会いまして
輸出
上の損失がなかなか処理できないというような問題が観念的にも想定し得られるのでございます。この問題につきましては飽くまでも
技術
的な合理化というものを推進する建前で、この損失を
政府
が負担するというようなこと、或いは他の従来暫定的にやりましたバーターの問題等を処理することはむしろ合理化を阻害するものである、こういう基本
方針
に基きまして、肥料対策
委員
会で結論を出しましたような、メーカーそれ自体が自己の責任において最終的に赤字を処理する、損失をみずから最終的に処理するという建前を完遂する趣旨を以ちましてこの
輸出
臨時
措置
法には
政府
が損失を負うということは
規定
もいたしておりません。同時にこの
輸出
会社は商法上の普通の会社
組織
をとりまして、勿論普通の会社
組織
でございますので、普通の会社の損失というものは
政府
或いは他の第三者に転嫁し得ない、勿論株主自身の最終的損失に帰するという建前にいたしておるのでございます。そういう建前にいたしております
関係
で、
只今
申しましたように、合理化と国際価格の推移、これとが不幸にしてこれらの五カ年計画遂行の過程或いは最後において実現いたしません場合には、メーカーの最終的な損失ということでこの問題を処理したいと考えるのであります。
加藤正人
44
○加藤正人君 そういう場合には、普通
一般
の株式会社と同様に出資者であるメーカーの損失に帰するということであ
つて
、国家に損害を及ぼすようなことはないというのですね。わかりました。これで私は終ります
海野三朗
45
○海野三朗君
輸出
組合がありますから、それを
輸出
会社にするというその根本の狙いを率直に
一つ
伺いたいと思うことが
一つ
。 それから、この硫安を
作つて
おる工場は、ここに示された大きな工場ばかりでございますか、合理化しようというのは……。硫安を造
つて
おる工場は
全国
で幾つありますか。その工場全体に及ぼして行こうというお考えなのですか。最も代表的なものだけを拾
つて
合理化を進めて行こうというお考えでありますか。それをお伺いいたしたいのです。
中村辰五郎
46
○
政府委員
(
中村辰五郎
君) 前の、
輸出
会社を特別に作らなければならないという
理由
でございますが、これは豊田
委員
の御質問にお答えいたしたのでございますが、根本的に申しますと、肥料は農業の生産の重要資材でございますが、同時に農家の現金支出の重要な部分でございます。この価格と申しますものが適正でなければならんということは申すまでもございません。一昨年硫安の対印
輸出
を
相当
低めて
輸出
したために、これらの
輸出
による赤字を国内の販売価格で埋め合せたのではないか、こういう非難がございまして、勿論農家経済の推進から行きましても、当然この御非難は何とか別途に片付けなければならん問題でございまするので、
政府
は肥料対策
委員
会を一昨年の十二月に設置いたしまして、同時にその
委員
会におきまして慎重
審議
いたしました結果、これらの
輸出
による赤字を内需に転嫁しない制度を作るということが
一つ
、その赤字はメーカー自身によ
つて
処理せしめる、こういう二つの原則を確定いたしたのであります。で、内需と
輸出
とを経理的に遮断するというためには、
輸出
によりました赤字を何もかもここにプールして棚上げしなければなりません。そういうような必要がありますので、
輸出
会社というものを一方に設けまして、国内の価格はまる公を設定して行かなければなならい、こういう建前に相成
つたの
でございます。
輸出
会社を特に認めました
理由
は、
輸出
による赤字を国内に転嫁しないで、その損失を棚上げしてこの会社で五カ年間に処理せしむるという建前にいたしたのでございます。 次に硫安工業の合理化に対しまする基本
方針
でございますが、硫安会社は
全国
で十四社、十七工場でございます。これには勿論資本、規模、その他につきまして大小はございまするが、硫安工業としましては十四社、十七工場でございます。この工場に対しましてどういうふうな合理化
方針
で以て臨むかという問題でございますが、硫安工業の五カ年計画の合理化の個々の具体的な
内容
を御覧になりましてもいろいろニユーアンスはございます。私のほうとしましてはできるだけ従来できております硫安工場のことでございまするので、現在差当り非常にコストが高いように考えられるものがございまするが、これらのものに対しましても、地域的な有利性、例えば消費地に非常に近い、こういう立地条件のものがございます。農村に対する配給物資でございまするので、必ずしも他の工場のように港に近いとかそうい
つた
点においての立地条件でなしに農村の消費地に非常に近いというような、そのために工場の生産原価としては他の工場に比べますと高いけれども、配給する場合の立地条件等を考えますると、必ずしも工場の裸生産コストということにだけ考えをいたすわけに行かないのでございます。それと工場を合理化する方式としてその地に有利な原料
関係
を持
つて
おる、或いはその傍に非常に総合的にガスの利用をし合うとか、そういうことからい
つて
非常に利益を得るような工場があるのであります。そういう工合に個々工場の特異性を考慮いたしまして、できるだけ十四社の合理化を進めて行きたいというのが私たちの気持であります。勿論工場に対しまするウエイトと申しますか、会社におきましてもその工場よりもこの工場に
重点
を置くというような考え方もあると思います。そういうような
意味
合いにおいて厚薄はございますが、既設の工場を最大限度合理化して、できるだけ全体の水準を引下げて行くというような工合に考えておるのであります。勿論これは
一般
の原則でございまして、個々の工場に対する具体的の合理化計画というものを考えませんと、個々の工場はこういう方式で行くというところまで分析しなければ私のお答えにはならんと思いますが、一応原則的に考えておりますことは、消費地における立地条件等も合せ考えて合理化を各工場について考えて参る、こういう気持でございます。
海野三朗
47
○海野三朗君
只今
輸出
についての赤字は農村に転嫁しない、内地のほうには転嫁しないようにというお話でありましたが、転嫁しないと言
つた
つて
、いつかはその赤字をどこかで埋めなければならない、それはどういうふうにしてや
つて
行かれますか。
中村辰五郎
48
○
政府委員
(
中村辰五郎
君) 私は個々の会社の赤字処理という問題につきましてはいろいろあると思いますが、勿論生産コストというものの相違から各社のニユーアンスは出て参ると思いますが、最終的にはこれは例えば硫安工業で申しますと今日までの再評価は大体四割程度くらいでないかと思います。残された評価の余地というものは六割或いは、これは平均的な見通しを申上げておるのでございますが、まあ最悪の場合にはこれらの再評価の留保というようなものをなし崩すというようなことにもなろうかと思います。そういう
見地
で勿論この会社に出資したものが先ず最初に損失補填の基金とは相成りまするが、これを更に個々の会社で最終的に処理するという場合には、他の事業の利益をこれに充てるということもありましよう。又そういうような手がない場合には、再評価による留保というものを崩すということもあると思います。
海野三朗
49
○海野三朗君 それははつきりしたお見通しがあるのでありますか、赤字を出しても、それは会社自体の負担において補
つて
行けるという見通しがおありになるのでありますか。その辺お伺いいたしたいと思います。結局赤字は、いつとはなしに国内に向けられる虞れが多分にあると私どもは考えるのでありますが。
中村辰五郎
50
○
政府委員
(
中村辰五郎
君) この赤字処理の問題でありますが、これは
輸出
価格の推移とか、或いは合理化の進む度合いとかいうことによ
つて
、それぞれの年度におきまする額というものが
相当
変
つて
来ると思うのでありまするが、硫安の合理化計画の最終
目的
というものと運賃の差等というものを考えますと、大体
日本
の合理化が五十ドル前後になりますと、運賃上のプラスというものはそのまま残る形になります。そういたしますと、大体西欧等が東亜、南亜に
輸出
するという場合でも最悪
日本
が五十ドルベースで西欧と運賃上の差があることを併せ考えて
輸出
価格を想定いたしますと、
日本
側としては今五十ドル或いはそれ以下に下げ得るという点を加味し、それから運賃上の差等があるということを考えますと、
日本
側としては
相当
黒字
輸出
になることを考え得るのじやないかと思います。西欧等のダンピング価格等を見ましても、極めてスポツト的な非常に安い価格は出ますが、韓国でありますとか、台湾等に対して
日本
が現在
輸出
しております二十五万トン乃至十六万トンというような大量の問題について西欧は
日本
側に非常に不利な
輸出
価格というものは出て参りません。一時的に二万、三万の非常に安いものが東亜、南至に出たということが過去に見られる事例でございまして、
我が国
としましてはこのような程度の合理化計画を推進いたしますならば、まあ西欧と十分東南亜で争いまして、東南亜と申しましても
日本
に非常に近い国などに
輸出
するということで、この赤字問題ということを長期に亘
つて
考えますならば解消し得るものという工合に考えておるわけでございます。
海野三朗
51
○海野三朗君 つまり赤字が出てもそれは五年なり或いは三年なりの長い間には黒字にな
つて
行くと、それで結局その赤字は内地には転嫁されないで会社品体の経済で賄
つて
行こうと、こういうお見通しなんでありますか。
中村辰五郎
52
○
政府委員
(
中村辰五郎
君) その
通り
であります。
海野三朗
53
○海野三朗君 大体何年ほどのお見通しでありますか。
中村辰五郎
54
○
政府委員
(
中村辰五郎
君) 合理化の計画として見ましては、
昭和
二十八年度を含みまして五カ年間でございまして、三十二年が最終でございます。資本投下としては最初の三年間にできるだけ集中投資いたしたいという考えで、年度別計画を立てておるわけでございます。四年目乃至五年目には、工事としては四年目まで工事をする
予定
にな
つて
おりますが、五年目にはこれらの工事ができ上りまして、全体の五カ年計画の利益が五年目には実現する。従いまして合理化としては三年目頃から効果が現われまして、四年、五年と順次増して参る、赤字の解消もそうい
つた
状況で進んで行くものと、こういう工合に想定いたしておる次第でございます。
海野三朗
55
○海野三朗君 その合理化につきましては
政府
はどれくらいのお金を各社に対して
融資
なさるお考えなんですか。
中村辰五郎
56
○
政府委員
(
中村辰五郎
君) 先般当
委員
会に配付いたしました合理化の各社別の工場名と所要金額の表をお配りしてございますが、五カ年間に大体二百二十七億程度の投資をいたす、勿論このうちに
財政
投資というものはその資料の註にちよつと書いてございまするが、二百二十七億は工事所要資金でありまして、その供給源としては
財政
投資もございますが、過半は自己資金、社債、市中銀行借入金等によることにいたしております。私のほうの
財政
投資として
対象
になりますものを更にこのうちから選別するのであります。その選別は勿論国の
財政
投資
一般
の計画と具体的に併せ考えて進めるわけでございますから、私の
事務
的な考え方からいたしますと、できるだけ
財政
投資を多く期待したいと考えますが、最近の状況等からいたしますると、そうも行かないという点もございます。それで自己調達或いは他の金融機関の協力を得なければなりませんが、開銀等に対しては六十億から八十億程度と一応期待しております。
海野三朗
57
○海野三朗君 農民に対しては数量を確保して迷惑をかけないというお話でありますが、数量が少くな
つて
来たりしますというと、勢い価格が飛び上る、その飛び上
つた
価格はえらく高くな
つて
も農民は泣く泣くそれを買わなければ
仕事
にならないという結果になると思うのです。それにつきましてその硫安の価格というものについてはどういうふうに正確にお定めになるお考えか。又農民に対してはつまりそういうような価格が上らないように幾らお定めにな
つて
も品物が足りないというと闇値というものがありまして、結局苦しむのは農民である、それに対してどういうふうな準備がおありになるのでありますか、その点をお伺いしたい。
中村辰五郎
58
○
政府委員
(
中村辰五郎
君)
只今
の御質問の点は、
臨時
硫安需給安定法にそれぞれ法的の根拠を持ちました制度で運用して参りたいと、こう思います。第一点は、安定法の第三条に、農林大臣及び
通産大臣
が肥料の需給計画を立てるとあります。これは勿論行き方としては硫安
審議
会の意見を聞くとかいろいろございますが、計画の
内容
は生産見込数量、それから国内の消費見込数量、それから
輸出
見込数量ということを考えるのでありますが、特に
只今
御質問の問題点、例えば需要見込が間違
つた
とか、或いは生産見込が何かの都合で非常に工合が悪いというようなことがございます。ございますが、これらの危険を防止する
意味
合いで需給調整用としての保留数量というものを
一つ
認めておるのでございます。これは大体の考えとしましては、需給調整用の保留数量というのは、国内消費数量の一割を基準として特別の保管団体に農林大臣が指定して保管せしむるのであります。国内の消費見込数量と申しますのは、大体過去三カ年の平均数量をとりまして、その一割、数量的に申しますと大体過去三年と言いますと百七十万トン前後が平均のようでございます。これには一割を基準としてございますから最高十七万トン程度の国内数量の調整保留をさせるということにいたしておりますので、先ず数量的にはこの制度の運用からいたしますと、御指摘のような危険は起らないと考えるのでございます。それで買うべきものがないから値段が上りはせぬかという問題でございますが、その点につきましても心配のないようにこの需給調整用としての保留数量を運用して参るということに相成るのでございます。その需給調整用の保留は第五条に農林大臣は特定の保管団体を指示してこれを保留せしめておくということでございますので、御期待に副うような価格上或いは数量上の調整作用をなし得ると私は考えておるのでございます。なお価格の点につきましては安定法の第十一条に農林、通産両大臣は硫安
審議
会の意見を聞いて硫安の最高販売価格をきめることにな
つて
おります。勿論最高販売価格でございますので国内の数量の多少の動きによ
つて
最高額まで行かないというような問題も起るかと思いますが、ここらの運用につきましては
只今
申上げた需給計画が先ず国内の需要見込、
輸出
見込というものを立てまして、その
範囲
で
輸出
せしめ、一方国内の数量或いは価格上の不安があります場合には一割の基準で保留しております硫安の適宜放出ということをいたして操作いたしますので、御質問のような問題点はないものと私は考えるのでございます。
海野三朗
59
○海野三朗君 私はもう少し勉強してから御質問いたしますから今日はこれでやめます。
中川以良
60
○
委員長
(中川以良君) 他に御質問ございませんか。 それでは肥料に関する二
法案
に対しましては本日はこの程度にしておきたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
61
○
委員長
(中川以良君) それではさようにいたします。
—————————————
中川以良
62
○
委員長
(中川以良君) 次に
航空機製造法
の一部を
改正
する
法律案
を議題といたします。前回に引続きまして御質疑をお願いいたします。
豊田雅孝
63
○豊田
雅孝
君 今回
航空機製造法
の一部を
改正
する
法律
によ
つて
許可制度を布かれるようにな
つた
わけでございますが、この許可の性質というのはいわゆるこの禁止の解除である許可と見ていいでしようか、特権を特別に付与するという免許でなく、
只今
言うような禁止解除をするという許可というふうに解釈していいでしようか、この点を先ずお聞きします。
徳永久次
64
○
政府委員
(徳永久次君) 許可の性質の点につきましては前段のほうの
意味
に考えて適当かと思います。
豊田雅孝
65
○豊田
雅孝
君 そういう性質の許可だとしますと、今度の場合
改正案
による手数料を徴収しておられるようですが、これは特許の場合或いは免許の場合に手数料を取ることもいいのかと思いますが、そのような許可において何万円というような許可手数料を取るということが一体どういうものか、この点について伺いたい。
徳永久次
66
○
政府委員
(徳永久次君) 手数料は
現行法
にございますのですが、なおこれにつきましては実は許可のあれにはございませんで、
現行法
は御
承知
のごとくいわゆる検査と申しますか、製造の確認の
仕事
がございますので、その
仕事
に関連して、程度に応じまして、いろいろな手数料は違いますが、その面で取ることにいたしておるわけであります。許可のほうにはそういうふうにな
つて
おりません。
豊田雅孝
67
○豊田
雅孝
君 そうすると今回許可制度をとるけれども、それに伴
つて
手数料を取るというような行き方はやらんというわけですか。
徳永久次
68
○
政府委員
(徳永久次君) さようでございます。
豊田雅孝
69
○豊田
雅孝
君 了承しました。 それから次の問題は、許可制度をとられるようにな
つた
について、許可の際に当該会社の経理を調査するというような
規定
はあるようでありますけれども、事後において、許可の後においてその経理を監督するという
規定
がないように見受けるのであります。ところが、航空機の製造事業なり或いは兵器
産業
というものは、今日の現状ではその基礎が非常に不安定でありまして、その結果日平
産業
のような不祥事が起きるのであります。
従つて
、許可の際に経理を見るのみならず、許可制度を布く以上は、許可後においてその当該会社の経理を絶えず見る、而うして思わしからざる場合には経理監督
命令
を出すというような
規定
が許可制度を布かれる以上は必要なんだろうと思うのでありますが、この点はどういうふうにお考えになりますか。
徳永久次
70
○
政府委員
(徳永久次君)
本法
におきまする許可の際に経理監督の
規定
を入れていないではないかというお尋ねでございますが、私どもこの前御
説明
申上げましたように、この
法案
をお出ししまして許可制にいたしまする趣旨というものは、いわば過当
競争
或いは過剰投資の抑制といいますか……というようなことを避けるという
意味
からの許可制でございまして、許可制にして初めてやつとまあ
企業
的に成立つということになるということでございまして、他の公益事業とか、或いは特別の特権を与えるとかいうものといささか違いまして、当然に独占的になるということを考えておるわけでもありませんし、
対象
が公益事業であるということでもございませんし、経理のところまで踏み込んで見て行くということは、この許可制にすることを必要としました事由等から見まして少し行過ぎになるというふうに考えるわけであります。勿論許可制でございますので、何もない場合よりは許可を受けた事業者が有利だということは、或る程度言い得るかと思いますけれども、これは公益事業の場合の許可制の場合と、或いは戦前にございました特殊会社のような国家から
財政
的その他の援助を法自体で特別に受けるということにな
つて
おるものとも
意味
が違いまするし、又許可制にしなければならないという事由から考えまして、経理監督まで踏み込むことは少し度を過ぎておるのではなかろうかというふうに私ども考えるわけでございます。
豊田雅孝
71
○豊田
雅孝
君 先般の日平
産業
の実例を見ましても、その会社が経営状況思わしからず不渡手形を出すというようなことになると、それの下請はもう忽ち非常な打撃を受け、それがために健全に
運営
してお
つた
下請まで例産するというような事態が現在起きておることは、御
承知
の
通り
であります。日平
産業
の場合は、正式の許可を受けておらなか
つた
から、まだあの程度で、
政府
に対する非難というか、これも大したことがなくて済んでおることだと思うのでありますが、あれが本当に許可会社にな
つて
お
つた
場合においては、その下請にあれだけの打撃を与えたということになると、
政府
の監督不行届きだというような問題が当然起ると思うのであります。
従つて
只今
のような質問をするわけなのでありますが、若しも将来航空機製造事業の許可を受けた後において、これが不渡手形を出すと、何百工場という下請工場に対して不測の損害を与えるというような場合が起きたら、これに対してどういう
措置
をとられるか、それから又さようなことにならないように事前においては具体的にどういう絶えず
措置
をとられるか、そういう点を具体的に伺
つて
おきたいと思います。
徳永久次
72
○
政府委員
(徳永久次君) 私ども許可制にします趣旨を考えて見ますと、
企業
的に過当に濫立しますことが却
つて
どの
企業
も成立たなくなると、せめて許可制にして或る程度のものは成立つようにという、そういう趣旨からの許可制でございますので、経営者が通常の経営上の善良な管理をいたしております場合に、まあ大過なくや
つて
行けるということに相成ろうかと思うわけでございますけれども、先ほど御例示ございました日平
産業
の場合につきましては、日平の
関係
の下請業者が甚だ御同情に値するような立場にお立ちにな
つて
おることは、私どもも率直に同じ気持を持つわけでございますけれども、同じことが実はほかの
産業
部門にも起
つて
おるわけでありまして、むしろ経営者の経営の
一般
的な不的確と言いますと差障りがあるかも知れませんが、そういうことに原因いたしておるように、私ども正確な点はまだ把握いたしておりませんが、金融機関の判断がさようなところにもあるようでございますし、これはまあ許可制等といわば直接の
関係
のない部面から、正確な表現にならないかも知れませんが、そういう面でございまして、従いまして、同じようなことが許可制になりました工場の場合に起
つた
場合に
政府
としてどう考えるかということでございますが、その事業としまして、必要、需要その他の
関係
から見まして、その
企業
の存立と申しますが、
企業
が或るスケールでや
つて
行くことを適当と考えるという立場におきまして
政府
は許可するわけでございます。ただそれを経営者のかたがうまくや
つて
行くかや
つて
行かないかということで問題がいろいろと起ることもあろうと思いますが、そこらの点につきましては
政府
が直接経営そのものに関与して行くということは、行政の
一つ
の妥当な権限を超える問題でございまして、むしろ
企業
は株式会社制度でありますので株主の問題なり、
相当
の事業資金を
融資
しまする債権者の問題なりという形におきまして批判され是正されて行くという領域の問題ではないか。即ち
政府
側といたしましては、その
企業
そのものの、その
企業
の備えておりまする
技術
的能力等から見ましてその
企業
が潰れることは期待しない、むしろ適正な経営者と置換えることによ
つて
、円滑に順調に継続されることを希望する、そういう立場になる場合が
一般
的な場合ではないかと予測するわけであります。
豊田雅孝
73
○豊田
雅孝
君
一般
的
関係
から事業が不振になり或いは経営が思わしからざる状態にな
つて
、これが下請のほうに影響するということが勿論あるのでありまするし、又許可事業であ
つた
場合においても一応その範疇に属することは言うまでもないのでありましようが、併しながら許可制度を布き、そして一たび許可をしておる会社であり、事業であるということになると、これは関連
産業
の面から見て見方は非常に変
つて
来ると思います。表面は如何にあろうともこれに対して
政府
の監督は
相当
行届いておる。大体航空機業なり或いは兵器
産業
というものはその基礎が不安定なものであればあるだけに許可制度を布く、そうしてそれを監督して行くのだから比較的許可制度を布かれる以上は安定感が当該事業についてはあるだろう、又安定もして来るだろう、こういう
関係
で下請なり関連
産業
がこれに接して行くのは当然のことだと思うのです。
従つて
問題が起きたときには私は
政府
は非常に場合によると、こういう批判もあり得るという覚悟は当然もう許可制度を布いた以上は持
つて
おらなければならない。
従つて
技術
面等については、今度の
法案
を見ると検査員等の工場派遣等もあるようでありますが、その検査員というのは大体
技術
関係
を主として見ておる。併しながら
一般
第三者として見た場合は、検査員までいる以上は、経理の
内容
でもこれは監督しておるというふうに見られるのが普通なんであります。そういう面から
技術
のほうの監督はや
つた
が、事業の
内容
は何ら監督しておらない、
政府
は何も知らないのだということでは済まされなくなると思うのです。
従つて
少くとも経理改善の勧告をする、その勧告に応じなか
つた
ときは
命令
する。
命令
に若し異存があれば不服の申立をしてもいいが、とにかく経理改善の勧告なり
命令
ができるような法制というのはこれは許可制度を布く以上、殊に
只今
言うように航空機工業のような不安定な事業の許可制度を布く上にどうしても必要なんだ。若しもその経理改善の勧告なり、或いは監督
命令
が制度としてできないならば、それに代るような何か実体的な
措置
なり運用というものを少くともや
つて
責任を持つのだということでないと、私は収まらんと思う。この点はこれ以上論議してお
つて
も始まらんかも知れないのですが、他の又
委員
からいろいろ御意見があると思うのですが、これらについては
規定
を変えてやるか、或いは変えなければ運用については、かようなる
措置
をと
つて
行つて
、将来不幸にして日平
産業
のような事例が起きた場合には、かような
措置
をとる、又こういうような事態の起らんように監督するのだという態度
方針
を内部で
研究
せられて、次の
機会
に発表してもらいたいと思うのです。 次に伺いたいのは、この航空機業は
只今
も申す
通り
にこの基礎が不安定なのでありますから、これを何とか今後育成するという上においては、曾
つて
はかような場合には税の減免等が行われたのでありますが、税の減免
措置
等を織込まなか
つた
理由
、或いは今後どういうふうに考えておられるか。更にMSA援助とこの航空機事業法との
関係
がどうな
つて
おるか、その二点。 それからもう
一つ
併せて……。他の
委員
御質問もあるでありましようから、先を急ぎますけれども、もう一点併せて聞いておきたいと思いますのは、第二条の五の
規定
によ
つて
、防衛庁の長官の意見を聞くというふうな建前にな
つて
おるのでありますが、常時、平常において航空機製造事業を監督する重工業局と防衛庁との間においての連絡機構というものの特列の構想を持
つて
おられるのか。更にいよいよ意見を聞いてそれを受入れられなか
つた
ときにはどういうことになるか、それらの点について伺いたいと思います。
徳永久次
74
○
政府委員
(徳永久次君) 航空機の製造事業につきまして特別の助成
措置
を考えることはないかということでございますが、原文上におきましても、他の
産業
よりは若干の優遇
措置
と申しますか、
輸出
産業
並みの優遇
措置
が他の税法上の償却等の
措置
ではとられておるわけであります。私ども航空機のように
技術
の進歩の早い
産業
におきまして、現在の税法上認められておりまする償却等の
措置
法において十分かどうかということにつきましては、目下大蔵省と相談中でございまして、現実の必要な程度に応じて
改正
してもいいというふうに相成
つて
おります。ただ法体系の問題といたしましては、こういう製造事業法の中に織込むという方式は、戦前の特殊会社法ではいろいろとられておりましたけれども、戦後におきましては税法上のいろいろな特別に関しまする別個の
法律
がいろいろ出ておりますので、 〔
委員長
退席、
理事
海野三朗君着席〕 その中における一部という形におきまして考えて行きたい、例えば輸入税の、生産
設備
の輸入のための関税の免税をする、或いは償却の特別の優遇とか、償却の年限の短縮ということで、税法上の体系であるとか、それぞれの体系の中におきまして航空機の事業の持
つて
おりまする
一つ
の客観的な価値といいますか、というものに相応するように現状の不満な点があれば
改正
して頂くというようなことで考えて行きたいということに
政府
部内の相談は相成
つて
おるわけであります。 なおMSAの資金の問題につきましては、これは航空機工業が終戦と共に壊滅しました状況から再び再建しなければならない事情にありまするのと、その間におきまする空白時代におきまする
技術
の進歩ということもございまするので、新らしく
設備
を整えて行きますということのために巨額の資金を要します事情もございまするので、まあ幸いにいたしましてMSAの小麦の見返資金勘定というものができまするので、その中から
相当
部分というものを航空機工業の再建のために必要としまする
設備資金
に出して頂くということで、目下
政府
内で相談中でございます。 それから第三のお尋ねがございました防衛庁との
関係
でございますが、この第二項にはいわゆるまあ武器を搭載しまする航空機の生産、修理の許可に当りましてはあらかじめ意見を聞くということにいたしておるわけであります。いわば防衛庁の専用機といいますかというようなものでございます。生産
関係
は
通産省
が担当するといたしまして、大きな需要者の立場には防衛庁が立つわけでありまして、これは今お尋ねのように
日本
の現状から見まして、生産の面からも防衛庁の注文もございまするし、例えばまあ余りいろんな種類の機種を考えられてそれが単位当りの機数が少くて
企業
ベースにのらないというような防衛庁の機種の選び方ということは、生産面といいますかからも歓迎いたしませんし、その面からの注文も出て来ると思いますが、同時に防衛庁から見まして、防衛庁のほうは全然採用する意思のないような機種のものにつきまして他の業者から申請があ
つた
場合にそれをその
企業
の
技術
その他が優れておるからとい
つて
通産省
がそれを許可して参り、そのために
設備
をして行くというようなことは如何にも無駄なことにも相成りまするし、両者の間にこれまでにおきましても緊密な連絡をと
つて
おりますが、今後におきましても緊密に連絡をと
つて
その間の齟齬のないようにいたしたい。その気分がここに表現されておるわけでありまして、まあ防衛庁の専用機になりますようなものにつきましてはその製造、修理についてはあらかじめ意見を聞くということに表現いたしておるわけであります。法制的にこの条文を厳密に解釈いたしますると、設置法等の
関係
から見まして生産責任は
通産省
にあることでもありまするし、防衛庁の意見が機種については合
つて
おるが、メーカーの選択等につきまして意見が合わないというようなこともあり得るかと思いますが、さような場合に意見が合わなくとも
通産省
が責任を以て許可して行くというような場合が観念的には設置法等の趣旨から見て純法理論からしてはあり得るという解釈が解釈上は正しいと思うわけでありますが、但し実際問題としては私どもさようなことの起らないように事前に相協力しながら緊密にや
つて
行きたいということを考えておるわけでありまして、じやその両者の連絡を緊密にするという面について何か機構的なものを考えておるかというお尋ねでございまするが、目下のところは制度的にそれを実現して行くということはまだ実は実現しておりません。ただ寄り寄りと或る程度の
通産省
の行政と縁の深い部面につきましての人的な連繋を図
つて
行くなりということ、或いは定期的に両者の担当におきまして連絡して行くこと、これは定期的な連絡は実は事実上の問題といたしましてはや
つて
おるわけでございまするが、いわゆる何と申しますか設置法とかそういう形のもので両者の協議会とかそういう形はなしていないわけでございますけれども、実際上は定期的な連絡会というものを持
つて
両者の
関係
を緊密にや
つて
おり、又ときたま定期的な連絡で済まない火急な場合には常時緊密に連絡するということは現在でもや
つて
おりまするし、これは今後も又やるべき必要のあることでありまするので、さようなことにいたしたい、継続してやりたいということは考えておるわけであります。
豊田雅孝
75
○豊田
雅孝
君 MSAの三十六億円の大部分が航空機事業育成のために向けられるのであろうということは想像せられて
一般
的にもいるようでありますが、具体的にい
つて
三十六億円のうちのどの程度が航空機事業に投ぜられて行くかということ及び今後MSAの援助を何年間くらいどうしても継続させなければ
日本
の航空機事業というものは育成できないのかというふうに見るかどうか、もつと具体的に言いますというと、航空機事業の一応育成が完了する資金計画というものは一体どういうふうにな
つて
おるか、その総額は大体どの程度で、そのうちMSA援助に依存しなければならんものが、どの程度で、自己資金はどの程度というような点を……。
徳永久次
76
○
政府委員
(徳永久次君)
只今
本年度の分といたしまして御
承知
の
通り
三十六億円が総資金ということに相成
つて
おるわけであります。これの使い方につきましては
政府
部内で目下
検討
中でございまして、まだ結論に到達していないわけであります。私どもが今生産の主管という立端で一応考えておりまする案は今のところで三十六億のうちまあ三分の二くらいを飛行機
関係
に、三分の一くらいを武器
関係
にというような見当で急ぐものにつきまして緊要度に応じて
使つて
行こうというような気持で今
関係者
と折衝いたしておるわけであります。 それから第二段にお尋ねがございました
日本
の航空機工業というものをうまく育てて行くために全体でどの程度のものが要り、それに対してMSAの金が今後どの程度期待をしておるかというお尋ねでございますが、この点は実は甚だ申訳ないのでございますけれども、現状では見込んだ長期の需要というものが十分立て得ない段階におるわけでございまして、御
承知
のように
日本
のまあ防衛計画そのものが保安庁等でもいろいろとああもか、こうもかと、いろいろな数字が立てられつつあるようでございますけれども、結論に到達していないような状況でございます。まあ航空機工業は民間機もございまするし、そればかりではないのでございますが、一番大きくは防衛庁の需要というものが大きな需要者に相成りますような
関係
から、その全貌を秩序立てて考えて行くというところまでは、今のところ十分に前提になりまする条件が整
つて
いないというような環境であるわけであります。ただ現実といたしますると、すでに航空機
関係
の修理、オーバーホールの米軍の極東に配置いたしておりまする空軍のまあ修理も出ておりまするし、それが更に現在はいわゆるプロペラ・エンジンの
機械
、或いはその搭載の部分品というようなことにな
つて
おりまするが、ジエツト・エンジンにつきましても、
機械
なり或いはエンジンなりというような注文が出るべく用意をされておる面もございまするし、或いは先日申上げました保安庁、防衛庁が本年度すでに練習機としまして本年度から保安庁
予算
を以ちまして発注することにな
つて
おります練習機というものもございますし、そういう目先の間近に迫
つて
おりまするようなものの需要といいますか、それに対する生産態勢ということを考えて見ました場合にも、この三十六億の中から急いで投下して行くということが必要な面が
相当
あろうかと思うわけであります。又ジエツトのエンジンにつきましては、これは防衛庁の将来のまあジエツト機の生産と需要ということを抜きにいたしましても、将来の民間航空全般がジエツト機に移るであろうという趨勢等も考えまして、又
日本
が終戦当時にその
技術
を或る程度のものをつかんでお
つた
というような経緯も考え、又そのジエツト・エンジンの
技術
を克服することが
日本
の
機械工業
全般の
技術
向上
に非常に大きな
意味
を持つというようなことも考えまして、ジエツト・エンジンそのものの生産に入ります前の試作の段階の
技術
的な
研究
というものを
相当
力を入れてやりたいというようなことも目先考えておるわけであります。そのためにも
相当
巨額の資金も要る事情もございまして、それらの面はこの三十六億円の資金からの投
融資
を期待する恰好の項目だろうというようなことをまあ考えておるわけでございまして、三十六億の使い方には実はそう不自由はしていないわけでございますが、併し、それのお尋ねの長期的な問題になりますると、前提条件のまだ不分明なものがまだ多々ございまして、立て方に私ども実は目下のところ悩んでおるというような状況でございます。
豊田雅孝
77
○豊田
雅孝
君
一つ
確かめて置きたいのですが、今のMSA援助についても長期資金計画が何か見通しがつかんというお話でありますからこれ以上追及もしませんが、併し
事務
当局としてはMSA援助を仮に三年間ぐらいは少くとも継続がなければ到底航空機事業の再建ということはおぼつかないとか、というような
一つ
の目安というものがあろうかと思うのでありますが、そういう点について伺
つて
おきたいと思います。 もう
一つ
は、MSA援助が全部
融資
の形でやるべきであ
つて
、投資というものにはやらないのだというふうにこうはつきりしているかどうか。その二点を伺
つて
おきたいと思います。
徳永久次
78
○
政府委員
(徳永久次君) MSAの援助の将来の問題につきましては、ちよつと
通産省
の私どもの立場から言いますと、なお、あればあることも期待するといいますか、という気持がございまするが、それがそうなり得るかなり得ないものかちよつと私どもでは判断がつかない問題でございますので御諒察願いたいと思うのであります。 それから第二のこの三十六億円のものにつきまして、
融資
だけか投資かということでございますが、これは
融資
のみならず投資もできる。条文上は使用又は運用ということで表現いたしてございますので、この
融資
以外に必要に応じまして投資ということもできるというふうにな
つて
いるわけでございます。
豊田雅孝
79
○豊田
雅孝
君 投資もできるということになると、今投資
対象
としているものはどうか。
融資
関係
につきましては、これは
融資
の
関係
として見て行くものでありますからここで承わらんでもいいのですが、投資まで行くということになるとどういう
対象
を今構想に描かれているか、その点だけ伺
つて
おきたいと思います。
徳永久次
80
○
政府委員
(徳永久次君) これはちよつと
政府
内でまだ
研究
問題でございますが、先ほど私三十六億円の使い方の例として挙げましたジエツト・エンジンの試作会社に対しまする援助の問題でございますが、今非常に小型のもので
研究
いたしておりますが、これを大型の試作といいますか、実際のスケールの大きさのエンジンの試作というものを考えて見ますと、
相当
大きな資金が要るわけでありまして、十数億円のものが要るということに大ざつぱにな
つて
いるわけであります。その
内容
を見ますと、そのうちこの将来の、試作だけではなしに、生産に使い得るような
設備
といいますか、
設備
の資金に非常に金が要ると思うのであります。仮にそれを国家的に国家資金で何らかの形で援助するといたしますと、十数億円のうち十億ぐらいは
政府
が援助しなければうまく試作、
研究
も行われないだろうということが懸念されております。そうなりますと、実はまああの会社は御
承知
のように過去にジエツト・エンジンにつきましての
技術
経験を持
つて
おりました民間の三菱、石川島、富士重工、富士精密の四社からその
関係
の
技術
者を全部供出し、四社の出資でできておる会社でございますが、そこに現在資本金が一億二千万円ぐらいでございますが、これを若干膨らませたとしましても、
政府
がやりまする国家資金の援助のほうが資本金に数倍するということに相成りますると、いささか均衡上もおかしく相成りますので、場合によりましてその会社そのものを特殊会社的に改組いたしまして、仮に十億円のものを
政府
がMSA資金の中から出すならば、これを出資の形で以てそうして会社そのものを特殊会社的な
性格
に切替えるということが穏当じやなかろうかというようなことを問題にいたしておるわけであります。さようなことが一
通り
取運びますとまあ出資ということで……、まあ出資にしましても試作
研究費
を主といたしますが、消えてしまう金でなしに、
設備
に該当するものは大きく残りますので、その
設備
に該当する部分くらいは出資にな
つて
も
企業
のあり方としては不穏当でないと認められますので、出資がいろいろな点から見て穏当じやなかろうかというようなことを考えております。
加藤正人
81
○加藤正人君 許可制になるためにここに(a)、(b)、(c)、と書いてありますが、それでこれはこの
法案
に直接
関係
のないことでしようけれども、今の
日本
の航空機製造
技術
の水準といいますか、これは一体どの程度のものと見たらいいでしようか。
徳永久次
82
○
政府委員
(徳永久次君)
日本
の航空工業のレベルにつきましては終戦と共にブランク約十年の経過が出ておるわけでありますが、航空機と申しましても、大きくまあプロペラの航空機とジエツト・エンジンの航空機とに分けて考えるべきだと思うのであります。プロペラのつきました機体及びエンジンにつきましては
日本
の終戦当時到達しておりました
技術
レベルというものは、世界の一流のものと殆んど遜色ないというふうに了解されておるわけであります。而うして国際的にもプロペラのものにつきましてはその後そう大きな進歩がないということでございまして、今十年間のブランクはございますけれども、今後再建いたしまして、若干の遅れはあるにいたしましても、急速に西欧のレベルに追付くということは可能であろうというふうに考えておるわけであります。ジエツト・エンジンにつきましては先ほどもちよつと申上げましたが、今回の戦争の末期におきまして、外国で実用機の段階までは進まなか
つた
ようであります。
日本
でも試作、
研究
がなされ、試験飛行を一回や
つて
非常に少い記録でございますが、終戦の数日前に試験飛行の一回目を
政府
が完了したという状況でございました。ただジエツト・エンジンにつきましてはその後におきまする各国の進歩というものは
相当
めざましいものがあるわけであります。これは十年間こつちは何もしないでブランクでお
つた
その間の進歩はございます。これをまあ向うの現状に追付きますまでに、ただ特許権を買
つた
だけでは追付けるものでもありませんし、そういう追付き方ではこれからの前進ということもむずかしいのであります。まあプロペラ・エンジンのようには行かないと思いまするけれども、併し三、四年もしますれば十分
日本
で生産の
技術
をこなして行くということもできるし、又
日本
の
技術
者では、まあこれは
技術
者はそういう心掛けでなければ困るでしようが、併しもつと世界のレベルの
日本
独自のいいものを作るというような意気込みでなされておるという状況であります。併し
相当
にジエツト・エンジンは遅れはございます。一番飛行機
関係
で遅れておりますのは飛行機の機体及びエンジンと申しますよりも、それに今では飛行機の部分を構成いたしておりまする電子機器工業の通信と言いますか、この電子機器で人間の勘でなしに、
機械
によ
つて
操縦するようにな
つて
おりますが、その面が一番遅れておるわけであります。この面はジエツト・エンジンは例えて申しますれば、簡単にと言いますか、背伸びすれば背が届くという感じでございますが、電子機器のものにつきましては今すぐどの程度で向うのレベルまでに到達し得るかというところの自信もつかないというような段階というのが率直に申しました
日本
の航空機工業の
技術
のレベルの現状ではないかというふうに思います。
加藤正人
83
○加藤正人君 この許可は外国人とか外国法人というものに許可をすることになるのですか。これは内外人を問わず、内外の法人を問わずということになるのですか。
徳永久次
84
○
政府委員
(徳永久次君) 法制的には格別の制限を実は置いておりません。ただ現状といたしまして、この外国法人の申請がすぐあるとか或いはそういう動きがあるとかというようなことは現状においては何らないわけでございます。
加藤正人
85
○加藤正人君 そこでこの許可の項に、(c)として、「事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び
技術
的の能力」という、能力の点は今伺
つたの
でありますが、経理的基礎ということですが、航空機と言
つて
もこのプロペラーのいろいろな部分品を作るのもその中に入るでしようし、いろいろなジエツト機を初めプロペラーの飛行機、
オート
ジヤイロ、いろいろなものを総合的に何でもできるというようなのも、航空
機会
社でやるとすると、その一体遂行するに足りる経理的基礎と言われておるのですが、一体これはどのくらいの程度までのスケールのものを標準にしておるのですか。その製造の部分の程度によ
つて
はこれはもう小さいものでも認めるというのですか。その点がこれではわかりかねるのですが、どうですか。
徳永久次
86
○
政府委員
(徳永久次君) その許可は機体、エンジンのみならずこの特定機器、この条文に掲げてございますものは許可制になります。例えば引込脚というような部分品といいますか、いろいろなものがあるわけでございまして、そういうものにつきましては仮にそれだけの専業の部分品メーカーがあるといたしますると、それに相応する経理的基礎というのはいわば何も何億円の資本を要しない、数百万円で結構だというような場合は当然出て来ると考えておるわけであります。ただ機体、エンジンになりますと
相当
の資本力或いは信用力というものがございませんと、結局中途半端に終るということに相成りますから、そういう場合の要素として判断の際にこの事項がものを言うということがあり得るというふうに考えております。
加藤正人
87
○加藤正人君 さつきの三十六億円の
使途
などもジエツト機などに
重点
的に使われるようですが、我々素人にはよくわからんが、いろいろ聞いて見ますと機体とか、そういう機構ができるとしても
日本
の工業の遅れていることは、例えば素材の質ですね、合金とかメタルの質とかいうふうに、形はそういう形をしておるが、その実質において非常に遅れておるという点があるように思うのですが、そういう根本的の基礎的の
研究
が私は必要ではないか。それでなければそういうものを輸入に待たなければならんと思うのです。そういう点にも大いに認識されておるか、又その計器であるとか、さつきのお話のあ
つた
ようなレーダーとか、いろいろ今日航空機が飛べばいいのじやなくて、飛び方にもよるし、いろいろな、飛びながら計画をするようなことも必要だと思いますが、そういうことを考えて見ますと三十六億なんという金はまるで焼石に水みたいなものである、こういう根本的な
研究
に
重点
を置いて推進しなければ、私はいつまでも西欧の後塵を拝して行かなければならんと思います。そういう点についても将来計画を進めて行かれるのかどうか、それを承りたい。
徳永久次
88
○
政府委員
(徳永久次君) 三十六億円のほうでは実は
研究
関係
には私ども考えておりますのは、先ほどちよつと申上げましたジエツト・エンジンの試作の点をいわば半分
研究
、半分生産といいますか、というような段階も考えておりますが、今御指摘になりましたように素材
関係
につきまして
日本
の
技術
が優れている面もあり、劣
つて
いる面も確かにあるわけでございます。殊にエンジン機器
関係
につきましては、先ほど申上げましたように格段に遅れておるというような事情があるわけであります。素材
関係
につきましては先般来から申上げます
通り
日本
の航空機の需要そのものが非常にまだ現状がつかめない段階にございまするので、従いまして生産の段階としての問題は現実のテーマに上るほどの段階に来ておりません。ただ併し
研究
といいますか、
研究
の段階におきましては、今から遅れないように我々としましても気を配る必要があると考えておるわけであります。その面につきましては、民間のいろいろな素材
関係
を
研究
しておる所につきましてもそれらの
研究
については
政府
としてもお手伝いしますからということで、
研究
を進めてもら
つて
おります。これにつきましては、御
承知
の
通産省
が別途持
つて
おります工業化試験、応用
研究
試験に対します援助四億円と二億円と持
つて
おりますので、その中からできるだけ優遇して促進したいというふうに考えておるわけであります。なお
技術
の点につきましては、
日本
の戦前の
技術
も
相当
進んでお
つたの
でありますが、戦後の遅れもありますし、これは民間
企業
のほうでいわゆる外資による
技術
提携という形におきまして急速に外国の
技術
に到達し得るということで、その
技術
提携によ
つて
遅れを取戻す、現在の
技術
を吸収して行こうという動きが現に有力な計器メーカーの間で進められております。これによ
つて
回復し得るのではなかろうかというふうに考えております。
加藤正人
89
○加藤正人君 素材の点などは
日本
が進んでいる点もあれば遅れている点もあると言われたのですが、私は優れている点もあるでしようけれども、遅れている点が大いにあると思う。例えば工作
機械
にしても残念ながら
日本
の品物はまるで体裁ばかりで形はよくな
つて
おりますけれども、実際使用する上においては幾多の欠点だらけであります。特に精密
機械
の用途になる素材なんというものは、精密
機械
にするだけの実質を備えるような素材ができない。スイツツルのようにジグボーリングのようなものは素材がよくなければとてもできない。こういう点を見ると
日本
の工業化というようなものは情ないです。今日航空機を造るというのは僕は口はば
つた
いように思うのであります。そういう点でこういうことも必要と思うのですが、私は造るというよりも、そういう基礎的な
研究
に
日本
はこれから大いに力を入れ、金を入れて行かなければならぬと思うのです。この点はあなたのような立場におられるかたは無論認識されておるでしようけれども、特に御認識を願いたいと思う。これは最も
日本
の遅れている点で、如何にも体裁はいい、何でもそうです。
機械
の体裁は実にきれいですけれども、
使つて
見たらまるでな
つて
おらん、剃刀の話でもそうです。情ないです。口ばかり大きいことを言うが、実質は
日本
の物はな
つて
おらんと私は思います。それは私の要望でございますが、最後に手数料の点なんですが、この手数料というのはこの表によると、一万九千円とか一万四千五百円とか千三百円とか、これはどういうことなんです。こういうものをもら
つて
これはどうにかなるのですか。
徳永久次
90
○
政府委員
(徳永久次君) 手数料は実は先ほどもちよつと豊田先生の御質問にお答えしましたが、
現行法
の中に航空機の主として、俗に言いまして検査でございますが、実際の生産の際に検査を
政府
でやるようにな
つて
おります。その場合にその
設備
及び実際の生産の際の検査の程度に応じて額が違
つて
おるわけでありますが、これは実は算出の根拠から申しますと或る程度の実費主義といいますか、というつもりで算出して
現行
のこれができてお
つた
わけでありますが、実はこの
法律
を
施行
いたしましてその後の実際の経緯といいますか、経験上考えて見ますと、実費主義から出ておりましたものが非常に割高であるということを実は発見いたしまして、これは民間にそれほど迷惑をかけるのもおかしいということで大幅に価下げいたしましてほぼ半額程度のものに
改正
いたしまして、この
改正
は先月の十四日から
施行
いたしておりますが、例えば最初にございますが四万一千円というのは二万九千円、二万一千円のが一万四千円、一万四千円のが九千七百円、七千円のものが四千八百円、或いは四千百円のものが千三百円、二千百円のものが七百円というような工合に値下げをいたしております。
加藤正人
91
○加藤正人君 私はこういう
収入
を国家が別に当てにしているのでなければ実費を取ることは、むしろこんなものは取らんほうがいいのじやないかと思うのですね。それにどういうあれがあるかわからんが、こういう程度の金を取
つて
見たところが何にもならんと思うのですが、何か取らなくちやならんわけが別にあるのでしようか。
徳永久次
92
○
政府委員
(徳永久次君) これは、例えば特許の登録その他の出願手数料とか、受益者に或る程度の負担をおかけするというような、そういうものの程度の均衡上からでございまして、
財政
のスケールから考えますと問題にならんものだと思うわけであります。
海野三朗
93
○
理事
(海野三朗君) 本日はこれくらいにしておきたいと思います。 明日の審査日程の変更について御了解を得ておきたいと存じます。昨日決定しました日程によりますと、明十九日は午前、午後に亘
つて
請願、陳情を審査することにな
つて
おり、そのうち電力
関係
は調査案件と共に午後の部に行うつもりでいましたが、
政府委員
の都合によりましてこれを午前の部において行うよう変更いたしたいと存じます。御
承知
おきを願いたいと存じます。 本日はこれを以て散会いたします。 午後四時四分散会